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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
管理番号 1290777 
異議申立番号 異議2013-900236 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-09-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-07-19 
確定日 2014-08-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5574038号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5574038号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5574038号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成23年12月6日に登録出願、第9類「太陽光自動追跡センサー」及び第42類「太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置の設計,太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置のエンジニアリング,太陽エネルギーを利用した発電プラントのエンジニアリング,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を指定商品及び指定役務として、同25年3月6日に登録査定、同年4月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、国際登録第1039142号商標(以下「引用商標」という。)であり、別掲(2)のとおりの構成からなり、2010年(平成22年)2月10日に国際商標登録出願、別掲(3)のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年1月6日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標及び引用商標の類否について
本件商標は、「SOLARIA」の欧文字と「○」の文字中に太陽の図形を配した態様よりなり、その構成より、「ソラリア」の称呼が生じる。
他方、引用商標は、オレンジ色のV字型図形と緑の欧文字「Solaria」を組み合わせた態様よりなるところ、かかる構成より「ソラリア」の称呼が生じる。
両商標は、「SOLARIA」の欧文字を有する点において共通し、ともに「ソラリア」の称呼が生じるため、互いに称呼上類似する。
イ 本件商標及び引用商標の指定商品・役務の類否
(ア)第9類の指定商品について
本件商標は、第9類「太陽光自動追跡センサー」を指定商品として登録されているところ、当該商品は、引用商標の指定商品「Apparatus and instrument for conducting,switching,transforming, accumulating,regulating or controlling electricity generated by solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」(以下「第9類の指定商品」という。)の範ちゅうに含まれる商品である。
「太陽光自動追跡センサー」とは、赤外線センサー等で太陽の位置を判断し、太陽の光を追尾する装置である。ただし、本商品の本来の使用目的は、太陽光を追尾することのみで完結するものではない。太陽光を効率よく集光する手段として、太陽光発電装置に用いられるものである。
太陽光発電装置は、太陽光を集光しその光エネルギーを、太陽電池を用いて、直接的に電力に変換する発電装置であるが、集光できる太陽光の量が大きいほど、電力に変換できる量が大きくなる。太陽光発電装置の発電効率を上げるためには、集光部分が常に太陽に向いていることが大切である。そこで、太陽光自動追跡センサーが発電装置において、重要な役割を果たすこととなる。
実際のところ、「太陽光自動追跡センサー」は、主として発電装置に使用されることを目的として販売されるものであり、使用に際しては発電装置とともに、太陽光から効率よく発電することを目的として使用されるものである。このことは、「太陽光自動追跡センサー」をキーワードにウェブ検索すれば、ヒットする情報が太陽発電システムの構成要素であることを示すものが数多く見受けられることからも明らかである(甲4ないし7)。
上記は、「太陽光自動追跡センサー」の使用目的が、太陽の光を追跡することのみで完全に達成されるのではなく、発電のために使用されることが意図された商品であることを示すものである。仮に「太陽光自動追跡センサー」のみが単体で販売されることが有ろうとも結局、この商品は、主として「太陽光発電装置」の一部として使用されるものであり、「太陽光発電装置」との関係において、部品と完成品の関係にあるにすぎない。
また、引用商標は、第11類の「Apparatus for lighting,heating, steam generating,cooking, refrigerating, drying ventilating and water supply purposes relating to solar,thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」(以下「第11類の指定商品」という。)をも指定商品としている。
本件商標の指定商品「太陽光自動追跡センサー」は、第9類の指定商品、第11類の指定商品の範ちゅうに含まれる商品であって、その生産者、販売経路、用途、需要者等を共通にする場合が決して少なくない。
したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と互いに類似するものといわざるをえない。
(イ)本件商標の第42類の指定役務について
本件商標の第42類の指定役務は、「太陽光発電装置に関する装置の設計,エンジニアリング」であるところ、これらの役務は、引用商標の指定商品と密接な関連性がある。
すなわち、太陽光発電システムは、プラントや建物の屋根といった広い面積に設置されるうえ、設置場所も異なるため、製造者は、おのずと、その設計から携わることも少なくない。したがって、本件商標を用いて「太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置の設計、太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置のエンジニアリング、太陽エネルギーを利用した発電プラントのエンジニアリング、機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」がなされた後、引用商標が付された「太陽エネルギー・熱エネルギー・光起電エネルギー・風力エネルギー及びあらゆる他の種類の再生可能エネルギーによる伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用又は制御用の電気機器」が設置されれば、需要者がその役務及び商品の出所について混同を生ずることが必至である。
したがって、本件商標の指定役務は、引用商標の指定商品等と類似の関係にあるといわざるを得ない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼を共通にする類似の商標であって、その指定商品・役務は、引用商標の指定商品と類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否について
(ア)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり文字と図形からなるところ、「S」と「L」の間の円図形は、「O」の文字を図案化したものとみるのが相当であり、全体として「SOLARIA」の文字を表したものと認められる。
そして、「SOLARIA」の文字は、「『(海辺のホテル・病院などの)サンルーム、日光浴室』の意味を有する『solarium』の複数形」を意味する語であり、「ソラリア」と読まれる語であるから、「ソラリア」の称呼を生じ、「サンルーム」程の観念を生じるものである。
(イ)引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおり図形と文字からなるところ、上段にオレンジ色で表された2つの四辺形を一部接した図形と下段に緑色で表された「Solaria」の文字とは、異なる色彩で上下二段に表されていることから視覚上分離して看取されるものである。また、図形部分は、特定の観念を生じないことから、図形部分と文字部分には、観念的なつながりは認められない。加えて、図形と文字からなる商標に接する取引者、需要者は、図形部分よりも読みやすい文字部分に注目しやすいことから、「Solaria」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そして、「Solaria」の文字は、上記(ア)のとおり、「ソラリア」の称呼を生じ、「サンルーム」程の観念を生じるものである。
