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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服201313389 審決 商標
不服201322746 審決 商標
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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W42
管理番号 1290741 
審判番号 不服2013-19477 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-07 
確定日 2014-08-06 
事件の表示 商願2012-103267拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パッシブハウス」の文字を標準文字で表してなり、第42類に属する願書記載の役務を指定役務として、平成24年12月20日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における平成26年5月15日受付けの手続補正書により第42類「暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の設計,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の測量,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物のデザインの考案,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,地質の調査」に補正されたものである。

2 当審における拒絶理由通知
本願商標は、「パッシブハウス」の文字を標準文字で表してなるところ、「パッシブハウス」の文字は、「ドイツのパッシブハウス研究所が規定する性能基準を満たす認定住宅」を表すものであり、また、本願指定役務を扱う分野においては、パッシブハウスの考え方に基づいて、日本の風土に合わせて、自然のエネルギーを利用することで省エネルギーを実現する建築物を表すものとして、広く一般的に使用されているものである(別掲参照)。
そうとすれば、本願商標は、「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物」程の意味合いを容易に認識させるものといえる。
してみれば、本願商標をその指定役務中「暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の設計,建築物の設計,建築物のリフォーム設計,建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,測量,建築又は都市計画に関する研究,デザインの考案」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記役務が「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物に関する役務」であることを理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、単に役務の質及び役務の提供の用に供する物(建築物)を普通に用いられる方法で表示するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 請求人の意見の要旨
本願商標を構成する「パッシブハウス」の語は、日本において、かつ、本願指定役務「暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物」に係る役務との関係において、その指定役務の質・内容等を具体的に表しているとは考えられない。
また、出願人において調査するも、本願の指定役務を取り扱う業界において、「パッシブハウス」の文字が、役務の質・内容等を表示するものとして、取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実を見いだすことはできなかった。
してみれば、本願商標は、需要者に役務の質・内容等を表すものとして認識され得るものではなく、全体をもって、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であり、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を十分に果し得るものであり、かつ、役務の質について誤認を生ずるおそれもないものである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「パッシブハウス」の片仮名よりなるところ、これは、前記2の拒絶理由に示したとおり、「ドイツのパッシブハウス研究所が規定する性能基準を満たす認定住宅」を表すものと認められるものであり、また、本願指定役務を扱う分野においては、パッシブハウスの考え方に基づいて、日本の風土に合わせて、自然のエネルギーを利用することで省エネルギーを実現する建築物を表すものとして、広く一般的に使用されていることが認められるものである。
そうとすれば、本願商標は、「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物」程の意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定役務中、例えば、「暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の設計,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物の測量,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物のデザインの考案」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記役務が「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物に関する役務」であることを理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、当審における拒絶理由通知に対し、上記3のとおりの意見を述べている。
しかしながら、「パッシブハウス」の文字は、請求人のいうように一種の造語を表したものとして理解されるものではなく、別掲のとおり、省エネルギーを実現する建築物を表す語として普通に使用されているものであるから、「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物」程の意味合いを認識させるものというべきである。
そして、「暖かい空気が上昇する煙突効果を応用した自然換気システムを活用した建築物」に係る役務との関係において、本願商標を使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「パッシブハウス及びこれに準じた省エネルギーを実現する建築物に関する役務」であることを理解、認識するにすぎないものというのが相当であるから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するものである。
また、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の役務の質の表示に該当するというためには、取引者、需要者が、役務の質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に役務の質を表示するものとして使用されていることまでは、必ずしも必要としないものである。(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)
よって、請求人の意見は、採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、この理由をもって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(拒絶理由通知の参照情報)

ア「ウィキペディア」のウェブサイト
「パッシブハウス」の項に、「パッシブハウス(Passive house)とは、ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能基準を満たす認定住宅である。」及び「パッシブハウスは気温が-20℃にもなる極寒の地でも、暖房なしでも過ごせるほどで、その省エネ性、断熱性、気密性は世界トップレベル。日本は四季がある独特の気候であり、日本の気候に合わせたパッシブハウス建築が望まれている。そしてパッシブハウスの基準は世界各国の省エネルギー基準の中で最も厳しいと言われ、基準を満たすためには、窓や断熱材、換気装置の選別、気密・断熱の施工技術力、熱損失や消費エネルギーの計算など高レベルな建築設計並びに施工が求められる。」の記載がある。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9)

