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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W25 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W25 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W25 |
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管理番号 | 1289814 |
異議申立番号 | 異議2013-900078 |
総通号数 | 176 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-08-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-03-21 |
確定日 | 2014-07-04 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5542889号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5542889号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5542889号商標(以下「本件商標」という。)は、「ccilu-amazon」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年6月11日に登録出願、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」を指定商品として、同年11月27日に登録査定、同年12月14日に設定登録されたものである 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は以下のとおりであり、いずれも、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5188424号商標(以下「引用商標1」という。)は、「アマゾン」の文字を標準文字で表してなり、平成19年5月21日に登録出願、「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録されたものである。 (2)登録第5188425号商標(以下「引用商標2」という。)は、「AMAZON」の文字を標準文字で表してなり、平成19年5月21日に登録出願、「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録されたものである。 (3)登録第5452686号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年6月23日に登録出願、「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月25日に設定登録されたものである。 (4)登録第5495861号商標(以下「引用商標4」という。)は、「AMAZON」の文字を標準文字で表してなり、平成23年12月9日に登録出願、「履物」及び「運動用特殊靴」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同24年5月25日に設定登録されたものである。 (5)国際登録第751641A号商標(以下「引用商標5」という。)は、「Amazon」の欧文字を横書きしてなり、2000年3月16日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2000年(平成12年)9月15日に国際商標登録出願、第25類「Boots;shoes other than special sporting/gymnastic footwear;sandals;slippers」のほか、第1類、第2類、第4類、第6類、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第13類、第14類、第15類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類、第23類、第24類、第26類、第27類、第34類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年9月27日に設定登録されたものである。 以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号に該当し、取り消されるべきものである。 4 本件商標の取消しの理由 商標権者に対して、平成25年10月4日付けで通知した本件商標の取消しの理由(要旨)は、次のとおりである。 (1)本件商標と引用商標の類否について ア インターネット通販「amazon」の著名性について 申立人がその知的財産を管理するアマゾン・ドットコム社(以下「アマゾン社」という。)は、「世界的規模のインターネット小売業者。一九九五年アメリカで書籍の販売から創業」(甲9 広辞苑第六版)のインターネット小売業者であり、アマゾン社とその関連会社(以下「アマゾン社等」という)は、2013年現在、アメリカを始め、イギリス、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、スペインの世界11カ国を拠点にインターネット通販を展開している(甲15ないし甲23)。 我が国においては、2000年(平成12年)11月に日本版サイトamazon.co.jpをオープンし、書籍を始めとして5,000万種類を超えるCD、DVD,家電製品、アパレル&ファッション雑貨、食品・飲料などを取扱っている(甲24)。