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審決分類 |
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W03 |
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管理番号 | 1296143 |
審判番号 | 無効2013-890091 |
総通号数 | 182 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-02-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2013-12-12 |
確定日 | 2014-12-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5526278号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5526278号の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5526278号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成24年4月20日に登録出願され、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「育毛剤及びその他の薬剤,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同年8月28日に登録査定、同年10月5日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が本件審判に引用する商標は、以下の1及び2のとおりである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。 1 登録第4435204号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)とおりの構成からなり、平成11年8月11日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同12年11月24日に設定登録され、その後、同22年11月16日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の使用に係る商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなるものである。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第89号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とされるべきものである。 (1)商標法第4条第1項第11号の該当性について ア 指定商品の類似 本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」は、引用商標1にかかる指定商品に類似する。 本件商標と引用商標1との類否判断にあたっては、引用商標1の周知著名性を含む、具体的な取引の実情を勘案して判断すべきである。 イ 引用商標の周知性について (ア)請求人について 請求人は、ドイツに本社を持つオーガニック化粧品の製造・販売メーカーである。 請求人は、創立者であるトーマス・ハーゼが、敏感肌で苦しんだ自身の経験をもとにオーガニック化粧品の研究を始めたのをきっかけとして1987年に設立された会社であり、設立以来、一貫してオーガニック化粧品の研究開発、製造、販売に従事しており、肌にやさしいオーガニック化粧品を広く提供し続けている。現在では、その高い品質が評価され、日本をはじめ世界35カ国以上の国・地域で事業を展開している(甲8ないし甲10)。 請求人は、フェイスケア用品、リップクリーム、メイクアップ用品、ボディケア用品、ヘアケア用品、UVケア用品、メンズケア用品、歯磨き、デオドラントスプレーなど、多種多様な商品を扱っているが(甲9及び甲12)、いずれも厳しい品質管理のもと、常に「天然由来成分のみで作られた肌にやさしい製品」をコンセプトに良質な商品を提供し続けており、長年にわたるこれらの取り組みは世界的に高く評価されている。例えば、ナチュラル・オーガニック化粧品に関する厳格な基準の維持を目的とした国際的非営利団体である「NATRUE」や、ドイツ化粧品医薬品商工業企業連盟(BDIH)からは認定証を受けており、ドイツの民間評価雑誌「OKOTEST(エコテスト)」からは、これまで650回以上も「優良」の評価を受けている(甲13)。さらに、2013年には、環境保護を推進しているブランドに贈られる国際的な賞であるGREEN BRAND 2013の化粧品部門を受賞している(甲14)。 請求人の、世界各国での最近の売上高は、2008年7,160,942ユーロ(約10億1230万円)?2012年23,623,601ユーロ(約33億4000万円)となっている。 (イ)日本における事業展開 請求人は、少なくとも2004年には日本でオーガニック化粧品の販売を行っており(甲15)、現在では、日本橋三越本店、名鉄百貨店、タカシマヤ、東急ハンズ各店舗、ロフト各店舗など合計222の店舗、及び、オンラインショッピングサイトにおいて引用商標を付した商品が販売されている(甲16及び甲17)。 