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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025
管理番号 1293661 
審判番号 取消2013-300458 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-06-05 
確定日 2014-10-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4136561号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4136561号商標(以下「本件商標」という。)は、「addict」の欧文字と「アディクト」の片仮名とを上下2段に横書きしてなり、平成8年3月29日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,ショール,スカーフ,足袋,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同10年4月17日に設定登録、その後、同20年4月8日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成25年6月21日である。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,ショール,スカーフ,足袋,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子」(以下「取消請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
本件商標は、取消請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
(1)本件商標の使用の事実
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内 (以下「要証期間」ということがある。)に、日本国内において、本件商標の権利者の通常使用権者である株式会社カルクイント(以下「カルクイント社」ということがある。)により、本件商標に係る指定商品中、「洋服,帽子」について本件商標を使用した事実がある。
(2)本件商標を付した商品の存在
本件商標を付した洋服が、要証期間に出版された雑誌における商品の広告に掲載されている(乙11、12)。また、カルクイント社のウェブページには、本件商標を付した洋服及び帽子が掲載されている(乙3)。
この点について、乙各号証において使用されている商標は、「ADDICT」の欧文字のみ又はロゴとしたものであるが、これらは、いずれも、本件商標中の「addict」を大文字に変換させたり又は書体を変化させたにすぎないため、本件商標とこれら使用されている商標とは社会通念上同一の商標であるというべきである。
(3)通常使用権の存在
被請求人は、カルクイント社に対し、本件商標の使用の権限を与えていることが明らかである(乙1)。また、本件商標をカルクイント社に使用させることに同意している旨が記載されている(乙2)。本件商標に係る商標権について、カルクイント社は、要証期間に、被請求人との関係において、日本国内で本件商標の使用をすることについて正当な権限を有する通常使用権者としての地位を有していたことは明らかである。
また、カルクイント社の会社概要等が記載されたウェブページの写しには、同社の「代理店ブランド」として、本件商標が記載されていると共に、本願商標を付した「洋服、帽子」等の商品を紹介するページが存在している(乙3)。
(4)商品の「譲渡」の事実
カルクイント社は、本件商標を付した商品「洋服,帽子」を、要証期間に日本国内の小売店に販売し、その商品の内訳、数量及び金額が記載された納品書においては、商品の種類と並んで本件商標が使用されていることから、当該納品書は、本件商標を付したこれらの商品が、納品書に記載された日付に、譲渡された事実を表示するものである。(乙4)。
(5)商品の「譲渡若しくは引き渡しのために展示」の事実
ア カルクイント社は、2011年9月6日及び7日に神奈川県横浜市で開催された展示会「INTERSTYLE」に参加し、本件商標を付した洋服を、譲渡若しくは引き渡しのために展示した(乙5、乙6)。また、同展示会は、2012年2月14日から16日にかけても開催され、同社は、本件商標を付した洋服を、譲渡若しくは引き渡しのために展示した(乙7)。
イ カルクイント社は、2011年8月18日及び19日に東京都渋谷区の原宿地域で開催された展示会「AGENDA TOKYO」に参加し、本件商標を付した洋服を、譲渡若しくは引き渡しのために展示した(乙8)。乙第9号証は、上記展示会のウェブページの写しであり、乙第10号証は、同展示会を主催した株式会社グリーンルームのウェブページの写しである。
ウ 以上の展示会において、本件商標を付した商品「洋服」が、要証期間に、本件商標の通常使用権者であるカルクイント社によって、譲渡若しくは引き渡しのために展示されたことは明らかである。
(6)本件商標を付した「商品に関する広告の頒布」の事実
ア 株式会社三栄書房2012年11月9日発売の雑誌「411(フォーダブルワン)2012年12月号(乙11)及び平成24年4月14日発売の雑誌「Ollie(オーリー)2012年5月号(乙12)において、本件商標を付した「洋服」が掲載されているとともに、その価格、取扱店及びカルクイント社の連絡先等が掲載されているから、これら証拠は、商品に関する広告であるといえる。
