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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W01
審判 全部申立て  登録を維持 W01
審判 全部申立て  登録を維持 W01
管理番号 1301774 
異議申立番号 異議2014-900328 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-11-28 
確定日 2015-06-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5698108号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5698108号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5698108号商標(以下「本件商標」という。)は、「OMNIA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年6月17日に登録出願され、第1類「化学品」を指定商品として、同26年7月29日に登録査定、同年8月29日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第4717651号商標(以下「引用商標」という。)は、「OMYA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年8月1日に登録出願され、第1類「プラスチック製造用の化学品,紙製造用の化学品,顔料製造用の化学品,弾性ゴム及びゴム製造用の化学品,炭酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,その他の化学品,非金属鉱物,植物成長調整剤類,肥料,原料プラスチック」及び第2類「顔料,染料,ペイント,ラッカー,塗料,印刷インキ(「謄写版用インキ」を除く。)」を指定商品として、同15年9月16日に登録査定、同年10月10日に設定登録され、その後、同25年7月2日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 商標の類似性
(1)外観
本件商標は、欧文字「OMNIA」を標準文字で表してなる。
これに対し、引用商標は、欧文字「OMYA」を標準文字で表した構成である。
本件商標と引用商標とは、5文字と4文字という少ない構成文字において、その大部分の3文字(「O」「M」「A」)を共通にしており、具体的には、商標の識別上極めて重要な語頭の2文字「OM」が同一であって、さらに、語尾の「A」をも共通にするものである。すなわち、本件商標は、その印象を決定付ける語頭の2文字だけでなく、語尾1文字をも引用商標と共通にするものであるから、外縁(語頭及び語尾)の共通性により、両商標は、外観構成上、共通の印象を需要者に与えるものである。
すなわち、本件商標は、引用商標と、外観において極めて相紛らわしい類似の商標である。
(2)称呼
本件商標「OMNIA」は、その構成文字に照らし「オムニア」の称呼を生じる。
これに対し、引用商標「OMYA」は、その構成文字に照らし、「オムイア」及び「オムヤ」の称呼を生じる。
本件商標の称呼「オムニア」と引用商標の称呼「オムイア」とは、中間音において、「ニ」と「イ」とで1音相違するにすぎない。しかも、相違音である「ニ」は、「イ」を母音とするものであり、かつ弱く発音される通鼻音であるうえ、称呼上極めて特徴的な印象を与える語頭の「オム」に続き、称呼上の印象の薄い中間音に位置するものであって、語頭の「オム」の印象に埋没し、ますます聴別し難い音である。すなわち、本件商標の称呼「オムニア」と、引用商標の称呼「オムイア」とを一連に称呼した場合、称呼上の印象の極めて薄い中間音における「ニ」と「イ」の相違は極めて聴別し難く、相紛らわしい称呼上類似する商標である。
さらに、本件商標の称呼「オムニア」と引用商標の称呼「オムヤ」とも、語尾の「ニア」と「ヤ」において相違するにすぎない。すなわち、称呼の識別上最も重要な語頭の2音を共通にするうえ、本件商標を一連に称呼した場合、中間音に位置する通鼻音の「ニ」が埋没するか、または、語尾の「ニア」が「ニィア」、「ナァ」「ア」などの1音に聴取され、全体として「オムア」に近似して聴取され、引用商標の称呼「オムヤ」との聴別は極めて困難である。したがって、本件商標の称呼「オムニア」と引用商標の称呼「オムヤ」とも、称呼上、類似する。
加えて、本件商標「OMNIA」と引用商標「OMYA」とは、辞書等に掲載されている既成語などではなく、特定の意味は生じないところ、観念上の影響により称呼の相違が顕著に聴別されることもない。
さらに、特許庁の審査基準第3の九の8.によれば、(II)(1)「ともに同数音の称呼からなり、相違する1音が母音を共通にするとき」及び(4)相違する1音がともに弱音であるか、又は弱音の有無の差にすぎないとき」は称呼上類似するとされている。本件商標と引用商標とは、まさに上記審査基準の規定に該当するものである。
すなわち、本件商標「OMNIA」と引用商標「OMYA」とは、それぞれ一連に称呼した場合、極めて聴別し難く相紛らわしい類似の商標であることは明白である。
(3)観念
上記のとおり、本件商標「OMNIA」と引用商標「OMYA」とは既成語ではなく、造語と解され、特定の観念は生じず、観念において区別することは不可能である。
(4)取引の実情
本件商標の指定商品は「化学品」であり、特にその用途が限定されておらず、一般のスーパーやドラッグストア等で販売されるような家庭用の一般的化学剤(例えば、「家庭用の防かび剤」や「家庭用除湿剤」など)などが含まれるところ、そのような商品は取扱いについて特段の慎重さを要求されるわけではないうえ、需要者は主婦等の一般需要者であるから、その注意力は低いものであって、本件商標と引用商標との関係のような、商標のわずかな相違を容易に見分け得るとは到底いえない。
(5)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似することは明らかであり、観念において区別することはできないものであって、その指定商品の需要者の通常有する注意力を基準として、誤認混同を生じることは明らかであるから、両商標が類似することは明白である。
2 指定商品の類似性並びに出願日及び登録日
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであり、本件商標は、引用商標の出願日及び登録日のいずれにも後れて出願・登録されたものである。
3 結論
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、本件商標と引用商標の類否について検討する。
1 本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「OMNIA」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字に相応して、「オムニア」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「OMYA」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字に相応して、「オムヤ」の称呼が生じるものである。
この点に関して、申立人は、引用商標からは、「オムイア」及び「オムヤ」の称呼が生じると主張している。
しかしながら、「OMYA」の文字は、我が国で親しまれた外国語であるともいえないことから、これを称呼する場合、我が国において一般的に親しまれているローマ字又は英語における発音に倣って称呼されるというのが相当であるといえるところ、「MY」を「ムイ」と、また、「YA」を「イア」と発音する英語は一般の辞書には掲載されていないことから、「YA」の部分は「ヤ」と読まれるとみるのが自然であり、引用商標は「オムヤ」と称呼されるというべきである。
したがって、引用商標は「オムヤ」の称呼を生じ、これからは特定の観念は生じない。
3 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、5文字と4文字という文字数を異にするものであるところ、比較的文字数の少ない両者にあって、1文字の有無は大きな差異となるものであり、さらに両者は、語頭部において「OM」の文字構成を共通にするものの、以降の「NIA」と「YA」との構成において顕著な差異があるから、外観上、互いに紛れるおそれのないものである。
また、本件商標から生じる「オムニア」の称呼と、引用商標から生じる「オムヤ」の称呼は、その音構成及び構成音数において明確な差異を有するものであるから、称呼上、互いに紛れるおそれのないものである。
さらに、本件商標と引用商標は、ともに特定の観念を生じない造語というべきであるから、観念上、互いに紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、互いに紛れるおそれはなく、類似する商標ということはできない。
4 結論
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-06-09 
出願番号 商願2013-46223(T2013-46223) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W01)
T 1 651・ 262- Y (W01)
T 1 651・ 263- Y (W01)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子海老名 友子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 大森 健司
原田 信彦
登録日 2014-08-29 
登録番号 商標登録第5698108号(T5698108) 
権利者 イーストマン ケミカル カンパニー
商標の称呼 オムニア 
代理人 三好 秀和 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 

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