イ「パッシブハウス・ジャパン」のウェブサイト
「パッシブハウスとは?」のウェブページ中に、「パッシブハウスとは、1991年にドイツのパッシブハウス研究所によって確立された省エネ住宅スタンダードです。各国の法規によって定められた省エネスタンダード(いわゆるミニマム・スタンダード)よりもはるかに上を行くこのシビアな省エネ基準は、その経済性が実証されるとドイツ、オーストリアで大きく普及し、近年ではEUとは気候の異なるアメリカや韓国でもパッシブハウスの建設が試みられております。」の記載がある。
(http://passivehouse-japan.jimdo.com/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF-what-is-a-passive-house/)

ウ「株式会社パッシブハウス」のウェブサイト
「パッシブハウス建築とは」の項に、「パッシブハウスの良いところ/パッシブハウスは外気の影響を受けにくく、1日を通し室内の温度差が少なくなります。 結露やカビの発生が抑えられ、エコロジーで健康的な生活が出来ます。」及び「パッシブハウスの基礎知識/パッシブハウスとは、ドイツ生まれの世界基準省エネ住宅の考え方です。建物の性能を上げ、極力エネルギーを使わないで快適に暮らせるようにすることが目的です。冷房をアクティブに使い室内環境を向上させる事に対し、パッシブ(受身)とも名付けられています。」の記載がある。
(http://passive.jp/passivehouse_index.html)

エ「日本パッシブハウスセンター」のウェブサイト
「パッシブハウス(無暖房住宅)とは」のウェブページ中に、「一般的な暖房や冷房設備がなくても快適な室温を維持することができる建物のことをパッシブハウスと言います。この建物では住宅の暖房や冷房が"パッシブ"なのです。(パッシブとは『受身の、消極的な、無抵抗の、言いなりになる』などの意味があるので、パッシブハウスは『自然エネルギーの恵みを受ける家』のことをさす)」及び「以降、日本ではパッシブハウスのことが無暖房住宅と呼称されています。欧州では、パッシブハウスのことを下記のように表現しています。Passive-house (パッシブハウス) Zero-energy house(ゼロエネルギーハウス)・・・」の記載がある。
(http://passivehouse.jp/900/000050.php)

オ「いばらきパッシブハウス」のウェブサイト
「パッシブハウスってなに?」のウェブページ中に、「1991年にドイツのパッシブハウス研究所によって確立された省エネ住宅基準です。躯体の性能を超高気密・高断熱仕様で仕上げて、蓄熱・日射取得・日射遮蔽・通風といったパッシブは手法により、シンプルな設備で省エネかつ快適な温熱環境を達成する家です。」及び「パッシブハウスとは、気密性・蓄熱性が高いため、空気の温度と床・壁・天井の温度が変わらなくなるので、不必要な空気の対流がなくなり、一番小さなルームエアコン1台で、真綿で包まれたよな温熱環境をつくることができるのです。」の記載がある。
(http://www.i-passivehouse.com/ip%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%AE%B6%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9-%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%AB/)

カ「棟晶株式会社」のウェブサイト
「パッシブハウス」のウェブページ中の「パッシブハウスは設計ツールと認定システム」の項に、「パッシブハウスは1979年にドイツの物理学者ヴォルフガング・ファイスト博士が確立した省エネ基準です。・・・現在では、ヨーロッパ以外の地域でも気候風土に合わせたパッシブハウスの取り組みがなされています。日本では、最初のパッシブハウスは2009年8月に神奈川県鎌倉市にて建築され、北海道では2011年12月にリノベーションによるパッシブハウス基準(EnerPHit)をクリアした住宅が江別市に建築されました。」の記載がある。
(http://t-syou.com/passive/)

審理終結日 2014-06-03 
結審通知日 2014-06-09 
審決日 2014-06-20 
出願番号 商願2012-103267(T2012-103267) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
内藤 順子
商標の称呼 パッシブハウス 
代理人 佐藤 富徳 

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