2012年の日本国内の売上高は78億ドルであり、日本で展開するネット通販企業の売上高としては楽天を上回り、最大となる旨が報道されている(甲27及び甲28)。 そして、アマゾン社等のインターネット通販サイトにおいては、そのドメイン名の全てに、「amazon.co.jp」や「amazon.fr」のように、「amazon」の文字が含まれ、また、全てのインターネット通販サイトの画面左上には、別掲2のとおり、「amazon」の文字を顕著に表した標章が表示されている(甲15ないし甲23)。このほか、「Amazon」の文字が、日本版サイトにおいて、他の語と組み合わせて、最上段の「Amazonポイント」及び下段枠内の「Amazonギフト券」のように使用されているほか、同サイトのプレスリリース(20081127)において、「…Amazonのワールドワイドでは2番目の靴とバッグ専門のウェブサイト…」及び「…Amazonのビジョンの1つである『顧客中心主義』に基づき…」のように、アマゾン社等のインターネット通販を表示するものとして、「Amazon」の文字が、単独で使用されていることが認められる(甲24及び甲25)。 また、「ネット書店」や「オンライン書店」の語の説明として、「…日本ではアマゾンが上陸した2000年から本格的に普及した。…日本の書籍の5?6冊に1冊はアマゾンで販売されていることになる。」(自由国民社 現代用語の基礎知識2011)、「…日本ではアマゾンが上陸した2000年から本格的に普及した。…アマゾンは…家電、スポーツ用品、家具やキッチン用品まで買うことができる。」(同2010)及び「…米国のアマゾンが1995年、書籍のインターネット通販を始めて大成功したことから、世界的規模で拡がった。」(朝日新聞社 知恵蔵2007)との記載がある。 以上よりすると、アマゾン社等の業務に係るインターネット通販は、日本においてよく知られているものであり、当該インターネット通販サイトの画面に常に使用されている「amazon」(「Amazon」を含む。以下同じ)の語及び当該インターネット通販を指すものとして新聞や雑誌に使用されている片仮名「アマゾン」は、当該インターネット通販を表示するものとして、一般の需要者に広く知られているといい得るものである。 イ 本件商標について 本件商標は、「ccilu-amazon」を標準文字で表してなるところ、構成前半の「ccilu」の欧文字は、特定の意味を有しない造語と認められるものであるのに対し、構成後半の「amazon」の欧文字は、「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」などの意味を有する英語(小学館 プログレッシブ英和中辞典)であり、本件商標全体としては、特定の意味を生じるとはいえないものである。また、本件商標から生じる称呼については、構成前半の 「ccilu」が、造語であって、「cci」の文字から始まるローマ字読みや英語読みが見あたらないことから、その構成各文字に相応した「シイシイアイエルユウ」の称呼を生じるというのが自然であり、本件商標は全体として、「シイシイアイエルユウアマゾン」の称呼を生じるといえる。 以上のとおり、本件商標は、全体として特定の意味を生じるものではないところ、外観において、ハイフン(-)記号により、「ccilu」と「amazon」の部分に分離して看取され得る態様であって、全体から生ずる称呼も14音と冗長であることからすると、常に一体のものとして捉えられるというよりも、構成前半の「ccilu」及び構成後半の「amazon」が、それぞれ独立して自他商品の識別機能を果たす場合も少なくないといい得るものである。 さらに、「amazon」の文字が、上記アのとおり、本件商標の指定商品を含む商品を取り扱うアマゾン社等の業務に係るインターネット通販を表示する標章として、一般の需要者に広く知られているといい得るものであることからすると、本件商標に接する需要者は、構成後半の「amazon」の文字部分に着目し、これを自他商品の識別標識として捉え、取引に資するというのが相当である。 したがって、本件商標は、全体から生ずる称呼のほか、「ccilu」及び「amazon」の各文字部分から、「シイシイアイエルユウ」及び「アマゾン」のみの称呼をも生じるというのが相当であり、観念については、本件商標全体及び「ccilu」の部分からは、特定の意味は生じないものの、「amazon」の部分からは、「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」及び「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念を生じるといえる。 なお、商標権者は、平成25年9月20日提出の上申書において、本件商標中の「ccilu」部分については、「チル」と読むのが通常として登録商標例を挙げている。これらの例は、「cci」の文字が、語末または語の中間に位置するもので、英語読みとはいい難い事例であるところ、本件商標後半の「amazon」が英語であることからすると、「cci」で始まる「ccilu」部分について「チル」と読むというよりは、上記イのとおり、構成文字に相応して「シーシーアイエルユー」と読むのが自然といえるものである。 そうすると、本件商標全体からは「シイシイアイエルユウアマゾン」の称呼を生じるというのが相当であり、一息に称呼するには冗長といえることから、称呼上、本件商標が常に一体のものとして捉えられるとはいい難いものである。 また、仮に本件商標から「チルアマゾン」の称呼を生ずるとしても、全体の構成態様及び「amazon」の著名性を考慮すると、上記に述べたとおり、「amazon」の文字部分のみが独立して自他商品の識別標識として認識される場合が少なくないというのが相当であるから、商標権者の主張を採用することはできない。 