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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W4144 審判 全部申立て 登録を維持 W4144 審判 全部申立て 登録を維持 W4144 |
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管理番号 | 1300782 |
異議申立番号 | 異議2014-900321 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-11-26 |
確定日 | 2015-05-22 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5707174号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5707174号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5707174号商標(以下「本件商標」という。)は,「足圧の達人」を標準文字により表してなり,平成26年6月5日に登録出願され,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の認定及び資格の付与,資格検定試験の企画・運営又は実施,セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供,書籍の制作,電子出版物の制作,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映画・画像・映像の提供,映像の上映,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及び第44類「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,美容,理容,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,動物の飼育,動物の治療,動物の美容」を指定役務として,同年9月12日に登録査定,同年10月3日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議申立ての理由として引用する登録第5669810号商標(以下,「引用商標」という。)は,「足圧・足技達人」を標準文字により表してなり,平成25年10月16日に登録出願され,第41類「足によるマッサージの教授,あん摩の教授,整体の教授,指圧の教授,カイロプラクティックの教授,体操の教授,美容に関する知識・技芸の教授」及び第44類「整体,あん摩,マッサージ,足を使ってからだ全身を踏みほぐすマッサージ,指圧,カイロプラクティック,柔道整復,美容」を指定役務として,平成26年5月16日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。 1 本件商標と引用商標との対比 本件商標は「足圧の達人」と書してなるものである。他方,引用商標は,「足圧・足技達人」と書してなり,本件商標を構成する「足圧」と「達人」の漢字は,同様に,引用商標「足圧・足技達人」の外観を構成する文字である。よって,本件商標の全5文字中4文字を構成する文字と,引用商標の全7文字中4文字を構成する文字が共通していることからも明らかなように,双方は,外観において,極めて類似しており,識別標識として誤認混同を招くものである。 次に,本件商標は,「足圧の達人」と書してなることから,「ソクアツノタツジン」や「アシアツノタツジン」といった称呼を生ずる。対して,引用商標は,「足圧・足技達人」と書することから,「ソクアツアシワザタツジン」あるいは「アシアツアシワザタツジン」といった称呼を生ずる。双方を比較した場合,本件商標の「ソクアツノタツジン」,「アシアツノタツジン」の「ノ」のを除外した称呼は,等しく引用商標の称呼内に含まれ,「ノ」に該当する部位が「アシワザ」に置き換わる点のみが双方の称呼上の相違となる。 そうすると,第三者が,双方の商標の称呼を見聞した際に,誤認混同を招くことは明らかであり,呼称においても類似の商標となる。 さらに,本件商標と引用商標から想起される意味を比較すると,本件商標,引用商標を構成する「足圧」の文字は本件指定商品・役務に係る分野における取引の実情を考慮するに「足を使用したマッサージ」といった意味合いで使用されており(甲3及び甲4),「達人」の文字は,「豊富な経験と長年の鍛錬により,その道の真髄を体得した人」(大辞林 第三版)を意味し,一般に広く認識,使用されている実情がある。よって,本件商標,「足圧の達人」は,一般に「足を使用したマッサージの経験を積み体得した者」という観念を想起させるものである。同様に,引用商標「足圧・足技達人」もその構成上,自然な解釈として「足圧や足技の達人」,「足を使用したマッサージや足技の経験を積み体得した者」という観念を想起させるものである。そのため,双方の登録商標は,観念上も,同一又は類似のものと一般に認識されるのは明白である。 また,本件商標と引用商標の指定商品・役務も,取引の実情を考慮しても(甲3及び甲4),明らかに同一又は類似のものである。 