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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X093842
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X093842
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X093842
管理番号 1294931 
審判番号 不服2013-650086 
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-31 
確定日 2014-10-20 
事件の表示 国際登録第1100742号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第38類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2011年3月8日にAustriaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)9月8日に国際商標登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成24年10月15日提出の手続補正書及び当審における2013年(平成25年)11月30日付けで国際登録簿に記載された限定の通報があった結果、最終的に、第9類「Apparatus and instruments for scientific research in laboratories;electric measuring apparatus;luminous or mechanical signals;electric monitoring apparatus;data processing equipment and computers;computer software for capture of measuring data and analysis.」、第38類「Telecommunications.」及び第42類「Programming of computer software for measuring data capture and analysis.」とされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(5)のとおりであって、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2089372号商標(以下「引用商標1」という。)は、「XENON」の欧文字を書してなり、1985年8月28日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、昭和61年2月28日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年10月26日に設定登録され、その後、平成21年12月2日に、指定商品を第1類「写真材料」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類「医療用機械器具」とする書換登録がなされたものである。
(2)登録第4042725号商標(以下「引用商標2」という。)は、「XENON」の欧文字を書してなり、平成7年6月23日に登録出願、第9類「業務用コイン投入式ゲーム機,業務用磁気カード式ゲーム機,業務用ゲーム機の筐体,業務用遊戯ロボットその他の遊園地用機械器具,コンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・同磁気テープ・同磁気カード・同磁気ディスク・同光ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同9年8月15日に設定登録されたものである。
(3)登録第4438068号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ZENON」の欧文字を書してなり、平成10年6月23日に登録出願、第11類「逆浸透膜技術を利用した飲料水用及び工業用水用水処理装置・その他の飲料水用及び工業用水用水処理装置及びその制御装置,廃水処理装置及びその制御装置」、第40類「水処理に関するコンサルティング」及び第42類「受託による飲料用水又は工業用水の試験・検査又は研究,飲料用水又は工業用水の化学的分析,受託による飲料用水又は工業用水の分析化学試験・検査又は研究」を指定商品及び指定役務として、同12年12月8日に設定登録されたものである。
(4)登録第4932520号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成17年7月1日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同18年3月3日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第904778号商標(以下「引用商標5」という。)は、「D-XENON」の欧文字を書してなり、2006年8月10日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2006年(平成18年)9月20日に国際商標登録出願、別掲3に示す第9類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年7月10日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標3について
本願商標に係る指定商品及び指定役務は、前記1のとおり限定の通報がなされた結果、引用商標3の指定商品及び指定役務と同一又は類似の役務は削除され、引用商標3の指定商品及び指定役務と類似しないものとなった。
