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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1290775 
異議申立番号 異議2013-900166 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-09-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-06-03 
確定日 2014-08-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5560917号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5560917号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5560917号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成24年9月4日に登録出願、第12類「自動車部品,二輪自動車部品,自転車部品」を指定商品として、同25年1月25日に登録査定、同年3月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、まとめていうときは「引用各商標」という。
(1)国際登録第933019号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TTS」の欧文字を書してなり、2006年12月12日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年(平成19年)6月1日に国際商標登録出願、第12類「Aircraft; automobiles; bicycles; motorcycles; rolling stock for railways.」(仮訳:航空機,自動車,自転車,オートバイ,鉄道用車両)並びに第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年12月12日に設定登録されたものである。

(2)登録第4064493号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TTS」の欧文字を書してなり、平成8年2月23日に登録出願、第12類「乗用車並びにその部品」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録されたものである。

3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「TTSRacing」は、その構成文字から「TTS」と「Racing」の文字を結合してなるものと容易に認識され、構成中の「TTS」の部分については特定の観念を生じない造語であり、「Racing」の部分については、「競走、カーレース」等を意味する語として我が国において広く定着している語である(甲4)。
本件商標の構成文字全体から生じる「テイテイエスレーシング」の称呼は11音と冗長であり、構成全体として熟語的意味合いを形成するものではない。
鈴鹿サーキットを有する三重県鈴鹿市に所在する本件商標権者は、レーシング用の自動車または二輪車の部品を製造、販売する会社であり(甲5)、自身のウェブサイトにおいて、欧文字の「TTS」からなる商標を使用し(甲6)、自社ブランドの商品を「TTSレーシングパーツ」という名称で販売している。かかる取引の実情に照らすと、本件商標構成中、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強い印象を与え得る部分は「TTS」の文字部分であると考えられ、これより生ずる称呼をもって取引に資されることも決して少なくないから、本件商標は、その構成文字に相応して、「テイテイエスレーシング」の称呼を生じるほかに、「TTS」の部分より「テイテイエス」の称呼を生ずるというべきである。
引用各商標は、それぞれ欧文字の「TTS」からなり、「テイテイエス」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標と、引用各商標との類否についてみると、両商標は「テイテイエス」の称呼を共通にし、外観については、構成全体の対比においては相違するが、出所識別標識として強く支配的な印象を与える「TTS」の部分について、書体の違いはあるものの、文字綴り、大文字の使用が共通しており、互いに近似した印象を与えると言い得る。
本件商標と引用各商標の外観、称呼、観念から受ける印象・記憶・連想等を総合勘案すれば、本件商標及び引用各商標を同一又は類似する商品に使用した場合、同じ事業者の製造・販売に係る商品であるかのように、その出所について誤認混同を来すおそれがある。
したがって、本件商標は、他人の先願に係る登録商標ないしそれに類似する商標であって、その登録商標に係る指定商品に類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標が類似することは前記(1)で述べたとおりである。
申立人であるアウディ社は、ドイツ連邦共和国に本社を置く、世界で最も有名な自動車メーカーのひとつであり、業界内における知名度は極めて高く、日本でも例外ではない。申立人は、創業以来様々なモーターレースに参戦し、幾度もの勝利を収めるとともに数々の記録を樹立してきており(甲7)、モータースポーツ界においてもその名を知らない取引者はいないほど名声を響かせている(甲8)。
申立人は、レーシングカーをコンセプトとしたスポーツカーを市販用に製造しており、コンパクトモデルに「TT」と名付け、クーペタイプとロードスタータイプの計4車種を「TT」シリーズとして日本国内では、1988年より販売している(甲9、甲10)。申立人は、この「TT」シリーズのフラッグシップモデルとして、引用各商標と同一の「TTS」という名称のクーペを発表し、2008年9月より日本国内で販売している(甲12)。申立人は、「TTS」クーペの日本導入に際し、カタログ、新聞・雑誌掲載、ダイレクトメール、チラシ等の方法で宣伝広告キャンペーンを実施した(甲13)。引用各商標に関するインターネット上で掲載された記事並びに試乗レポート(甲14?甲16)は、当該業界において日本導入直後からの引用各商標に係る商品に対する注目度の高さを示すものである。さらに、申立人は、2009年には約3,400万円の宣伝費をかけて、テレビコマーシャルを通じ、引用各商標にかかる商品を広告した。
