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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X44
管理番号 1295057 
審判番号 取消2013-300879 
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-10-15 
確定日 2014-12-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第5212921号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5212921号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRIMAVERA」の欧文字と「プリマヴェーラ」の片仮名を2段に書してなり、平成19年4月25日に登録出願、第44類「美容(エステティック美容を含む。),美容(エステティック美容を含む。)に関する情報の提供,美容(エステティック美容を含む。)に関する助言及び相談」のほか、第35類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年3月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成25年11月5日である。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定役務中、第44類『全指定役務』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を「本件商標は、その指定役務中、第44類『全指定役務』について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第29号証を提出している。
1 商標権者は、「エステティックサロンの経営」等を目的として、代表取締役を藤田智子とし、平成元年3月6日に設立され(設立当時は、有限会社エフ・プランニング)、同19年8月31日に、現社名へと商号変更している(乙1)。
そして、商標権者は、設立当時より、東京都渋谷区神宮前三丁目26番14号において、店舗名を「PRIMAVERA/プリマヴェーラ」とするエステティックサロンを営業し、本件商標を使用して、「美容(エステティック美容)を含む。)」を提供していた。
その後、商標権者は、エステティックサロン部門を分社化し、平成19年7月31日に、代表取締役を藤田智子として、株式会社プリマヴェーラ(以下「プリマヴェーラ社」という。)を設立し(乙2)、それ以降、前記エステティックサロンの営業は、プリマヴェーラ社が行っている。
2 前記のとおり、プリマヴェーラ社は、商標権者の分社化により設立されたこと、商標権者とプリマヴェーラ社の実質的オーナーが両社の代表取締役である藤田智子であることから、本件商標の使用の許諾について、特に書面に記してはいないが、商標権者からプリマヴェーラ社に前記エステティックサロンを譲渡するに際して、当然ながら本件商標の使用の許諾をもしているものである。
そこで、商標権者がプリマヴェーラ社に対して本件商標の使用許諾をしていること、及びプリマヴェーラ社が商標権者から本件商標の使用許諾を受けていることを陳述書において明らかにする(乙3及び乙4)。
3 平成22年10月発行の「心と身体を穏やかに美しくしてくれるスペシャリストに出会える本」(株式会社ギャップ・ジャパン刊)において、前記エステティックサロンの紹介記事が掲載され(乙5ないし乙7)、該記事においては、前記エステティックサロンの運営会社が、プリマヴェーラ社であることが明記されてはいないものの、URLが記載されており、後述するように、当該URLは、プリマヴェーラ社が使用しているものである。
4 プリマヴェーラ社は、平成23年1月に前記エステティックサロンを、東京都文京区目白台二丁目9番13号に移転し、現在に至っている。
現在の前記エステティックサロンのウェブサイトを証拠として提出するが、そのURLは、乙第6号証の記事に記載されているものと同一である(乙8)。そして、本件商標が自他役務の識別標識として使用されている。
移転後の新規オープンの際に、配布したチラシを証拠として提出する(乙9)。ここに「創業23年の老舗サロンが目白台にオープン!!」とあるように、前記エステティックサロンが平成元年から営業していることを示すものである。
また、前記エステティックサロンの移転について、顧客がブログにてその旨を書き込んでいる(乙10)。この日付からも、当該年月に移転されたことは明らかである。
5 雑誌「CREA\クレア」平成23年10月号(文藝春秋社刊)において、トルコ式のスチームバスを備えたサロンとして、前記エステティックサロンが紹介されている(乙11及び乙12)。
また、平成25年11月発行のエステティシャン向けの専門誌「E美 Vol.2」(株式会社BABジャパン刊)の記事において、前記エステティックサロンが紹介されるとともに、商標権者及びプリマヴェーラ社の代表取締役が、前記エステティックサロンのオーナーであること、26年にわたってサロン運営を行っていることが紹介されている(乙13ないし乙15)。
6 前記エステティックサロンにおいて、現在使用しているチラシ及び店舗の名刺を証拠として提出する(乙16及び乙17)。
さらに、平成26年1月8日に撮影した前記エステティックサロンの店舗写真を証拠として提出する(乙18ないし乙29)。
