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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X43
管理番号 1299532 
審判番号 取消2014-300507 
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-07-09 
確定日 2015-03-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第5141230号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5141230号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワイン倶楽部」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月19日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同20年6月13日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成26年8月4日である。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標権者のファーストトレーディング株式会社(以下「ファーストトレーディング」という。)は、本件商標の「ワイン倶楽部」を、少なくとも本件審判の請求の登録前の3年以内(以下「要証期間」という。)に日本国内において、役務「飲食物の提供」について継続して使用している。
ア 使用者について
商標権者と飲食店の運営を事業とする株式会社ダイナック(東京都新宿区新宿一丁目8番1号:以下「ダイナック」という。)は、同社を通常使用権者とする、本件商標に関する商標使用許諾契約を2012(平成24)年2月1日、2013(平成25)年2月1日及び2014(平成26)年1月1日付けで締結している(乙1の1?5)。
そして、当該契約書全てにおいて、その第3条第2項で「前項に関わらず、乙の本契約有効期間中に本件商標の使用を中止した場合には、その旨を速やかに書面にて甲に申し出るものとし、この場合本契約は終了するものとする。」と記載されているとおり、現在まで、ダイナックから本件商標の使用を中止した旨の申し出はなく、現在においても本契約は有効である。
乙第1号証の1は、東京都千代田区有楽町所在のワインバル&ビストロ形態の飲食店「BISTRO&BAR 有楽町ワイン倶楽部」に本件商標を使用するための商標使用許諾契約書であり、乙第1号証の2は、東京都中央区日本橋本町所在のワインバル&ビストロ形態の飲食店「室町ワイン倶楽部」に本件商標を使用するための商標使用許諾契約書であり、乙第1号証の3は、東京都豊島区南池袋所在のワインバル&ビストロ形態の飲食店「池袋ワイン倶楽部」に本件商標を使用するための商標使用許諾契約書であり、乙第1号証の4は、東京都中央区日本橋所在のワインバル&ビストロ形態の飲食店「八重洲ワイン倶楽部」に本件商標を使用するための商標使用許諾契約書であり、乙第1号証の5は、株式会社ダイナックが自社経営のワインバル&ビストロ形態の飲食店に「ワイン倶楽部」を使用するための商標使用許諾契約書である。
以上の証拠から、ダイナックは、本件商標権の通常使用権者と認められる。
なお、上記契約を基に、ダイナックは、後述に記載の各ワインバル&ビストロ形態の飲食店の運営を行っている。当該事実を示すため、乙第1号証の6及び7において、ダイナックのホームページ上の店舗案内のページの写しを提出する。
イ 使用商標について
(ア)ダイナックのホームページ上の店舗案内のページでの使用
乙第1号証の6及び7に示すとおり、本件通常使用権者は、自社ホームページの店舗案内のページにおいて、本件商標を使用している。
具体的には、乙第1号証の6において、ホームページ左上2段目において「ダイナックのお店>ワイン倶楽部」を記すことで、自社が経営する飲食店に「ワイン倶楽部」が存することを消費者やホームページ閲覧者に教示している。
さらに、ホームページ右寄り中段に飲食店のコンセプトが紹介されており、当該紹介文中に「カジュアルにワインを楽しむ『ワイン倶楽部』は各店の個性を活かしたお料理で至福のワイン時間を演出致します。」と紹介し、本件商標を使用している。
乙第1号証の7においては、ホームページ左上「ダイナックのお店一覧」の文字の下に「ワイン倶楽部」と記すことで、自社が経営する飲食店に「ワイン倶楽部」が存することを消費者やホームページ閲覧者に教示している。
さらに、ホームページ中段に飲食店のコンセプトが紹介されており、当該紹介文中に「カジュアルにワインを楽しむ『ワイン倶楽部』は各店の個性を活かしたお料理で至福のワイン時間を演出致します。」と紹介し、本件商標を使用している。
(イ)各飲食店舗における使用
a 東京都千代田区有楽町での使用
乙第2号証の1の店舗のホームページに示すとおり、本件通常使用権者は、東京都千代田区有楽町1-7-1有楽町電気ビルB1F所在の「有楽町ワイン倶楽部」において、店舗看板やメニュー、ショップカードに本件商標を付している。
