• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
審判199418881 審決 商標
審判199935082 審決 商標
不服201511702 審決 商標
異議2010900090 審決 商標
不服200511818 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W07
審判 全部申立て  登録を維持 W07
審判 全部申立て  登録を維持 W07
管理番号 1303145 
異議申立番号 異議2015-900055 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-02-12 
確定日 2015-06-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5727460号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5727460号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5727460号商標(以下「本件商標」という。)は、「ガジラ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成26年6月26日に登録出願、第7類「土木用コンクリート破砕機,土木用鉄骨・鉄筋切断機」を指定商品として、同年12月4日に登録査定、同月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第4184114号商標(以下「引用商標」という。)は、「ガジラー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成9年5月1日に登録出願、第7類「土木機械器具」を指定商品として、同10年9月4日に設定登録され、その後、同20年6月17日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標は、「ガジラ」の片仮名からなるものであるから、「ガジラ」の称呼を生じるものである一方、引用商標は、「ガジラー」の片仮名からなるものであるから、「ガジラー」の称呼を生じるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「ガジラ」の3音を同じくするものであって、わずかに末尾において長音の有無の差異を有するにすぎず、さらに、両称呼が第1音の「ガ」にアクセントが置かれるものであるため、その長音の有無が称呼全体に及ぼす影響は少ないことから、両商標は、称呼上、類似する商標である。
また、本件商標と引用商標とは、外観においても、末尾の長音記号の有無が相違するにすぎず、例えば、障害物を意味する英単語「barrier」が「バリア」又は「バリアー」と長音の有無を違えて片仮名表記されることに鑑みても、時と所を異にして各商標に接する需要者にとっては紛らわしいものであるから、両商標は、外観上、類似する商標である。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、それぞれ前記1及び2のとおりであるから、同一又は類似するものである。
(2)以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、前記1のとおり、「ガジラ」の片仮名3文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、既成の語とは認められないものであって、特定の意味を想起させることのない一種の造語として看取、理解されるものとみるのが相当であるから、「ガジラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「ガジラー」の片仮名4文字(長音符号を含む。)を標準文字で表してなるところ、該文字は、既成の語とは認められないものであって、特定の意味を想起させることのない一種の造語として看取、理解されるものとみるのが相当であるから、「ガジラー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、上記のとおり、いずれも3文字又は4文字という短い文字構成であるため、視覚上、末尾における長音符号「ー」の有無という差異を容易に認識し得るものである。
また、本件商標から生じる「ガジラ」の称呼と引用商標から生じる「ガジラー」の称呼とを比較すると、前者は、いずれかの音が強調されることなく、全体が抑揚のない調子をもって発音されるといえるものであるのに対し、後者は、「ラ」の音に長音が伴うことにより、該音が強調され、かつ、その母音「a」が余韻として聴取されるように発音されるといえるものであるから、3音又は4音(長音含む。)という短い音構成からなる両称呼において、上記音調の差異が称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聴別し得るというのが相当である。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。
イ 本件商標の指定商品である第7類「土木用コンクリート破砕機,土木用鉄骨・鉄筋切断機」とは、土木工事においてコンクリートを破砕したり、鉄骨又は鉄筋を切断するために使用する機械であるから、その取引者、需要者は、主として該機械の製造、販売業者や土木工事業者であることが容易に推認されるところ、そのような者は、該機械に関して一定程度以上の知識、経験を備える者に限られるとみるのが相当である。
また、上記機械は、通常、相当高額である上、その性能等が重視される商品といえるから、本件商標を使用した商品の取引者、需要者は、その購入等に当たり、自らの有する知識、経験に基づいて、慎重に検討し、十分な注意を払うとみるのが相当である。
ウ 本件商標の商標権者が原審において提出した早期審査に関する事情説明書や意見書等を含め、当審において職権をもって調査したところ、本件商標を使用した「土木用コンクリート破砕機,土木用鉄骨・鉄筋切断機」は、本件商標の商標権者の業務に係る商品として、2011年(平成23年)8月ないし2013年(平成25年)4月の間、機械の性能等を競う全国向けテレビ放送番組において、複数回取り上げられ、話題になった。
エ 上記アないしウにおいて述べたことを総合勘案すれば、本件商標と引用商標とは、類似する商標であるとはいい難く、本件商標をその指定商品に使用した場合、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとはいうことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-06-18 
出願番号 商願2014-53350(T2014-53350) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W07)
T 1 651・ 261- Y (W07)
T 1 651・ 263- Y (W07)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 原田 信彦
田中 敬規
登録日 2014-12-19 
登録番号 商標登録第5727460号(T5727460) 
権利者 株式会社タグチ工業
商標の称呼 ガジラ 
代理人 中馬 典嗣 
代理人 竹沢 荘一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