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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 109
管理番号 1298343 
審判番号 取消2013-301090 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-12-13 
確定日 2015-02-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第2318766号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2318766号商標(以下「本件商標」という。)は、「NAVIO」の欧文字と「ナビオ」の片仮名を上下2段に書してなり、昭和63年6月28日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録、その後、同13年7月31日及び同23年7月19日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同14年9月11日に、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」及び第17類「電気絶縁材料」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成26年1月10日である。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品のうち、上記商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
(1)本件商標の使用について
本件商標は、商標権者によって「組込みシステム用リアルタイムOS」について使用されている。被請求人の設立と同時に採用された「ナビオ株式会社」の商号は、設立の日から今日まで35年有余に渡って使用され続けている。
乙第1号証のホームページのページ冒頭で、別掲に示した欧文字のロゴマーク(以下「使用商標」という。)を社標として採用し、その右横に必ず「ナビオ株式会社」の表記が伴っている。そこで使用商標に接する取引者・需要者のいずれも、ごく自然に、この使用商標を欧文字「NAVIO」と認識し、これより最も自然に「ナビオ」の称呼が生じることは明らかである。
すなわち、使用商標の右横にカタカナ「ナビオ」を配置することは、本件商標を使用しているものと容易に認識でき、社会通念上同一の商標を使用している状況にあることは明白な事実である。
使用商標と本件商標を比較すると、使用商標を構成する欧文字「A」の横線が省略されて「Λ」とデザインされ、また、語頭の「N」「Λ」二文字の下部、及び「V」「I」二文字の上部が連結されたデザインがなされているものの、至極自然に「NAVIO」と容易に認識でき、これより「ナビオ」の発音のみ生じる。
また、両商標は、ともに特定の観念を生じる語でない。しかし、使用商標の欧文字の隣には、常に被請求人の社名である「ナビオ株式会社」が配置されることによって、使用商標は至極自然に「NAVIO」と容易に認識でき、これより「ナビオ」の発音のみが生じる。
以上より、被請求人提出の審決例(乙3ないし乙6)にそって判断されるべきものであり、本件商標と使用商標は、社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
乙第2号証は、被請求人ホームページより抜粋の「製品情報/その他の製品情報」である。同ページでは被請求人の開発した「組込みシステム用リアルタイムOS」について、「装置開発に必要な技術の一つとして組込システム用リアルタイムOSの利用があります。弊社では1989年にNavios/68Kと命名したITRON使用に準拠した組込みシステム用リアルタイムOSを開発しました。その後、数多くの装置開発に利用してきました。」との記載、「開発した組込みシステム用リアルタイムOSはNavios/68K、・・・などがあります。多くの装置に組み込んで販売した実績があります。」という記載が認められ、被請求人の組込みシステム用リアルタイムOSが「Navios」という名称でシリーズ化され販売されていることが判る。
また、被請求人の商品「組込みシステム用リアルタイムOS」は、各種産業用機器に汎用に使えるソフトウェアである。小型の産業用機器のOSとして開発されたのが被請求人の商品「組込みシステム用リアルタイムOS」で、各種産業用機器に組み込んで販売するほか、被請求人のホームページに、製品情報(その他の製品情報)として紹介されているように、単独でソフトウェア商品としても販売している商品である。この事実は、乙第9号証の、被請求人会社の代表者の証明からも明かである。なお、被請求人の商品は、各社のプロセッサ対応のソフトウェアである。
(3)本件商標が、請求に係る指定商品に、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に使用されていた事実について
乙第7号証は、被請求人ホームページの1ページ目で、その「お知らせ」の欄に、「2013.12.01掲載 ホームページをリニューアルしました【お知らせ】」の記載がある。
そして、このホームページの「製品情報/その他の製品情報」をクリックすると、乙第2号証のページが掲載されている。この、乙第7号証及び乙第2号証のページには、使用商標がハウスマークとして記載され、乙第2号証のページには、被請求人の商品「組込みシステム用リアルタイムOS」の広告が掲載されている。
