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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1292889 
異議申立番号 異議2014-900094 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-03-28 
確定日 2014-10-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5638462号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5638462号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5638462号商標(以下「本件商標」という。)は、「ENERGY SUIT」の文字を書してなり、平成25年6月19日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年11月15日に登録査定され、同年12月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第45号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 申立人が本号に該当するとして引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第2675086号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「エネルギー」と「ENERGY」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品 第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成4年3月17日
設定登録日 平成6年6月29日
(イ)登録第4487123号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 「ENERGIE」
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成12年7月17日
設定登録日 平成13年6月29日
(ウ)登録第4863899号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 「ENERGIE」(標準文字)
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成16年8月2日
設定登録日 平成17年5月13日
イ 具体的な理由
(ア)本件商標の構成中「SUIT」には「(服の)一そろい、特定目的の衣服の一品または一組の衣服」などの意味があり(甲14、15)、「寝巻き類,下着,水泳着」については、例えば、それらに含まれる「パジャマ」「パンツとブラジャー」「ビキニ」では、「パジャマスーツ」「下着スーツ」「ビキニスーツ」などとして取引されている事例もある。
これらの事情を鑑みれば、本件商標は、その指定商品中「寝巻き類,下着,水泳着」については、「ENERGY」が要部であり、また、それ以外の商品については、いわゆる「スーツ」とともに販売・陳列され、購入・使用されることの多いものであるから、本件商標中「SUIT」については識別力が高いとはいえず、当該部分を省略して「ENERGY」のみで取引に資される場合もあるというべきである。また、「ENERGY」と「SUIT」の組み合わせが一体不可分のものとして特定の意味合いを生じることは考えにくい。
そうすると、本件商標は、その構成中「ENERGY」の文字部分が要部といえ、該文字に相応し「エナジー」「エネルギー」の称呼、「エネルギー」の観念が生じる(甲1、5、7)。
(イ)引用商標1は、上記ア(ア)のとおり「エネルギー」と「ENERGY」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「エネルギー」の称呼、「エネルギー」の観念が生じる(甲2、5、7)。
引用商標2及び3は、上記ア(イ)及び(ウ)のとおり、いずれも「ENERGIE」の文字からなるものであり、該語がイタリア語、ドイツ語、フランス語などで「エネルギー」の観念を生じ(甲8?13)、「エナジー」「エネルギー」の称呼を生じるものである(甲3、4)。
(ウ)そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者は「エナジー」「エネルギー」の称呼、及び「エネルギー」の観念を共通にする類似の商標である。
また、両商標の指定商品は同一又は類似のものである。
(エ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ア 申立人が本号に該当するとして引用する標章は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用標章」という。)である。
(ア)「ENERGIE」の文字を図案化してなる別掲のとおりの標章(以下「引用標章1」という。)
(イ)「ENERGIE」の文字からなる標章(以下「引用標章2」という。)
(ウ)「エナジー」の文字からなる標章(以下「引用標章3」という。)
イ 引用標章は、イタリアを本拠地とする国際的なファッショングループであるシックスティ・グループの著名なブランドであり、同グループ及び申立人が被服、履物、その他ファッション関連商品に長年にわたり広く使用し、現在においては申立人の商標としてファッションに関する業界における取引者・需要者に広く認識されている周知著名の商標である。
ウ 引用標章が使用されてきた商品と本件商標の指定商品とは、類似する商品であるか又は生産部門・販売部門・原材料及び品質・用途・需要者の範囲について関連性・共通性を有するものである。
また、本件商標と引用標章とは、上記(1)イと同様の理由により同一又は類似のものである。
エ よって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、あたかも該商品が申立人の業務と何らかの関係にある商品であるかのごとくみなされ、商品の出所の混同を生ずるおそれあるものに該当するといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)引用標章の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)「エナジー(ENERGIE)」は、1984年に設立されたメンズブランドであり、2003年(平成15年)に我が国に上陸したこと、我が国においては株式会社アイ・ピー・ジー・アイが同ブランドを展開していたが、同社は2011年(平成23年)民事再生法の適用を申請したこと(甲33?甲36)。
