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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 042
管理番号 1298294 
審判番号 取消2013-301022 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-11-20 
確定日 2015-02-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第3163641号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3163641号商標の指定役務中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3163641号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成4年9月24日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,写真の撮影,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,植木の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ?プその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定役務として、平成8年6月28日に設定登録されたものである。

第2 本件審判請求後の手続の経緯等
平成25年11月20日 審判請求書
平成25年12月10日 審判の請求の登録
平成26年 2月 3日 審判事件答弁書
平成26年 3月12日 審判事件弁駁書
平成26年 9月 9日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
平成26年 9月19日 口頭審理陳述要領書(2)(被請求人)
平成26年10月 3日 口頭審理陳述要領書(請求人)
平成26年10月10日 証人尋問、口頭審理

なお、本件において商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成22年(2010年)12月10日ないし同25年(2013年)12月9日である(以下「要証期間内」という場合がある。)。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁及び口頭審理期日における陳述を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務のうち「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」(以下「本件役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)答弁書及びこれに添付の乙1ないし乙13からは、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって使用されていることの証明はされていない。
(2)乙第13号証について
ア 被請求人は、乙13は緊急時に被請求人から使用許諾ユーザに貸出される貸出パソコンの写真である旨述べている。また、同貸出パソコンによって故障等不測の時代が生じても業務を中断することを防止している旨も述べている。
イ 乙13から、写真中の電子計算機が貸出用か否かは全く不明である。仮に、同電子計算機が貸出用だとしても、乙13に記載された撮影日が平成26年1月6日であるため、要証期間内に使用されたことを証明するものではない。
また、同電子計算機のディスプレイに表示されている画面は「Google」の検索画面であり、本当に同電子計算機が本件役務に関して使用されるのか甚だ疑問である。
ウ したがって、乙13によっては、本件商標が要証期間内に本件役務に使用されたことが証明されていない。
3 平成26年10月3日付け口頭審理陳述要領書による陳述
(1)被請求人が本件商標の使用事実に関する主張責任を尽くしていないこと
被請求人は、本件商標が要証期間中に本件役務に使用されているといった漠然とした主張を展開しているに過ぎず、本件商標が商標法第2条第3項各号のいずれの態様で「使用」されていたのか、その具体的な使用態様を一切明らかにしていない。また、そもそも、被請求人の主張するコンピュータの貸与は商標法上の役務に該当しない。
(2)被請求人の主張するコンピュータの貸与が商標法上の役務に該当しないこと
被請求人は、要証期間中に、本件商標を付したコンピュータを近畿日本ツーリストに有償で貸与していたから、被請求人が本件商標を本件役務に使用していたといえる旨主張している。
しかし、仮に、被請求人から近畿日本ツーリストに対するコンピュータの貸与がなされていたとしても、そのような行為は商標法上の役務に該当しないから、被請求人の主張は排斥されるべきである。
