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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1295087 
異議申立番号 異議2014-900108 
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-04-10 
確定日 2014-11-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5641146号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5641146号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5641146号商標(以下「本件商標」という。)は、「gelshe」の欧文字を標準文字によって横書きしてなり、平成24年10月10日に登録出願、第3類「化粧品,つけづめ」を指定商品として、同25年11月14日に登録審決、同26年1月10日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の2件の登録商標(以下、2件の登録商標をまとめて「引用商標」という。)である。
1 登録第5310765号
登録第5310765号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、2009年(平成21年)7月8日にアメリカ合衆国においてした商標の登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成21年11月19日に登録出願され、第3類「ネイルケア用化粧品,化粧品」を指定商品として、同22年2月16日に登録査定、同年3月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 登録第5461532号
登録第5461532号商標(以下「引用商標2」という。)は、「GELISH」の欧文字を標準文字によって横書きしてなり、平成23年6月27日に登録出願、第3類「ネイルケア用化粧品,化粧品」を指定商品として、同年11月15日に登録査定、同24年1月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は「ge1she」の文字より「ジェルシェ」の称呼を、引用商標1は装飾化した「gelish」の文字より「ジェリシュ」の称呼を、引用商標2は「GELISH」の文字より「ジェリシュ」の称呼を生ずるものであり、本件商標と引用商標1及び2とは、全体の語調語感が近似する類似のものである。
また、仮に、引用商標1及び2から「ジェリッシュ」の称呼が生ずるとしたとしても、本件商標の「ジェルシェ」の称呼とは明確に聴別し難い程の近似音であると言うべきである。
さらに、本件商標と引用商標1及び2とは、外観においても近似した印象を与えるものである。
そして、指定商品も第3類の「化粧品」が互いに抵触するものである。
したがって、本件商標は、第3類の「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標1は、申立人が持ち株会社となるHand & Nail Harmony,Inc.が販売する商品の商標として、広く一般に知られている(甲第4号証ないし甲第27号証)から、これと類似する本件商標がその指定商品に指定された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、検討する。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記したとおり、「gelshe」の欧文字を標準文字によって横書きしてなるものであり、その構成も6文字構成と簡潔なものであるから、外観上、一体的に把握できるものである。
次に、本件商標は、欧文字よりなるものであるから、その称呼については、わが国において親しまれているローマ字又は英語による発音に倣って称呼されるとみるのが自然というべきである。そうすると、「gel」の文字部分は、英語風に「ジェル」又は「ゲル」と発音され、「she」の文字部分は、「シェ」と発音されるのが自然であるから、本件商標からは、「ジェルシェ」又は「ゲルシェ」の各称呼が生ずるというべきである。
そして、本件商標を構成する文字は、特定の意味を有する既成語とは認められないものであるから、その構成文字から特定の観念を生じることはないというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、それぞれ、前記第2のとおり、引用商標1が装飾された「gelish」の欧文字からなり、引用商標2が標準文字による「GELISH」の欧文字からなるものであるところ、それらは、その構成文字も6文字構成と簡潔なものであるから、外観上、ともに一体的に把握できるものである。
次に、引用商標は、その構成文字に相応して、「ジェリッシュ」又は「ゲリッシュ」の称呼が生じるというのが自然といえる。
この点について、申立人は、引用商標からは「ジェリシュ」の称呼が生ずるとしているところ、その構成中の後半の「lish(LISH)」の文字部分が、英語の「English」、「foolish」、「publish」などの語において「lish」の部分を「リッシュ」と発音することから、引用商標からは「ジェリッシュ」あるいは「ゲリッシュ」の称呼が生じるというのが相当である。また、提出された甲各号証においても、引用商標は「ジェリッシュ」として紹介され、取引に資されていることが認められるから、引用商標から「ジェリシュ」の称呼が生ずるとの申立人の主張は採用することはできない。