当該飲食店が所在することを示すため、乙第2号証の2及び3において、店舗写真及び店舗内メニューの写真を提出する。本件審判の請求3ヵ月以上前の写真は用意できなかったが、当該店舗を紹介する「ぐるなび」のホームページ上の「応援口コミ」の「応援フォト」において、平成24年(2012年)10月19日及び平成26年(2014年)8月29日のコメントが掲載されていることから(乙2の6及び7)、当該店舗が少なくとも要証期間に継続して存在していたことは明らかであるといえ、それにより本件商標が継続して使用されていたといえる。また、看板や店舗の状態からも、少なくとも数年前から使用されていたであろうことは十分窺い知れる。
本件商標は、当該店舗のホームページ上で店名として使用されており、また、実店舗においても、看板や入口扉に掲げられている(乙2の2)。店舗内メニュー上部中央にはロゴの形態で、また、飲食コースの一つ「ワイン倶楽部満喫コース」の表記で、本件商標を使用しており(乙2の3)、さらにショップカードにおいても表にロゴの形態で、裏に「有楽町ワイン倶楽部」と横書きで使用している(乙2の6)。
b 東京都中央区日本橋本町での使用
乙第1号証の7及び8のダイナック株式会社のホームページに示すとおり、本件通常使用権者は、東京都中央区日本橋本町3-2-14山一大野ビル1F所在の「室町ワイン倶楽部」において、店舗看板及びショップカードに本件商標を付している。
c 東京都豊島区南池袋での使用
乙第1号証の7及び8のダイナック株式会社のホームページに示すとおり、本件通常使用権者は、東京都豊島区南池袋1-24-6深野ビルB1所在の「池袋ワイン倶楽部」において、店舗看板及びショップカードに本件商標を付している。
d 東京都中央区日本橋での使用
乙第1号証の7及び8のダイナック株式会社のホームページに示すとおり、本件通常使用権者は、東京都中央区日本橋2-3-18江間忠さくらビルB1所在の「八重洲ワイン倶楽部」において、店舗看板及びショップカードに本件商標を付している。
(ウ)業態紹介パンフレットにおける使用
乙第6号証の1に示すとおり、本件通常使用権者は、自社業態紹介のパンフレットにおいて、本件商標を使用している。具体的には、飲食店舗出店の際等に不動産会社やディベロッパー等に配布するパンフレット内最右中央部に本件商標を使用することで、本件通常使用権者が本件商標を使用して、飲食店を運営していることが明示されている。
ウ 本件商標の態様について
本件商標は、標準文字商標であり、ダイナックのホームページ上の店舗案内のページで使用されている商標は、いずれも本件商標と文字種も同一であり、同一であるといえる。
また、上記各飲食店舗においては、その所在する地名とともに用いられているが、各所在地に応じて地名が付与されているにすぎず、当該商標に接する需要者、取引者は、各々の商標の地名部分と「ワイン倶楽部」の部分を分離して観察するのが通常であり、同一の「ワイン倶楽部」の営業形態の一種であると考えるのが自然である。
各飲食店舗は、その所在の地名を附した本件商標の「ワイン倶楽部」を使用しているが、付加された地名部分は自他役務の識別機能を果たさず、当該部分を除いた残りの部分である「ワイン倶楽部」が自他役務の識別標識として機能する部分であるといえるため、各飲食店舗における使用は、本件商標と「社会通念上同一」商標の使用といえる。
なお、東京都千代田区有楽町1-7-1有楽町電気ビルB1F所在の「有楽町ワイン倶楽部」においては、乙第2号証の3の店舗内メニューの写真が示すように、メニュー中に「ワイン倶楽部満喫コース」との表示で本件商標を使用しており、当該表示の「満喫コース」部分についても、自他役務の識別機能を果たさない付加部分であるといえるので、当該メニューでの使用も本件商標と「社会通念上同一」商標の使用といえる。
業態紹介パンフレットでは、「ワインクラブ」の表記で使用しており、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標であるといえる。したがって、業態紹介パンフレットにおける使用は、本件商標と「社会通念上同一」商標の使用といえる。
(2)以上のとおり、被請求人である商標権者は、通常使用権者に本件商標の使用を許諾しており、本件通常使用権者は、要証期間に本件商標をホームページ及びワインバル&ビストロ形態の飲食店に使用している。
したがって、これらの行為は、商標法第2条第3項第8号の行為に該当するものであり、指定役務「飲食物の提供」について使用されているものである。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の乙各号証によれば、以下のとおりである。
ア 乙第1号証の1は、平成24年2月1日付けの本件商標に関するファーストトレーディング(甲)とダイナック(乙)による「商標使用許諾契約書」である。
これには、第1条において、「甲は、乙に対して、乙の経営する下記の店舗の名称に、本件商標を無償にて使用することを認める。/本店店舗名:BISTORO&BAR 有楽町ワイン倶楽部/所在地:東京都千代田区有楽町1丁目7番1号」の記載、及び第3条において、「本契約の有効期間は本契約締結日より5年間とする。但し、期間満了の6ヶ月前までに双方何らの意思表示なき場合は、本契約は自動的に1年間延長されるものとし、以後も同様とする。」の記載がある。
イ 乙第1号証の6及び7は、ダイナックのウェブサイトであり、これには、イタリアン料理とワインを提供する飲食店として、「八重洲ワイン倶楽部」「池袋ワイン倶楽部」「室町ワイン倶楽部」「有楽町ワイン倶楽部」「丸の内ワイン倶楽部」の店舗が紹介されている。