申立人のかかる営業活動により、引用各商標は、申立人に関するものであることが強く印象付けられており、引用各商標に接した当該業界における取引者や需要者は、申立人によるレーシングカーをコンセプトとしたスポーツカーを直ちに連想、想起するものである。
したがって、引用各商標の出所表示機能の強さに照らせば、本件商標が外観上一連一体に「TTSRacing」と表示した構成からなるものであると看取される場合があるとしても、これに接した取引者や需要者が「TTS」の文字部分に着目し、申立人にかかる「TTS」を容易に連想するものである。
また、本件商標の指定商品は、引用各商標が使用されている商品と同一又は類似若しくは密接に関連がある商品を含むものである。
よって、本件商標が、本件指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)むすび
本件商標と引用各商標とは、称呼並びに外観において類似する商標であり、その指定商品も互いに抵触していることより、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、さらに、引用各商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲に示すとおり、「TTSRacing」の欧文字からなるところ、これを構成する各文字は、前半と後半で大文字と小文字の違いはあるものの、全体としてやや太線で、隣り合う文字同士の端と端を接合させたやや特徴のある形をもって、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずると認められる「ティティエスレーシング」の称呼も11音とやや冗長ではあるものの、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「Racing」の文字部分が「競走、カーレース」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものとはいい難く、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「TTS」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、構成文字全体に相応して「ティティエスレーシング」の称呼のみを生じ、特定の意味合いを認識し得ない一種の造語というのが相当である。
他方、引用各商標は、共に「TTS」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ティティエス」の称呼を生じ、特定の観念を有しないものである。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、本件商標から生じる「ティティエスレーシング」と、引用各商標から生じる「ティティエス」の称呼とは、後半の「レーシング」の音の有無並びにその構成音及び音数が相違するという顕著な差異を有するものであるから、称呼においては別個の商標として聴別することができるものである。
また、本件商標と引用各商標とは、それぞれの構成に照らし、外観において判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標と引用各商標は、共に特定の観念を生じることのない造語として認識される商標であるから、観念において類似するということはできない。
してみると、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似とすべき事由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の甲各号証によれば、申立人(アウディ社)がモーターレースに参戦し、数々の実績を上げ、モータースポーツ界でも有名な自動車メーカーの一であることは認められ、そして、市販用に製造されたスポーツカーのうちのコンパクトモデルに名付けられた「TT」、更にはそのフラッグシップモデルであるクーペの名称として引用各商標と同一の「TTS」という商標が使用され、当該クーペが販売された事実は認め得るものの、それ以上に「TTS」よりなる商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者間に広く認識されていたとまで認めるには十分なものとはいえず、また、本件商標と引用各商標とは、前記(1)で認定したとおり類似することのない別異の商標といえるものである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに本件商標から申立人の該使用商標を想起し、申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認するとは認めがたく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項11号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



異議決定日 2014-07-28 
出願番号 商願2012-75411(T2012-75411) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W12)
T 1 651・ 262- Y (W12)
T 1 651・ 271- Y (W12)
T 1 651・ 261- Y (W12)
最終処分 維持 
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 野口 美代子
高野 和行
登録日 2013-03-01 
登録番号 商標登録第5560917号(T5560917) 
権利者 株式会社ツルノテクニカルサービス
商標の称呼 テイテイエスレーシング、テイテイエス 
代理人 特許業務法人森本国際特許事務所 
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