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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1300764 
異議申立番号 異議2014-900271 
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-09-22 
確定日 2015-04-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5680431号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5680431号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5680431号商標(以下「本件商標」という。)は、「サンラッシュ」の片仮名及び「SUNLUSH」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成25年9月9日に登録出願、第3類「せっけん類,香料,薫料,化粧品,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤」を指定商品として、同26年5月13日に登録査定、同年6月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4479169号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成8年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同13年6月1日に設定登録され、その後、同年9月13日に指定商品中「香料類」について一部放棄による本権の登録の一部抹消の登録がされ、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第5013148号商標(以下「引用商標2」という。)は、手書き風の「ラッシュ」の片仮名を横書きしてなり、平成18年6月1日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、同年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
また、申立人は、日本において、通常使用権の再許諾を承諾した株式会社ラッシュジャパン(以下「ラッシュジャパン」という。)の商標として広く知られているとして、未登録の商標(以下「引用商標3」という。)も引用しているところ、その商標は、別掲のとおりの構成からなるものであり、ラッシュジャパンが「化粧品,せっけん類」等について使用しているものである。
以下、上記引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」という場合がある。

第3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第161号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標1及び2について
本件商標は、「SUNLUSH」の欧文字及び「サンラッシュ」の片仮名を二段に横書きしてなり、「SUN」と「LUSH」又は「サン」と「ラッシュ」の構成からなるものである。他方、引用商標1は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、引用商標2は「ラッシュ」の片仮名を横書きしてなるものである。
(2)本件商標と引用商標1及び2の類似性
本件商標の構成中、「SUN」又は「サン」の文字部分は、「太陽」の意味で我が国において使用されており、「サングラス」や「サンルーム」等太陽や日光に関係する商品名の一部として用いられている。特に指定商品の化粧品との関係においては、日焼け用又は日焼け防止用化粧品に「サンオイル」、「サンスクリーン」、「サンプロテクト」及び「サンローション」等「サン」の文字が用いられている。(甲6ないし甲9)
したがって、本件商標は、「SUN」又は「サン」の文字部分と「LUSH」又は「ラッシュ」の文字部分に分離して把握されることから、本件商標からは、「ラッシュ」の称呼を生じる。
他方、引用商標1及び2は、いずれも「ラッシュ」の称呼を生じるものである。
そうとすると、本件商標は、引用商標1及び2と「ラッシュ」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品中「化粧品,せっけん類」は引用商標1及び2の指定商品と同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第10号について
引用商標3は、本件商標の登録出願前に、日本について申立人が通常使用権の再許諾を承認したラッシュジャパンの商品を示すものとして需要者間に広く認識されているところ、本件商標は、引用商標3と類似し、その指定商品も引用商標3の使用に係る商品「化粧品,せっけん類」と同一である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第15号について
ラッシュジャパンの商品には、「SUN」という商品もあり、平成25年2月1日より販売している。また、本件商標と引用商標とは類似すること、引用商標はラッシュジャパンが使用する商標として需要者間に広く認識されていること、本件商標権者とラッシュジャパンとはいずれもせっけん類、化粧品に係る商品を製造・販売しており、本件商標に接した需要者が引用商標を連想する可能性があること等から需要者が普通に用いる注意力を基準とすれば、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標は、前記第1のとおり、同書、同大、同間隔でまとまりよく一連に書された「サンラッシュ」の片仮名と「SUNLUSH」の欧文字とを二段に横書きした構成からなるものであって、これより生ずる「サンラッシュ」の称呼もよどみなく一連に称呼することができるものである。かかる構成において、「サン」及び「SUN」の文字部分と「ラッシュ」及び「LUSH」の文字部分とに分離して看取されるようなことはないというべきである。
この点に関し、申立人は、「サンオイル」、「サンスクリーン」、「サンプロテクト」及び「サンローション」の例をあげ、「サン」及び「SUN」の文字が太陽や日光に関する商品名の一部として使用されていることを理由として、本件商標が「サン」及び「SUN」の文字部分と「ラッシュ」及び「LUSH」の文字部分とに分離して把握される旨主張している。
