• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
審判 全部申立て  登録を維持 W32
管理番号 1298478 
異議申立番号 異議2014-900235 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-08-25 
確定日 2015-03-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5671944号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5671944号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5671944号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、「ビシビシ」の片仮名と「VIC VIC」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成25年6月28日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同26年4月28日に登録査定、同年5月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する登録商標は、以下の5件の登録商標(以下、これら登録商標をまとめて「引用商標」という。)である。
(1)登録第2087655号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VOLVIC」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年3月16日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年10月26日に設定登録、その後、平成21年2月4日に、指定商品を第30類「茶,コーヒー,ココア」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)国際登録第732304号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VOLVIC」の欧文字を横書きしてなり、2000年(平成12年)4月14日に国際商標登録出願、第32類「Mineral water, table water, carbonated water, lithia water, non-alcoholic fruit juice beverages, fruit juices, lemonades, soft drinks, syrups for beverages, preparations for making beverages, powders for effervescing beverages, carbonated beverages, alcohol-free beverages, beers.」(仮訳:ミネラルウォーター,ミネラルウォーター,炭酸水,リチア水,アルコールを含有しない果実飲料,果汁,レモネード,清涼飲料,飲料用シロップ,飲料製造用調製品,発泡性飲料用粉末,炭酸飲料,アルコールを含有しない飲料,ビール)並びに第25類及び第33類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年3月2日に日本国において設定登録され、その後、同22年7月21日に、指定商品のうち、第25類及び第33類に属する商品について、マドリッド協定及び同協定の議定書に基づく共通規則第25規則による登録の一部抹消の登録がされ、第32類に属する指定商品については、現に有効に存続しているものである。
(3)国際登録第836310号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2004年1月9日にFranceにおいてした商標の登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年(平成16年)7月8日に国際商標登録出願、第32類「Still water, sparkling, aerated or carbonated water (mineral or not), spring water, mineral water, flavoured water, natural flavoured mineral beverages made with water, beverages made with fruit or vegetables, fruit or vegetable juices, nectars, lemonades, soft drinks and other non-alcoholic beverages, syrups and preparations for making beverages, sorbets (beverages), beers (alcoholic or not); all aforesaid goods are citron flavoured drinks.」(仮訳:非発泡性の水,スパークリングウォーター・発泡性の水又は炭酸水(ミネラル又はミネラルでないもの。),湧水,ミネラルウォーター,風味を加味してなる水,水から作られる天然の風味が付けられたミネラル飲料,果実又は野菜を使用してなる清涼飲料,果汁又は野菜ジュース,果汁飲料、レモネード,清涼飲料その他のアルコール分を含有しない飲料,シロップ及び飲料製造用調製品,シャーベット水,ビール(アルコールを含有するもの又はしないもの。),前述の全ての商品はシトロン風味の飲料である)を指定商品として、平成17年12月22日に日本国において設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)国際登録第940444号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、2007年3月27日にFranceにおいてした商標の登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して同年(平成19年)9月11日に国際商標登録出願、第32類「Isotonic beverages, non-alcoholic beverages, water (beverages), table water, aerated water, mineral water (beverages).」(仮訳:アイソトニック飲料,アルコール分を含まない飲料,飲料水,ミネラルウォーター,炭酸水,ミネラルウォーター)を指定商品として、平成21年2月20日に日本国において設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(5)登録第5578239号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成24年11月20日に登録出願、第32類「ボトル詰めされた天然ミネラルウォーター,果物の風味を加味してなる飲料水」を指定商品として、同25年4月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標の周知性
