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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W03
管理番号 1292861 
審判番号 無効2013-890083 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-11-25 
確定日 2014-10-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第5598926号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5598926号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5598926号商標(以下「本件商標」という。)は、「BUBnon」(「BUB」の文字と「non」の文字とは、同じ大きさで表されている。以下同じ。)及び「バブノン」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成25年2月15日に登録出願、第3類「つめ用化粧品,その他の化粧品,つめ用紙やすり,つけづめ」を指定商品として同年6月18日に登録査定、同年7月12日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」ということがある)。
(1)登録第1807901号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:バブ
登録出願日:昭和57年8月30日
設定登録日:昭和60年9月27日
書換登録日:平成18年11月22日
指定商品 :第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
(2)登録第4227930号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:BUB (標準文字)
登録出願日:平成9年6月16日
設定登録日:平成11年1月8日
指定商品 :第5類「薬剤」
(3)登録第5398959号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:バブ (標準文字)
登録出願日:平成22年7月30日
設定登録日:平成23年3月18日
指定商品 :第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,かつら装着用接着剤,つけまつげ用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」
(4)登録第5550406号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:バブ (標準文字)
登録出願日:平成23年9月21日
設定登録日:平成25年1月18日
指定商品 :第21類「化粧用具」

第3 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第30号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 申立の根拠
(1)本件商標は、請求人が古くから入浴剤に使用して、取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標1及び引用商標2に、これを否定する文字を結合してなるものであり、かかる商標の使用は、請求人の、取引者、需要者に広く知られた薬用入浴剤「バブ」を否定する行為に繋がり、そうでないとしても薬用入浴剤「バブ」の名声に便乗する行為であるから、公の秩序、善良の風俗を害するものであり、商標法第4条第1項第7号に該当し、登録を受けることができなかったものである。
(2)本件商標は、引用商標3及び4に類似し、かつ、その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録を受けることができなかったものである。
(3)本件商標は、請求人に使用されて、取引者、需要者の間に請求人の商標として広く知られている引用商標の文字及び称呼を含むものである。本件商標は、引用商標に係る商品と浴用として共通の商品に使用すると、その商品の出所において混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、登録を受けることができなかったものである。
2 具体的理由
(1)引用商標1が薬用入浴剤に使用されて需要者や取引者の間に広く認識されていることについて
ア 請求人は、「花王販売レポート」(昭和58年9月)(甲第6号証の1ないし4)に示すように、「炭酸ガスが血行を促進する!」というキャッチフレーズのもとに薬用入浴剤「バブ」(以下「請求人商品」という。)を1983年に発売して以来、今日まで継続して製造・販売をするとともに、その広告宣伝に力を入れてきた。その結果、引用商標1は、請求人の製造・販売に係る薬用入浴剤を指称するものとして、現在においてはもちろんのこと、本件商標の出願前から取引者、需要者の間に広く認識されるに至っている。