さらに、請求人は、各種展示会への出展や、地下鉄駅構内の広告等を通じて、幅広く引用商標の訴求を図ってきた(甲18ないし甲20)。 そして、引用商標を付した商品は、少なくとも2008年にはさまざまな雑誌や新聞、ウェブサイトにおいて頻繁に取り上げられている(甲21ないし甲77)。 以上より、引用商標は、2008年頃には既にオーガニック化粧品のブランドとして我が国においても広く知られるようになっており、その高い品質と安全性から、女性のみならず幅広い層において支持され、全国各地で周知となっていた。 (ウ)まとめ 以上のとおり、引用商標を付した商品は、ドイツを代表するオーガニック化粧品ブランドとして世界35力国以上で販売され、我が国においても、2004年頃から全国的に販売活動を展開した結果、多数のメディアで継続的に紹介されるほど、オーガニック化粧品の代表的なブランドとして認知されるに至っている。 したがって、少なくとも本件商標の出願時には既に引用商標は周知性を獲得していた。 ウ 本件商標と引用商標1との類似性 本件商標と引用商標1とを比較すると、それぞれのアルファベット部分は、その構成において「L」「A」「V」「A」「R」の5文字までもが共通し、需要者・取引者の注意を最も惹きやすい語頭において「LAV」の文字を含んでいることから、両者は外観において極めて近似した印象を与えるものである。 次に、称呼について比較すると、本件商標は、「LAVAR」の上段に配された表音と認められる片仮名「ラヴァール」に対応して「ラヴァール」の称呼が生じるのに対し、引用商標1からは同じく片仮名表記に対応して「ラヴェーラ」の称呼が生じる。 第2音目の「ヴァ」と「ヴェ」は五十音図の同行に属し、いずれも両唇を合わせて破裂させて発音する子音「v」に、互いに近似する母音「a」又は「e」とでなる音であるから、極めて音調が似た音である。 さらに、語尾音の「ラ」「ル」も同行に属し近似する音であること、これらの音が比較的聴別し難い中間及び語尾に位置していること、両商標とも長音を伴うことから、両者は全体の音調・音感が極めて近似するといえる。 したがって、時と処を異にして両商標に接した場合、本件商標の外観が看者に与える印象や記憶と、引用商標1の外観が与える印象や記憶とは相共通する部分が大きく、また、両者の音感も極めて近似しているから、商品・役務の出所について混同を生じる可能性が高い。 そして、上述のとおり、引用商標が既に我が国においてオーガニック化粧品のトップブランドとして認知され周知性を獲得していることに鑑みれば、両商標は、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標は引用商標1に類似と判断される。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標1とは類似し、本件商標にかかる指定商品中第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」は、引用商標1にかかる指定商品に類似するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第10号の該当性について ア 引用商標2の周知性 前記(1)イで述べたとおり、少なくとも本件商標の出願時から現在に至るまで、請求人は、我が国において引用商標を化粧品について広く使用しており、引用商標がオーガニック化粧品ブランドとして周知性を獲得するに至っていたことは明らかである(甲21ないし甲77)。 イ 商標の類似性 前記(1)ウで述べたとおり、本件商標と引用商標1とは混同を生ずるおそれがあるところ、かかる引用商標1と綴りを同じくする引用商標2からも同様に「ラヴェーラ」の称呼が生じるから、やはり本件商標とはその印象やイメージが外観やが与える印象や記憶とは共通し、商品・役務の出所について混同を生じるおそれのある類似商標であるといえる。 ウ 商品の類似性 引用商標2は、「化粧品」、「シャンプー等のせっけん類」及び「歯磨き」に使用され、周知性を獲得している。 そして、本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類、歯磨き、ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品」は、引用商標2にかかる指定商品に類似する。 エ 小括 以上より、本件商標は他人(請求人)の周知商標と類似する商標であって、その商品と同一・類似の商品について使用するものであるから、本件商標が、その指定商品「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品」に使用された場合、需要者は、請求人の周知著名な引用商標2を直ちに想起し、本件商標が使用された商品を請求人の商品であると誤認混同するおそれがある。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号の該当性について ア 引用商標は、各種認証を受けたオーガニック化粧品ブランドとして、高い名声、信用、評判を獲得するに至っていたことは明らかであるから(甲21ないし77)、本件商標は請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。 イ 本件商標と引用商標との類似性 本件商標と引用商標とは、外観や称呼において共通する部分が大きく、取引者・需要者は両者から共通した印象やイメージを感受するものである。 加えて、引用商標は、いずれも特定の観念を生じさせない造語であり、独創性の高い商標である。