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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09 審判 査定不服 観念類似 登録しない W09 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09 |
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管理番号 | 1299562 |
審判番号 | 不服2014-1789 |
総通号数 | 185 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-01-31 |
確定日 | 2015-03-30 |
事件の表示 | 商願2013-8098拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「PROXIA」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「コンピュータソフトウェア(記録されたもの),コンピュータプログラム(記録されたもの),デジタルカメラ,USBフラッシュドライブ,携帯電話機,携帯型メディアプレーヤー,オーディオスピーカー,リチャージャブルバッテリー,スマートフォン,タブレット型コンピュータ,携帯電話機用ワイヤレスヘッドセット」を指定商品として、平成25年2月7日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4010099号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1(1)のとおりの構成からなり、平成3年3月18日に登録出願、第11類「電子応用機械器具,その他本類に属する商品」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録のほか、同21年6月17日に指定商品を第9類に属する別掲2のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第4010101号商標(以下「引用商標2」といい、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。)は、別掲1(2)のとおりの構成からなり、平成4年3月30日に登録出願、第11類「電子応用機械器具,その他本類に属する商品」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録のほか、同21年6月24日に指定商品を第9類に属する別掲2のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「PROXIA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に載録された成語とは認められず、かつ、特定の語義を有する語として一般に知られているともいえないものである。 そうすると、本願商標は、我が国において広く親しまれている英語の発音方法に倣って称呼されるというのが相当であるから、その構成文字に相応して「プロキシア」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標 引用商標1は、別掲1(1)のとおり、「PROXIMA」の欧文字をゴシック体で書してなるところ、該文字は、「プロキシマ(ケンタウルス座の閃光星)」を意味する語として辞書に記載されているものの、我が国において一般に親しまれた語とはいい難いものであるから、特定の語義を有することのない一種の造語を表したものと理解、把握されるものである。そうすると、本願商標は、我が国において広く親しまれている英語の発音方法に倣って称呼されるというのが相当であるから、その構成文字に相応して「プロキシマ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。 また、引用商標2は、別掲1(2)のとおり、「プロキシマ」の片仮名をゴシック体で書してなるところ、その構成文字に相応して「プロキシマ」の称呼を生ずるものであり、また、該文字は、「ケンタウルス座の閃光星」を意味する語として用いられる場合があるものの、我が国において一般に親しまれているとはいい難いものであるから、一種の造語を表したものと理解、把握されるものであり、特定の観念は生じないものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否 本願商標と引用商標は、上記ア及びイのとおり、いずれも普通に用いられる書体をもって表された文字のみからなるものであるところ、引用商標1は、本願商標と同じローマ字の大文字のみを用いて書されているものであって、6文字目の「M」の有無に差異を有するほかは、該文字を除く「PROXI」及び語尾の「A」の文字を同一とし、かつ、その配列も共通にするものであるから、本願商標とは外観上、相当程度近似した印象を受けるものといえる。また、引用商標2は、本願商標と構成文字の種類を異にするものであるから、本願商標とは外観上、差異を有するものである。 次に、本願商標から生ずる「プロキシア」の称呼と引用商標から生ずる「プロキシマ」の称呼とを比較するに、両称呼は、いずれも5音からなり、一気に発音し得るものであるところ、両者は称呼において識別上重要な要素を占める語頭音を含む「プロキシ」を共通にし、わずかに語尾における「ア」と「マ」の音の差異を有するにすぎないものである。そして、該差異音についてみても、通鼻音である「マ」の子音「m」は強く響くものとはいい難く、これに伴う母音「a」は、開母音ではっきりと澄んだ強い音として発音、聴取されることから、「ア」の音に近似した音として聴取されるものである。また、両音の位置は比較的聴取し難い語尾にあることから、これらの差異が全体に及ぼす影響はわずかなものであるといえ、共通する「プロキシ」の音には、強く響く破裂音である「プ」及び「キ」の音が含まれることを併せみれば、両商標の称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が極めて近似し、互いに聴き誤るおそれがあるといわざるを得ないものである。 