イ 商標登録第4924878号に係る異議の決定(甲第7号証)及び商標登録第5058561号に係る異議の決定(甲第8号証)においても、「申立人の業務に係る入浴剤について、永年継続して使用された結果、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められる。」とあるように引用商標1が取引者、需要者の間にあって、広く知られていたことは、特許庁においても顕著な事実である。
ウ 現在までにおいても引用商標1が、取引者、需要者の間に広く知られていることは、以下の多くの広告宣伝、それに伴う実績によって証明される。
例えば、株式会社博報堂による「広告取扱証明書」(甲第9号証)により、広告宣伝に使用した広告宣伝費の一例を示すと、本件商標の登録出願の5年前から直近までに、この一社だけでも9億円以上の多額の金員を投入している。請求人商品の広告宣伝は、主としてテレビを通じて行なわれており、甲第10号証ないし甲第16号証は、テレビを媒体として行った宣伝活動の数例をテレビCFにより示したものである。甲第10号証ないし甲第16号証の映像のいずれにも、「バブ」の文字が包装容器に明瞭に写し出されており、また「バブ」の音声が視聴者に届けられるようになっている。請求人は、このように、テレビコマーシャルメッセージを継続的に行うことにより、請求人商品の広告宣伝に努めてきた。このほか、甲第17号証及び甲第18号証に示すように、雑誌・新聞などにも広告を掲載したり、甲第19号証及び甲第20号証に示すように交通広告なども行ってきた。そして、甲第21号証及び甲第22号証に示すような商談用資料を用いて販売に努めてきている。このような広告宣伝活動が功を奏し、現在ではもちろんのこと、本件商標の登録出願以前においても、請求人商品は、広く取引者、需要者の間に知られているのである。
入浴剤に使用する引用商標1が取引者、需要者に知られていることは、次の事実により証明される。株式会社マーケティング・リサーチ・サービスが2009年1月22日から2月9日、2011年1月20日から2月7日、及び2013年1月24日から2月12日にかけてそれぞれ行った入浴剤についてのベンチマーク調査の説明書及び調査結果表(甲第23号証ないし甲第25号証)によれば、それぞれの調査において、「バブ」の助成知名率は、2009年において96.3%、2011年において95.3%、2013年において96.6%となっている。
かかる事実を裏付けるように、雑誌「日経トレンディ」2012年12月号では、ヒット商品として薬用「バブ」が取り上げられ、2012年(平成24年)10月23日付け「日経産業新聞」では、薬用「バブ」について「花王、疲労回復高める」と評価され、2012年11月3日付け「朝日新聞(be)」では、売れ筋の入浴剤として「バブ」が紹介されている(甲第26号証ないし甲第28号証)。
以上のような事実から、「バブ」の文字からなる引用商標1が取引者、需要者の間に広く認識されているものであることは疑う余地がない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
ア 本件商標は、「薬用入浴剤」に使用され、取引者、需要者の間に広く知られている引用商標1及び2に、否定の意味合いを有する「ノン」及び「non」の文字(甲第29号証)を結合してなるものである。
本件商標が、2つの語からなることは、「BUB」の文字部分が大文字で、「non」の文字部分が小文字であることからもうかがい知ることができる。
イ 取引者、需要者の間に広く知られている商標である「バブ」が使用される薬用入浴剤と同様の使用場所及び用途に用いられ、薬用であるか否かの相違でしかない「バスソルト」を含む化粧品について、本件商標を使用する行為は、請求人商品を否定する行為となりかねない。
ウ 請求人商品が、取引者、需要者の間に広く知られていることは、本件商標の指定商品を扱う本件商標権者がこれを知らないはずはなく、本件商標を採択するに当って、その構成中に「バブ」の文字又は「バブ」の称呼を有する文字「BUB」を介在させ、これを否定することの偶然性は、皆無に等しい。
むしろ、本件商標権者は、「バブ」の文字や「バブ」の称呼が取引者、需要者の間に広く知られていることを承知のうえで、「バブ」の商標を否定するかの如き行為に至らんとするものと思われる。
また、仮に否定する意図がなかったとしても、引用商標1が使用される浴用入浴剤と密接な関係を有する本件商標の指定商品との関係において、本件商標を「バブ」の名の下に結び付け、請求人商品の名声に便乗せんとする意図であることは明らかである。
エ そうすると、本件商標について、公の秩序、善良の風俗を害する商標であることを疑う余地はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標3及び4との比較
本件商標は、前記第1のとおりの構成からなるので、「バブノン」及び「バブ」の称呼を生じるのに対し、引用商標3及び4は、「バブ」の称呼を生じる。
本件商標から「バブノン」のほかに「バブ」の称呼を生じるとするのは、次の理由による。
