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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20143215 審決 商標
不服201321228 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服20139304 審決 商標
不服201323737 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W30
管理番号 1293776 
審判番号 不服2013-9242 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-20 
確定日 2014-10-31 
事件の表示 商願2012-16182拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「信濃の国」の文字を書してなり、第30類「おやき,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと,パスタソース,香辛料」を指定商品として、平成24年3月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、現長野県全域にあたる『信濃』を表示するものと認識される『信濃の国』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者・取引者は、単に商品の産地・販売地及び品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成26年4月1日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べに対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べに対して、平成26年5月12日付け意見書において、要旨以下のように述べている。
(1)本願商標である「信濃の国」の文字は、辞書及び事典に記載はなく、インターネットでも地名としての使用はほとんど見当たらないから、本願商標は、商品の産地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものに該当しない。
(2)証拠調べの結果として示された別掲1(2)の用例は、いずれも地域を示す表示を販売促進等を考慮して使用しているにすぎず、商品の産地表示を目的とした直接使用ではない。また、証拠調べの結果として示された別掲1(3)の用例は、産地の表示として「長野」又は「信州」の語が表示されているもの、他の文字と組み合わせて商標として使用しているもの、「信濃」の文字が使用されているものであって、「信濃の国」を産地表示として使用しているものはイのみであるから、これをもって、商品の産地を表示するものとはいえない。さらに、現在は「国」の概念として行政区画の一つを認識する人はほとんどいないと思われるから、「信濃の国」が商品の産地を表示するものとはいえない。
(3)本願商標は、請求人の所有する第29類及び第35類における登録商標と同一の文字からなり、請求人は、該商標を付した「ビーフカレー」や「きのこカレー」を販売している。また、新商品として、「戸隠新そば」及び「五郎兵衛米のおかゆ」の販売を行っており、本願商標は、その指定商品についても使用をするものであり、その結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識できるものである。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「信濃の国」の文字を書してなるものであり、その構成中の「信濃」は、「旧国名。いまの長野県。」を表したものと認められるものである。
そして、明治以前の我が国における行政区画には、「駿河の国」や「武蔵の国」のように「○○(の)国」との国名が定められていたところ、これらの旧国名は、例えば別掲2に示すとおり、現在においても、当該地域を表すものとして使用されていることがうかがえる。また、旧国名は、地名やその地域の伝統的な産品名の一部に使用されることも多く、旧国名をもって当該地域を表すことは広く行われているといえる。