乙第17号証の「陳述書」によれば、被請求人と近畿日本ツーリストとの間の包括的業務委託契約に基づき、近畿日本ツーリストが総合旅行情報システム(愛称「TERANOS」)を運用するにあたり、被請求人所有にかかる電子計算機に本件商標を付して近畿日本ツーリストに貸与していたということである。このような被請求人の主張を前提にすると、本件商標が付された電子計算機は、被請求人から近畿日本ツーリストに委託された業務遂行に付随する形で貸与されていたに過ぎないものである。
したがって、被請求人によるコンピュータの貸与は、付随的でなく独立して市場における取引の対象となるものではなく、商標法上の役務に該当しない。
また、被請求人は、近畿日本ツーリストに対して有償でコンピュータを貸与していたことを裏付ける客観的な証拠を一切提出していない。このことも、被請求人によるコンピュータの貸与が、独立した取引対象となっておらず、商標法上の役務に該当しないことの証左である。
(3)被請求人の主張に対する客観的な裏付けが存在しないこと
ア 被請求人が電子計算機を所有していることの裏付けがないこと
被請求人は、平成26年9月9日付けの口頭審理陳述書において、「社内の電子計算機はすべて被請求人が所有し、近畿日本ツーリスト株式会社に貸与」している旨主張する。
しかし、被請求人は、コンピュータを撮影した写真を提出しているだけであり、コンピュータの購入に関する契約書や領収証、総勘定元帳など、被請求人がコンピュータを所有していることを証明するための客観的かつ提出が容易なはずの資料を一切提出していない。このことから、被請求人の上記主張には、全く裏付けがない。
イ 被請求人が要証期間中に電子計算機を貸与していたことの裏付けがないこと
被請求人は、要証期間中、近畿日本ツーリストにコンピュータを有償で貸与していたと主張しているが、そのような主張には全く裏付けがない。被請求人は、「被請求人と近畿日本ツーリストとの取引は、親子会社間の取引であり、他の取引も含めた包括的な契約の中でコンピュータの貸与契約を把えている。よってコンピュータの貸与契約の契約書は作成されていない。」と述べているが、親子会社どうしであっても別個独立の法人格を有しているのであるし、被請求人が主張するように貸与されるコンピュータが近畿日本ツーリストの従業員による業務遂行のために使用されていたというのであれば、貸与されるコンピュータの数も相当数にのぼるはずであるから、コンピュータの賃貸借契約書が作成されるのが通常である。また、被請求人は、被請求人が近畿日本ツーリストからコンピュータの賃料の支払を受けたことに関する客観的な証拠を一切提出していないし、賃料の具体的な額すら明らかにしていない。これらの事情に鑑みれば、要証期間中に近畿日本ツーリストに対し電子計算機を有償で貸与していたとの被請求人の主張には全く裏付けがないといえる。
ウ 乙第15号証に信用性がないこと
被請求人は、乙第15号証のコンピュータに本件商標が付されていることをもって、本件商標が本件役務に使用されていたと主張しているようである。
しかしながら、乙第15号証は、本件審判手続が開始された後に作成されたものであり、証拠としての信用性がない。また、被請求人は、要証期間中に、乙第15号証のコンピュータに本件商標が貼付されていたことに関する客観的な証拠を一切提出できていないから、乙第15号証は、本件商標が要証期間中に使用されていたことを証明するものではない。
エ 乙第16号証に信用性がないこと
被請求人は、乙第16号証のコンピュータのディスプレイ上に本件商標が表示されることをもって、本件商標が本件役務に使用されていたと主張しているようである。
しかしながら、乙第16号証も、乙第15号証と同様、本件審判手続が開始された後に作成されたものであり、証拠としての信用性がない。
また、被請求人は、要証期間中に、乙第16号証のコンピュータのディスプレイ上に本件商標が使用されていたことに関する客観的な証拠を一切提出できていないから、乙第16号証は、本件商標が要証期間中に使用されていたことを証明するものではない。
オ 乙第17号証に信用性がないこと
乙第17号証の「陳述書」は、そもそも本件審判手続が開始された後に作成されたものであるから、証拠としての信用性がない。このことは、被請求人が合理的な理由なく乙第14号証を撤回し、その代わりとして乙第17号証を提出していることや、乙第17号証の「対価」の欄には「有償」との記載があるだけであり、具体的な対価の額や算定方法などが全く記載されておらず、その記載が不自然に抽象的であることなどからも、明らかである。

第4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を、答弁書、口頭審理陳述要領書、口頭審理陳述要領書(2)及び口頭審理における陳述を要旨以下のように述べ、証拠方法として、書証(乙1ないし乙13及び乙15ないし乙17(枝番を含む。))及び人証(深野武文)を申出した。
1 答弁の理由
(1)被請求人について
被請求人は、大手旅行代理店であり、平成25年1月1日に前身の近畿日本ツーリスト株式会社(以下「旧近畿日本ツーリスト」という。)を商号変更した会社である。被請求人は、いわゆる持株会社であり、事業部門は予め設立されていたKNT団体株式会社及びKNT個人株式会社に分割譲渡され、前者が団体旅行事業を取り扱う近畿日本ツーリスト株式会社(以下「新近畿日本ツーリスト」という。)に、後者が個人旅行事業を取り扱う近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社に商号変更され、その他複数の事業会社をぶらさげ、事業をしている(乙1、乙2、図1参照)。
