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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y18
管理番号 1292913 
異議申立番号 異議2012-685003 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-03-09 
確定日 2014-03-14 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1073447号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1073447号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1073447号商標(以下「本件商標」という。)は,「JELLYKELLY」のローマ字からなり,2011(平成23)年3月28日を国際登録の日とし,第18類「Imitation leather;pocket wallets;backpacks;handbags;valises;vanity cases,not fitted;leather straps;animal skins;umbrellas.」を指定商品として,平成23年12月16日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 登録異議申立人「エルメス・アンテルナショナル」(以下「申立人A」という。)は,「本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同項第15号又は同項第19号に該当し,同法第43条の2第1号の異議申立理由があるものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録は取り消されるべきである」旨申立て,その理由(要旨)を以下のとおり述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第35号証を提出した。
(1)引用登録第4341534号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成:「Kelly」(標準文字)
登録出願日:平成11年 2月 5日
登録査定日:平成11年10月21日
設定登録日:平成11年12月 3日
指定商品 :第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)商標法第4条第1項第11号について
引用商標は,申立人Aのペットマークとして,かばん等の需要者の間で極めて高い著名性を獲得していることはもちろん,申立人Aそのものをイメージさせるものとして,今やハウスマークに準ずるといえ,極めて著名であるから,本件商標の要部は「KELLY」である。
してみれば,本件商標は,「KELLY」の外観,「ケリー」の称呼を有するものであるから,「Kelley」の文字からなり,「ケリー」の称呼を有する引用商標と外観及び称呼において類似する。また,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は,申立人Aの商標として周知の域を越え,著名であるから,本件商標を指定商品に使用するときには,その取引者及び需要者において,当該商品が,申立人Aあるいは申立人Aとの間に親子会社や系列会社等の密接な関係にある営業主の営業に係る商品であると誤信されるおそれは極めて高い。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は,申立人Aの商標として周知の域を越え,著名であるところ,本件商標の商標権者は,引用商標が使用される商品であるバッグ「ケリー」と形状が極めて類似するバッグを販売することを意図しており,本件商標は引用商標の顧客吸引力を不当に利用する目的で出願されたものであることは明らかである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。
2 登録異議申立人「ジェリー ベリー キャンディー カンパニー」(以下「申立人B」という。)は,「本件商標は,以下の(1)?(5)の登録商標と類似する商標であり,これらの登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,取り消されるべきである」旨申立てた。
(1)登録第5031744号商標
商標の構成:「JELLY BELLY」(標準文字)
登録出願日:平成18年 6月 2日
登録査定日:平成19年 1月29日
設定登録日:平成19年 3月 9日
指定商品 :第3類,第16類,第18類,第21類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第5031745号商標
商標の構成:「Jelly Belly」の文字と図形
登録出願日:平成18年 6月 2日
登録査定日:平成19年 1月29日
設定登録日:平成19年 3月 9日
指定商品 :第3類,第16類,第18類,第21類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第5031746号商標
商標の構成:「Jelly Belly」の文字
登録出願日:平成18年 6月 2日
登録査定日:平成19年 1月29日
設定登録日:平成19年 3月 9日
指定商品 :第3類,第16類,第18類,第21類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第5039157号商標
商標の構成:「Jelly Belly」の文字と図形
登録出願日:平成18年 6月 2日
登録査定日:平成19年 2月21日
設定登録日:平成19年 4月 6日
指定商品 :第3類,第16類,第18類,第21類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第5209027号商標
商標の構成:「ジェリーベリー」(標準文字)
登録出願日:平成19年 8月21日
登録査定日:平成21年 1月16日
設定登録日:平成21年 2月27日
指定商品 :第3類,第16類,第18類,第21類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
第3 本件商標に対する取消理由(要旨)
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)「Kelly bag(ケリーバッグ)」及び「KELLY」の周知,著名性について
ア 申立人Aの主張及び提出に係る甲各号証によれば,申立人Aは,1837年,ティエリ・エルメスによりフランスで創業され,バッグ,高級婦人服,アクセサリー等のいわゆるファッション関連の商品を取り扱う事業者であり,申立人Aの略称でもある「Hermes」(後半のeには,仏語のアクサン記号「`」が付されている。以下同じ。)及び「エルメス」は,前記の申立人Aの取扱いに係るバッグ,高級婦人服,アクセサリーなどのいわゆるファッション関連商品について永年使用され,本件商標の登録出願時,査定時には,申立人Aの業務に係る前記商品を表示する商標として,我が国の需要者の間において高い著名性を獲得していたものと認められる。