そして、旧国名の一である「信濃」又は「信濃の国」の文字は、証拠調べの結果として示した別掲1(2)及び(3)のとおり、長野県を表すものとして広く使用されている事実が認められるものであるから、本願商標は、長野県を表す旧国名からなるものと容易に認識されるといい得るものである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が長野県で製造、販売されたものであることを看取、理解するというのが相当であるから、本願商標は、商品の産地、販売地を表示したものと認識されるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「信濃の国」の一連の文字は、辞書等に記載がなく、また、インターネットにおいて地名としての使用もほとんど見当たらず、さらに、証拠調べの結果として示された用例には、「信濃の国」の文字が産地表示として使用されているものは1例であるから、本願商標は、商品の産地を表示するものとはいえない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の商品の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解されるところ、本願商標については、その構成文字の意味及びその使用状況を踏まえれば、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質(産地、販売地)を表示するものとして認識されること、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、前記3の証拠調べの結果として示された用例には、「信濃の国」の文字が、他の文字と結合して商標として使用されているものが含まれるから、本願商標は、商品の産地を表示するものとはいえない旨主張する。
しかしながら、それらの用例において他の文字と組み合わせた標章が商品名として使用されているとしても、これに接する取引者、需要者は、「信濃の国」の文字のみをもって、商品の出所識別標識として認識するとはいい難いものであり、むしろ、長野県を産地、販売地とする商品であると認識するとみるのが自然であるから、本願商標は、商品の品質を表示する標章であるというのが相当である。
ウ 請求人は、第29類の指定商品及び第35類の指定役務について本願商標と同一文字からなる登録商標を有し、これを、請求人の製造、販売する商品に使用している。そして、本願商標は、その指定商品についても使用をするものであり、その結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識できるものである、すなわち、本願商標は、使用による特別顕著性(商標法第3条第2項の要件)を有している旨主張する。
しかしながら、本願商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標の指定商品には長野県において広く製造、販売されているといえる「おやき」及び「そばの麺」を含む「穀物の加工品」が含まれるなど、請求人の有する登録商標に係る商品及び役務とは異なるものであり、本願商標をこれと同列に論ずることはできない。また、我が国における販売数量、販売額、市場占有率、広告宣伝の回数等に関する証拠の提出はなく、本願商標が出願人の業務に係る商品に使用された結果、その指定商品について、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識するに至っていると認めるに足る事実を見いだすことはできない。
エ したがって、上記アないしウのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録できない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 平成26年4月1日付け証拠調べ通知をもって開示した事実(下線は、当合議体が付加。)
(1)辞書及び事典における記載
ア 「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)における「信濃」の項に、「旧国名。いまの長野県。」との記載があり、また、「国」の項に、「古代から近世までの行政区画の一つ。」との記載がある。
イ 「コンサイス日本地名事典<第5版>」(株式会社三省堂発行)における「信濃」の項に、「長野県のほぼ全域を占める旧国。」との記載がある。
(2)新聞記事及びインターネットのウェブサイトにおける「信濃の国」の文字の用例
ア 2004年4月13日付け「日本経済新聞」(地方経済面 長野3頁)に、「信濃の国森世紀工房、家づくり情報提供するフェア」の見出しの下、「長野県建具協同組合開発事業部が作る『信濃の国 森世紀工房』は、住宅の骨組みなど家づくりの情報を提供するフェアを開催する。県産材を使った板や家具、木くずを燃料にするペレットストーブなども展示する。」との記載がある。
イ 2004年10月24日付け「朝日新聞」(東京地方版/長野32頁)に、「特産物がずらり、『楽市楽座』盛況 松本/長野」の見出しの下、「県内外の物産販売や観光を紹介する『2004信濃の国楽市楽座』(県、松本市など主催)が23日、松本市の信州スカイパークやまびこドームで始まった。」との記載がある。
