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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W29 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W29 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W29 |
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管理番号 | 1292818 |
審判番号 | 不服2014-11357 |
総通号数 | 179 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-11-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-06-16 |
確定日 | 2014-10-22 |
事件の表示 | 商願2013-64698拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおり、「淡路島倭文神道で育った」、「マルヤスファームの」、「えびすもち豚」の文字を上中下3段に書してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年8月6日に登録出願され、その後指定商品については、当審における同26年6月16日受付の手続補正書により、第29類「淡路島産の豚肉,淡路島産の豚肉製品」に補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要旨 原審においては、本願を拒絶すべき旨の理由として、以下の(1)及び(2)のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第16号及び同項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)本願商標は、その構成中に「淡路島」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品中、「淡路島産の豚肉,淡路島産の豚肉製品」以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)本願商標は、登録第5412576号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 そして、引用商標は、「エビス」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年3月9日に登録出願、第29類「食肉,肉製品,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,加工卵,水産物のつくだに,昆布巻,魚介類の甘露煮,八幡巻,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり・かまぼこ」を除く。) 」を指定商品として、同23年5月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第16号について 本願は、その指定商品が前記1のとおり補正された結果、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはなくなった。 したがって、原査定が本願を拒絶した拒絶の理由のうち、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は解消した。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本願商標 本願商標は、別掲のとおり、「淡路島倭文神道で育った」、「マルヤスファームの」、「えびすもち豚」の文字を三段に表してなり、全体で26文字という多数の文字で構成されているものであるところ、その構成中の中段の文字部分は、他の2つの段の文字より太字で表され、また、各段の文字それぞれの段は、同書、同大、等間隔で、まとまりよく表されているものである。 そして、本願商標の構成中の上段の「淡路島倭文神道で育った」の文字部分は、「兵庫県南あわじ市にある倭文神道(地名)で育った」の意味合いを認識させるものであり、本願の指定商品との関係において、指定商品の生産地を表すものといえるから、その文字部分のみでは自他商品の識別標識としては機能し得ないものといえる。 また、その構成中の下段の「えびすもち豚」の文字のうち、「もち豚」の文字部分は「と殺直後の豚枝肉の脂肪の品質がふつうのものに比べて硬く、よくしまり、良質のものをもち豚という。」(丸善食品総合辞典 丸善株式会社)の意味を有するものである。 さらに、「えびす」の文字部分は、七福神のひとつを表すものであるところ、とりわけ、淡路島には、えびす大黒を始め、古くから幸福を招くといわれる七福神をそれぞれお祀りする寺院が広く全島にあり、淡路島そのものが七福神乗り合いの宝船と見たてられている(http://www.shichifuku.insidejapan.jp/)など、七福神信仰がさかんな土地柄であり、淡路島では、例えば、以下の(ア)ないし(オ)のとおり、「えびす」に通じる文字が種々の店舗等の名称の一部に使用されている状況をうかがうことができるものである。 そうすると、本願商標は、これら同島の状況、さらに、淡路島産の商品を指定商品とし、上述のような構成からなることをも勘案するならば、少なくとも、本願商標にあって、「えびす」の文字部分だけが独立して自他商品の識別標識として強力な機能を発揮するということはできないものである。 加えて、本願商標の構成中の下段の「えびすもち豚」の文字に相応する「エビスモチブタ」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。 してみれば、本願商標は、その構成全体として取引に資されるほか、「マ ルヤスファームのえびすもち豚」、「マルヤスファーム」及び「えびすもち豚」の文字部分に注目して取引に資されることはあるとしても、殊更に、その前後の文字部分が捨象され、「えびす」の文字部分のみをもって、取引に資されるとは考え難いとみるのが自然といえる。 したがって、本願商標は、「アワジシマシトオリジンドウデソダッタマルヤスファームノエビスモチブタ」、「マルヤスファームノエビスモチブタ」、「マルヤスファーム」及び「エビスモチブタ」の称呼を生じ、全体としては特定の観念を生じることのないものといえる。 (ア)「ホテルエビス」のウェブサイト中、「淡路夢舞台まで車で2分。ビジネス・観光・合宿に最適のホテルエビス。」との記載がある。 (http://www.mjnet.ne.jp/hotelebisu/) (イ)「淡路島/大磯 えびす亭」のウェブサイト中、「明石海峡大橋、淡路島、淡路市、大磯の食事処ゑびす亭。」との記載がある。 (http://www.awaji-ebisutei.jp/) (ウ)「淡路島 釣り船 エビス丸」のウェブサイト中、「淡路島、明石海峡の釣り船(釣船)はエビス丸へ! 乗り合い、仕立て(貸切)。ジギング、エサ釣り。ハマチ、メジロ、ブリ、真鯛」との記載がある。 (http://ebisumaru.ninja-x.jp/) (エ)「ヒトサラ」のウェブサイト中、「えびす荘 エリア:淡路島 ジャンル:グルメな宿」との記載がある。 (http://hitosara.com/tlog_28029761/) (オ)「ホットペッパー」のウェブサイト中、「らら・ウォーク たこ焼きえびす\住所・アクセス\兵庫県南あわじ市賀集八幡330」との記載がある。 (http://www.hotpepper.jp/strJ000996288/) イ 引用商標 引用商標は、「エビス」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「エビス」の称呼を生じ、「七福神の一つ。海上・漁業の神、また商売繁昌の神として信仰される。福の神にあやかることを願って或る語に冠し用いたともいう。」(広辞苑 第六版 株式会社岩波書店)の意味を有するものであるから、該意味に係る観念を生じるものと認められる。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標は、それぞれ前記1及び2のとおりの構成であって、その構成文字において明らかな差異を有するものであるから、外観上、明らかに区別し得るものである。 次に、本願商標は、「アワジシマシトオリジンドウデソダッタマルヤスファームノエビスモチブタ」、「マルヤスファームノエビスモチブタ」、「マルヤスファーム」及び「エビスモチブタ」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は「エビス」の称呼を生じるものであり、その音数及び音構成が明らかに異なるものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼上、明確に聴別し得るものである。 さらに、本願商標は、特定の観念を生じないものであるから、本願商標と引用商標とは、観念においても相紛れるおそれがあるということはできないものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがあるということはできないものであるから、非類似の商標ということができる。 エ 小括 したがって、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、その指定商品が同一又は類似のものであっても、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第16号及び同項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審決日 | 2014-10-10 |
出願番号 | 商願2013-64698(T2013-64698) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(W29)
T 1 8・ 263- WY (W29) T 1 8・ 261- WY (W29) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 内藤 順子 |
商標の称呼 | アワジシマシトオリジンドーデソダッタマルヤスファームノエビスモチブタ、アワジシマシトオリジンドーデソダッタ、ソダッタ、マルヤスファームノ、マルヤスファーム、エビスモチブタ、エビスモチトン、エビスモチ、エビス、モチブタ、アワジシマブタ、アワジシマトン |
代理人 | 宮崎 超史 |
代理人 | 宮崎 伊章 |