申立人は、ヨーグルトの生産量で世界第1位、ミネラルウォーターの販売量で世界第2位、ビスケットの生産量で世界第2位のフランスの企業Group Danone(グループダノン)(甲7、甲8)のミネラルウォーター「Volvic」の製造販売を業とする会社である。申立人の業務に係る商品「ミネラルウォーター」(以下「申立人商品」という。)は、1986年に日本市場に導入されて以来、着実に市場に浸透し、販売数量、売上高は極めて大きく、輸入ミネラルウォーターの中で最大のシェアを誇っている(例えば、2011年(平成23年)の売上高は、約600億円である。)(甲11、甲12)。また、申立人商品は、Group Danoneの関連会社であるダノンウォーターズオブジャパン株式会社の関連会社であるキリンMCダノンウォーターズ株式会社により販売されており、ダノンウォーターズオブジャパン株式会社及びキリンMCダノンウォーターズ株式会社により、本件商標の出願前よりテレビや雑誌を介して広告がされている(甲14、甲15)。
したがって、「Volvic」の文字よりなる商標(以下「『Volvic』商標」という。)は、申立人商品に使用する商標として、また、申立人のハウスマークとして、本件商標の出願時には既に我が国において周知であったといえる。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、「ビシビシ」の片仮名と「VIC VIC」の欧文字とを上下二段に、相当間隔を空けて配してなるものであり、「ビシビシ」の文字は「ビシビシ検挙する」などのように使用され、一方、「VIC」の文字は「ビック」、「ヴィック」と称呼されるものであって、「ビシ」と称呼されるものではないから、「ビシビシ」の文字と「VIC VIC」の文字は、それぞれ独立した構成要素である。そして、本件商標中の「VIC VIC」の欧文字部分は、「ビシビシ」の片仮名部分より大きく太い文字で表してなるから、本件商標において支配的な要素である。
上記(1)のとおり、引用商標及び「Volvic」商標は、申立人商品に使用する商標として、また、申立人のハウスマークとして、本件商標の出願時には既に我が国で周知であった。そうすると、本件商標に接する需要者は、その構成中の「VIC VIC」の文字部分を、「VOLVIC VOLVIC」を省略したものと理解し、その商品の出所を「VOLVIC」と同一又は経済的に関連する者であると認識する。
したがって、本件商標中の「VIC VIC」の文字は、引用商標と観念において類似するものである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
本件商標の構成中の「VIC VIC」の文字は、上記(2)のとおり、我が国において周知な「Volvic」商標を「VIC」と略したものと需要者に認識される。
また、本件商標の指定商品は、申立人商品と類似する商品ないし密接に関連する商品である。
したがって、本件商標をその指定商品に使用するときは、当該商品が申立人又は同人と経済的に関連する者の業務に係る商品であると認識される。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性
本件商標の構成中の「VIC VIC」の文字は、上記(2)のとおり、我が国において周知な「Volvic」商標と類似するものである。
本件商標の商標権者は、我が国の代表的なアルコール飲料及び非アルコール飲料のメーカーの子会社であり、「Volvic」商標が我が国において周知な商標であることを熟知しており、本件商標中の「VIC VIC」の文字は、「Volvic」商標をもじったものであるから、本件商標は、「Volvic」商標の顧客吸引力に只乗りせんと、不正の目的で出願し、使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであり、その登録は、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「ビシビシ」の片仮名と「VIC VIC」の欧文字を二段に横書きしてなり、上段と下段の間には間隔が空いてなるものである。
そして、その構成中の「VIC VIC」の欧文字部分は、「VIC」と「VIC」との間に1文字程度の間隔があるとしても、同一の書体をもって、同一の大きさで書され、外観上まとまりよく表されており、その欧文字部分全体が一体のものとして認識されるものである。加えて、「VIC VIC」の欧文字部分全体より生じる「ビックビック」又は「ヴィックヴィック」の称呼も、「ビック」又は「ヴィック」の称呼を繰り返す語呂がよいものであって、淀みなく一連に称呼し得るものであり、その全体が親しまれた成語とはいえないものであるから、特定の意味を有しない造語といえるものである。
また、その構成中の「ビシビシ」の片仮名部分は、4文字という簡潔な文字構成からなり、片仮名部分全体が一体のものとして認識されるものである。そして、片仮名部分は、上述のとおり、「VIC」の文字が「ビック」又は「ヴィック」と称呼されることを踏まえると、欧文字部分の表音のように認識されるものではなく、その構成文字に相応して「ビシビシ」の称呼を生じ、一体不可分の造語として認識されるものである。
そうすると、本件商標は、その欧文字部分に相応して「ビックビック」又は「ヴィックヴィック」の称呼を、また、その片仮名部分に相応して「ビシビシ」の称呼を生じるものであり、いずれの文字部分からも特定の観念は生じないものといえる。
(2)引用商標及び「Volvic」商標
引用商標は、上記2のとおり、「VOLVIC」の文字よりなるもの又はその構成中に「Volvic」の文字を含むものである。
ところで、甲第7号証ないし甲第15号証によれば、申立人商品は、1986年(昭和61年)に、日本で販売が開始され、2002年(平成14年)ころから、雑誌、テレビ等を介して宣伝広告がされたことが認められ、申立人商品に付された「Volvic」商標、すなわち、引用商標の構成中の「Volvic」の文字よりなる商標は、本件商標の登録出願の日(平成25年6月28日)には既に、申立人商品を表示するものとして「ボルヴィック」と称呼され、我が国における清涼飲料の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認めることができる。そして、その周知性は、本件商標の登録査定日(平成26年4月28日)にも継続していたと認め得るところである。
しかし、引用商標及び「Volvic」商標が「VIC(vic)」又は「ヴィック」と省略されて、我が国の清涼飲料の取引者、需要者の間に広く認識されていた事実は見いだすことはできない。
そうすると、引用商標及び「Volvic」商標は、それらを構成する「VOLVIC」の文字又は「Volvic」の文字に相応して、「ボルヴィック」の一連の称呼のみが生ずるものであり、「VOLVIC」の文字又は「Volvic」の文字そのものは、「Volvic」ブランドの清涼飲料であることを表したものと理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標及び「Volvic」商標は、「ボルヴィック」の称呼を生ずるものであって、「Volvic」ブランドの清涼飲料との観念を生ずるものと認めることができる。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、それぞれの構成が上記1及び2のとおりであるから、外観上明らかに区別し得るものである。
また、本件商標からは、上記(1)のとおり、「ビックビック」、「ヴィックヴィック」又は「ビシビシ」の称呼が、引用商標からは、上記(2)のとおり、「ボルヴィック」の称呼が生じるところ、両称呼には、構成音の数・音質・音感等に著しい差異があるから、それぞれの称呼を一連に称呼したときは、称呼上明瞭に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、上記(1)のとおり、特定の観念は生じないものであるのに対し、引用商標は、上記(2)のとおり、「Volvic」ブランドの清涼飲料との観念を生ずるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念上も、明らかに区別し得るものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない別異の商標というべきものである