よって、本願商標と引用商標3が類似するとした原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)本願商標と引用商標1、2及び5について
ア 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、灰色の横長矩形内に、中央に切れ目を有するV字状の帯状のラインを白抜きした図形と太いゴシック体で書された「zenon」の欧文字及び細いゴシック体で書された「Supervisor」の欧文字から構成されるところ、その構成中の図形部分と文字部分とは常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の事情は見いだせないものであるから、それぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そして、本願商標の構成中の「zenon」の文字は、紀元前のギリシャの哲学者や東ローマ皇帝等の人物を表す外国人名の一(コンサイス外国人名事典 三省堂)を意味する英語であるが、我が国において、直ちにそれを理解できるほどに知られているものとはいえないことからすれば、一種の造語として認識されるものである。
また、「Supervisor」の文字は、「監視プログラム、スーパバイザ[一般:監督(者)、管理者]」(英和コンピュータ用語大辞典 日外アソシエーツ)を意味する英語であって、本願の指定商品及び指定役務との関係からすれば、「監視プログラム」ほどの意味合いを理解させるものであるから、自他商品・役務の識別機能が無いか極めて弱いものというべきである。
そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、その構成中の「zenon Supervisor」の文字部分に着目するばかりでなく、「zenon」の文字部分のみに着目して取引にあたることも少なくないというのが相当である。
したがって、本願商標からは、「zenon Supervisor」の構成文字全体に相応して「ゼノンスーパーバイザー」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものといえ、また、構成中の「zenon」の文字部分に着目して取引される場合には、本願商標からは、その構成文字に相応して「ゼノン」の称呼を生じ、特定の観念が生じないものといえる。
よって、本願商標は、その構成中の文字部分から「ゼノンスーパーバイザー」又は「ゼノン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 本願商標と引用商標1及び2との類否について
引用商標1及び2は、「XENON」の欧文字を書してなるところ、「XENON」の文字は、「キセノン;希ガス元素の一つ;放電管の充填などに用いる;記号Xe,原子番号54,原子量131.30.」(ランダムハウス英和大辞典 小学館)の意味を表すものである。
よって、引用商標1及び2からは、その構成文字に相応して「キセノン」又は「ゼノン」の称呼が生じ、「希ガス元素の一種であるキセノン」の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標1及び2を検討するに、外観については、本願商標と引用商標1及び2は図形の有無、構成文字数など明らかな相違を有するものであり、外観上、容易に区別できるものである。また、本願商標の構成中の「zenon Supervisor」又は「zenon」の文字部分が前記アのとおり本願商標の要部として看取される場合も、「zenon Supervisor」又は「zenon」の文字部分と引用商標1及び2は、構成文字および構成文字数に明らかな相違を有するものであり、外観上、容易に区別できるものである。
そして、称呼については、本願商標からは、「ゼノンスーパーバイザー」又は「ゼノン」の称呼を生じ、引用商標1及び2からは、「キセノン」又は「ゼノン」の称呼を生ずるところ、本願商標から生ずる「ゼノンスーパーバイザー」と引用商標1及び2から生ずる「キセノン」の称呼は、構成音及び構成音数が明らかに異なるものであり、両称呼は、明確に聴別し得るものである。また、本願商標から生ずる「ゼノンスーパーバイザー」と引用商標1及び2から生ずる「ゼノン」の称呼は、語頭において、「ゼノン」の音を共通にするものの、構成音数の相違及び「スーパーバイザー」の音の有無という明らかな差異を有するものである。
次に、本願商標から生ずる「ゼノン」と引用商標1及び2から生ずる「キセノン」の称呼は、語尾に位置する「ノン」の音を共通にするものの、3音あるいは4音という短い音構成における構成音及び構成音数の相違が当該称呼に及ぼす影響は小さいとはいえないものであるから、両称呼は、明確に聴別し得るものである。また、本願商標から生ずる「ゼノン」と引用商標1及び2から生ずる「ゼノン」の称呼は、互いに共通するものである。
さらに、観念については、本願商標からは特定の観念が生じないものであるから、本願商標と引用商標1及び2の観念は、比較し得ないものであって、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標1及び2は、一の称呼において共通する場合があるとしても、その他の称呼、外観及び観念を総合的に判断すると、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標5との類否について
引用商標5は、アルファベットの「D」と、前記イで示したとおり「キセノン」を意味する「XENON」を「-(ハイフン)」で結合し、「D-XENON」と書してなるものである。
