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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20139242 審決 商標
不服20146330 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服20141568 審決 商標
不服20143800 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W44
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W44
管理番号 1293837 
審判番号 不服2014-745 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-01-16 
確定日 2014-11-05 
事件の表示 商願2013-35154拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「健康エステ」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,整体」を指定役務として、平成25年5月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『健康エステ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の『エステ』の文字部分が『総合美容』を意味し、美容業界においては『健康維持を目的とするエステ』が一般に認識されていることよりすると、これを本願指定役務中『美容』等に使用しても、『健康維持を目的とする総合美容』を理解させるに止まるものであるから、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋の要旨
当審において、平成26年7月29日付けで通知した審尋の要旨は、別掲のとおりである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、「健康エステ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「健康」の文字は、「身体に悪いところがなく、心身が健やかなこと」の意味を有し、また、「エステ」の文字は、「美顔、痩身、無駄毛の脱毛などを行う全身美容。」を意味する「エステティック」の略称、若しくは、「全身美容を行う美容院。」を意味する「エステティックサロン」の略称を表すものである。
そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、健康をサービスの目的や効果にうたうエステティックサロンや、美容と共に健康の効果を求める需要者が存在している実状、さらに、複数の事業者が「健康エステ」の文字を店名と共に使用している実状が、前記3の審尋で示した新聞記事情報及びインターネット情報によって認めることができる。
そうとすれば、「健康エステ」の文字からなる本願商標は、その指定役務中「美容」に使用される場合、これに接する需要者、取引者に「健康をサービスの効果や目的とする美容の提供」または、「健康をサービスの効果や目的とするエステティックサロン」程の意味合いを理解させるにすぎず、単に役務の質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから商標法第3条第1項第3号に該当し、「美容」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、同第3条第2項に該当する旨は主張しておらず、また、職権をもって調査するも、本願商標が同項に該当するとすべき事情は見いだすことができなかった。
(2)請求人の主張について
請求人は、審尋で提示した新聞記事情報やインターネット情報に「健康エステ」についての具体的意味合いが記載されていないなどと指摘した上で、本願商標は、特定の観念を生じさせない一種の造語であって、一般に使用されていないものであるから、自他役務識別力を有する旨主張している。
しかしながら、「健康エステ」の文字は、上記(1)のとおり、「健康」及び「エステ」の語義、本願の指定役務を取り扱う業界における実状を踏まえれば、「健康をサービスの効果や目的とする美容の提供」または、「健康をサービスの効果や目的とするエステティックサロン」程の意味合いを表すものと、理解、認識させるものといえる。
また、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の役務の質の表示に該当するというためには、取引者、需要者が役務の質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に役務の質を表示するものとして使用されていることまでは必ずしも必要としないと解されるものである(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)から、一般に使用されていないことをもって、同号に該当しないということはできない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
別掲 別掲 審尋
本願商標は、「健康エステ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「健康」の文字は、「身体に悪いところがなく、心身が健やかなこと」の意味を有し、「エステ」の文字は、「美顔、痩身、無駄毛の脱毛などを行う全身美容。」を意味する「エステティック」の略称、または、「全身美容を行う美容院。」を意味する「エステティックサロン」の略称を表すものである。
そして、以下(1)ないし(16)の新聞記事情報やインターネット情報によれば、本願の指定役務を取り扱う業界において、健康をサービスの目的や効果にうたうエステティックサロン及び美容と共に健康の効果を求める需要者が存在し、また、複数の事業者が「健康エステ」の文字を店名と共に使用している実状がうかがえる。
そうとすれば、「健康エステ」の文字からなる本願商標は、その指定役務中「美容」に使用される場合、これに接する需要者、取引者に「健康をサービスの効果や目的とする美容の提供」または、「健康をサービスの効果や目的とするエステティックサロン」程の意味合いを理解させるにすぎず、単に役務の質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから商標法第3条第1項第3号に該当し、「美容」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(1)毎日新聞 2009.11.15 地方版/北海道 25頁
