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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W03
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W03
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W03
管理番号 1303047 
審判番号 不服2014-650076 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-14 
確定日 2015-05-11 
事件の表示 2012年11月28日に事後指定が記録された国際登録第394002号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「JULES」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第3類に属する商品を指定商品として、2012年(平成24年)11月28日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。
そして、その指定商品については、原審における2013年(平成25年)9月20日付け手続補正書及び当審における2014年11月21日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、第3類「Perfumery and beauty products(cosmetics);make-up,essential oils,cosmetics,hair products(cosmetics).」となったものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1586877号商標(引用商標1)
商標 :別掲1のとおり
登録出願日 :昭和48年4月21日
設定登録日 :昭和58年5月26日
最新更新登録日:平成25年4月9日
書換登録日 :平成15年8月20日
指定商品 :第3類「化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」
(2)登録第5134621号商標(引用商標2)
商標 :「SPA+WELLNESS」及び「JOULe」の欧文字の二段書き
登録出願日 :平成19年11月2日
設定登録日 :平成20年5月16日
指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き」
(3)登録第5572321号商標(引用商標3)
商標 :JOUR(標準文字)
登録出願日 :平成24年6月12日
設定登録日 :平成25年4月5日
指定商品 :第3類「化粧品,香料」
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び3との類否について
ア 本願商標
本願商標は、「JULES」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、フランス語の辞書には「ジュール(男子の名)」との記載があるものの、わが国において一般に知られているとはいい難いことから、一種の造語として理解されるものというのが相当であって、本願商標からは、特定の観念を生じないものである。
そして、特定の語義を有しない造語にあっては、我が国において広く親しまれている英語又はローマ字読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、「JULES」の文字からは、「ジュール」の称呼のほか、「ジュレス」の称呼を生じるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲1のとおり、「Jours」の欧文字と「ジュールズ」の片仮名とを上下二段に書してなるところ、上段の「Jours」の欧文字は、フランス語で「日、1日」等の意味を有する「jour」の語の複数形(「クラウン仏和辞典 第3版」株式会社三省堂発行)であり、「日、日々」の意味合いを理解させるものである。また、下段の「ジュール」の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものとみるのが自然である。
したがって、引用商標1は、その構成全体に相応して「ジュール」の称呼を生じ、「日、日々」の観念を生ずるものである。
(イ)引用商標3は、「JOUR」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は上記のとおり、フランス語で「日、1日」等の意味を有する語である。
したがって、引用商標3は、その構成文字に相応して「ジュール」の称呼を生じ、「日、1日」の観念を生ずるものである。
ウ 本願商標と引用商標1及び3との類否
(ア)本願商標と引用商標1とを比較すると、外観においては、本願商標は、欧文字のみからなるのに対し、引用商標1は、欧文字と片仮名の二段書きであり、また、両者は、欧文字部分のつづりが異なるなど、外観上、明らかに相違し、相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本願商標は、「ジュール」及び「ジュレス」の称呼を生ずるのに対し、引用商標1は、「ジュール」の称呼を生ずるところ、両商標は、「ジュール」の称呼を生ずる点においては共通するものの、「ジュレス」の称呼と「ジュール」の称呼との比較では、2音目及び3音目において、「レス」の音と、長音及び「ル」の音に差異を有するものであるから、音調、音感が明らかに相違し、聴別できるものである。
そして、観念においては、本願商標は、特定の観念を生じないものであるから、引用商標1とは比較することができず、観念上、類似するとはいえないものである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、称呼を同じくする場合があるとしても、外観においては明らかに区別できる差異を有するものであり、観念においても類似するとはいえないものであるから、これらを総合して判断すると、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(イ)本願商標と引用商標3とを比較すると、外観においては、それぞれの文字のつづりが異なることから、両者は、外観上、明らかに相違し、相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本願商標は、「ジュール」及び「ジュレス」の称呼を生ずるのに対し、引用商標3は、「ジュール」の称呼を生ずるところ、両商標は、「ジュール」の称呼を生ずる点においては共通するものの、「ジュレス」の称呼と「ジュール」の称呼との比較では、2音目及び3音目において、「レス」の音と、長音及び「ル」の音に差異を有するものであるから、音調、音感が明らかに相違し、聴別できるものである。
そして、本願商標は特定の観念を生じないものであるから、引用商標3とは、比較することができず、観念において類似するとはいえないものである。
してみれば、本願商標と引用商標3とは、称呼を同じくする場合があるとしても、外観においては明らかに区別できるものであり、観念においても類似するとはいえないものであるから、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)引用商標2について
本願の指定商品が前記1のとおりに補正された結果、補正後の指定商品と引用商標2の指定商品とは、抵触しないものとなった。
したがって、引用商標2をもって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審決日 2015-04-22 
国際登録番号 0394002 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W03)
T 1 8・ 262- WY (W03)
T 1 8・ 261- WY (W03)
最終処分 成立  
前審関与審査官 板谷 玲子林田 悠子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
清棲 保美
商標の称呼 ジュールズ、ジュレス、ジュール 
代理人 田中 克郎 
代理人 宮川 美津子 
代理人 稲葉 良幸 

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