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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1301750 
異議申立番号 異議2014-900217 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-07-31 
確定日 2015-05-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5669815号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5669815号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5669815号商標(以下「本件商標」という。)は、「スピードイングリッシュ」の文字を横書きしてなり、平成25年10月28日に登録出願、第9類「録音済みのコンパクトディスク,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,電子出版物」を指定商品として、同26年4月3日に登録査定、同年5月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字より「スピードイングリッシュ」の称呼及び「速習英会話」の観念が生ずるものである。
一方、登録第5497398号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SPEEDENGLISH」の文字を横書きしてなり、平成23年12月26日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラム」を指定商品として、平成24年6月1日に設定登録されたものである。そうすると、引用商標1は、その構成文字より「スピードイングリッシュ」の称呼及び「速習英会話」の観念が生ずるものである。
してみると、本件商標と引用商標1とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
また、本件商標の指定商品中には、電子計算機で利用する電子出版物が含まれ、他方、引用商標1の指定商品には、電子計算機で利用する電子情報が含まれるから、両商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「スピードラーニング」の文字を横書きしてなり、平成15年3月13日に登録出願、第9類「速力のある学習方法に関する録音済みの磁気テープ,速力のある学習方法に関する録音済みのコンパクトディスク」及び第16類「速力のある学習方法の学習教材として用いる印刷物,雑誌,新聞」を指定商品として、同16年11月26日に設定登録され、その後、同26年8月5日に商標権存続期間の更新登録がされた登録第4820703号商標(以下「引用商標2」という。)を有している。
申立人は、平成元年より、英会話教材として、引用商標2を使用した録音済コンパクトディスクを販売しているところ、該商品の市場占有率は極めて高く、2012年度の英会話教材において売上げ第一位である。
上記(1)のとおりの称呼及び観念が生ずる本件商標をその指定商品について使用するときは、引用商標2を使用した商品との間に出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否
本件商標は、前記1のとおり、「スピードイングリッシュ」の文字を書してなるものであり、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「SPEEDENGLISH」の文字を書してなるものであるから、両商標は、いずれも「スピードイングリッシュ」の称呼を生ずるものである。さらに、本件商標及び引用商標1は、「速い」などを意味するものとして、また、「英語、英国の」などを意味するものとして、いずれも我が国で広く知られている「スピード」と「イングリッシュ」、「SPEED」と「ENGLISH」の2語をそれぞれ結合したものであるから、申立人が主張するような「速習英会話」の意味合いを表したものと直ちに理解されるか否かはともかく、観念が生ずるとすれば、同一の観念が生ずることは否定し得ない。
したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼を同じくし、かつ、観念を同じくする場合がある類似の商標と認めることができる。
イ 商品の類否
申立人は、本件商標の指定商品には電子計算機で利用する電子出版物が含まれ、他方、引用商標1の指定商品には電子計算機で利用する電子情報が含まれるから、両商標の指定商品は同一又は類似のものである旨主張する。
本件商標の指定商品中の「電子出版物」は、インターネットなどで提供される電子化された書籍や絵画等の出版物であり(特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説 国際分類第10版対応」)、他方、引用商標1の指定商品「電子計算機用プログラム」は、コンピューターに対して、どのような手順で仕事をすべきかを、機械が解読できるような特別の言語などで指示するもの(広辞苑第六版)であって、記録媒体に記憶されたものあるいはインターネットを利用してダウンロードにより提供されるものである(前出「商品及び役務の区分解説 国際分類第10版対応」)から、両者は、インターネットを利用してダウンロードにより取引又は提供される、といった面において共通する場合があるといえる。しかし、両商品は、その記録(記憶)された内容が著しく異なり、それ故に、その生産者(提供者)、取引系統、用途、需要者等を異にする場合が多い商品というべきものである。
してみると、本件商標の指定商品中の「電子出版物」と引用商標の指定商品「電子計算機用プログラム」に、同一又は類似の商標を付したとしても、同一営業主の製造又は販売に係る商品であるかのように、その出所について誤認、混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、非類似の商品といわなければならない。
ウ 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と引用商標2との類似性
本件商標は、上記(1)ア認定のとおり、その構成文字より「スピードイングリッシュ」の称呼を生ずるものであり、これを構成する「スピード」及び「イングリッシュ」の各語は、「速い」、「英語、英国の」などを意味するものとして、いずれも我が国で知られているものであるから、これより「速い英語」などの意味合いが生ずるとしても、その意味合いは未だ漠然としており、したがって、特定の観念が生ずるとまではいうことができない。
他方、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「スピードラーニング」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字より「スピードラーニング」の称呼を生ずるものであって、「スピード学習」なる観念が生ずるものといえる。
そこで、本件商標と引用商標2とを対比すると、本件商標より生ずる「スピードイングリッシュ」の称呼と引用商標より生ずる「スピードラーニング」の称呼は、前半部の「スピード」の音が共通するものの、後半部において「イングリッシュ」の音と「ラーニング」の音の顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、称呼全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。また、本件商標は、特定の観念を生じない一種の造語を表したものと理解されるというのが相当であるところ、引用商標2は、「スピード学習」の観念を生ずるものであるから、両者は、観念において紛れるおそれはない。さらに、本件商標と引用商標2とは、外観において明らかに相違するものである。
したがって、本件商標と引用商標2とは、称呼、観念及び外観のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
イ 出所の混同
上記アによれば、本件商標と引用商標2とは、称呼、観念及び外観のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであるから、仮に、引用商標2が、申立人の業務に係る商品「英会話教材用録音済コンパクトディスク」を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年10月28日)に、我が国の需要者の間に周知性を獲得していたものであるとしても、本件商標に接する需要者が、引用商標2を想起又は連想することはないというべきである。
してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その需要者をして、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-05-19 
出願番号 商願2013-87805(T2013-87805) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W09)
T 1 651・ 264- Y (W09)
T 1 651・ 271- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 駿也大橋 良成 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 手塚 義明
酒井 福造
登録日 2014-05-16 
登録番号 商標登録第5669815号(T5669815) 
権利者 エス株式会社
商標の称呼 スピードイングリッシュ 
代理人 神田 知宏 

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