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
「Volvic」商標は、上記(2)のとおり、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年6月28日)及び登録査定日(平成26年4月28日)の時点において、我が国の清涼飲料の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができるものである。
しかし、本件商標は、「Volvic」商標とは、上記(3)と同様に、外観、称呼及び観念のいずれの点についても類似するところがない別異の商標であるから、「Volvic」商標の周知性を勘案しても、本件商標に接する取引者、需要者が、「Volvic」商標を想起又は連想することはないというべきである。
そうすると、本件商標は、その指定商品について使用しても、その取引者、需要者をして、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
「Volvic」商標は、上記(2)のとおり、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国の清涼飲料の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標であるとしても、本件商標は、「Volvic」商標とは、上記(3)と同様に、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。
また、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であるというべき事情も見いだすことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)本件商標


別掲(2)引用商標3(色彩は、原本参照。)


別掲(3)引用商標4(色彩は、原本参照。)


別掲(4)引用商標5(色彩は、原本参照。)



異議決定日 2015-03-02 
出願番号 商願2013-50191(T2013-50191) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W32)
T 1 651・ 262- Y (W32)
T 1 651・ 261- Y (W32)
T 1 651・ 263- Y (W32)
T 1 651・ 271- Y (W32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 洋子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 林 栄二
梶原 良子
登録日 2014-05-23 
登録番号 商標登録第5671944号(T5671944) 
権利者 サントリー食品インターナショナル株式会社
商標の称呼 ビシビシ、ビックビック 
代理人 青木 博通 
代理人 片山 礼介 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
代理人 古木 睦美 
代理人 佐藤 雅巳 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