そして、その構成文字は同書、同大、同間隔で、まとまりよく表されたものであるから、一体的に捉えられ、その構成文字全体に相応して「ディーキセノン」または「ディーゼノン」の称呼を生じ、また、該文字は、何らの意味合いを有しない造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標5を検討するに、外観については、本願商標と引用商標5は図形の有無、構成文字数等明らかな相違を有するものであり、外観上、明確に区別できるものである。また、本願商標の構成中の「zenon Supervisor」又は「zenon」の文字部分が前記アのとおり本願商標の要部として看取される場合も、「zenon Supervisor」又は「zenon」の文字部分と引用商標5は、構成文字および構成文字数に明らかな相違を有するものであり、外観上、容易に区別できるものである。
そして、称呼については、本願商標からは、「ゼノンスーパーバイザー」又は「ゼノン」の称呼を生じ、引用商標5からは、「ディーキセノン」又は「ディーゼノン」の称呼を生ずるところ、本願商標から生ずる「ゼノンスーパーバイザー」と引用商標5から生ずる「ディーキセノン」の称呼は、構成音及び構成音数が明らかに異なるものであり、両称呼は、明確に聴別し得るものである。また、本願商標から生ずる「ゼノンスーパーバイザー」と引用商標5から生ずる「ディーゼノン」の称呼は、「ゼノン」の音を共通にするものの、称呼の識別上重要な位置である語頭における「ディー」の音の有無及び語尾における「スーパーバイザー」の音の有無という明らかな相違を有することから、それぞれを称呼するときは、全体の語調、語感が異なるものであって、両商標は、称呼上明確に聴別できるものである。
次に、本願商標から生ずる「ゼノン」と引用商標5から生ずる「ディーキセノン」の称呼は、構成音および構成音数が明らかに異なるものであり、両称呼は、明確に聴別し得るものである。
また、本願商標から生ずる「ゼノン」と引用商標5から生ずる「ディーゼノン」の称呼は、「ゼノン」の音を共通にするものの、称呼の識別上重要な位置である語頭における「ディー」の音の有無という明らかな相違を有することから、それぞれを称呼するときは、全体の語調、語感が異なるものであって、両商標は、称呼上明確に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本願商標及び引用商標5は、共に特定の観念を生じないものであるから、両商標の観念は、比較し得ないものであって、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標5は、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(3)本願商標と引用商標4について
本願商標は、前記(2)アに記載のとおりであって、引用商標4は、別掲2に示すとおり、灰色の横長矩形内の左寄りに濃い灰色のV字状の図形及び右下方に「VM-MASTER」の欧文字を配してなるところ、その構成文字に相応して「ブイエムマスター」の称呼を生じ、また、該文字は、何らの意味合いを有しない造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標4の類否について検討するに、外観については、本願商標と引用商標4は、灰色の横長矩形内に、V字状の図形を配してなるという共通点を有するものの、矩形内の欧文字の有無、V字状図形の色彩の相違、V字状の図形の中央部の切れ目の有無などの差異を有し、また、V字状の図形は、本願商標では矩形内を横断するように配されている一方、引用商標4では、矩形内左側に収まるように配されており、両者の構成全体から受ける印象は明らかに異なるというべきである。よって、外観上、両者は十分区別し得るものである。
そして、称呼については、本願商標から生ずる「ゼノンスーパーバイザー」又は「ゼノン」と引用商標4から生ずる「ブイエムマスター」の称呼は、構成音及び構成音数が明らかに異なるものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別し得るものである。
さらに、観念については、両商標は共に特定の観念を生ずるものではないから、比較し得ないものであって、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標4は、外観、称呼、観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標3との関係においては、拒絶の理由が解消し、また、引用商標1、2、4及び5との関係においては、類似する商標とはいえないものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


別掲3(引用商標5の指定商品及び指定役務)
第9類「Optical apparatus and instruments;motion picture apparatus and instruments;measuring apparatus and instruments;their parts and accessories;optical glass;optical fibres;optical filters;all aforementioned goods except for glasses.」
第42類「Design of photographic lenses and of optical recording,transmission and reproduction systems for users.」
審決日 2014-10-07 
国際登録番号 1100742 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X093842)
T 1 8・ 263- WY (X093842)
T 1 8・ 261- WY (X093842)
最終処分 成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 梶原 良子
内藤 順子
商標の称呼 ゼノンスーパーバイザー、ゼンオンスーパーバイザー、ゼノン、ゼンオン、スーパーバイザー、バイザー 
代理人 達野 大輔 

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