ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W3032 審判 一部申立て 登録を維持 W3032 |
---|---|
管理番号 | 1290782 |
異議申立番号 | 異議2014-900033 |
総通号数 | 177 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-09-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-02-05 |
確定日 | 2014-08-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5629271号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5629271号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5629271号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年7月3日に登録出願、第30類「茶,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」、第32類「清涼飲料水,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く)」を指定商品及び指定役務として同年10月28日に登録査定され、同年11月8日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人が引用する登録第4469106号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ラティス」の片仮名を標準文字で表してなり、平成12年3月29日に登録出願、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),豆,加工野菜及び加工果実(「製菓・製パン用チョコレート」を除く。),乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として同13年4月20日に設定登録され、その後、同23年3月29日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 同じく登録第1891854号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和59年3月9日に登録出願、第31類「チーズ、その他本類に属する商品」を指定商品として同61年9月29日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成18年10月4日に指定商品を第29類「食用油脂,乳製品」及び第32類「乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。 上記引用商標1及び2は、いずれも現に有効に存続しているものであり、以下、これらを一括して単に「引用商標」ということがある。 3 登録異議申立ての理由の要点 本件商標は、引用商標と称呼及び外観において類似するものであり、本件商標の指定商品中、第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」及び第32類「乳清飲料」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 したがって、本件商標は、その指定商品中、上記指定商品については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、前記1のとおり、「LATTEA」の欧文字と「ラティー」の片仮名を上下2段に書してなるところ、一般に、欧文字と片仮名からなる商標において、片仮名部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たしているものと無理なく認識し得る場合は、片仮名部分から生じる称呼が当該商標より生じる称呼とみるのが自然であり、本件商標も同様に、「ラティー」の称呼を生じるものというべきである。 また、本件商標は、その構成各文字が、英和辞典、国語辞典等に載録されている語ではなく、一種の造語からなるものとして認識し把握されるものであり、既成の親しまれた観念を有するものとはいえない。 (2)引用商標について 引用商標1は、「ラティス」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該語は、既成の親しまれた観念を有する成語からなるものではなく、その構成文字に相応して「ラティス」の称呼を生じるものである。 引用商標2は、前記2のとおり、「LATTELLA」の欧文字を横書きしてなるところ、該語は、既成の親しまれた観念を有する成語からなるものではない。 そして、その指定商品に係る分野にあっては、既成語ではない欧文字で構成され、かつ、片仮名を併記するなどしてその読みが特定されていない商標の場合、英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるところ、「LATTELLA」の欧文字をローマ字風に発音した「ラッテッラ」の語はやや発音し難く、英語において、「tte」の文字部分を有する語はその前音が詰まって発音され(「palette」、「cassette」、「etiquette」等)、「lla」の文字部分を有する語はその前音が詰まって発音されない(「umbrella」、「vanilla」、「gorilla」等)ことからすれば、引用商標2からは、英語風に「ラッテラ」の称呼を生じるものといえる。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標から生じる「ラティー」の称呼と引用商標から生じる「ラティス」又は「ラッテラ」の称呼とを比較するに、「ラティー」と「ラティス」とでは、「ラ」及び「ティ」の音を共通にするとしても、末尾の音において、長音と「ス」の音の差異を有し、該差異が長音を含め3音という短い音構成の全体の称呼に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が異なり、明瞭に区別することができるものである。 また、「ラティー」と「ラッテラ」とでは、前者が長音を含めて3音、後者が促音を含めて4音と構成音数が異なるばかりでなく、前者が平滑に一連に発せられるのに対し、後者は語頭音が促音を伴い強く発せられるものであるから、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が異なり、明瞭に区別することができるものである。 そして、本件商標は、欧文字と片仮名を上下2段で書してなるものであり、片仮名のみからなる引用商標1又は欧文字のみからなる引用商標2とは、外観上判然と区別し得るものであるが、本件商標の片仮名部分と引用商標1とを比較しても、語尾部分の長音符「ー」と「ス」との字形の差異により外観上紛れるおそれはなく、また、本件商標の欧文字部分と引用商標2とを比較しても、それぞれの綴り及び文字数が異なることから、外観上別異のものとして認識し把握し得るものである。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも既成の親しまれた観念を有するものでない以上、観念について類似するとはいえない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 本件商標 2 引用商標2 |
異議決定日 | 2014-08-07 |
出願番号 | 商願2013-51606(T2013-51606) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W3032)
T 1 652・ 262- Y (W3032) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 矢澤 一幸 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 根岸 克弘 |
登録日 | 2013-11-08 |
登録番号 | 商標登録第5629271号(T5629271) |
権利者 | 株式会社サザビーリーグ |
商標の称呼 | ラティー、ラッティー、ラットティー、ラッテア、ラット、エルエイテイ |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 山下 彰子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 濱田 百合子 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 田中 伸一郎 |