ウ 乙第2号証の1は、有楽町ワイン倶楽部のウェブサイトであるところ、ページの左上には、別掲のとおり、茶色を基調とした装飾的な囲い込み図形の中に、白抜きで、「BISTORO&BAR/有楽町ワイン倶楽部」の文字とブドウの房を簡略化した図形を配してなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。そして、中程には、「2014.07.29」の日付けで、「29日、30日はお肉のステーキ29%OFFの恒例『肉祭り』!ご予約はお早めに!」の記載がある。
エ 乙第2号証の2は、有楽町ワイン倶楽部の店舗写真であるところ、その店舗の看板には、使用商標が表示されている。そして、乙第2号証の4は、Windowsフォトビューアーによる同写真のプロパティ(ファイルの属性・設定に関する情報)であり、撮影日時が「2014/09/17」と表示されている。
オ 乙第2号証の6は、有楽町ワイン倶楽部を紹介する「ぐるなび」のウェブサイトであるところ、ページの左上には、「ワインショップ併設の本格ビストロ&バル」の文字、及び「有楽町ワイン倶楽部」の文字が表示されている。そして、中程には、口コミ情報として、皿に盛りつけられた「ビフテキ」の写真が掲載され、「2012.10.19」の日付けで、「選んで間違いなし!でした。お肉もボリューム満点で食べ応え充分です。・・・」の記載がある。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
商標権者であるファーストトレーディングとダイナックとは、本件商標の商標使用許諾契約を締結しており、ダイナックは、平成24年2月1日から本件商標の通常使用権者になったことが認められる。
そして、通常使用権者であるダイナックは、乙第2号証の1によれば、2014年7月29日には、有楽町ワイン倶楽部のウェブサイトを公開していたものと認められ、それらのウェブサイトには、飲食物の提供がなされている内容が見てとれ、また、使用商標が表示されている。
そうしてみると、ダイナックは、2012年10月19日には、東京都千代田区有楽町において、「有楽町ワイン倶楽部」という名称の飲食店を経営していたとみるのが自然であり、かつ、同店のウェブサイトにおいて、使用商標を表示したといえる。
また、同飲食店は、乙第2号証の2及び4の店舗写真からすれば、平成26年9月17日はもとより、現在も営業を継続していると推認されるものである。
(3)本件商標の使用について
使用商標がウェブサイトに表示された事実について、次のとおり判断することができる。
ア 使用商標を表示したウェブサイトの公開が認められる2014年7月29日は、要証期間の日である。
また、該ウェブサイトは、「有楽町ワイン倶楽部」という名称の飲食店の内容を広く知らせるためのものであるから、その内容は、広告といえるものであって、そのウェブサイトに表示された使用商標は、同店の商標を表示した(付した)ものということができる。
してみれば、該ウェブサイトに「飲食物の提供」がなされている内容を掲載し、使用商標を表示する行為は、役務に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。
イ 使用商標に含まれる「BISTORO&BAR」の文字は、料理及び飲み物を提供する店であることを理解させるものであるから、「有楽町ワイン倶楽部」という名称の飲食店においては、本件審判の請求に係る指定役務「飲食物の提供」を行っていることを表したものと理解されるのものであり、該文字が自他役務の識別標識として認識されるものではない。
ウ そして、該「有楽町ワイン倶楽部」の表示は、その構成中前半の「有楽町」の文字部分が提供する役務の場所を表示するものであって、後半の「ワイン倶楽部」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
さらに、該「ワイン倶楽部」の文字は、本件商標「ワイン倶楽部」と構成文字が同一であるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
エ そうすると、本件商標の通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件審判の請求に係る指定役務の広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当)というべきである。
(4)請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(使用商標:色彩については原本参照。)





審理終結日 2015-01-14 
結審通知日 2015-01-19 
審決日 2015-02-09 
出願番号 商願2007-62557(T2007-62557) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X43)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2008-06-13 
登録番号 商標登録第5141230号(T5141230) 
商標の称呼 ワインクラブ 
代理人 橋本 克彦 
代理人 荒船 良男 
代理人 荒船 博司 
代理人 橋本 京子 
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