しかしながら、本件商標は、「サンオイル」、「サンスクリーン」、「サンプロテクト」及び「サンローション」のような文字が含まれているわけではなく、「サン」及び「SUN」の文字のみで本件商標の指定商品の分野において商品の品質、用途等を表示するために普通に用いられている事実も認められないものであり、他に本件商標から上記文字部分を捨象して考察しなければならない理由も見出すことができない。
そうすると、本件商標は、後述の引用商標の周知性を考慮したとしても、「サンラッシュ」の片仮名及び「SUNLUSH」の欧文字が一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であって、申立人の主張は採用することができないから、「サンラッシュ」の一連の称呼のみを生じ、親しまれた既成の観念を有しない一種の造語からなるものとして認識し把握されるというのが自然である。
(2)他方、引用商標1及び2は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ラッシュ」の称呼を生ずるものである。そして、引用商標1は「(場所・植物が)青々と茂った、みずみずしい」等の意味を有する英単語(「ジーニアス英和辞典」参照)であり、引用商標2は、引用商標1の表音のほか、「突進すること。ボクシングなどで、猛攻撃。ラッシュ・アワーの略」等(「広辞苑第6版」参照)の意味合いをも想起させるものである。
(3)そこで、本件商標と引用商標1及び2とを対比するに、本件商標から生ずる「サンラッシュ」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「ラッシュ」の称呼とは、構成音数が異なるばかりでなく、語頭音「サン」の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは全体の語調、語感が著しく相違し、明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標1及び2とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標は、親しまれた既成の観念を有しないものであるから、観念上、本件商標と引用商標1及び2とを比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)したがって、本件商標は、引用商標1及び2とは非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)申立人の提出に係る証拠によれば、ラッシュジャパンは、スキンケア、ボディケア、ヘアケア、浴用化粧品等を販売する日本第1号店を平成11年3月に目黒区自由が丘に開店して以来、順次店舗数を増やし本件商標の登録出願時には国内で155店舗に達し、その売上高は平成23年には120億円に達していること、富士経済研究所による平成24年化粧品・美容サービス業態の市場調査において「ライフスタイル提案型ブランド」の代表として「ラッシュ」が取り上げられていること、ラッシュジャパンの発行に係るフリーペーパー「ラッシュタイムズ」が年5回、120万部発行され、ラッシュジャパンの商品が紹介されていること、ラッシュジャパンの取り扱いに係るせっけん、シャンプー、ボディトリートメント、ボディローション、浴用化粧品、クリーム、スキンケア・ヘアケア化粧品、香水、消臭化粧品等の商品並びにラッシュジャパン及びその店舗については、「LUSH」又は「ラッシュ」として、本件商標の登録出願前から現在に至るまで継続して、各種雑誌、新聞、インターネット、テレビ放送、ラジオ放送等において多数紹介されており、平成24年9月から平成25年8月までの間だけでも1,160件に達すること、上記商品の一部の容器や一部店舗の看板には引用商標3が付されていること、などが認められる。
これらを総合すると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、ラッシュジャパンの業務に係るせっけん類、浴用化粧品、スキンケア用・ボディケア用・ヘアケア用・消臭用化粧品、香水等の商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえる。
(2)しかしながら、上記(1)の引用商標の周知性を考慮したとしても、本件商標は、上記1のとおり、「サン」及び「SUN」の文字部分を捨象し、「ラッシュ」及び「LUSH」の文字部分のみが分離独立して看取されるようなことはなく、引用商標1及び2とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。また、引用商標3は、その構成中の「LUSH」の文字が自他商品の識別標識としての要部というべきであり、引用商標1と同様、本件商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。
(3)したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標の使用に係る商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであるから、引用商標がラッシュジャパンの業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されているとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしはラッシュジャパンを連想、想起するようなことはないというべきである。
したがって、本件商標は、ラッシュジャパン若しくは申立人又はこれらと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
なお、申立人が挙げる審決例及び異議決定例(甲4及び甲5)は、本件とは、商標の構成態様等が相違し、事案を異にするものであって、同列に論ずることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 (引用商標3)






異議決定日 2015-04-17 
出願番号 商願2013-74326(T2013-74326) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 25- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2014-06-27 
登録番号 商標登録第5680431号(T5680431) 
権利者 ミツエイ株式会社
商標の称呼 サンラッシュ 
復代理人 江黒 早耶香 
代理人 佐藤 恒雄 

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