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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
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管理番号 1292885 
異議申立番号 異議2013-900383 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-11-11 
確定日 2014-09-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5605986号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5605986号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5605986号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおり、「Bebe Joie!」の欧文字を太字で横書きし、その下段に「ベベジョア」の片仮名を細字で比較的小さく併記した構成からなり、平成25年3月6日に登録出願、第25類「授乳用ケープ,ベビー服,その他の被服,ズボンつり,ベルト,抱っこ紐,おんぶ紐,おくるみ,よだれ掛け又は胸当て(紙製のものを除く。),ベビー用の履物,履物」を指定商品として、同年7月3日に登録査定され、同年8月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次に掲げる3件の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)であり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4719366号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:JOIE (標準文字)
登録出願日:平成13年10月11日
設定登録日:平成15年10月17日
指定商品 :第25類「被服,履物」
(2)登録第787960号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:ジョワ
登録出願日:昭和42年1月31日
設定登録日:昭和43年7月29日
書換登録日:平成21年4月15日
指定商品 :第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」(この指定商品は、書換登録後のものである。)
(3)登録第5442184号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲(B)のとおり
登録出願日:平成22年1月18日
設定登録日:平成23年9月30日
指定商品 :第25類「パンツ,ジーンズパンツ,その他のジーンズ製の被服,ブルゾン,オーバーコート,パーカー,ジャケット,カーディガン,セーター,スカート,ズボン,ドレス,シャツ,ショーツ,パジャマ,海浜用衣服,スリップ,ブリーフ,ブラジャー,靴下,スカーフ,ベルト,靴,ブーツ,サンダル靴,スリッパ,帽子,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具,げた,草履類」