本件商標の構成は、全体として既成語ではなく、取引者、需要者の間に広く知られた商標である「バブ」に、それを否定する「ノン」又は「non」を結合し、「BUBnon」及び「バブノン」の文字からなるものである。
結合商標は、その結合の強弱によっては結合されているそれぞれ一方の語のみからも称呼を生じる。結合されている一つの語が取引者、需要者の間に広く知られていると、取引者、需要者は、その語を強く印象付けて記憶しているから、その結合は常に強固なものではなく、強い記憶の一つの語により取引きを行う。そして、本件商標の指定商品は、引用商標1に係る指定商品とは異なるが、薬用であるか否かの相違のみで、浴用というきわめて密接な関係にあり、その商標の構成中の結合の一方は、取引者、需要者に広く知られた「バブ」の文字からなるものであるから、取引者、需要者は該文字とその称呼に注意を奪われる。
そうすると、取引者、需要者としては、引用商標1が使用されている薬用入浴剤の名称であるのか、本件商標が使用されているバスソルト等の入浴剤の名であるのかを正確には見極められなくなり、本件商標からも自然と「バブ」の文字及び称呼を印象深く、脳裏に植え付けられるのである。
一方、引用商標3及び4からは「バブ」の称呼を生じるから、本件商標は、引用商標3及び4と称呼上類似する商標ということになる。
イ 指定商品の比較
本件商標に係る指定商品のうち、「つめ用化粧品、その他の化粧品」は引用商標3に係る指定商品「化粧品」と、同じく「つけづめ」は引用商標4に係る指定商品「化粧用具」とそれぞれ類似する。
ウ 小括
してみると、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標は、請求人が薬用入浴剤に使用して広く取引者や需要者に認識されている「バブ」の文字及び「バブ」の称呼を含む商標であり、かつ、本件商標に係る指定商品は、請求人商品と密接な関係を有する。そして、本件商標に係る指定商品である「化粧品」、例えば、「バスソルト」は、請求人商品と同様に浴槽の湯に入れて使用されるものである。そのため、需要者は、両商品に売場ではもちろんのこと、風呂場でも同時に接することになる。このとき、本件商標が使用されている商品に接した取引者、需要者は、請求人商品の周知・著名性に鑑み、本件商標が使用されている商品の出所についても請求人又はその関係者であるかのごとく誤認・混同することとなる。
イ この請求人の主張に対して、もし、商標権者において反論があるとすれば、本件商標の構成は「バブ」ではなくて「BUBnon」又は「バブノン」であるとの主張であろう。しかしながら、本件商標構成中の「BUBnon」の「non」といい、「バブノン」の「ノン」といい、これらはあるものを否定するための用語であって、依然として本件商標の主体は「BUB」又は「バブ」であるから、本件商標に係る指定商品「化粧品」、例えばバスソルトと薬用入浴剤の両商品に同時に接することになる取引者、需要者は、請求人商品の周知・著名性に鑑み、「バブ」若しくは「BUB」の文字又は「バブ」の称呼が、より自他商品識別標識としての重要な意味合いを有していると理解することになる。周知・著名な商標は強い指標力を有するために、商標の一構成部分であったとしても、それ自身の持つ強い出所表示力により独自の出所表示の機能を果たすのであり、一般取引者、需要者は、著名商標と同一の出所を表示していると認識するのである。
ウ 本件においては、請求人商品と化粧品の一つであるバスソルト等浴用化粧品とは、同一売場で販売され、浴槽の中に投じて使用され、身体に何らかの作用を与えるというきわめて関連性の高い商品同士といっても過言ではない。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者も、本件商標の構成中の「バブ」の文字に着目して、周知・著名となっている商標の「バブ」を連想、想起し、該商品が請求人又は同人と経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、その指定商品に使用するときは、他人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号に基づき、その登録を無効にすべきものである。

第4 被請求人の答弁の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。
1 本件商標採択の理由及び使用状況
(1)被請求人であるネイルパートナー株式会社は、プロフェッショナル用ネイルグッズの卸販売業を営む会社であって、ネイルサロン、ネイルスクール、理美容学校及び個人会員を主な取引先としているものである(乙第1号証)。
本件商標は、「BUBnon」の欧文字と、その読みを表す「バブノン」の片仮名文字を上下二段に横書きした構成からなるところ、被請求人は、平成25年2月より、本件商標を指定商品中「ネイル用マニキュア」(以下「被請求人商品」という。)に使用している(乙第2号証)。一般的なマニキュアは塗布した際にバブル(気泡)が入ってしまうことがあるが、被請求人商品は、酸素透過性樹脂を配合することによりバブル(気泡)を抜けさせることができ、綺麗な仕上がりが期待できるものである。
