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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1295099 |
異議申立番号 | 異議2014-900157 |
総通号数 | 181 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-01-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-05-23 |
確定日 | 2014-11-29 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5650744号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5650744号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5650744号商標(以下「本件商標」という。)は、「プティコフレ」の片仮名からなり、平成25年10月9日に登録出願、第30類「菓子,パン」を指定商品として、同26年1月22日に登録査定、同年2月21日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第892325号商標(以下「引用商標」という。)は、「コフレ」の片仮名を横書きしてなり、昭和44年7月10日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同46年3月9日に設定登録され、その後、平成13年4月4日に、指定商品を第30類「菓子及びパン」とする指定商品の書換の登録がされ、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり「プティコフレ」の片仮名を横書きしてなるものである。 (1)「プティ」について 「プティ」は、「プチ」とも表記され、元来は「小さい、小型の」等を意味するフランス語の「petit」に由来する言葉ではあるが、現在は、日本語として定着し、接頭語として外来語などの上について複合語を形成し、「小さい」、「小型の」等の意味を表し、該語は2000年ごろからよく使われ出し、菓子及びパンを含む食品の分野においては、「プチ食品」、「プチケーキ」、「プチパン」、「プチフール」、「プチガトー」、「プチトマト」等の用例として幅広く用いられており、食品以外の分野においても、「プチクートー」、「プチナイフ」、「プチブル(プチブルジョワ)」、「プチホテル」、「プチネックレス」、「プチ整形」、「プチ家出」、「プチぜいたく」、「プチゴージャス」等の用例として幅広く用いられている(甲3ないし甲17)。 (2)「コフレ」について 「コフレ」とは、元来はフランス語で「小箱」を意味する「coffret」に由来するものであるが、我が国ではさほど知られておらず、少なくとも「プティ」と比べれば馴染みのない言葉であり、小箱という意味に理解されるというよりも、本件商標の指定商品との関係においては、「コフレ」の文字は、特定の意味を有さない造語と認識されると解するのが妥当である。 (3)本件商標の要部 本件商標に接した取引者・需要者は、本件商標が「プティ」と「コフレ」からなること、及び、「プティ」の部分が「小さい、小型の」等の意味を表していることを容易に理解することができるから、本件商標中の構成中「プティ」の部分からは出所識別標識としての称呼及び観念は生じないというべきである。 したがって、本件商標の要部は「コフレ」の部分にあり、かかる部分から「コフレ」の外観及び称呼が生じる。 また、全体としても「小型のコフレ」程度の意味合いが生じる。 2 引用商標について 引用商標は、片仮名で「コフレ」と横書きしてなり、「コフレ」の外観及び称呼が生じ、上記1(2)と同様の理由により、「コフレ」の語は特定の観念を有さない造語と認識される。 3 類否判断 (1)商標の類否 本件商標と引用商標とを対比すると、本件商標は要部において引用商標と共通するから、両者は相紛らわしいといえる。 また、全体としても、本件商標からは「小型のコフレ」程度の意味合いが生じるから、引用商標の小型版と誤認されるおそれがあり、両商標は相紛らわしいといえる。 (2)商品の類否 本件商標と引用商標とは、指定商品において同一である。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標と引用商標とは類似し、指定商品も同一であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、本件商標と引用商標の類否について検討する。 1 本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「プティコフレ」の片仮名からなるものであって、これは、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって表されており、視覚上も一体的に把握できるものであり、ここから生ずる「プティコフレ」の称呼も、淀みなく一連に称呼し得るものである。 また、観念においては、「小さい」、「小型の」等の意味を有する仏語「petit」が「プティ」と、また、「小箱」の意味を有する仏語「coffret」が「コフレ」と片仮名表記する場合があるとしても、本件商標は、「プティコフレ」の片仮名からなるものであり、一連に表された片仮名だけで前記仏語の各語を表したものと直ちに認識、理解されるとまでは言い難いものであるから、むしろその構成文字全体として、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものといえる。 なお、申立人は、本件商標の構成中の「プティ」の文字部分を抽出して、該文字は、元来は「小さい、小型の」等を意味するフランス語の「petit」に由来する言葉ではあるが、現在は日本語として定着し、接頭語として外来語などの上について複合語を形成し、「小さい」、「小型の」等の意味を表す語である旨主張している。 しかし、「プティ」の語は、一般の辞書類に掲載されていない場合も少なくなく、日常的には、仏語の「petit」は「プティ」ではなく、「プチ」と使用されているのが一般的というべきであるから、なおさら前記仏語の各語を理解するとは言い難いものである。 2 引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「コフレ」の片仮名を横書きしてなるものであって、その構成文字に相応し「コフレ」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせない造語と認識されるものである。 3 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、上記のとおりの構成からなるところ、それぞれの構成に照らすならば、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。 次に、本件商標より生ずる「プティコフレ」の称呼と引用商標より生ずる「コフレ」の称呼を比較するに、両者は、その構成音数及び音の配列等において明らかな差異を有し、全体の語感、印象も相違するものであるから、称呼上、明らかに区別できるものである。 また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、相紛れるおそれがあるということはできないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれがない非類似の商標ということができるものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同一又は類似する関係にあるとしても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2014-11-21 |
出願番号 | 商願2013-79039(T2013-79039) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W30)
T 1 651・ 262- Y (W30) T 1 651・ 263- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 雅也 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 中束 としえ |
登録日 | 2014-02-21 |
登録番号 | 商標登録第5650744号(T5650744) |
権利者 | 株式会社メリーチョコレートカムパニー |
商標の称呼 | プティコフレ、コフレ |
代理人 | 木村 俊之 |
代理人 | 鈴江 正二 |