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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900208 審決 商標
異議2014900102 審決 商標
異議2014900252 審決 商標
異議2014900078 審決 商標
異議2014900186 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1297372 
異議申立番号 異議2014-900210 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-07-28 
確定日 2015-02-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5665241号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5665241号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5665241号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年11月13日に登録出願され、第25類「履物,運動用特殊靴」を指定商品として、同26年3月19日に登録査定、同年4月18日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するとして、本件登録異議の申立ての理由として引用する商標は、別掲2のとおりの構成からなり、「競技用水泳着、水泳着、水泳用関連・周辺商品」等に使用しているものである。
以下、上記、別掲2に示した商標を「申立人使用商標」という。
2 申立人は、「本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。」と主張しているところ、その引用する商標について、「申立人は、申立人図形商標(文字商標『SPEEDO』等とともに、又は、単独で要部と認識し得る態様で、矢じり・横向きの山形紋図形に似た主たる図形商標)について、又は、これと文字を結合させて商標について、我が国において1960年代より商標出願を行い、多数の商標登録を受けている(甲第30号証)。」と述べているものの、商標法第4条第1項第11号の該当要件である登録商標(引用商標)の番号を特定していない。
よって、その主張に沿って、甲第30号証のリストに示された登録商標のうち、商標法第4条第1項第11号の該当要件を満たす、以下の6件の登録商標を申立人の主張する引用商標と解することする。
これらの登録商標は、いずれも申立人が主張する「申立人図形商標」(別掲2の「申立人使用商標」と同一構成のもの。)と同一構成のもの、ないし、この図形を構成中に含むものであり、その指定商品及び指定役務は登録原簿記載のとおりであって、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2264518号商標
(2)登録第2711150号商標
(3)登録第4034098号商標
(4)登録第4073181号商標
(5)登録第4780537号商標
(6)登録第5196838号商標
以下、これらの6件の登録商標を、まとめて「11号引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第30号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたこと
申立人の事業は、1914年に下着製造会社の設立によって始まり、当初オーストラリアのシドニー近郊を拠点とし、その後、1928年から競技用水泳着を中心として、そのグループ会社とともに、競技用水泳着、水泳着、及び、様々な関連・周辺商品等(履物、ゴーグル、鼻クリップ、耳栓、トレーニング用電子機器、音楽プレーヤー、浮袋、時計、バッグ、運動用具等)を含めて全世界でその商品の販売を行うにいたり、そして、「SPEEDO」の文字商標等とともに、又は、単独で要部と認識し得る態様で、矢じり・横向きの山形紋図形に似た主たる図形商標(以下、文字商標と結合した態様を含めて「申立人図形商標」という。)についても、前記の各種商品について長年に亘り使用を続け、その使用の結果、遅くとも本件出願がされた2013年11月13日の時点において、申立人図形商標が、水泳着、競技用水泳着だけでなく、靴(サンダル靴を含む)、運動用具等の様々な関連・周辺商品等の分野において、日本を含む世界における需要者の間で広く知られて、高い名声を得るにいたったものであり、これに対して、本件商標は、周知・著名な申立人図形商標と外観構成が近似するものであり、また、本件商標に係る第25類の指定商品「履物、運動用特殊靴」は、申立人図形商標が使用されている商品と同一・類似の関係にあたるため、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたこと
申立人は、我が国において、申立人図形商標を1960年台から出願を開始し、様々な区分の多種の商品・役務について登録を得ている。これに対し本件商標は、周知・著名な申立人図形商標と外観構成が近似し、商標全体が相紛れるおそれのある類似する関係にあり、また、本件商標に係る第25類の指定商品は、申立人図形商標が使用されている商品と同一・類似の関係にあたるため、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたこと
本件商標は、周知・著名な申立人図形商標と外観構成が近似し、商標全体が相紛れるおそれがあり、商品の出所について混同のおそれがある関係にあるというべきであり、特に、本件商標に係る第25類の指定商品「履物、運動用特殊靴」については、図形商標をワンポイントマークとして小さく表す場合も少なくないこと、一般的に平面部分があまり見られない靴の甲部と呼ばれる部分に文字商標とは独立して図形商標が付される場合も少なくないことを併せて考慮すれば、周知・著名な申立人図形商標との混同のおそれを否定するには十分とはいえないものというべきである。
したがって、本件商標を、申立人図形商標が使用されている商品と同一・類似の商品に使用した場合、また非類似の商品であっても関係性が認められる商品について使用した場合、申立人の業務に係る商品との関係で混同を生じさせるおそれが極めて高いため、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであると主張している。そこで、事案に鑑み、まず、本件商標と、申立人使用商標及び11号引用商標との類否について検討する。
1 本件商標と申立人使用商標及び11号引用商標との類否について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、該図形は下部が太く長く表された、左右逆向きの、ひらがなの「く」の字状の図形を表してなるものであり、右端は尖っており、その先端部において上辺と下辺が交差している角度は約40度であり、その内側でこれが二股に分岐している角度は約55度となっており、この部分は、上下の図形が互いに形状を違えており、下部の図形が太く長く表されていることから、本件商標は、この下部の図形部分により全体として、安定した印象を与える構成のものである。
(2)申立人使用商標について
これに対して、申立人使用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、該図形は上部が短く下部が長く表された、右向きの矢じり状図形を表してなるものであり、右端部は丸みを帯び、右端部において上辺と下辺が交差している角度は約20度であり、その内側でこれが二股に分岐している角度は約40度となっており、その分岐部分は、長さは異なるものの、ともに左端部に収斂しており、上下の図形が同様の形状をもってバランス良く右方向に統一されるように構成されていることで、図形全体として右上方向に移動するかの如き動的な印象を与えるものである。
(3)本件商標と申立人使用商標との類否について
そこで、両図形を比較するに、両者はともに右側先端部分の向きが同方向であるものの、先端部の交差角度は申立人使用図形の方が鋭角であり、左端部で分岐している角度も申立人使用図形の方が狭くなっており、また、二股に分岐する図形部分の構成も互いに異なるものであり、両者の全体的な印象も、本件商標の場合は安定した印象を与えるといえるのに対して、申立人使用商標は右上方向に移動するかの如き動的な印象を与えるものである。
そうであれば、本件商標と申立人使用商標とを時と処を違えて観察する時には、両者はその構成態様、看者に与える印象を異にし、互いに別異のものとして観察されるというのが相当である。
よって、本件商標と申立人使用商標とは互いに類似しない商標というべきである。
(4)本件商標と11号引用商標との類否について
11号引用商標は、それぞれ前記したものであるところ、その構成中の図形部分は、申立人使用商標と略同一のものである。
そうとすれば、前記1(3)のとおり、本件商標と11号引用商標とは、互いに類似しない商標というべきである。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第11号の該当性について
以上のように、本件商標と、申立人使用商標及び11号引用商標とは互いに類似しない商標であるから、その余の要件について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号には該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号の該当性について
前記1(3)のとおり、本件商標と申立人使用商標とは互いに別異の商標というべきであるから、本件商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所の混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号には該当しない。
4 まとめ
以上、本件の商標登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 申立人使用商標


異議決定日 2015-01-28 
出願番号 商願2013-88806(T2013-88806) 
審決分類 T 1 651・ 251- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
早川 文宏
登録日 2014-04-18 
登録番号 商標登録第5665241号(T5665241) 
権利者 ブルックス スポーツ インコーポレイテッド
代理人 熊倉 禎男 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 中村 稔 
代理人 辻居 幸一 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 
代理人 藤倉 大作 
代理人 松尾 和子 

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