このように、本件商標は、被請求人の創作に係る造語であって、Bubble(泡)とNone(ノン)を組み合わせて、バブルが出にくい仕上がりのネイルマニキュアであることを暗示させるべく採択したものである(乙第2号証)。
(2)被請求人は、ネイルスクール・理美容学校の学生を対象としたプロ向けの問屋であって、直営店7店舗とオンラインショップにおいてのみ商品を販売している。ドラッグストアや小売店経由の販売は行っておらず、個人のお客様も含めて会員にのみ販売しているものである(乙第2号証)。
被請求人商品については、2回にわたってイベントを行って周知を図っているところ(乙第3号証)、品質が優秀なこととも相まって、平成25年2月19日から同26年2月19日までの間で、既に16,774本の販売実績を記録している(乙第4号証)。
このように、本件商標は、平穏に商標としての機能を果たしているものであって、現在までのところ、引用商標との関係で顧客等から苦情が寄せられたことは一切ないものである。
2 本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当しない理由
本件商標は、被請求人商品が、酸素透過性樹脂を配合することによりバブル(気泡)を抜けさせることができ、綺麗な仕上がりが期待できるものであることを暗示させるべく、Bubble(泡)とNone(ノン)を組み合わせた、被請求人の創作に係る造語である。被請求人は、このことをチラシにおいても謳い、商品の特徴を需要者に訴求しているものである(乙第2号証)。
したがって、被請求人商品に関して、引用商標を否定するような、あるいは引用商標に便乗するような宣伝広告は全く行っていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号には該当しないものである。
3 本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しない理由
本件商標は「BUBnon」の欧文字と、その読みを表す「バブノン」の片仮名を上下二段に横書きした構成からなり、「バブノン」の称呼は4音から構成されるものであって、非常に簡潔であり、淀みなく一連に称呼されるものである。
そして、上記のように、本件商標は、被請求人商品が酸素透過性樹脂を配合することによってバブル(気泡)を抜けさせることができ、綺麗な仕上がりが期待できるものであることを暗示させるべく、Bubble(泡)とNone(ノン)を組み合わせた構成からなるものであって、「バブル(泡)が入らない」といった商品特性を暗示させるものであり、観念上も一体性を有するものである。
また、本件商標の欧文字部分は、大文字の「BUB」と小文字の「non」を結合させたものであって、ワープロで表現すると両者の大きさに差異が存在するが、本件商標の態様並びに乙第2号証及び乙第3号証に示す使用態様を見てもわかるように、「BUBnon」は、現実には、ほぼ同じ大きさ、同じ文字間隔、同じ書体、同じ色彩で表記されているものであって、まとまり良く表現されており、外観上においても一体のものとしてのみ認識されるものであり、上記の称呼及び観念上の一体性とも相まって、外観上の一体性はより高まるものである。
なお、上記のように、本件商標は一体不可分の商標として認識されるものであるが、「non」及び「ノン」の語が本件商標の指定商品との関係で、その商品の品質、用途、産地等、商品の内容を記述的に表すようなことはないものであるから、この点においても、本件商標において「non」及び「ノン」の部分を捨象して、「BUB」及び「バブ」の文字部分が要部として機能するようなことはあり得ないものである。
したがって、引用商標から「バブ」の称呼が生じるとしても、「バブノン」のみの称呼が生じる本件商標とは、互いに相紛れるおそれはなく、互いに非類似の商標である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
4 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しない理由
(1)本件商標は、上記3のとおり、「BUBnon」の欧文字と「バブノン」の片仮名をまとまり良く一体に表した構成からなり、称呼及び観念上も一体性を有するものである。そして、その使用態様も同様に一体性を有するものであって、被請求人は、本件商標を「バブノン」の称呼においてのみ取引しているものである。
したがって、本件商標においては、「BUB」及び「バブ」の文字部分は「non」及び「ノン」の文字部分と結合し、「BUBnon」及び「バブノン」の構成全体でまとまりよく一体となっているものであって、「BUB」及び「バブ」の文字部分のみが要部として機能するようなことはないものである。
(2)また、本件商標が使用されている商品(被請求人商品)は、「ネイルマニキュア」、すなわち、爪の形を整えて甘皮を除き、磨いてつやを出すためのエナメル液であって(乙第5号証)、顔や手足等を美しく見せることを目的とする「化粧品」に属する商品であるのに対し、引用商標が使用されている商品は、冷え症、肩こり、神経痛、腰痛、しもやけ、あかぎれ等の症状に効能(薬効)のある「薬用入浴剤」であって、両商品はその品質、用途、需要者を全く異にするものである。