(2)本件商標の使用について
ア 被請求人は、商標登録以来、本件役務に使用している(乙3、乙4)。乙第3号証は、1997年10月頃に頒布された被請求人のパンフレットであるが、その表紙及び各頁に本件商標が表示され、被請求人の構築した総合情報旅行システム(以下「テラノスシステム」という。)のサービス内容が各種記載されている。
イ 被請求人は、商標登録の頃は自らコンピュータプログラムの設計・作成又は保守をし、本件役務の提供をしていたが、業務の拡張に伴い、コンピュータプログラムの設計・作成又は保守の業務をする専業会社として、100%出資の子会社株式会社近畿日本ツーリスト情報システム(以下「KJS」という。)を設立し、同社に上記業務を移管し本件役務の提供をすることになった。KJSは、2006年10月に株式会社NTTデータの資本参加により株式会社NTTデータテラノス(以下「NTTデータテラノス」という。)に商号変更され、現在に至っている(乙5、乙6)。NTTデータテラノスは、テラノスシステムの役務提供をするに当たり、被請求人から本件商標の使用許諾を受けている(乙7)。
ウ テラノスシステムは、被請求人自身又は被請求人が使用許諾した本システムの利用会社(被請求人の子会社若しくはグループ会社)等により使用されている(乙9、乙10)。
(3)乙第13号証は、端末機の事故等緊急時に被請求人から使用許諾ユーザに貸出される端末機(パーソナルコンピュータ。以下「貸出パソコン」という。)の写真である。不測の事態に備えるため、被請求人が使用許諾ユーザ用に常備する貸出パソコンには本件商標が表示されており、これにより故障等不測の事態が生じても業務の中断が生ずることを防止している。
2 平成26年9月9日付け口頭審理陳述要領書
(1)具体的な使用状況(誰が)
本件商標の使用者は被請求人である。分社化に伴い、社内の電子計算機はすべて被請求人が所有し、新近畿日本ツーリストに貸与するという体制となった。貸与された電子計算機には本件商標が貼付されており、新近畿日本ツーリストはこの状態で被請求人から貸与された電子計算機を操作し、旅行業務を行なっている(乙14?乙16)。
(2)具体的な使用状況(いつ)
被請求人が新近畿日本ツーリストに電子計算機を貸与したのは、分社化の2013年(平成25年)1月1日から現在に至るまでである(乙14)。
(3)具体的な使用状況(どこで)
本件商標の使用場所は新近畿日本ツーリストの事業所内においてである(乙14)。新近畿日本ツーリストは、自社事業所内において、貸与された電子計算機を使用して、国内主催旅行商品、運輸予約システム、旅行に関するあらゆる情報を提供する総合旅行情報システムを運用している。
(4)具体的な使用状況(どのような行為により)
本件商標の付された電子計算機は、新近畿日本ツーリストの社員により操作され、旅行の予約等の旅行業務に使用されている(乙14)。
(5)具体的な使用状況(誰に(相手方))
ライセンシーたる新近畿日本ツーリストは、本件商標の付された電子計算機を使用して、依頼を受けた法人や個人のために、旅行の予約等の旅行業務を提供している。
(6)使用商標
被請求人から新近畿日本ツーリストに貸与される電子計算機には本件商標と同一の商標が貼付されている(乙15、14)。また本件商標は、NTTデータテラノスのサーバ内に格納されており、新近畿日本ツーリストが旅行に関する役務の提供に当たり、電気通信回線を通じて接続された新近畿日本ツーリストの端末機の画面に表示される(商標法第2条第3項第7号)。表示画面は表示時間が短くすぐ消えてしまうため印刷が困難である。そこで、今回は表示画面を撮影した写真を乙第16号証として提出する。
(7)使用役務
被請求人は、新近畿日本ツーリストに電子計算機を貸与し、新近畿日本ツーリストはこれにより旅行の予約等の業務をしている。
(8)事情
分社化に伴う複雑な商号変更により代理人への連絡が不十分となり、代理人が把握していたのは、従来からある緊急時の電子計算機の貸与システムであるが、これは現在迄1回も発動実績がない。
(9)請求人への反論
乙第13号証の撮影日が平成26年1月6日であるのは、乙第13号証を準備したのが審判請求後であるから当然である。
3 平成26年9月19日付け口頭審理陳述要領書(2)
(1)乙第14号証は撤回し、これに代えて乙第17号証を提出する。乙第14号証と乙第17号証において、被請求人が所有するコンピュータを新近畿日本ツーリストに貸与するのは「有償」であり、マークの使用料は取らないという意味で当初乙第14号証に「無償」と陳述したものである。陳述人がここらを混同し、マークを中心に考えていたため対価「無償」と陳述してしまったので、乙第17号証により訂正する。
(2)被請求人と新近畿日本ツーリストとの取引は、親子間会社の取引であり、他の取引も含めた包括的な契約の中でコンピュータの貸与契約を把えている。よってコンピュータの貸与契約の契約書は作成されていない。
(3)乙第17号証の陳述日は、平成26年8月12日であるが、陳述の内容は、使用期間につき要証期間内の2013年(平成25年)1月1日から現在に至るまでであり、また使用者、使用商標及び使用役務についても要証期間内のものである。