第3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同項第16号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に該当する旨主張し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第39号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の指定商品は、引用商標(甲第2号証ないし第4号証)の指定商品と同一又は類似であり、本件商標と引用商標は、共に「ジョア、ジョワ」の称呼と「喜び」という観念を共通にする類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成中、上段の「Bebe」の部分及び下段の小さい片仮名で書かれた「ベベ」の部分については、指定商品との関係において、「ベビー用品」であることを認識させる出所表示機能を有しないものであるから、本件商標の指定商品中の、「その他の被服,ズボンつり,ベルト,履物」に使用した場合、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られている(甲第26号証ないし甲第34号証)から、これらと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、日本国内又は外国における周知・著名な引用商標と同一又は類似の商標であって、その著名性にフリーライドし、不正の目的をもって使用しようとしたものである。
(5)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、引用商標の著名性にフリーライドする目的で出願され、引用商標の名声等を希釈化もしくは毀損するおそれがあるものであるため、本件商標の登録は国内商取引秩序を乱し、国際信義に反し、公序良俗を害するものである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性について
申立人提出の甲号証によれば、2001年に米国ロサンゼルスにおいてファッションブランド「Joie」(ジョア)を立ち上げて以来、ニューヨークやロサンゼルスを始めとした世界の高級デパートや店舗に出店し、我が国においては、2003年に米国デニム・ブランド「Joie」輸入直営販売1号店を東京都港区南青山六丁目に開設したこと(甲第28号証)、2007年4月には新店「Joie」として表参道ヒルズに開店したこと(甲第29号証)、三越百貨店において「Joie」、「ジョア」のブランド名の下に婦人服が販売されていること(甲第30号証及び甲第31号証)などをうかがうことはできるとしても、甲第32号証に係るファッション雑誌における商品の紹介は、該雑誌の写しがいずれも不鮮明であって、内容が必ずしも明確でなく、引用商標がどのように表示され、紹介されているのかさえ定かでなく、他に引用商標に係る商品がどのように広告され、その規模がどの程度のものであるのかも明らかになっていない。
また、申立人は、引用商標について使用許諾したとするDutch,LLC社から日本の顧客向けに発行した請求書の額を提示しているが、その金額が引用商標に係る商品の売上げに関するものだけなのかは定かでなく、その金額が我が国においてどの程度のシェアに当たるのかなども明かでない。
加えて、新店舗「Joie」及び三越百貨店における販売数量・金額・期間等の具体的な取り扱い状況は一切不明である。
その他、職権をもって調査するも、引用商標を我が国又は外国において周知・著名としなければならない事情も見出すことができない。
以上を総合すると、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認めることはできないし、外国で周知・著名になっているものとも認めることはできない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は、別掲(A)のとおり、「Bebe Joie!」の欧文字(感嘆符の記号を含む。)及び「ベベジョア」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、上段と下段それぞれがまとまりよく一体的に表されており、しかも、片仮名部分が欧文字部分の表音と認められるものであり、これより生ずる「ベベジョア」の称呼も、淀みなく一連に称呼し得るものといえる。
そして、本願商標は、その構成中の「Bebe」の文字がフランス語の「赤ちゃん」の意味を有する語であり、また、「Joie」の文字がフランス語で「喜び」の意味を有する語であるから、全体としては「赤ちゃんの喜び」程度の意味合いを想起させることも否定できないものといえる。
そうすると、本件商標は、たとえ、その指定商品に赤ちゃん向けの商品が種々含まれており、その構成中の「Bebe」の文字部分がフランス語で「赤ちゃん」の意味を有するものであるとしても、かかる構成の下では、殊更に「Bebe」及び「べべ」の文字部分を省略して取引に資するというよりも、「Bebe Joie!」及び「ベベジョア」の文字全体をもって取引に資するとみるのが、より自然といえるものである。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ベベジョア」の一連の称呼のみが生じ、「赤ちゃんの喜び」程度の意味合いを想起させ得るものといえる。
イ 引用商標
引用商標は、引用商標1が「JOIE」の欧文字を、引用商標2が「ジョワ」の片仮名を、引用商標3が筆記体による「Joie」の欧文字をそれぞれ横書きしてなるものである。
そして、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、引用商標1及び引用商標3からは「ジョア」の称呼が生じ、該文字がフランス語で「喜び」の意味を有するものであるから、「喜び」程度の意味合いを想起させ得るものであり、また、引用商標2からは「ジョワ」の称呼が生じ、特定の観念が生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。
次に、本件商標と引用商標の称呼を対比するに、本件商標から生ずる「ベベジョア」の称呼と引用商標から生ずる「ジョア」又は「ジョワ」の称呼とは、構成音数が相違するのみならず、称呼の識別上重要な要素を占める語頭における「ベベ」の音の有無という点でも、顕著な差異を有することから、「ジョア」の部分の音が共通する場合があるとしても、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が明らかに異なり、明瞭に区別することができるものである。
さらに、本件商標と引用商標の観念を対比するに、本件商標が上記アのとおり、全体として「赤ちゃんの喜び」程度の意味合いを想起させ得るのに対し、引用商標は「喜び」程度の意味合いを想起させるか、特定の観念を生じさせないものであるから、両商標は観念においても、明らかに異なるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、たとえ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないものである。
3 本件商標の商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記2(1)のとおり、「Bebe Joie!」の文字全体をもって「赤ちゃんの喜び」の意味合いを想起させる、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのがより自然といえるものであって、殊更に、その構成中の「Bebe」及び「ベベ」の文字部分に注目し、該文字部分を商品の品質、用途等を表示するものとして認識、把握されるとは考え難いものであるから、その指定商品中の幼児用ないし赤ちゃん用以外の商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するということはできないものである。
4 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)商品の出所の混同のおそれについて
本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、しかも、引用商標は、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえないものであるから、本件商標を、その指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起するとは考え難いといわざるを得ない。
そうすると、本件商標は、その指定商品に使用しても、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできないものである。
(2)小括
以上のとおり、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできないものである。
5 本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、しかも、引用商標は、我が国又は外国において取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえないものである。
さらに、申立人は、引用商標が周知著名であることを前提に、本件商標が引用商標の周知著名性にフリーライドして不正の利益を得ようとしている旨主張するのみで、不正の目的を具体的に証明するところはない。
そして、引用商標が周知著名といえないことは上記1のとおりである。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に定める要件を欠くものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するということはできないものである。
6 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標について、引用商標に化体した名声、信用、評判にフリーライドする意図があって登録出願されたとし、商取引の秩序を乱し、国際信義に反し、公序良俗を害するから、商標法第4条第1項第7号に該当すると主張している。
しかしながら、上記1ないし5のとおり、引用商標は、我が国又は外国において周知・著名な商標ということはできないものであり、また、本件商標と引用商標を類似するということもできず、出所の混同を生ずる関係にあるということもできないものである。
そうとすると、引用商標を理由に、本件商標についてフリーライド不正目的をもって登録出願されたものということはできないし、それを使用しても、商取引の秩序を乱し、国際信義に反するということもできないものである。
そして、本件商標を公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとしなければならない他の理由も見出し得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するということはできないものである。
7 むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号、同項第16号及び同項第19号のいずれに違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)本件商標

(B)引用商標3





異議決定日 2014-09-16 
出願番号 商願2013-15792(T2013-15792) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 272- Y (W25)
T 1 651・ 22- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 222- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 原田 信彦
内藤 順子
登録日 2013-08-09 
登録番号 商標登録第5605986号(T5605986) 
権利者 株式会社グラディー
商標の称呼 ベベジョア、ベベジョワ、ベベ、ジョア、ジョワ 
代理人 筒井 大和 
代理人 小塚 善高 
代理人 村松 由布子 
代理人 筒井 章子 
代理人 杉村 憲司 

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