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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201420713 審決 商標
不服20154867 審決 商標
不服201411225 審決 商標
不服201424397 審決 商標
不服20154606 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W33
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 W33
管理番号 1301716 
審判番号 不服2014-9674 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-26 
確定日 2015-06-19 
事件の表示 商願2013-44216拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「富士山麓」の文字を標準文字で表してなり、第33類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年6月10日に登録出願、その後、指定商品については、原審における平成25年11月11日付けの手続補正書により、第33類「ウイスキー」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『富士山のふもと』の意を容易に看取させる『富士山麓』の文字を標準文字で表してなるところ、富士山とその山麓を含めた地域は、著名な観光地となっている。また、その地域は、豊富な天然水が湧き出ており、その天然水を使用した商品が普通に販売されており、さらに、富士山麓産の食材で仕上げた食品が販売されている実情がある。してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、本願商標に接する取引者・需要者は、『富士山麓地域産の商品』程の意味合いを認識するにとどまり、単に商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、提出に係る資料をみても、ウイスキーにおける本願商標の使用態様及び『KIRIN』の文字が表示されたラベル、宣伝広告等における態様をみても、ウイスキーを他社商品から識別する機能を有する標章部分は『富士山麓』ではなく、『KIRIN』にあるといわざるを得ないから、商標法第3条第2項に該当すると認めることはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「富士山麓」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成全体として「富士山の麓」の意味を容易に理解させるものである。
そして、富士山を水源とする湧水は、その周辺地域に多数存在し、本願の指定商品及びその他の酒類等との関係においては、富士山の麓における湧水を使用し、富士山麓で醸造(製造)したことを謳った商品が製造・販売されている実情にあることからすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、富士山麓の湧水を使用した商品又は商品の製造地を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
次に、請求人は、本願商標は使用をされた結果、自他商品識別力を獲得するに至っている旨主張し、証拠として、原審における平成25年12月19日付け上申書において資料1ないし資料62、当審における平成26年6月25日付け手続補正書及び同年7月14日付け上申書において甲第1号証ないし甲第305号証並びに平成27年4月9日付け上申書において資料1を提出した。なお、平成27年4月9日付け上申書において提出された「資料1」は、本件審決においては「資料63」として記載する。
そこで、請求人の主張及び提出に係る証拠について検討するに、請求人の提出に係る全証拠によれば、請求人が国内飲料事業を管理する完全子会社であるキリンビール株式会社は、2005年9月に、ウイスキー「富士山麓」の発売を開始したものであり、2013年まで、毎年約100万本ないし170万本と、年々その販売本数を伸ばしていることが新聞等の報道によって認められる(資料2、6、9、10、13、14、16、33、34、63)。さらに、その特約店は全国に及ぶものであり(資料61、62)、また、ウイスキー「富士山麓」に係る宣伝広告は、特約店等の店頭用ポスターにより継続的に行われたほか(甲189?208)、各種のキャンペーン、テレビコマーシャル、一般大衆向けの週刊誌・月刊誌等の雑誌においても継続的に行われてきたことが認められる(資料1、38?46、甲186、209?229等)。加えて、全国の相当数の各飲食店においてウイスキー及びそれに係る飲料の提供について、「富士山麓」の文字を使用していることが認められる(甲2、3、32、38、41?48、51?75等)。そして、それらの「富士山麓」の文字は、標準文字で表した本願商標と外観において同視できる程度の態様で表示されており、本願商標との同一性を損なうものではない。
また、当審における職権調査によれば、本願の指定商品である「ウイスキー」について、「富士山麓」の文字を他人が使用している事実は見当たらない。
そうとすれば、キリンビール株式会社は、請求人の完全子会社であること、さらに請求人の提出に係る証拠を総合すると、本願商標は、請求人グループの一員であるキリンビール株式会社により、その指定商品について継続して使用された結果、取引者・需要者間において、請求人の業務に係る商品を表示する商標として、広く認識することができるに至ったものと判断することができる。
したがって、本願商標は、その指定商品について、商標法第3条第2項が規定する要件を具備するものというべきである。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、同法第3条第2項の要件を具備するものである。
したがって、原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2015-06-05 
出願番号 商願2013-44216(T2013-44216) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (W33)
T 1 8・ 13- WY (W33)
最終処分 成立  
前審関与審査官 矢澤 一幸鈴木 雅也 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 堀内 仁子
真鍋 伸行
商標の称呼 フジサンロク 
代理人 塩谷 信 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 宇梶 暁貴 

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