このように、造語より構成される商標については、一般に強い識別性が認められ、他人がその商標と類似するような商標を使用した場合には、既成語から構成される商標よりも、需要者に対する印象、記憶、連想作用等から出所の混同が生ずる幅は広い。 ウ 商品間の関連性、需要者の共通性 請求人は、化粧品やシャンプー・ヘアトリートメント、歯磨き、デオドラントスプレー等を販売している。 一方、本件商標の指定商品は、第3類の「シャンプー及びその他のせっけん類、歯磨き、ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品」等や第5類の「育毛剤及びその他の薬剤、乳幼児用粉乳、サプリメント、食餌療法用飲料、食餌療法用食品、乳幼児用飲料、乳幼児用食品」等である。 これらは共に、ドラッグストア等で幅広く販売されているものであり、両者は販売場所が共通する。 また、化粧品と薬剤の両方を製造・販売する会社は多数存在しており(甲82ないし甲84)、化粧品と薬剤は、互いに密接に関連する商品であり、販売部門・生産部門において共通する。 さらに、引用商標はオーガニック化粧品に使用されているところ、オーガニック化粧品の需要者・消費者は、男女を問わず肌に疾患や悩みを抱える者、乳幼児を持つ母親等、いずれも健康に関心が高い者であるから、引用商標と本件商標は需要者層も共通する。 エ その他の取引の実情 請求人と被請求人とは、いずれも、スキンケア商品を販売している点で共通する(甲85)。 また、請求人は、引用商標の姉妹ブランドとして、エイジングケアに特化したオーガニック化粧品シリーズ「LAVERE/ラヴェリー」を展開し、人気を博していた(甲86)から、同じく「LAV-」で始まる本件商標に接した需要者・取引者は、あたかも請求人の新ブランド、あるいは後継ブランドであるとの印象を持つと考えるのが自然である。 したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、それが請求人の商品であるか、または、これと何らかの関連性を有する商品であるかの如く誤認され、あるいは、その商品の出所について組織的又は経済的に請求人と何らかの関係がある者の商品であるかのごとく混同されるおそれがある。 オ 小括 以上より、本件商標をその指定商品について使用すると、あたかも請求人の商標に係る商品であるか、または、これと何らかの関連性を有する商品であるかのように誤認され、あるいは、その商品の出所について、組織的又は経済的に請求人と何らかの関係がある者の商品であるかのように誤認され、出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第3 被請求人の主張 被請求人には請求書の副本を送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人は、答弁書を提出していない。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲(1)のとおり「ラヴァール」の片仮名と「LAVAR」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、上段の「ラヴァール」の文字部分は、下段の「LAVAR」の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体に相応し、「ラヴァール」の称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 また、「ラヴァール」及び「LAVAR」は、ともに、特定の観念を生じない造語といえるものである。 (2)引用商標1について 引用商標1は、別掲(2)のとおり、「ラヴェーラ」の片仮名と「Lavera」の欧文字を上下二段に横書きしたしてなるところ、上段の「ラヴェーラ」の文字部分は、下段の「Lavera」の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、引用商標1は、その構成文字全体に相応し、「ラヴェーラ」の称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 また、「ラヴェーラ」及び「Lavera」は、ともに、特定の観念を生じない造語といえるものである。 (3)本件商標と引用商標1との対比 ア 外観について 本件商標と引用商標1とは、それぞれの構成に照らし、外観上区別し得るものであるが、共に、欧文字と片仮名からなるものであり、構成文字の一部を共通にするものであるからその相違の程度は大きいものとはいえない。 イ 称呼について 本件商標から生ずる「ラヴァール」の称呼と引用商標1から生ずる「ラヴェーラ」の称呼とを対比すると、両者は、共に同音数からなり、称呼の識別上重要な要素を占める語頭音の「ラ」の音を共通にし、第2音の「ヴァ」と「ヴェ」、第4音の「ル」と「ラ」の音に差異を有するものである。 そして、差異音の「ヴァ」と「ヴェ」の音は、いずれも音声の破裂音である子音(v)と近似音である母音(a)と母音(e)との綴音であって、音質が似た音ということができ、また、「ル」と「ラ」の音は、共にラ行に属する同行音であって、子音を共通にする近似音である。そして、これらの差異音が聴者にとって比較的聴別され難い中間及び印象の弱い語尾に位置することも相まって、これらを一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。 ウ 観念において 本件商標と引用商標1とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較し得ないものである。 