(イ)2007年(平成19年)ないし2011年(平成23年)に発行された我が国の各種ファッション雑誌には、「エナジー(ENERGIE)」ブランドの広告が掲載され、同ブランドの「ジーンズ製のズボン」「ティーシャツ」「ジャケット」などの商品が紹介され、それらには、引用標章1ないし3が表示されていること、及びそれら広告などには「シックスティ ジャパン」又は「アイ・ピー・ジー・アイ」と表示されているものがあること(甲39、甲41、甲42)。
なお、2012年(平成24年)以降に発行された雑誌等に係る証拠は提出されていない。
(ウ)また、引用標章が付された商品の我が国における売上高を裏付ける証拠やシェアなどを示す証拠も見いだせない。
イ 上記アの事実によれば、引用標章は、本件商標の登録出願の日前から、我が国において、ジーンズ製のズボンなどのブランドとして、該商品の需要者の間に相当程度認識されていたものと推認することができる。
しかしながら、引用標章が付された商品の売上高やシェアなどが明らかでないなど、引用標章が本件商標の登録出願の日前において、需要者の間に広く認識されていると認め得る証拠は見いだせない。
そうすると、引用標章は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人(申立人など)の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり「ENERGY SUIT」の文字からなり、その構成文字は、同書、同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「エネルギースーツ」「エナジースーツ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、たとえ、その構成中「SUIT」の文字が、「(服の)一そろい」などの意味があり、その指定商品に「上衣とズボンからなる寝巻き(パジャマ)」「ツーピース型の女性用海水着(ビキニ)」などが含まれているとしても、それら商品が単に「SUIT」又は「スーツ」と称されている事実は見いだせないし、他に、「ENERGY」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足る事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、「エネルギースーツ」「エナジースーツ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
イ 引用商標1は、上記2(1)ア(ア)のとおり「エネルギー」と「ENERGY」の文字からなり、「エネルギー」の称呼、「エネルギー」の観念を生じるものである。
引用商標2及び3は、上記2(1)ア(イ)及び(ウ)のとおり、いずれも「ENERGIE」の文字からなり、該文字に相応し「エナジー」の称呼のみを生じるものであって、観念については、たとえ該文字がイタリア語、ドイツ語、フランス語などで「エネルギー」の意味を有するとしても、我が国においては親しまれた語とはいえないから、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者の上記外観、称呼及び観念は、いずれも相紛れるおそれのないことが明らかである。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきでものある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ア 引用標章の周知性について
引用標章は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとはいえないものである。
イ 本件商標と引用標章について
(ア)本件商標は、上記1のとおり「ENERGY SUIT」の文字からなり、上記(2)アのとおり「エネルギースーツ」「エナジースーツ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用標章は、上記2(2)アのとおり、引用標章1が「ENERGIE」の文字を図案化してなるものであり、引用標章2及び3がそれぞれ「ENERGIE」及び「エナジー」の文字からなるものである。
そして、引用標章1及び2は、いずれも「ENERGIE」の文字に相応し、上記(2)イと同様に「エナジー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
また、引用標章3は、その構成文字に相応し「エナジー」の称呼、「エネルギー」の観念を生じるものである。
(ウ)そこで、本件商標と引用標章を比較すると、本件商標と引用標章1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないことが明らかな非類似のものであって、別異のものというべきものである。
また、本件商標と引用標章3とは、「エネルギー」の観念は共通するものの、外観及び称呼において明らかな差異を有するから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似のものであって、別異のものと判断するのが相当である。
(エ)そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が引用標章を連想又は想起することはなく、その商品が商標権者以外の者あるいはその者と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者(他人)の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用標章1



異議決定日 2014-09-24 
出願番号 商願2013-47053(T2013-47053) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 25- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大森 健司
渡邉 健司
登録日 2013-12-20 
登録番号 商標登録第5638462号(T5638462) 
権利者 株式会社デサント
商標の称呼 エナジースーツ、エネルギースーツ、エナジー、エネルギー 
代理人 恩田 博宣 
代理人 黒住 裕 
代理人 田村 敏文 
代理人 恩田 誠 

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