(ウ)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の文字部分とは、文字綴りを共通にし、外観上の近似性を有するものといえる。
次に、称呼についてみると、本件商標と引用商標とは、いずれも「ソラリア」の称呼を共通にするものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、「サンルーム」程の観念を共通にするものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観上の近似性を有するものであり、また、「ソラリア」の称呼及び「サンルーム」程の観念を共通にする類似する商標である。
イ 商品の類否について
申立人は、本件商標の指定商品である第9類「太陽光自動追跡センサー」と、引用商標の指定商品中、第9類の指定商品及び第11類の指定商品が類似であると主張して本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしている。
(ア)そこで、「太陽光自動追跡センサー」と、引用商標の第9類の指定商品が類似であるかどうかを以下検討する。
「太陽光自動追跡センサー」は、赤外線センサー等で太陽の位置を判断し、太陽の光を追跡するセンサーであり、太陽の位置を測定することを目的とする第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品と認められる。
一方、引用商標の第9類の指定商品は、「Apparatus and instruments for conducting, switching, transforming, accumulating, regulating or controlling electricity generated by solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」であるところ、これは、「再生可能エネルギーを利用して発電した電気の伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用・制御用の機械器具」であって、これには、「測定機械器具」は含まれず、また、これらの商品の生産部門、販売部門等が一致するなどの事情は見いだせないから、「測定機械器具」の範ちゅうに属する「太陽光自動追跡センサー」と引用商標の第9類の指定商品とは、類似しない商品というのが相当である。
なお、申立人は、「太陽光自動追跡センサー」は引用商標の第9類の指定商品に含まれる「太陽光発電装置」の部品と主張するが、仮にそうであるとしても、「測定機械器具」の範ちゅうに属するものとして登録された「太陽光自動追跡センサー」と「太陽光発電装置」とは、類似しない商品というのが相当である。
(イ)「太陽光自動追跡センサー」と、引用商標の指定商品中、第11類の指定商品が類似であるかどうかを以下検討する。
「太陽光自動追跡センサー」は、上記(ア)のとおり、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品である。
一方、引用商標の第11類の指定商品は、「Apparatus for lighting, heating, steam generating, cooking, refrigerating, drying, ventilating and water supply purposes relating to solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」であるところ、これは、「再生可能エネルギーを利用する照明用・暖房用・蒸気発生用・調理用・冷却用・乾燥用・換気用及び給水用の装置」であって、これには、「測定機械器具」は含まれず、また、これらの商品の生産部門、販売部門等が一致するなどの事情は見いだせないから、「測定機械器具」の範ちゅうに属する「太陽光自動追跡センサー」と引用商標の第11類の指定商品とは、類似しない商品というのが相当である。
ウ 役務と商品の類否について
申立人は、本件商標の指定役務である第42類「太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置の設計,太陽電池パネル・太陽エネルギーを利用した発電装置用の太陽光追尾装置のエンジニアリング,太陽エネルギーを利用した発電プラントのエンジニアリング,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」と、引用商標の指定商品中、第9類の指定商品が類似であると主張して本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしている。
本件商標の指定役務は、上記のとおり、設計・エンジニアリングに関する役務であるところ、これらの役務は、設計事務所が行うものであって、第9類の指定商品とは、まったく異なるものと認められる。
そうとすれば、当該役務の提供と商品の製造・販売は、同一の事業者によって行われているのが一般的であるとはいえず、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所、需要者の範囲が相違し、これらの役務及び商品に類似する商標を使用した場合に、その需要者をして同一の営業主の提供に係る役務又は製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認められないから、本件商標の指定役務と引用商標の第9類の指定商品とは、類似しないものというのが相当である。
エ したがって、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとしても、その指定商品及び指定役務において類似するものとはいえないから、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)本件商標



別掲(2)引用商標(色彩については原本参照)



別掲(3)引用商標の指定商品及び指定役務
第9類「Apparatus and instruments for conducting, switching, transforming, accumulating, regulating or controlling electricity generated by solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」
第11類「Apparatus for lighting, heating, steam generating, cooking, refrigerating, drying, ventilating and water supply purposes relating to solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」
第40類「Treatment of materials relating to solar, thermal, photovoltaic, wind and any other kind of renewable energy.」


異議決定日 2014-07-28 
出願番号 商願2011-87623(T2011-87623) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X0942)
T 1 651・ 264- Y (X0942)
T 1 651・ 263- Y (X0942)
T 1 651・ 262- Y (X0942)
最終処分 維持  
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
大森 健司
登録日 2013-04-12 
登録番号 商標登録第5574038号(T5574038) 
権利者 ザ、ソラリア、コーポレーション
商標の称呼 ソラリア、エスラリア、ラリア 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 柏 延之 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宮嶋 学 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 塩谷 信 
代理人 豊崎 玲子 

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