4 口頭審理における陳述
本件商標の使用は、商標法第2条第3項第3号及び第4号に該当する。
5 証人尋問における証人の証言について
証人は、以下とおり、証言した。
ア 電子計算機の賃料は、1か月1台当たり3,000円から4,000円である。
イ 有償で貸与したことに関し、請求書、領収書というものは、存在しない。お金の支払いに関する書類は一切存在しない。

第5 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標は、旧近畿日本ツーリストを商標権者として、平成8年6月28日に設定登録され、平成25年8月12日に、被請求人(商標権者)に登録名義人の表示の変更がされている。
そして、被請求人は、平成25年1月1日に旧近畿日本ツーリストに商号変更した、いわゆる持ち株会社であり、商号変更時における子会社として、団体旅行を取扱う新近畿日本ツーリスト、個人旅行を取り扱う近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社などが存在する(乙1、2)。
(2)テラノス(TERANOS)は、被請求人及びその子会社が使用し、NTTデータテラノスが管理・運営する総合旅行システムの名称であり(乙4、乙8の1、2、乙17)、同システムは、1990年に導入され、2011年7月からは、「TERANOS-V」として運用されている(乙4、以下、被請求人が使用する当該システムを「被請求人システム」という。)。
(3)乙第13号証は、端末機の事故等緊急時に被請求人から使用許諾ユーザに貸出される端末機であるところ、端末機の右下部分には、本件商標とほぼ同じ態様の標章(以下「使用標章」という。)が表示されていることが認められる。
しかしながら、被請求人は、「緊急時の電子計算機の貸与システムは現在迄1回も発動実績がない。」旨述べている(上記第4 1(8)口頭審理陳述要領書3頁)。
(4)乙第15号証及び乙第16号証は、表示画面に「TERANOS V」と表示された電子計算機(端末機)であるところ、端末機の右下部分には、使用標章が表示されていることが認められる。
(5)乙第17号証は、新近畿日本ツーリストが被請求人に宛てた陳述書(作成者は、被請求人及び新近畿日本ツーリストの社員)であるところ、これには、「当社は、貴社との包括業務委託契約に基づき、当社が国内主催旅行商品、運輸予約システム、旅行に関するあらゆる情報を提供する総合旅行システム(愛称「TERANOS」)を運用するに当たり、業務開始日から現在に至るまで、貴社所有の電子計算機(端末機を含む)に下記商標を付して、下記条件で貸与されていることを確認します。」及び「1.商標の欄には使用標章が表示され、2.対価の欄には有償、3.業務開始日の欄には2013年(平成25年)1月1日」の記載がある。
しかしながら、電子計算機の貸与を裏付ける賃貸借契約書、包括的業務委託契約書、電子計算機の購入契約書、領収書などの書類の提出はない。
(6)証人は、「電子計算機の賃料は、1か月1台当たり3,000円から4,000円である。」、また、「有償で貸与したことに関し、請求書、領収書というものは、存在しない。お金の支払いに関する書類は一切存在しない。」と証言した。
2 判断
前記1で認定した事実によれば、テラノス(TERANOS)は、被請求人及びその子会社が使用し、NTTデータテラノスが管理・運営する総合旅行システム(被請求人システム)の名称であって、被請求人の子会社の新近畿日本ツーリストは、被請求人システムを使用し、主催旅行の実施や旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ等の業務を行っていることが推認し得る。
そして、新近畿日本ツーリストの社員が当該業務を行うために事業所内で使用する端末機には、使用標章が表示されている。
しかしながら、当該端末機(電子計算機)が被請求人から新近畿日本ツーリストに有償で貸与されたことを具体的に裏付ける証拠の提出はない。
したがって、被請求人提出の全証拠及び証人による証言を参酌しても、使用標章は、「電子計算機の貸与」、すなわち、本件役務について使用されたものということはできない。
3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定役務中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標



審決日 2014-12-26 
出願番号 商願平4-201382 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (042)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
大森 健司
登録日 1996-06-28 
登録番号 商標登録第3163641号(T3163641) 
商標の称呼 テラノス 
代理人 浅野 勝美 
代理人 砂金 伸一 
代理人 山本 健策 
代理人 草深 充彦 

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