イ 株式会社三栄書房平成23年4月14日及び同年11月14日発売の雑誌「Ollie(オーリー)2011年5月号及び12月号(乙13、乙14)において、本件商標を付した「洋服」の価格及び商品購入の動機付けとなるような宣伝文句が掲載されている。ファッション雑誌業界においては、雑誌への商品掲載の引き換えに広告料を得ていることからすれば、これら証拠も、商品に関する広告である。
ウ 以上のことから、本件商標を付した商品「洋服」に関する広告が、要証期間に発売された雑誌に掲載されることによって、頒布されたことは明らかである。
(7)結語
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録日前3年以内に、本件審判の請求に係る商品中「洋服、帽子」について使用されていたことが明らかである。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきではない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、2013年10月1日付けの被請求人の取締役(サイモン ピーター バンバー)による本件審判に関する「証人宣誓書」であるところ、これには、被請求人とADDICTブランドの代理店であるカルクイント社とは、8年にわたる商業上の関係がある旨、及びカルクイント社は、被請求人の許可を受けて、ADDICTブランドを日本に流通及び販売する活動を行い、「ADDICT」商標を使用している旨の記載がある。
乙第2号証は、2013年10月3日付けの被請求人の取締役(サイモン ピーター バンバー)による「宣誓書」であり、被請求人は、2005年から、カルクイント社が商標登録第4136561号商標(本件商標)を含む「ADDICT」商標を使用することについて同意している旨の記載がある。
乙第3号証は、カルクイント社の会社概要であり、事業内容として、「インポート(USA/UK)衣料卸売業」との記載、及び代理店ブランドの一つとして、「ADDICT(UK)」との記載がある。
イ 乙第4号証は、カルクイント社(TEL06-6393-5380)から日本国内の小売店に対して発行された2013年2月9日及び同月16日付け納品書控であり、品名として「ADDICT JKT」又は「ADDICT CAP」の文字、その数量、原単価及び原価金額等が記載されている。
ウ 乙第11号証は、株式会社三栄書房が発行した2012年(平成24年)11月9日発売の雑誌「411(フォーダブルワン)2012年12月号であり、2葉目(15頁)には、「411EXPRESS」として、「TOPICS/07 JPN別注モノをはじめとした注目作が数多くラインナップ!」の囲みの中に、レザージャケットの商品の画像とともに、「ADDICT」の欧文字の下に「アディクト」の片仮名及びその下に「レザーJKT」の文字が表示され、問(〇の中に「問」と表示されている。)として「カルクイント」及び「TEL06-6393-5380」との記載がある。
(2)前記(1)の認定事実から、以下のとおり判断する。
乙第1号証ないし乙第3号証によれば、カルクイント社は、輸入衣料卸売業を事業とする会社であり、請求人の日本における代理店として、被請求人から本件商標について許可を受けている通常使用権者であるといえる。
乙第11号証によれば、商品「レザージャケット」に関する広告に、「ADDICT」の欧文字及び「アディクト」の片仮名が記載されていることが認められ、該文字態様と本件商標とは社会通念上同一の商標といって差し支えない態様である。
そして、カルクイント社の使用に係る商品「レザージャケット」は、その取消請求に係る商品中の「洋服」に属するものである。
したがって、カルクイント社は、要証期間である平成24年11月に、その取消請求に係る商品中の「洋服」に関する広告に本件商標と社会通念上同一と認め得る商標を付して頒布したものと認められるものである。
一方、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。
(3)むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、取消請求に係る商品中の「洋服」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、取消請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-05-23 
結審通知日 2014-05-27 
審決日 2014-06-09 
出願番号 商願平8-32660 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (025)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 浦辺 淑絵
手塚 義明
登録日 1998-04-17 
登録番号 商標登録第4136561号(T4136561) 
商標の称呼 アディクト 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 藤倉 大作 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 山崎 和香子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 松尾 和子 
代理人 辻居 幸一 
代理人 中村 稔 

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