7 以上のように、商標権者及び通常使用権者において、本件商標は、請求に係る指定役務中、第44類「美容(エステティック美容を含む。)」について、平成元年から現在に至るまで使用されているものである。
なお、その使用態様として、使用媒体の制限等により、「PRIMAVERA」、「プリマヴェーラ」として使用している場合もあるが、いずれも本件商標と社会通念上同一といえるものである。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について、被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証及び乙第2号証は、商標権者及びプリマヴェーラ社の履歴事項全部証明書であり、どちらにも代表取締役として「藤田智子」の記載がある。
(2)乙第3号証及び乙第4号証は、平成26年1月9日付けの商標権者及びプリマヴェーラ社の代表取締役である「藤田智子」の陳述書であり、本件商標に関して商標権者がプリマヴェーラ社に対して、同19年7月31日より本件商標の全指定役務について、その使用を許諾しており、その状態は現在においても継続している旨の記載がある。
(3)乙第8号証は、プリマヴェーラ社のウェブサイトであり、3葉目には、左上に「目白台のエステサロン プリマヴェーラ」の下に大きく「PRIMAVERA」の文字が表示され、会社概要として、「商号 株式会社プリマヴェーラ」、「事業内容 エステティックサロンの経営/美容関連商品の企画開発および販売」及び「所在地 東京都文京区目白台2-9-13・・・」と記載がある。
(4)乙第9号証は、表面には、「プリマヴェーラの美肌再生プログラム」と記載のあるプリマヴェーラ社の広告と認められ、「医療提携認定サロンで得られる再生力」、「ハリ 美白 修復 機能再生 ツヤ 透明感」などの記載、裏面上部には、「創業23年の老舗サロンが目白台にオープン!!/アンチエイジングからリラクゼーションまでトータルケア」、同中央には、「最先端の若返り美容法をあなたへ/加齢の進行にブレーキをかけるための美容法」、同下部には、「文京区目白台2-9-13・・・」、「医療提携サロン プリマヴェーラ」及び右角に「OPEN記念 全メニュー/1000円OFF/有効期限/2011年4月末日」などの記載がある。
(5)乙第11号証及び乙第12号証は、雑誌「CREA」(OCTOBER 2011)であり、「プリマヴェーラ/文京区目白台2-9-13・・・セルライト除去しスピーディにやせる『DMET+ルミセルタッチ』は70分¥24500」と記載がある。
(6)乙第16号証は、プリマヴェーラ(文京区目白台2-9-13・・・)の広告と認められ、その裏面には「?3つの痩身プログラムで体質改善へ?」、「DMET+ルミセルタッチ60分コース」、「DMET60分コース」、「ルミセルタッチ90分コース」などと記載がある。
2 前記1で認定した事実から、以下のとおり判断する。
商標権者は、プリマヴェーラ社へ本件商標について、平成19年7月31日より、その使用許諾をしたものといえるから、プリマヴェーラ社は、本件商標の通常使用権者とみて差し支えないものである。
そして、プリマヴェーラ社は、事業内容をエステティックサロンの経営とするものであって、2011(平成23)年1月に東京都文京区目白台へ移転した際にオープンキャンペーンを2011年4月末日まで行ったことが認められる。
そうすると、プリマヴェーラ社のウェブサイト(乙8)の掲載時期が不明であるとしても、該ウェブサイトには、「目白台のエステサロン」の記載から、プリマヴェーラ社の経営するエステティックサロンが目白台へ移転してからのものと推認でき、また、該ウェブサイトの「プリマヴェーラ」及び「PRIMAVERA」の表示は、本件商標と社会通念上同一といえる。
以上からすると、プリマヴェーラ社は、「エステティック美容,エステティック美容に関する情報の提供」について、平成23年1月以降、自社のウェブサイトに本件商標と社会通念上同一の商標を表示していたということができ、該行為は、電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たり、その映像面に標章を表示して役務を提供する行為又は役務に関する広告等を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当するものである。
3 結論
以上のとおり、被請求人は、通常使用権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務中、第44類「美容(エステティック美容を含む。),美容(エステティック美容を含む。)に関する情報の提供」に含まれる「エステティック美容,エステティック美容に関する情報の提供」について、本件商標の使用をしていることを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-07-10 
結審通知日 2014-07-14 
審決日 2014-07-28 
出願番号 商願2007-41733(T2007-41733) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X44)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
根岸 克弘
登録日 2009-03-13 
登録番号 商標登録第5212921号(T5212921) 
商標の称呼 プリマベーラ、プリマベラ、プライマベラ 
代理人 藤木 重一 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 

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