さらに、本願商標と引用商標は特定の観念を生ずるものではないから、両商標は、観念上、比較することができない。 ところで、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、そのような商標の類否判断においては称呼が重要な役割を果たすといわなければならない。 以上を踏まえれば、本願商標と引用商標1とは、観念において比較することができないとしても、外観において相当程度近似した印象を受けるものであり、また、称呼において相紛らわしいものであるから、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というのが相当である。 また、本願商標と引用商標2とは、観念において比較することができず、外観において差異を有するものであるとしても、商標の類否判断において重要な役割を果たす称呼において相紛らわしいものであり、また、商標の使用においては、平仮名、片仮名又はローマ字を相互に変更して使用することが一般的に行われており、本願及び引用商標に係る指定商品を取り扱う業界において、それらと異なる取引の実情があるとは認められないものであることをも勘案すれば、本願商標と引用商標2とは、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というのが相当である。 そして、本願の指定商品は、前記1のとおりであり、引用商標の指定商品中の「音声及び映像の記録・通信・再生用装置,プロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。),プロジェクションディスプレー(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。),プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。)に用いるコンピュータソフトウェア,プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画械器具に属するものを除く。)の専用部品及び附属品としての通信用機械器具・通信用アダプタ・リモートコントローラー,プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。)の専用部品及び附属品,電子応用機械器具及びその部品,電池,電気通信機械器具」と同一又は類似の商品である。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標と引用商標は5音という短い音構成からなる文字商標であり、一音の相違であってもその差異は十分に際立つものであるから混同を生ずるおそれはないものである。また、本願商標はその構成中の「ア」が前音の「シ」に吸収され「プロキシャ」のように4音に近い音で聴取されるのに対し、引用商標は「プロキシマ」と明瞭に5音で聴取され、両者は全く異なる音質を持つ音として受け止められる旨主張する。 しかしながら、本願商標と引用商標は、いずれも5音からなり、語頭音を含む共通する4音は比較的強く響く音を有するものであって、差異音はわずかに語尾に位置する母音を共通にする音であるから、両者は聴き誤るおそれがあるものといえること、上記(1)のとおりである。また、本願商標は、その構成文字に照らせば、「プロキシア」と称呼されるとみるのが自然であって、常に「プロキシャ」と称呼されるとみるべき特段の事情は見いだせない。 イ 請求人は、「ア」と「マ」の音を差異音とする既登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは、称呼上、非類似の商標である旨主張する。 しかしながら、請求人の主張する該登録例は、甲第1号証の例を除いて全て4音からなる称呼における比較であり、また、該差異音以外の音の構成を本件とは異にするものである。そして、甲第1号証の例は、商標の構成文字及びその指定商品において本件とは別異のものであって、事案を異にするというべきものであるから、該登録例が存することをもって、上記(1)においてした判断が左右されることはない。 ウ したがって、上記ア及びイのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 (1)引用商標1 (2)引用商標2 別掲2(引用商標1及び引用商標2の指定商品) 第9類「音声及び映像の記録・通信・再生用装置,プロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。),プロジェクションディスプレー(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。),プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。)に用いるコンピュータソフトウェア,プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画械器具に属するものを除く。)の専用部品及び附属品としての通信用機械器具・通信用アダプタ・リモートコントローラー,プレゼンテーション用のプロジェクター及びプロジェクションスクリーン(光学機械器具・写真機械器具・映画機械器具に属するものを除く。)の専用部品及び附属品,電子応用機械器具及びその部品,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,磁心,抵抗線,電極」 |
審理終結日 | 2014-10-10 |
結審通知日 | 2014-10-17 |
審決日 | 2014-11-05 |
出願番号 | 商願2013-8098(T2013-8098) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09)
T 1 8・ 263- Z (W09) T 1 8・ 262- Z (W09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 堀内 真一 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
浦辺 淑絵 手塚 義明 |
商標の称呼 | プロキシア、プロクシア |
代理人 | 平山 一幸 |