(3)さらに、被請求人はネイルスクール・理美容学校の学生を対象としたプロ向けの問屋であって、直営店7店舗とオンラインショップにおいてのみ商品を販売している。ドラッグストアや小売店経由の販売は行っておらず、個人も含めて会員にのみ販売しているものである。したがって、被請求人商品と引用商標に係る商品とは、その流通経路においても全く共通性のないものである。
よって、本件商標については、その商標自体を捉えても、また、その商品を捉えてみても、引用商標との関連性を想起させるような要因は無いものである。
(4)請求人は、異議決定を証拠として提出し(甲第7号証及び甲第8号証)、引用商標に係る「薬用入浴剤」と指定商品中の「気泡発生装置付き浴槽」又は「浴槽に取り付ける気泡発生装置付循環温浴器」とが関連性の高い商品であると認定されたことを挙げて、本件商標の指定商品と「薬用入浴剤」とも関連性の高い商品である旨主張しているが、本件商標の指定商品は第3類「つめ用化粧品,その他の化粧品,つめ用紙やすり,つけづめ」であって、爪、その他顔や手足等を美しく見せることを目的とする商品であるのに対し、引用商標が使用されている「薬用入浴剤」は、冷え症、肩こり、神経痛、腰痛、しもやけ、あかぎれ等の症状に効能があり、薬事法上で人体への薬効がうたえるものであって、両商品は、本来的にその品質、用途、流通経路、需要者を全く異にするものであり、上記異議決定の事件がそのまま当てはまるものではない。
5 総括
以上詳述したように、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第15号に該当するものではない。
よって、請求人の主張は理由のないものであるから、本件審判の請求は成り立たない。

第5 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標1の周知性について
請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 請求人は、「炭酸ガスが血行促進する」とのキャッチフレーズの下に、「バブ」の標章を使用した薬用入浴剤(請求人商品)を1983年に発売して以来、現在まで継続して製造・販売すると共にその宣伝広告を行っており、2008年4月から2013年9月までの5年間だけでも、株式会社博報堂を通じて請求人商品に関しテレビ・ラジオ・新聞・雑誌媒体において行った広告宣伝の総額が9億3000万円以上(テレビが約8億8600万円、新聞が約3300万円、雑誌が約1800万円)に達する(甲第6号証の1ないし4及び甲第9号証)。
イ 請求人商品の宣伝広告は、主にテレビを通じて行われ、2009年ないし2012年に行われたテレビ放映では、映像で「バブ」の文字を大きく顕著に表示した請求人商品の包装用箱及び「バブ」のロゴが鮮明に写し出されると共に、音声で「バブ」と称呼されている(甲第10号証ないし甲第16号証)。
平成24年10月発行の雑誌「mono」(モノ・マガジン特集号)には、新製品情報として「バブ」の文字を明示した請求人商品が写真と共に紹介されている(甲第17号証)ほか、2012年(平成24年)5月25日付「中日新聞」には、全面広告として請求人商品が掲載され、請求人商品についての説明と共に、「バブ」の文字を大きく顕著に表示した請求人商品の包装用箱及び「バブ」のロゴが表示されている(甲第18号証)。
2012年6月1日から30日まで、「バブシャワー」と称する請求人商品について交通広告が実施され、JR首都圏、東京メトロ、大阪地下鉄、名古屋地下鉄、札幌地下鉄、仙台地下鉄、広島電鉄、福岡地下鉄の各路線においてステッカーが貼付された(甲第20号証)。交通広告は、本件商標の登録出願後の2013年9月1日から30日までの間においても請求人商品について上記各路線(大阪エリアについてのみ、JR西日本普通車)において行われた(甲第19号証)。
請求人商品の取引に当たっては、「バブ」の文字を明示し、請求人商品の写真と共にその特長を説明した資料が用いられている(甲第21号証及び甲第22号証)。
ウ 株式会社マーケティング・リサーチ・サービスが2009年、2011年及び2013年の各年に行った「入浴剤に関するベンチマーク調査」によれば、請求人商品の助成知名率は、2009年が96.3%、2011年が95.3%、2013年が96.6%と、いずれの年も高い数値を示している(甲第23号証ないし甲第25号証)。
エ 2012年(平成24年)10月23日付け「日経産業新聞」には、「入浴剤」に関する記事が掲載され、「ブランド別シェアで首位の薬用入浴剤『バブ』を有する花王は・・・。二酸化炭素(CO_(2))の泡を出すバブは、皮膚からCO_(2)を吸収させて血行を促進し、・・・」等と記載されるとともに請求人商品の写真も掲載されている(甲第27号証)。
2012年11月3日付け「朝日(be)新聞」には、売れ筋の入浴剤として、請求人商品が写真と共に紹介されている(甲第28号証)。
オ 上記アないしエの事実を総合すると、「バブ」の文字からなる引用商標1は、本件商標の登録出願時には既に、請求人の業務に係る商品「薬用入浴剤」を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されており、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものというべきである。