2 むすび 上記1のとおり,本件商標と,引用商標とは,外観・称呼・観念の要素を総合的に考慮しても,類似のものであり,また,その指定商品・役務も同一又は類似のものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 本件商標について 本件商標は,「足圧の達人」を標準文字により表してなるところ,その構成文字は,同書体,同じ大きさで等間隔をもって一連に表されているものであり,視覚上も一体的に把握できるというのが相当である。 そして,本件商標は,その構成中の特定の文字部分が,識別標識として強く支配的な印象を与えるとみるべきものということはできないから,一連一体の商標として理解されるものであって,本件商標からは,その構成文字に相応して「ソクアツノタツジン」ないし「アシアツノタツイジン」の称呼を生じるものである。 また,その構成中の「足圧」の文字は,特定の語義を有するものとは認められないから,本件商標は全体として一種の造語よりなるものであって,これからは取引に資する上での特定の観念は生じないというべきである。 この点に関して,申立人は,「足圧」の文字は「足を使用したマッサージ」といった意味合いで使用されており,本件商標は,「足圧の達人」の文字が一般に「足を使用したマッサージの経験を積み体得した者」という観念を想起させると主張して甲第3号証及び甲第4号証を提出している。 しかしながら,甲第3号証は,商標権者のウェブサイトの写しであって,「足圧ほぐし流療法」という治療法を解説したものであり,また,甲第4号証は,申立人のウェブサイトの写しであって,「『足圧とは』・・・」として,「竹の棒を持ち,足で施術を行う」との解説がされているものであり,これらは本件商標権者と申立人によるそれぞれの治療法に係る解説であって,その他に「足圧」の語が,「足を使用したマッサージ」等を意味するものとして,本件商標権者と申立人以外に一般に広く知られ,あるいは使用されていることを示す証拠は提出されていない。 してみれば,本件商標から「足を使用したマッサージの経験を積み体得した者」という観念を想起させるという申立人の主張は,独自の見解でありこれを採用することはできない。 2 引用商標について 引用商標は,「足圧・足技達人」を標準文字により表してなるところ,その構成文字は,同書体,同じ大きさで等間隔をもって一連に表されているものであり,視覚上も一体的に把握できるというのが相当である。 そして,引用商標は,その構成中の特定の文字部分が,識別標識として強く支配的な印象を与えるとみるべき態様のものということはできないから,一連一体の商標として理解されるものであって,引用商標からは,その構成文字に相応して「ソクアツアシワザタツジン」ないし「アシアツアシワザタツジン」の称呼を生じるものである。 また,その構成中の「足圧」の文字は,上記1のとおり特定の語義を有するものとは認められないから,引用商標は,全体として一種の造語よりなるものであって,これからは取引に資する上での特定の観念は生じないというべきである。 さらに,引用商標の構成中の「・」(中黒)は,「小数点や並列点などとして用いる印刷用活字」(広辞苑第六版)であって,この活字が前後の語を分断するために使用されるものとはいえないことから,この「・」の活字の存在を理由にして,引用商標の構成中の特定の文字部分が分離して把握されるとみることはできないものである。 そして,上記したように,「足圧」の文字は,特定の語義を有するとはいえないから,引用商標から「足圧や足技の達人」,「足を使用したマッサージや足技の経験を積み体得した者」という観念を想起させるという申立人の主張も,採用することはできないものである。 3 本件商標と引用商標の類否について 以上によれば,本件商標と引用商標は,外観においては,「足圧」の文字を共通にするものであるが,これに続く「の達人」の文字と「・足技達人」の文字において相違し,外観上,互いに区別できるものである。 そして,称呼においては,本件商標から生ずる「ソクアツノタツジン」または「アシアツノタツジン」の称呼と,引用商標から生ずる「ソクアツアシワザタツジン」または「アシアツアシワザタツジン」の称呼とは,中間において「ノ」の音と「アシワザ」の音が相違することから,全体を一連に称呼するときには,明らかな差異を有するものであって,称呼上,明確に聴別できるものである。 また,観念においては,前記のとおり,本件商標と引用商標とは,互いに特定の観念を生ずるものとはいえないことから,観念上,比較することはできないものである。 そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても,類似する商標ということはできないものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 まとめ 以上,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する |
異議決定日 | 2015-05-14 |
出願番号 | 商願2014-46003(T2014-46003) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W4144)
T 1 651・ 263- Y (W4144) T 1 651・ 261- Y (W4144) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉沢 恵美子 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
金子 尚人 榎本 政実 |
登録日 | 2014-10-03 |
登録番号 | 商標登録第5707174号(T5707174) |
権利者 | 一般社団法人全国足圧協会 |
商標の称呼 | ソクアツノタツジン、アシアツノタツジン |