乙第8号証は、被請求人ホームページの作成者でありサーバ管理者であるスペクトルデザインオフィス代表の証明であり、被請求人ホームページの上記各記事が、平成25年12月1日から本日に至るまで継続してサーバにデータが蓄積されている事実を証明している。
以上から、本件商標が本件審判の請求の日より前の、少なくとも平成25年12月1日には、被請求人の商品「組込みシステム用リアルタイムOS」について使用している事実が証明されている。
(4)まとめ
以上より、本件商標は、請求に係る指定商品に、要証期間内に使用されていたことが明らかであり、本件商標は、その登録が維持されるべきである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出した証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証、乙第2号証、乙第7号証及び乙第9号証について
乙第1号証、乙第2号証及び乙第7号証は、本件商標の商標権者であるナビオ株式会社のホームページを印刷したものであり、それぞれにロゴ表示である使用商標及び「ナビオ株式会社」の文字が表示されている。
そして、乙第2号証には、商標権者が取り扱う製品情報として、「組込みシステム用リアルタイムOS」が紹介され、その紹介の中で「開発した組込みシステム用リアルタイムOSは、Navios/68K、・・・などがあります。多くの装置に組み込んで販売した実績があります。」の記載がある。
なお、乙第9号証によれば、「組込みシステム用リアルタイムOS」は、単独でソフトウェア商品として販売されている。
また、乙第7号証には、「お知らせ」の項目のもと、「2013.12.01掲載 ホームページをリニューアルしました【お知らせ】」の記載がある。
イ 乙第8号証について
乙第8号証は、商標権者のホームページの制作者でありサーバ管理者である、スペクトルデザインオフィスの代表が、ナビオ株式会社に対して発行した平成26年7月1日付けの証明書であり、その内容は、「登録商標使用の事実」について、「ナビオ株式会社のインターネットホームページにおける『トップページ』『その他製品情報-その他』のページが、平成25年12月1日にリニューアルされ、本日に至るまでの間、継続してサーバにデータが蓄積されている事実。」を旨とするものである。
(2)以上の認定事実より、以下のとおり判断する。
ア 使用者、使用時期、使用商品等について
上記(1)によれば、商標権者は、要証期間内である平成25年12月1日に、日本国内における商標権者のホームページにおいて、「組込みシステム用リアルタイムOS」の開発、販売を行っていることについて、使用商標を表示し広告していたものである。
そして、当該「組込みシステム用リアルタイムOS」は、いわゆる「コンピュータ用ソフトウェア」であるとみるのが相当であって、本件取消審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品と認められる。
イ 使用商標について
使用商標は、別掲のとおり「NAVIO」の文字をロゴ表示としたものであるのに対し、本件商標は、前記1のとおり、「NAVIO」の欧文字と「ナビオ」の片仮名を上下2段に横書きしたものである。
してみると、両商標は、その称呼である「ナビオ」を共通にし、外観も、使用商標を構成する欧文字「A」の横線が省略されて「Λ」とデザインされ、また、文字同士が一部接触したデザインがされているとしても、自然に「NAVIO」と容易に認識されるものであって、「NAVIO」の欧文字において共通し、また、観念においても異なるものではないことから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めるのが相当である。
(3)まとめ
以上よりすれば、被請求人は、商標権者が平成25年12月1日(要証期間内)に日本国内で開設していたホームページにおいて、本件取消審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「コンピュータ用ソフトウェア」に関する広告に、本件商標と社会通念上同一の商標を付してその情報を電磁的方法により提供したことを証明したものであり、この行為は、商標法第2条3項第8号に該当するものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(使用商標 色彩は、原本参照のこと。)




審理終結日 2014-09-01 
結審通知日 2014-09-03 
審決日 2014-10-08 
出願番号 商願昭63-74043 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (109)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 今田 三男
田中 亨子
登録日 1991-07-31 
登録番号 商標登録第2318766号(T2318766) 
商標の称呼 ナビオ、ネイビオ 
代理人 田中 克郎 
代理人 特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所 
代理人 石田 昌彦 
代理人 稲葉 良幸 

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