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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1292914 
異議申立番号 異議2013-685026 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-25 
確定日 2014-08-13 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1144027号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1144027号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1144027号商標(以下「本件商標」という。)は、「MUCOSAVE」の欧文字を書してなり、第1類、第3類及び第5類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2012年(平成24年)11月7日に国際商標登録出願され、第5類「Botanical extracts(with the exception of enzymes) for use as the pharmaceutical products and nutritional supplements for the protection of the mucosas and the treatment of the related pathologies.」並びに第1類及び第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年8月28日に登録査定、同年10月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1410485号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MUCOSOLVAN」の欧文字を書してなり、昭和51年8月20日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同55年3月28日に設定登録され、その後、3回にわたる商標権の存続期間の更新登録のほか、平成22年9月8日に指定商品を第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1585626号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ムコソルバン」の片仮名を横書きしてなり、昭和55年11月7日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同58年4月27日に設定登録され、その後、3回にわたる商標権の存続期間の更新登録のほか、平成17年4月20日に指定商品を第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)国際登録第418872号商標(以下「引用商標3」という。)は、「MUCOSOLVAN」の欧文字を書してなり、2003年(平成15年)12月10日に国際商標登録出願(事後指定)、第5類「Pharmaceutical and veterinary products,chemicals for sanitary purposes;plasters,materials for dressings;preparations for weed and pest control.」を指定商品として、平成17年1月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2005年11月14日に国際登録簿に記録されたものである。
(4)登録第1705062号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ムコサール」の片仮名及び「Mucosal」の欧文字を2段に表してなり、昭和56年3月23日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同59年7月25日に設定登録され、その後、2回にわたる商標権の存続期間の更新登録のほか、平成17年5月25日に指定商品を第5類「呼吸器官用薬剤,その他の薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第5421397号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ムコサール」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年1月12日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、同年6月24日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、欧文字の大文字を用いて「MUCOSAVE」と書してなるところ、これより「ムコセーブ」、「ムコサベ」の称呼を生ずる(甲1)。
これに対し、引用商標1及び3は、欧文字の大文字を用いて「MUCOSOLVAN」と書してなり、「ムコソルバン」の称呼を生ずるものであり(甲2,4)、引用商標2は、片仮名で「ムコソルバン」と書してなり、「ムコソルバン」の称呼を生ずるものである(甲3)。また、引用商標4は、「ムコサール」の片仮名と「Mucosal」の欧文字とを書してなり、「ムコサール」、「ムコサル」の称呼を生ずる。さらに、引用商標5は、片仮名で「ムコサール」と書してなり、「ムコサール」の称呼を生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標1及び3並びに4の欧文字部分とは、語頭から5文字が共通し、共通する文字が多いため、外観上類似の商標である。
また、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼において、語頭からの2音「ムコ」を共通にし、引用商標4及び5とは、語頭からの3音「ムコサ」を共通にするから、本件商標と引用商標1ないし5とは、称呼の印象を大きく左右する語頭からの2又は3音が共通するため、称呼上類似の商標である。
そして、それぞれの商標の指定商品は需要者・取引者が同じである類似の商品であるため、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標1ないし5を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれがある。