そして、引用商標を構成する文字は、特定の意味を有する既成語とは認められないものであるから、その構成文字から特定の観念を生じることはないというべきである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の構成は、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりであるところ、その簡潔な構成及び態様に徴すれば、両者には、外観において、その構成文字の後半部に「she」の文字と「ish」及び「ISH」の文字の差異があり、本件商標と引用商標とは、明らかに区別し得るものである。
次に、称呼については、本件商標は、上記(1)のとおり「ジェルシェ」及び「ゲルシェ」の称呼が、また、引用商標は、上記(2)のとおり、「ジェリッシュ」及び「ゲリッシュ」の称呼が生ずるものである。そして、本件商標から生ずるこれら各称呼と引用商標から生ずる「ジェリッシュ」の称呼を、また、本件商標から生ずるこれら各称呼と引用商標から生ずる「ゲリッシュ」の称呼を比較しても、その後半部において「ルシェ」の音と「リッシュ」の音の差異を有するなど、明らかな差異を有するものであるから、互いに聴別し得るものといえる。
さらに、観念については、本件商標と引用商標は、いずれも特定の意味を有する既成語ではなく、特定の観念を生ずるものではないから、両商標が観念において相紛れるおそれがあるということはできないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれがない非類似の商標ということができるものである。
(4)小括
したがって、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれがない非類似の商標であるから、たとえ、その指定商品が同一又は類似のものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の著名性について
申立人は、引用商標の著名性を証する証拠方法として、甲第4号証ないし甲第27号証を提出している。これらの証拠は、商品の宣伝、広告であるとされたものであり、それらのうちの甲第5号証がインターネット上のウェブサイトの写しであるとしても、甲第10号証及び甲第19号証ないし甲第24号証の雑誌による宣伝広告の写しを含め、その他の証拠については、具体的説明がなく、いかなる地域で、いかなる者を対象に、いかなる時期に、どの程度の期間、いかなる量を配布したのかなど、宣伝、広告の詳細は定かでない。
加えて、甲第4号証ないし甲第27号証のうち、甲第6号証、甲第7号証、甲第9号証、甲第13号証、甲第15号証ないし甲第18号証及び甲第20号証については、その作成日(発行日)さえ確認できないものであり、その商標の使用時期が不明であるから、商標法第4条第1項第15号の判断の基準時である本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の著名性を示すものといえるのかも定かでない。
また、申立人は、引用商標を使用した我が国における商品の売上額について、2010年度が935,421.06米国ドル、2011年度から2012年10月10日までが284,567.19米国ドルであり、シンガポール、マレーシア、韓国の近隣国と比較して抜きんでている旨主張しているが、商標法第4条第1項第15号の適用において勘案すべきは日本国内の需要者において著名となっているか否かであるところ、その売上げが日本におけるネイル化粧品を始めとした化粧品においてどの程度の順位やシェアであるのかを明らかにするところはない。
そうすると、申立人提出の甲号証によっては、引用商標がネイル化粧品を始めとした化粧品について使用されていることは認められるとしても、我が国における需要者の間において著名となっているとまではいうことができない。
その他、当審において職権をもって調査するも、引用商標が我が国の需要者の間において著名となっているとすべき事情を見いだすこともできなかった。
したがって、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において著名となっていると認めることはできない。
(2)出所の混同のおそれ
引用商標は、上記(1)のとおり、我が国の需要者の間において著名となっているということはできないものであり、しかも、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、相紛れるおそれがない非類似の商標であって、これらを勘案するならば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く連想、想起するということはできない。
そうすると、本件商標は、その指定商品について使用しても、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
(3)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
3 むすび
本件商標は、以上のとおり、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標1(登録第5310765号)



異議決定日 2014-11-10 
出願番号 商願2012-81716(T2012-81716) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鴨田 里果箕輪 秀人 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
中束 としえ
登録日 2014-01-10 
登録番号 商標登録第5641146号(T5641146) 
権利者 三立電機株式会社
商標の称呼 ジェルシェ、ジェルシュ、ジェルシー、ゲルシェ、ゲルシュ、ゲルシー 
代理人 小石川 由紀乃 
代理人 特許業務法人はるか国際特許事務所 
代理人 鈴木 由充 

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