(2)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおりの構成からなるところ、上段の欧文字部分は同じ大きさで表されているとしても、「BUB」の欧文字部分が大文字で、「non」の欧文字部分が小文字であって、両者はその字形に明らかな差異を有し、視覚上分離した印象を与えるものである。また、「non」及び「ノン」の文字は「なし、あらず(not)」の意味を有する英語として比較的親しまれているのに対し、「BUB」及び「バブ」の文字は特定の意味合いをもって親しまれているとはいえず、両者を結合した一連の成語は見当たらないことを踏まえると、本件商標は、「BUB」及び「バブ」と「non」及び「ノン」の二語からなるものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
そして、引用商標1は「バブ」の文字からなるものであって、上記(1)のとおり、請求人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものであるところ、その構成文字は、本件商標の語頭部の片仮名である「バブ」と同じ綴りであり、また欧文字である「BUB」とも同じ称呼である。
そうすると、本件商標は、その構成中、看者の注意が強く引かれるのは前者の「BUB」と「バブ」の文字部分といわざるを得ない。
(3)商品の関連性について
本件商標の指定商品は、化粧品を含むものであり、化粧品には、「バスオイル、バスソルト」が含まれることは、商標法施行規則第6条の別表において、第3類に属する商品として、「四 化粧品」の下に「(七)アイシャドウ・・・バスオイル バスソルト・・・」と例示されていることからも明らかである。
他方、引用商標1が使用されている薬用入浴剤は、上記別表において、第5類に属する商品として、「一 薬剤」中の「(十)外皮用薬剤」の下に例示された「浴剤」の範ちゅうに属する商品といえる。
そして、バスオイル及びバスソルトと薬用入浴剤とは、いずれも入浴時に浴槽に入れて使用するものであり、その用途、効能等においても近い関係にあるといえる上、広く化粧品や化粧用具と薬剤の関係をみても、いわゆる薬局等の同一店舗で扱われることが少なくなく、販売部門や需要者において共通するといえる。また、引用商標の商標権者である請求人は、化粧品を扱っている企業としても広く知られているところである。
そうすると、本件商標の「バスオイル、バスソルト」を始めとした指定商品と引用商標1が使用されている薬剤のひとつである薬用入浴剤とは、用途、使用方法、販売場所、需要者等を共通にするものであって、少なからぬ関連性を有するものというべきである。
さらに、請求人商品の販売場所である薬局等においては、「バスオイル、バスソルト」のみならず化粧品や爪用紙やすり等の爪用の商品の販売が広く行われている実情があり、これら商品の需要者が一般の消費者であることからすれば、本件商標の指定商品である「つめ用化粧品,その他の化粧品,つめ用紙やすり,つめづめ」と引用商標1が使用されている薬用入浴剤とは、販売場所、需要者等を共通にするものであって、少なからぬ関連性を有するものというべきである。
(4)商品の出所の混同のおそれについて
以上を総合勘案すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、本件商標に接する取引者、需要者はその構成中の「BUB」及び「バブ」の文字部分に着目して、周知著名となっている引用商標1ないし請求人を連想、想起し、該商品が請求人又は請求人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
(5)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといわなければならない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その余の無効理由について検討するまでもなく、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-07-29 
結審通知日 2014-08-01 
審決日 2014-08-26 
出願番号 商願2013-10165(T2013-10165) 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (W03)
最終処分 成立 
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5598926号(T5598926) 
商標の称呼 バブノン 
代理人 小出 俊實 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 吉田 親司 
代理人 幡 茂良 
代理人 潮崎 宗 
代理人 宇野 晴海 
代理人 石川 義雄 
代理人 橋本 良樹 
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