ウ 2007年7月16日付け「朝日新聞」(東京地方版/長野21頁)に、「信州の名物料理、弁当にして販売 サークルK/長野県」の見出しの下、「信州の名物料理や県産品を使ったコンビニ弁当を、サークルKサンクスが23日まで、県内の117店舗限定で販売している。川中島対決にちなんで、『信濃の国弁当?山崎謙信の巻』と『信濃の国弁当?大岩信玄の巻』の2種類で、いずれも500円(税込み)。」との記載がある。
エ 2006年5月31日付け「日本食糧新聞」に、「全国麺類特集:長野地区動向=コスト高を背景に新価値の創造を」の見出しの下、「蕎麦は、飢饉の代用食だった。信州そばの名声を高めたのは『そば切り』が、信濃の国に発祥をみているからだろう。」との記載がある。
オ 2009年9月29日付け「読売新聞」(東京朝刊32頁)に、「新作駅弁を知事に披露=長野」の見出しの下、「信州の食材をアピールし、観光振興につなげるため、長野新幹線などで販売される『駅弁』2種類が完成し、弁当業者が28日、県庁に村井知事を訪ねて新作を披露した。・・・開発したのは、弁当業者の『ちくま』(本社・長野市)と、『吉美』(同)で、『ちくま』は、『信濃の国食浪漫』と題して、野沢菜のおやきや、信州サーモンのみそ焼きなど、16品を詰め込んだカロリー控えめの『精進系』弁当を開発。」との記載がある。
カ 2011年8月19日「日本経済新聞」(地方経済面 長野3頁)に、「特別展『日本の祭り・野沢温泉の祭り』、第9回長野牧場まつり、他(文化イベント)」の見出しの下、「◇食育シンポジウム 9月10日午前10時?午後3時45分、飯島町の飯島町文化館。『みんなで考えよう!ともに進めよう!信濃の国の食育』をテーマに、食事のバランスの取り方などに関する講演や体験コーナーなどがある。・・・長野県栄養士会」との記載がある。
キ 2011年8月20日「日本経済新聞」(名古屋夕刊 中部特集 37頁)に、「松坂屋名古屋店、名古屋三越栄店、三越星ケ丘店、丸栄、他(がいどガイドワイド)」の見出しの下、「<愛知>・・・■豊橋丸栄 甲斐と信濃の国の物産展 25?30日。山梨と長野からおいしいものが集結。」との記載がある。
ク 「NHKラジオ朝一番健康ライフの内容」のウェブサイトにおいて、「信濃の国から 食と健康を考える」の見出しの下、「信濃の国といえば『健康長寿日本一』とか『元気でぽっくり』というイメージが思い浮かびます。・・・では、一体どのようにすればそのような事ができるのか?という疑問は、健康長寿日本一の長野県で暮らす人々を見ればおのずとわかってくるのではないでしょうか?・・・[放送日]2013年5月27日-2013年5月31日」との記載がある。
(http://j4ef.com/shinano/)
ケ 「ちのステーションホテル」のウェブサイトにおいて、「地域情報 長寿信州」として、「信濃の国 健康・長寿の背景」の見出しの下、「長野県人の平均寿命・・・健康長寿7項目」との記載がある。
(http://www.cs-h.co.jp/sinsyu.htm)
(3)インターネットのウェブサイトにおいて、「信濃の国」、「信濃国」又は「信濃」の文字が、商品の産地、販売地を表示するものとして使用されている事実
ア 「世界のおみやげ屋さん」のウェブサイトにおいて、「信州そば」の見出しの下、「信州そばといえば一般的に長野県で作られるそばで、そば粉を40%以上配合した良質の干しそばを指します。”そば切り”の発祥の地として伝わる信濃の国・長野のお土産としておすすめ。」との記載がある。
(http://www.e-omiyage.net/kokunai/51-06/)
イ 「渡辺製麺」のウェブサイトにおいて、「業務用製品 乾麺」の見出しの下、「信濃の国 山霧の里つゆ付き詰合せ・・・人気商品山霧の里の乾麺のつゆ付きで包装されたご贈答用タイプ。」「株式会社 渡辺製麺 長野県茅野市・・・」との記載がある。
(http://www.watanabeseimen.co.jp/products/kanmen/post-19.php)
ウ 「信州山万味噌」のウェブサイトにおいて、「味噌ギフト商品一覧」の見出しの下、「信濃の国 極セット/信州の無くてはならない味噌漬 信州の味をご堪能あれ/ボリュームの感のあるセット内容です。山万味噌人気の4種と、信州人の食卓に欠かせない愛され続ける味、野沢菜漬・味噌ドレッシング等を詰め合わせにしました。」「合資会社 山万加島屋商店 長野県岡谷市・・・」との記載がある。
(http://www.shinsyumiso.co.jp/user_data/gift.php)
エ 「まるたか」のウェブサイトにおいて、「信濃の国/ふりかけ」の見出しの下、「信州名物!/野沢菜、わさび、そばの実入り?程よい塩気と食感?/【信州まるたかのふりかけ】信濃の国ふりかけ/このふりかけには信州名物が詰まっていま?す!信州を代表する野菜 野沢菜・清流育ちのわさび・そして蕎麦の実が詰まっています。」「製造者 有限会社あづみ野食品 長野県安曇野市・・・」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/sinsyu-marutaka/111326020/)