そして,申立人Aは,1936年から販売していた「サック・ア・クロア」という商品名のバッグをモナコ王妃のグレース・ケリーが愛用したことで世界的に有名となったことから,そのバッグを当該グレース・ケリーに因み,1956年に「Kelly bag(ケリーバッグ)」と改称し,継続して販売しており,日本においても,1983年にエルメスジャポン株式会社が設立されて以来,継続して販売していることが認められる。
また,その「Kelly bag(ケリーバッグ)」は,1個が50万円から200万円を超える高級品であるにもかかわらず,日本での発売後,年々売り上げを伸ばし,平成15年から平成20年までの間の販売実績は,個数が3000から4000個代を推移し,売上高が20億円から30億円を推移していること,その間,注文が殺到し,予約受付が出来ない時期すらあったこと,さらに,女性向け雑誌に16頁にわたる特集記事が組まれるなど,多数の女性向け雑誌において紹介されていることが認められる。
イ そして,以下のとおり,申立人Aの提出した証拠(女性向け雑誌)には,前記「Kelly bag(ケリーバッグ)」が,「KELLY」「Kelly」「ケリー」として単独で,又は「Hermes」(エルメス)と共に紹介されていることが認められる。
(ア)「HERMES GINZA GRAND OPEN」「6月28日。銀座に堂々11階建てのエルメスがオープン。…『ケリーはあるの?』から『トイレはどうなってるの?』まで…エルメス・ファンでなくとも必見のニュースです。」(甲4)
(イ)「フランスおしゃれブランド大事典」「Kelly/ケリー/女性の魅力を引き出してくれる究極のシンデレラバッグ/内縫いと外縫い。ふたつの縫製方法があるケリー…」(甲6)
(ウ)「店長のSig.MARCO SABAが語る『エルメス・ブーム』の理由と現状」「…ここまでのブームはおそらく2?3年前から。人気が集中しているのは,やはりバッグ。ケリーとバーキンにいたっては,対応しきれないほど注文が殺到してしまったので,最近は受け付けすらできない状態です。…」(甲13)
(エ)「この冬も エルメス 定番&新作 効かす小物154点/1位ケリー8位ミニケリー/エルメスのバッグ作りの精神の粋を極めたともいえるのがこのケリー…」(甲14)
(オ)「”オーダー待ち”の代表格 HERMES Kelly/エルメスケリーバッグ」(甲18)
(カ)「エルメスのケリー/世界中の女性をとりこにしてやまない垂涎のバッグがリッチ素材で新登場」「時代を越えてすべての女性を魅了し続けている,エレガントバッグの代名詞,『ケリー』…」(甲21)
(キ)「〈全16ページ特別企画〉All about the”KELLY”エルメスの神髄『ケリー』のすべて(表紙)」「What does ”KELLY”Bag mean to you?」「名品の神髄はここにある『ケリー』バッグの魅力をひもとくと…」「『ケリー』こそ,いつも美しく優雅でありたいと願うプレシャス世代のための名品」「『いつかはケリーバッグが似合う女性になりたい』-そんな思いを積み重ねてきたプレシャス世代の女性は多いことでしょう…」(甲28)
ウ 前記アの認定事実及びイの雑誌記事の記載によれば,「Kelly bag(ケリーバッグ)」及び「KELLY」は,申立人Aの取り扱いに係る商品「ハンドバッグ」を表示するものとして,本件商標の出願以前から,その需要者である日本の女性に広く親しまれ,高い著名性を獲得していたことが認められ,その状態は現在においても継続しているものといえる。
(2)本件商標と「KELLY」の類否について
本件商標は,「JELLYKELLY」の文字からなるところ,その構成各文字は,同一の書体・大きさで等間隔に一体的に表されており,また,全体として,特定の語義を有しない造語を表したものといえるから,特段の事情がない限り,一体のものとして把握されるとみるのが自然である。
しかしながら,本件商標の構成中の「KELLY」は,前記のとおり,申立人Aの取り扱いに係る商品「ハンドバッグ」を表示するものとして,需要者の間に広く知られ,かつ,高い著名性を獲得しているものである。
また,その構成中の「JELLY」は,菓子の一種であるゼリーを意味するものとして,比較的親しまれた英語といえる。
そうすると,本件商標を,少なくとも「ハンドバッグ」及びその関連商品に使用した場合,これに接する需要者は,これを「JELLY」と「KELLY」の2語を結合したものと把握し,かつ,「KELLY」の文字部分に強く印象づけられ,当該「KELLY」の部分のみを本件商標の要部として認識することが決して少なくないものとみるのが相当であり,結局,本件商標は,「KELLY」と類似する。
(3)本件商標の指定商品と申立人Aの取り扱いに係る商品の関連性
本件商標の指定商品は,第18類「Imitation leather;pocket wallets;backpacks;handbags;valises;vanity cases,not fitted;leather straps;animal skins;umbrellas.」であって,ハンドバッグを含むかばん類の範疇に属する商品「pocket wallets;backpacks;handbags;valises;」とその原材料「Imitation leather;leather straps;animal skins;」及び「vanity cases,(化粧道具入れ);umbrellas(傘)」といった,いわゆるファッション関連商品であることから,これらは,いずれも申立人Aの取り扱いに係る商品「ハンドバッグ」と同一又は関連性の高い商品であり,その需要者を共通にする商品である。
また,前記(1)のとおり,申立人Aの主たる取り扱い商品,すなわち,業務の範囲は,バッグ,高級婦人服,アクセサリーなどのいわゆるファッション関連商品である。
(4)小括
前記(1)ないし(3)において認定した「Kelly bag(ケリーバッグ)」及び「KELLY」の高い著名性,本件商標と「KELLY」の類似性,本件商標の指定商品と申立人Aの取り扱いに係る商品「ハンドバッグ」の関連性の高さと需要者の共通性,申立人Aの業務の範囲などを併せ考慮すれば,本件商標をその指定商品に使用するときは,本件商標の出願時・査定時においてこれに接する需要者は,「KELLY」又は「Kelly bag(ケリーバッグ)」を想起・連想して,該商品を申立人Aの取扱に係る商品又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく誤信し,その出所について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから取消しを免れない。
第5 商標権者の意見
本件商標の商標権者は,前記第4の取消理由について,指定した期間内に意見を述べていない。
第6 当審の判断
前記第4の取消理由は妥当なものであるから,本件商標の登録は,商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-06-18 
審決分類 T 1 651・ 272- Z (Y18)
最終処分 取消 
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
守屋 友宏
登録日 2011-03-28 
権利者 QIU HONG JIE
商標の称呼 ジェリーケリー、ゼリーケリー 
代理人 本多 庸二 
代理人 高松 薫 
代理人 泉 潤子 
復代理人 椿原 直 
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