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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W21 審判 全部申立て 登録を維持 W21 審判 全部申立て 登録を維持 W21 |
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管理番号 | 1301763 |
異議申立番号 | 異議2015-900012 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-01-19 |
確定日 | 2015-06-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5711121号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5711121号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5711121号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成26年6月12日に登録出願,第21類「デンタルフロス,歯ブラシ,舌ブラシ,うがい受け,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として,同年10月1日に登録査定,同年10月17日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第16号及び同第7号に該当するものであるから、その登録は取り消されるものである旨申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性 本件商標は,「口」という漢字をデザイン化したものの右横に「腔」という漢字を配し,さらに,その右横に若干小さく「ケア」の片仮名を縦に配したものを付けたものであり,これらの書体はありふれたものであり,特殊な態様でない。 そして,「口腔ケア」の文字は,「歯や口腔に有害な影響を与えるような不潔因子を除去し,歯や歯周組織などの口腔内を清潔に保つと同時に,その機能を高め,口腔疾患や誤嚥性肺炎の発生を予防すること」を意味するものであって(甲1),当該文字は,研究・教育も含めた保健・医療・福祉の世界では広く使用されている(甲2)。 また,本件商標の指定商品は,基本的に口腔清掃の道具として使用されているものである(甲3)。 してみれば,本件商標は,「口腔ケア」の文字を普通に用いられる方法で表示したにすぎないから,その指定商品中,口腔ケアをその効能,用途とするものに使用しても,商品の効能,用途を表示するにすぎず,自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。 また,本件商標は,これをその指定商品中の口腔ケアをその効能,用途としない商品に使用すると,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第7号該当性 本件商標を構成する「口腔ケア」の語は,歯科医療において広く使用される語であって,一事業者のみに独占的に使用させることになると,歯科医療ほかの研究や治療の現場において,「口腔ケア」の語の使用を萎縮させ十分な歯科医療の研究や治療を妨げてしまうおそれがあり,公共の利益に反するばかりではなく,商道徳の面からも穏当ではない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。 (3)むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第16号及び同第7号に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 商標法第3条第1項第3号は,その商品の産地,販売地,品質,原材料,効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠く旨規定している。そこで,本件商標が商品の用途,効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するか否かについて検討する。 本件商標は,別掲のとおり,四隅に丸みをもたせた肉太の正方形輪郭と,その内側の中心よりやや下部に,弧状の太線とその右端に斜めに引いた太線を組み合わせた図形を配し,その右側に,前記四隅に丸みをもたせた肉太の正方形輪郭とほぼ同じ大きさで「腔」の文字を書し,さらに,その右側に「ケア」の片仮名を「腔」文字の4分の1程の大きさで縦書き(以下「腔」及び「ケア」の文字を合わせて「腔ケア」の文字という。)に表してなるものである。 そして,本願商標の構成中,四隅に丸みをもたせた肉太の正方形輪郭とその内部における図形部分は,たとえ「口」の漢字を擬人化したと理解される場合があったとしても,その構成全体をもって幾何学的図形の一種を表したと理解される場合が多いとみるのが相当である。 そうすると,本件商標は,図形と「腔ケア」の文字とが一体となった結合商標であって,構成全体の特異性をもって,取引者,需要者に印象づけられるものであるから,商取引に資されるような特定の称呼及び観念は生じ得ないというべきである。 してみれば,本件商標は,「口腔ケア」の文字を表したということはできないから,商品の用途,効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するものと認めることはできない。 また,上記のとおり,本件商標は,図形と「腔ケア」の文字とが一体となった結合商標であって,商品の用途,効能等を直接かつ具体的に表示するものではないことから,これをその指定商品のいずれについて使用しても,商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないものである。 (2)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は,別掲のとおりの構成よりなるものであるから,その構成が,きょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字よりなるものということはできない。また,本件商標は,上記(1)認定のとおり,「口腔ケア」の文字を普通に用いられる方法で表示したものということはできないから,これを指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,又は社会の一般的道徳観念に反するものとも認めることはできない。その他,本件商標が,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とみるべき理由があると認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。 (3)むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第16号及び同第7号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2015-05-28 |
出願番号 | 商願2014-48399(T2014-48399) |
審決分類 |
T
1
651・
13-
Y
(W21)
T 1 651・ 22- Y (W21) T 1 651・ 272- Y (W21) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小松 孝 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
早川 文宏 前山 るり子 |
登録日 | 2014-10-17 |
登録番号 | 商標登録第5711121号(T5711121) |
権利者 | 株式会社リブドゥコーポレーション |
商標の称呼 | コーコーケア、コークーケア |
代理人 | 菅河 忠志 |
代理人 | 清水 三沙 |
代理人 | 伊藤 浩彰 |
代理人 | 植木 久彦 |
代理人 | 植木 久一 |