オ 「大西製粉」のウェブサイトにおいて、「信濃そば 乾麺 200g 3把セット」の見出しの下、「風味豊かな地粉を最新の設備と伝統の技術で干しそばにしました。信濃そば 200g×3把 1把約2人前です。・・・【長野県産100%】」「蔵の粉屋 大西製粉 長野県小諸市・・・」との記載がある。
(http://www.kuranokonaya.com/item/kannmen3/)
カ 「かじの」のウェブサイトにおいて、「産地指定そば」の項に、「信州信濃そば」として、「信濃産そば粉を使った当社の最高級そば」との記載がある。
(http://www.tokyo-kajino.co.jp/soba/07.html)
キ 「日穀製粉株式会社」のウェブサイトにおいて、「日穀製粉のそばの国だより」の見出しの下、「2011年7月通販売れ筋ランキング」として、「第8位 しなのっ娘そうめん 信州は、小麦に適した気候風土に恵まれ、良質な地粉の産地として広く知られております。その信濃産(信州産)100%で、丁寧に作られた本物の地粉そうめんです。」「日穀製粉株式会社 長野県長野市・・・」との記載がある。
(http://www.nikkoku.co.jp/blog/2011/08/20117.php)
ク 「公益財団法人ながの観光コンベンションビューロー」のウェブサイトにおいて、「お弁当・ケータリングのご案内」として、「千曲川弁当/千曲川流域の澄んだ大気・清水から育まれた信濃産『コシヒカリ』を主食に、手作り郷土食弁当をご賞味ください。」との記載がある。
(https://www.nagano-cvb.or.jp/convention/web/07_c_support/index_03.html)

2 旧国名を用いた「○○の国」の文字が当該地域を表すものとして使用されている事実
(1)「中小企業庁」のウェブサイトにおいて、「地域の魅力セレクション2009」の見出しの下、「(有)大橋量器 岐阜県」の「出展情報」として、「美濃の国から木のぬくもりと香り、そして日本の伝統を伝え『枡』」との記載がある。
(http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shinjigyo/selection2009/exhibitor/Ptype=detail&id=39.html)
(2)「滋賀麻工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「近江の麻・地域」の見出しの下、「地域のブランド・・・近江の国は、真中に全面積の1/6を占める琵琶湖と鈴鹿山脈から溢れ出る清水など全体から見て非常に高温多湿で、内陸性の気候になっています。」との記載がある。
(http://www.shigaasa.jp/area/)
(3)「株式会社きものアイ」のウェブサイトにおいて、「きもの絵巻館」の「館内のご案内」に、「鈴木牧之の『北越雪譜』に見られるように、越後の国は古くから織物業が盛んでした。その中でも十日町市は日本有数の絹織物の産地として知られています。」との記載がある。
(http://www.kimonoemakikan.co.jp/floor/index.html)
(4)「日本商工会議所」のウェブサイトにおいて、「ニュースライン」として「インターネット物産展『伊予の国 えひめの逸品』を開設(松山商工会議所) 2010年8月3日」の見出しの下、「松山商工会議所(愛媛県)はこのほど、インターネット上で同地域の特産品を販売する物産展『伊予の国 えひめの逸品』を開設した。」との記載がある。
(http://www.jcci.or.jp/news/local-front/2010/0803093734.html)
(5)「ANA FESTA」のウェブサイトにおいて、「おみやげを探す 商品詳細」として、「讃岐の国から和三盆 讃岐の名産品である和三盆糖を使ったカステラ風のパウンドケーキです。・・・高松空港 かねすえ」との記載がある。
(https://www.anafesta.com/item_detail.jsp?cd_item=4502)


審理終結日 2014-08-26 
結審通知日 2014-08-27 
審決日 2014-09-12 
出願番号 商願2012-16182(T2012-16182) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (W30)
T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 松本 はるみ 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 浦辺 淑絵
手塚 義明
商標の称呼 シナノノクニ 
代理人 下田 茂 
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