「千客万来:札幌 「サロン・ド・NORTH円山本店」/北海道」の見出しの下、「老化対策(アンチエージング)で評判のトータルエステサロン。・・・・・『当店は美と健康を追求し、結果の出るサロンです。ぜひ、一度、お試しください』と中島社長は笑顔を見せている。」の記載がある。
(2)北國・富山新聞 2010.07.27 朝刊
「男前・女前講座 メディカルエステティックサロン クレールジャパン店長、橋本絵美さん=富山市稲荷元町 光痩身、内側から美しく」の見出しの下、「無理なく健康にやせて、体の内側から美しくなって?。橋本絵美店長(41)がこう願って22歳で開いたクレールジャパンには『おしゃれをしたい』 『減量でひざや腰への負担を減らしたい』などさまざまな理由でやせたい女性が訪れる。」の記載がある。
(3)北國・富山新聞 2011.08.31 朝刊
「男前・女前講座 フェイシャルサロンJura 代表、稲見真知子さん(富山市中川原新町) 健康で若々しい肌、追求」の見出しの下、「化粧だけでなくエステにより、健康で若々しい素肌を追求する。」の記載がある。
(4)京都新聞 2012.06.10 朝刊 6頁
「◎MyウェイMyライフ 京華館オーナーセラピスト 高木チカ子さん 心と体の健康 手でケア 肌のぬくもりと愛情で癒やし伝わる」の見出しの下、「東京から定期的に通うファンもいるというエステサロンだ。『日本でエステというと脱毛や痩身の印象が強いが、美しさだけでなく、心と体の健康を大切に施術しています』とほほ笑む。」の記載がある。
(5)毎日新聞 2013.10.11 地方版/北海道 21頁
「まち散策:札幌 オーガニックエステサロン TUMIKA オリジナル施術に注目 /北海道」の見出しの下、「◇オーガニックエステサロン TUMIKA(ツミカ) 美容マニアやミスユニバースも通う“隠れ家的”なサロン。体と心を美と健康に導くオリジナル施術の『aim(アイム)』が、注目を浴びている。」の記載がある。
(6)神戸新聞 2014.02.27 朝刊 14頁
「地元の企業で輝こう 10社参加の合同企業説明会 来月4日、神戸」の見出しの下、「<エステティックサロン〉ラミール お客さまと共に美しく」の項に、「お客さまと二人三脚でお肌や健康面をサポートしながら、共に美しくなることをコンセプトに、女性が一生輝ける環境づくりを目指しています。」の記載がある。
(7)「エステスペース」のウェブサイト
エステスペースのスタッフブログのウェブページ中に、「身体に良い食材、サプリメントもありますが、エステも健康維持としても凄く効果が高いのではないかと思います。」の記載がある。
(http://ryukado.net/blog/itami/422)
(8)「韓国式アカスリエステ 健康工房」のウェブサイト
「肌の健康と若さがよみがえる!」及び「本場韓国の専門スタッフが施す、本格的なアカスリエステです。アナタのお肌の血行を良くし、若々しく健康な身体作りをサポートします。」の記載がある。
(http://www.kenko-kobou.com/)
(9)「スリムビューティーハウス」のウェブサイト
「エステでは身体の外見的な美しさだけではなく、内面からにじみ出る健康的な美しさも実現することができます。」の記載がある。
(http://slim.jp/esthetic_01.html)
(10)静岡新聞 2005.12.30 朝刊 22頁
「男だって美しく- 県内中高年“開眼”-エステやネイル人気“じわり” 健康志向で気軽に」の見出しの下、「エステやネイルに気軽に通う男性が県内でも増え始めている。・・・・・静岡市葵区のメンズエステ『ダンディハウス』静岡店は平成十三年のオープン以来、毎年20%ずつ会員が増え続けている・・・・・体調管理を目的にした健康志向の客も少なくない。・・・・・ダンディハウスの広報担当者は『男性のボディーケアというと人目を忍んで通う男性がほとんどだったが、今は自分磨きや健康維持といったスポーツクラブ感覚。意識変化が客数の増加につながっているのでは』と話している。」の記載がある。
(11)「the健康維持」のウェブサイト
「エステで健康維持」のウェブページ中に、「エステは、美容のためにあるようなイメージが強いですが、最近のエステでは、健康維持に着目した施術が非常に増えています。また、美容メインの施術でも、エステの施術でリラックスすることで、ストレスから開放され、結果的に体調が回復したという事例もありますので、エステと健康維持はかなり密接な関係があると考えてよいのではないでしょうか。」の記載がある。
(http://the-healthkeep.com/going_out/este/go_este/)
(12)「健康エステ空間 心ロリ」のウェブサイト
施術のメニューを紹介するウェブページ中に、「冷えて難くなった脂肪をラジオ波を使いドロドロに溶かしていきます!脂肪のない健康的なボディーを手に入れよう!」の記載がある。また、エステサロンの問い合わせ先に「心から健康に蒲郡エステサロンならコロリ」の記載がある。
(http://corori.com/index.php/menu)
(13)「健康エステサロン Relax plus(リラックス・プラス)」のウェブサイト
エステサロンの問い合わせ先に、「健康を第一に考えた女性限定のプライベートサロンです。」の記載がある
(http://ameblo.jp/relaxplus7716/)
(14)「健康エステ空間 POAPOA」のウェブサイト
「心と体はひとつとして考えるトータルエステの健康ダイエットを薦めて早30年が過ぎました。体質・肌質を改善する為のアドバイス中心にゆったりとお時間を過ごせる1日2名完全予約制のホームエステです。」の記載がある。
(http://www.ispot.jp/s/poapoa/)
(15)「総合健康エステサロン&ビューティースクール 樹理庵」のウェブサイト
(http://www.heart113.jp/jyurian/)
(16)「美と健康のエステ『アテーナ』」のウェブサイト
(http://athena-esthe.jp/)


審理終結日 2014-09-05 
結審通知日 2014-09-08 
審決日 2014-09-19 
出願番号 商願2013-35154(T2013-35154) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W44)
T 1 8・ 272- Z (W44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉沢 恵美子藤平 良二 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 内藤 順子
原田 信彦
商標の称呼 ケンコーエステ 
代理人 佐藤 富徳 

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