さらに、近年、販売名が類似する後発品について取り違えによる事故防止のための対策が求められており、目的が同じ薬の場合でも、その副作用に注意を要する(甲7)。特に、「名称類似」と呼ばれている語頭から2文字又は3文字が一致している場合に、取り違えの多くが発生していることが注目されており、本件商標と引用商標1、3及び4の場合、語頭からの5文字までが一致していることは、こうした原因に基づく取り違えを招く大きな危険をはらんでいる。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし5とは、語頭から5文字が一致する、又は、その称呼において語頭音を始めとする2音若しくは3音が一致するものであるから、本件商標がその指定商品に使用されれば、需要者と取引者が同じである以上、引用商標1ないし5を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれが高いものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、その指定商品中、第5類に属する商品についての登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「MUCOSAVE」の欧文字を書してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に視覚上まとまりよく一体的に表されている。
そして、本件商標の構成中の「MUCO」及び「SAVE」の欧文字が、それぞれ「粘液の」及び「救う」の意味を有する英語であるとしても、これらを結合してなる「MUCOSAVE」の文字は、辞書等に載録がないものであるから、これに接する取引者、需要者が、直ちに特定の意味合いを想起するものとはいい難い。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって一種の造語として把握、認識されるというのが相当であり、我が国において広く親しまれている英語の読みに倣って称呼されるものといえるから、その構成文字に相応して、「ムコセーブ」の称呼のみが生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1ないし5について
引用商標1及び3は、前記2(1)及び(3)のとおり、「MUCOSOLVAN」の欧文字を表してなるところ、該文字は、辞書等に載録がないものであるから、その構成全体をもって一種の造語として把握、認識されるものである。
そうすると、引用商標1及び3は、我が国において広く親しまれている英語の読みに倣って称呼されるものといえるから、その構成文字に相応して、「ムコソルバン」の称呼が生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「ムコソルバン」の片仮名を表してなるところ、その構成文字に相応して、「ムコソルバン」の称呼が生ずるものであり、該文字は、辞書等に載録がないものであるから、特定の観念を生じないものである。
引用商標4は、前記2(4)のとおり、「ムコサール」の片仮名及び「Mucosal」の欧文字を2段に表してなるところ、「Mucosal」の欧文字は、「粘膜の」の意味を有する英語の成語として辞書に記載されているものの、我が国において、該文字が特定の語義を有するものとして一般に親しまれているとまではいい難いことから、直ちに特定の意味を想起させることのない造語として認識されるというのが相当である。
そうすると、引用商標4は、その構成文字に相応して、「ムコサール」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。
引用商標5は、前記2(5)のとおり、「ムコサール」の片仮名を表してなるところ、その構成文字に相応して、「ムコサール」の称呼が生ずるものであり、該文字は、辞書等に載録がないものであるから、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標1ないし5との類否について
本件商標と引用商標1ないし5は、それぞれ上記のとおりの構成であって、外観上、明らかに区別し得るものである。
次に、本件商標から生ずる「ムコセーブ」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「ムコソルバン」の称呼とは、音の数及び音の構成において明らかに差異を有するものであるから、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生ずる「ムコセーブ」の称呼と引用商標4及び5から生ずる「ムコサール」の称呼との比較においては、前半の「ムコ」の2音を共通にするものの、これに続く「セーブ」と「サール」とは、その音の構成において明らかに差異を有するものであるから、両商標を一連に称呼するときは、全体の語調、語感を異にし、相紛れるおそれはない。
さらに、観念についてみると、本件商標と引用商標1ないし5は、いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、類似するものとはいえない。
なお、申立人は、販売名が類似する医薬品の取り違え防止に関するインターネット上の記事の写し(甲7)を提出し、本件商標と引用商標1ないし5とは、語頭から5文字が一致する、又は、その称呼において語頭音を始めとする2音若しくは3音が一致するから、商品の出所の混同を生ずるおそれは避けられない旨主張するが、両商標における「MUCOS(Mucos)」の文字部分又は「ムコ」の音部分について、該部分が取引者、需要者の注意をひく特徴的な部分に当たるとみるべき特段の事情は見いだすことができないものであるから、申立人の主張は採用することができない。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし5とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、ほかに、両商標の間で商品の出所の混同を生じるおそれがあるとみるべき特段の事情は見いだし得ないから、両商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-08-06 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W05)
T 1 652・ 262- Y (W05)
T 1 652・ 263- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 正和松田 訓子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 浦辺 淑絵
根岸 克弘
登録日 2012-11-07 
権利者 BIONAP SRL
商標の称呼 ムコセーブ 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 齋藤 宗也 

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