エ まとめ 以上よりすれば、本件商標と引用商標1とは、称呼において類似するものであり、外観において相違するとしてもその相違の程度は高いものとはいえず、また、観念において比較することができず、商標の類似に影響を及ぼすものではないから、これらを総合的に判断すれば、両者は出所において混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。 (4)指定商品の類否について 本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」は、引用商標1の指定商品中、「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」と同一又は類似する商品である。 (5)小括 したがって、本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」は、引用商標1の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 請求人は、引用商標が、「化粧品」、「シャンプー及びその他のせっけん類」及び「歯磨き」について、周知性を獲得していることを根拠に、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する旨を主張するが、前記1のとおり、本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー及びその他のせっけん類,歯磨き,ヘアトリートメント・ヘアコンディショナー及びその他の化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」については、同法第4条第1項第10号及び同第15号について検討するまでもなく、同法第4条第1項第11号に該当するものである。 そこで、以下、本件商標の指定商品中、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤」及び第5類の指定商品について、商標法第4条第1項第15号の該当性について判断する。 請求人の提出した甲各号証を検討すると、請求人は、1987年に創立したドイツに本社を持つオーガニック化粧品(以下これを「請求人商品」という。)の製造・販売会社であり(甲8及び甲9)、我が国における請求人商品の取り扱い店舗は222店舗を存する(甲16及び甲17)。 また、引用商標2の態様の標章が表示されている請求人商品が、2005年3月から2012年4月までの間、「自然と健康」、「ecocolo」等の雑誌及び「ELLE ONLINE」のウェブサイトにおいて掲載(甲23?甲32、甲34?甲35、甲37、甲40?甲45及び甲47?甲63)され、新聞にも紹介(甲22及び甲39)されていることからすれば、引用商標2は、請求人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前には、「オーガニック化粧品」を取り扱う取引者及び需要者の間には、相当程度知られていたといえる。 しかしながら、引用商標2が、「化粧品」、「シャンプー及びせっけん類」及び「歯磨き」に使用され、相当程度知られているものであるとしても、その商品の範囲を超えてなお、需要者の間に広く認識されていたとまでは認めることができない。 してみれば、本件商標は、これを第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤」及び第5類の指定商品について使用しても、取引者、需要者は、引用商標2を想起又は連想することはないというべきであるから、該商品が申立人又はこれらと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、「結論掲記の商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とし、その余の商品については、同法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものではないから、その登録を無効とすることができない。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標1 (3)引用商標2 |
審理終結日 | 2014-07-16 |
結審通知日 | 2014-07-22 |
審決日 | 2014-08-04 |
出願番号 | 商願2012-31776(T2012-31776) |
審決分類 |
T
1
11・
263-
ZC
(W03)
T 1 11・ 261- ZC (W03) T 1 11・ 262- ZC (W03) T 1 11・ 25- ZC (W03) T 1 11・ 271- ZC (W03) |
最終処分 | 一部成立 |
前審関与審査官 | 津金 純子 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 渡邉 健司 |
登録日 | 2012-10-05 |
登録番号 | 商標登録第5526278号(T5526278) |
商標の称呼 | ラバール |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 小暮 君平 |
代理人 | 久保山 隆 |
代理人 | 遠坂 啓太 |
代理人 | 水谷 綾乃 |
代理人 | 加藤 久 |
代理人 | 工藤 莞司 |