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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y05
管理番号 1292733 
審判番号 取消2014-300157 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-03-03 
確定日 2014-09-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第1894848号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1894848号商標(以下「本件商標」という。)は、「れいほう」の平仮名と「レイホウ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、昭和57年9月21日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成18年12月13日に指定商品を第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成26年3月17日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中の第5類『薬剤』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、「本件商標は、その指定商品中の第5類『薬剤』について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。」旨述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)使用の事実
本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品である第5類「薬剤」に含まれる商品「忌避剤」について、商標権者により使用されており、その事実は、商品の現物(乙1)並びに納品書及び受領書の各写し(乙2ないし乙4)から明らかである。
ア 乙1の2は、商品の現物であって、製造販売元を商標権者とする「さし蠅の忌避」に用いる商品「忌避剤」(以下「使用商品」という場合がある。)である。
イ 被請求人は、使用商品に係る取引の実情を示すものとして、商標権者から株式会社国光物産(以下「国光物産」という場合がある。)にあてた納品書の写し及び国光物産による受取証の写しを提出する。
乙第2号証の2及び3は平成23年6月20日に、乙第3号証の2及び3は同24年6月20日に、乙第4号証の2及び3は同25年7月18日に、それぞれ忌避剤「れいほう/霊峰」の取引が行われたことを示す証拠である。また、乙第4号証の3の受取証の写しの備考欄に記載された「3F1」は、商品の現物(乙1の2)の底面にある品番である。
そして、上記取引は、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)に行われたことが明らかである。
(2)まとめ
以上によれば、本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品中の「忌避剤」について、要証期間内に、商標権者により使用されたことは明白であるから、その登録は、取り消されるべきではない。

4 当審の判断
(1)被請求人の主張及び同人の提出に係る乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第1号証の2は、使用商品の現物とされるものであるところ、その商品の容器表面には、筆書き風の書体で表された「霊峰」(「霊」の文字部分は、旧字体によるもの。)の漢字及び「れいほう」の平仮名を二列に縦書きしてなる商標(「れいほう」の平仮名は、「峰」の漢字の左方を始点として書されている。)、「れいほう」の商標と「<忌避剤>」の表示との組合せからなるもの、効能・効果としての「さし蠅の忌避」の記載並びに「内容量20mL」の記載のほか、発売元としての「株式会社国光物産/富山市向新庄362」の表示及び製造販売元としての「新生薬品工業株式会社/富山県中新川郡上市町三日市22番地」の表示等があり、さらに、その商品の容器底面には、「3F1」の表示がある。
イ 乙第2号証の2及び3は、それぞれ平成23年6月20日に商標権者から国光物産にあてた納品書の写し及び国光物産による受取証の写しとされるものであるところ、前者には、平成23年6月20日付けで商標権者の富山工場が国光物産にあてた納品書である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「4954」の記載があり、また、後者には、同日付けで国光物産が商品を受け取ったことを商標権者へ知らせる受取証である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「4954」、備考欄に「1F1」の記載があり、さらに、受取印の欄には手書きによるサインと思しき記載がある。
ウ 乙第3号証の2及び3は、それぞれ平成24年6月20日に商標権者から国光物産にあてた納品書の写し及び国光物産による受取証の写しとされるものであるところ、前者には、平成24年6月20日付けで商標権者の富山工場が国光物産にあてた納品書である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「5092」の記載があり、また、後者には、同日付けで国光物産が商品を受け取ったことを商標権者へ知らせる受取証である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「5092」、備考欄に「1F1 169本/2E1 4923本」の記載があり、さらに、受取印の欄には手書きによるサインと思しき記載がある。
エ 乙第4号証の2及び3は、それぞれ平成25年7月18日に商標権者から国光物産にあてた納品書の写し及び国光物産による受取証の写しとされるものであるところ、前者には、平成25年7月18日付けで商標権者の富山工場が国光物産にあてた納品書である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「4,998」の記載があり、また、後者には、同日付けで国光物産が商品を受け取ったことを商標権者へ知らせる受取証である旨の記載があるほか、品名欄に「れいほう」、容量欄に「20ml」、数量欄に「4998」、備考欄に「3F1」の記載があり、さらに、受取印の欄には手書きによるサインと思しき記載がある。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、本件商標の商標権者である「新生薬品工業株式会社」は、品名を「れいほう」とする、さし蠅の忌避に用いる商品「忌避剤」を製造し、その発売元である「株式会社国光物産」に対し、平成25年7月18日に販売した。該商品の容器表面には、「れいほう」の商標が付されていたと推認されるところ、該商標は、その文字構成に照らし、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
してみれば、商標権者は、要証期間内である平成25年7月18日に本件商標と社会通念上同一の商標を付した商品「忌避剤」を譲渡したといえ、これは、商標法第2条第3項第2号にいう行為に該当するものと認められる。
また、上記「忌避剤」は、その用途に照らせば、本件審判の請求に係る指定商品「薬剤」の範ちゅうに属するものと認められる。
(3)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品中の「忌避剤」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-07-15 
結審通知日 2014-07-17 
審決日 2014-07-29 
出願番号 商願昭57-83169 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y05)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 敬規
谷村 浩幸
登録日 1986-09-29 
登録番号 商標登録第1894848号(T1894848) 
商標の称呼 レイホウ 
代理人 特許業務法人山田特許事務所 
代理人 北村 周彦 

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