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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900030 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1291763 
異議申立番号 異議2013-900403 
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-02 
確定日 2014-08-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5610603号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5610603号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5610603号商標(以下「本件商標」という。)は、「GENTIL UOMO」の欧文字及び「ジェンティルウォモ」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成25年4月16日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類」を指定商品として、同年7月22日に登録査定、同年8月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人は、1993年にオランダのアムステルダムで設立され、それ以降、オランダ及びベルギーを中心に「GENTILUOMO(以下「引用商標」という。)」を使用しメンズ衣料の製造販売を行っており(甲2及び甲3)、引用商標を使用したメンズ衣料の年間の売上額は約10億円で、ここ数年は年3.5パーセントの成長を続けている。また、ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)のメンズ衣料市場においては、メンズシャツ15パーセント、ニット衣料10パーセント、スーツ・ジャケット・コート6パーセントという安定して高いマーケット・シェアを有している。
イ 申立人は、雑誌などに引用商標の広告を掲載し(甲4及び甲5)、アムステルダムで開催されるファッション・フェアに出展するなどして、宣伝広告活動を続けている。さらに、申立人は、オランダのオリンピックチームやサッカーのナショナルチームの洋服のデザイン等も行っている。
ウ したがって、引用商標は、本件商標の登録出願の日前の1993年より継続して使用され、使用地域も複数の国にわたり、売上を伸ばし、宣伝広告活動も精力的に行っており、本件商標の登録出願の日(平成25年4月16日)には、我が国においても、メンズ衣料について、周知となっていたと考えるべきである。
エ そして、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にし、相互に類似すること明らかであり、その指定商品中には引用商標が使用されている商品が含まれているから、商標法第4条第1項第10号に該当するものというべきである。
(2)商標法第4条第1項第19号について
ア 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願の日(平成25年4月16日)には、我が国においても、メンズ衣料について周知となっていたと考えられ、また、オランダを含むその近隣の国においては、それ以前から周知となっていたと考えるのが自然である。
イ ファッション業界では外国語が比較的良く使われるとしても、「GENTILUOMO」の文字は、我が国の需要者が容易に理解できる外国語ではなく、申立人の引用商標とほぼ同一の本件商標を、同じメンズ衣料について、商標権者が偶然に思いついて採択したとは考えられない。特に、ファッション業界では、情報が国際的に流通し、我が国でも外国の情報をチェックしているのが通常であることを考えると、なおさら不自然と思わざるを得ない。
ウ 以上よりすれば、本件商標は、申立人が商品「メンズ衣料」について使用する商標として周知となっている引用商標と類似するものであり、引用商標の名声にフリーライドする不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当するものというべきである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
申立人は、「GENTILUOMO」の文字からなる引用商標が申立人の業務に係る商品「メンズ衣料」を表示する商標として周知になっている旨主張し、その証拠方法として甲第2号証ないし甲第5号証を提出しているので、該証拠方法について検討する。
ア 甲第2号証は、「Gentiluomo International B.V. BRANDBOOK」と題する小冊子の写しと認められるが、その表紙の「BRANDBOOK」の文字の左下隅に小さく表示された「December2013」の文字に照らせば、上記冊子は、本件商標の登録出願についての査定後である2013年12月に発行されたものといえる。また、その記載についても、全文が英文であって、日本語による記述がないことを踏まえると、我が国の需要者に向けたものとは考え難い上、「Company Profile」、「History」、「Wholesale Gentiluomo」、「Wholesale Genti」、「Key Accounts」、「Retail」及び「Special Projects」の各項目下に説明があるものの、引用商標の使用についての記述は、殆ど見当たらず、引用商標が商品について具体的にどのように使用されているのかも明らかではない。
イ 甲第3号証は、「GENTILUOMO PURE PREMIUM FASHION」と題する申立人のカタログの写しとされるものであるが、これにも日本語の記述はなく、しかも、「GENTILUOMO」の文字が3カ所表示されていることは認められるが、その発行日はもとより、その発行部数、頒布の事実等は一切明らかになっていない。さらに、その内容についても、被服を着用した男性の上半身の写真を集めたものであって、何らの説明もなく、これからは引用商標が商品について具体的にどのように使用されているのかが明らかではない。
ウ 甲第4号証及び甲第5号証は、引用商標に係る宣伝広告が掲載された雑誌とされているところ、「RODA JC NETWERK」及び「PSV EHV」と題する欧文字による雑誌の写しであることが認められるものであり、我が国における宣伝広告のためのものとは考え難い上、該雑誌がいずれの国で発行されたものかが不明であり、また、それぞれの発行部数、頒布の事実等も一切明らかでなく、その内容にしても、被服を着用した男性の上半身の写真と引用商標などが一頁に表示されているにすぎず、一見しては、何の広告か把握し得ないものである。加えて、甲第5号証は、表紙の左下部に「NOVEMBER2013」の記載があり、本件商標の登録出願の査定後に発行されたものといえる。
以上よりすれば、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の業務に係る商品「メンズ衣料」を表示する商標として、我が国又は外国においても、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは到底認めることはできない。
その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠を見出すことはできない。
なお、申立人は、上記2(1)アのとおり、引用商標に係るメンズ衣料の年間の売上額が約10億円であり、ベネルックス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)のメンズ衣料市場において高いマーケット・シェアを有している旨主張するが、その事実を示す具体的な証左は何ら提出されておらず、 また、職権を持って調査するも、引用商標が周知・著名性を有しているとすべき事情を見出すこともできないから、その申立人の主張は採用することができない。
(2)本件商標と引用商標の対比について
本件商標は、前記1のとおり、「GENTIL UOMO」の欧文字及び「ジェンティルウォモ」の片仮名を上下二段に横書きしてなるものであるところ、これより「ジェンティルウォモ」の称呼が生じ、イタリア語に「(教養があり上品な)紳士」(「伊和中辞典」小学館)を意味する「gentiluomo」という単語があるとしても、該単語が我が国においては一般になじみのない語であることから、特定の観念が認識されるとはいえないものである。
他方、引用商標は、「GENTILUOMO」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、これより「ジェンティルウォモ」の称呼が生じ、該文字は、「(教養があり上品な)紳士」の意味を有するイタリア語ではあるが、我が国においては一般になじみのない語であることから、特定の観念が認識されるとはいえないものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較するに、外観においては、片仮名の「ジェンティルウォモ」の文字の有無という相違があるとしても、本件商標の欧文字部分と引用商標とは、スペース(間隔)を除くならば、その構成文字を同じくするものであり、称呼においては、共に「ジェンティルウォモ」の称呼を生じるものである。また、両商標は、観念においては、共に特定の観念を生じるとはいえないものであり、観念をもって区別できるとはいえないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念を総合的に判断した場合においては、類似する商標ということができるものである。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第10号及び同項第19号該当性について
ア 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するというためには、その登録出願時及び登録査定時に、引用商標が我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていなければならない。
しかし、引用商標は、上記(1)のとおり、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されているとはいえないものである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似し、かつ、その指定商品が引用商標の使用に係る商品と類似する商品を含むものであるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。
イ 商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するというためには、その登録出願時及び登録査定時に、引用商標が我が国又は外国の取引者、需要者の間で広く認識されていなければならない。
しかし、引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品「メンズ衣料」を表示する商標として、日本国内及び外国における取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえないものである。
また、「GENTILUOMO」の文字は、上記(2)のとおり、直ちにその意味合いを理解し得ないとしても、「(教養があり上品な)紳士」の意味を有するイタリア語として辞書等に掲載されているものであって、申立人による造語とはいえないものであるから、本件商標の欧文字部分と引用商標の綴りとが一致しているとしても、それをもって、直ちに不自然であるということはできない。加えて、本件商標が引用商標の名声にフリーライドする不正の目的で登録出願し、使用するものであることを具体的に示す証左を他に見出すことができない。
したがって、たとえ、本件商標が引用商標と類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものということはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-08-20 
出願番号 商願2013-28349(T2013-28349) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W1825)
T 1 651・ 222- Y (W1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小田 明 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
登録日 2013-08-30 
登録番号 商標登録第5610603号(T5610603) 
権利者 株式会社オンリー
商標の称呼 ジェンティルウオモ、ジェンティル、ウオモ 
代理人 土生 真之 
代理人 安藤 順一 
代理人 前川 真貴子 
代理人 上村 喜永 
代理人 中村 仁 
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