ウ 引用商標について (ア)引用商標1は、「アマゾン」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これより、「アマゾン」の称呼及び「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」の意味を生じるほか、「アマゾン」が、上記アのとおり、アマゾン社等の業務に係るインターネット通販を表示するものとしてよく知られたものであることから、「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念をも生じるといえる。 (イ)引用商標2及び引用商標4は、「AMAZON」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これより、「アマゾン」の称呼及び「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」の意味を生じるほか、「AMAZON」が、上記アのとおり、アマゾン社等の業務に係るインターネット通販を表示するものとしてよく知られた「amazon」と同じ綴りで同一視できるものであることから、「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念をも生じるといえる。 (ウ)引用商標3は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、文字部分と図形部分を常に一体のものとして捉える特段の事情も見いだせないことから、文字部分のみが独立して自他商品の識別標識としての役割を果たす場合も少なくないといい得るものである。したがって、「amazon」の文字より、「アマゾン」の称呼及び「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」の意味を生じるほか、上記アのとおり、「amazon」が、アマゾン社等の業務に係るインターネット通販を表示するものとしてよく知られたものであることから、「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念をも生じるといえる。 (エ)引用商標5は、「Amazon」の文字よりなるものであるから、これより、「アマゾン」の称呼及び「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」の意味を生じるほか、上記アのとおり、アマゾン社等の業務に係るインターネット通販を表示するものとしてよく知られたものであることから、「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念をも生じるといえる。 エ 上記アないしウによれば、本件商標と引用商標は、「アマゾン」の称呼並びに「ギリシア神話にでてくる女戦士から成る部族」及び「アマゾン社等の業務に係るインターネット通販」の観念を共通にし、さらに、引用商標2ないし引用商標5とは、「amazon」の綴りにおいて外観上も近似するものであるから、本件商標と引用商標は、互いに紛れるおそれのある類似する商標というべきである。 (2)本件商標の指定商品と引用商標の指定役務及び指定商品の類否について 本件商標の指定商品は、引用商標1ないし引用商標3の指定役務中の「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」において取り扱う商品と同一又は類似するものであるから、これら指定役務と類似するものと認められ、引用商標4及び5の指定商品とは、同一又は類似するものと認められる。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件商標は、その登録査定時において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであったというべきである。 5 商標権者の上申書及び意見書における反論 商標権者は、本件異議申立の理由に対し平成25年9月20日に上申書を、上記4の取消しの理由に対し同年12月27日に意見書を提出し、要旨次のように反論している。 (1)上申書における反論 ア 本件商標中の「ccilu」部分は、「piccino」を「ピッチーノ」、「Ricci」を「リッチ」、「FIORUCCI」を「フィオルッチ」、「CAPPUCCINO」を「カプチーノ」及び「GUCCI」を「グッチ」と称呼するなどの事例からすれば、「cci」を「チ」と発音するのは通常よく見られることであり、「ccilu」の部分は「チル」と発音することができることから、本件商標は「チルアマゾン」と無理なく読むことができ、また6音からなる商標であるので、短く、語呂がよく、淀みなく一連に称呼し得るものである。よって、申立人のいう「耳慣れた『amazon』の語により取引に資される」との主張は認められない。 イ ハイフンで結合された商標が一体不可分のものとして把握され、「PAR-MASTER」と「マスター\MASTER」、「SUN-BRIDGE\サンブリッジ」と「ブリッジ\BRIDGE」及び「LOOP-DRIVE\ループドライブ」と「DRIVE\ドライブ」などのように併存している登録例があること、また、「ccilu」なる単語が存在すれば、「ccilu」と「amazon」の分離はあり得るが、「ccilu」部分が造語であるので、分離されるものではないことから、本件商標は、商標全体で一体不可分であると理解すべきであり、たとえ、「ccilu」と「amazon」が分離されたとしても、「ccilu」が造語である以上、当該部分に識別力が生じる可能性があると十分に考えられ、耳慣れた「amazon」部分で取引に資される可能性は低いと考えられる。 ウ 本件商標は「チルアマゾン」と6音、引用商標は「アマゾン」で4音という短い構成音数の称呼においては、語頭の「チ」と「ア」の差異が両称呼に与える影響は大きく、両商標は明確に区別し得るものである。 エ 申立人が挙げた既登録例について、「AMAZON」の文字はあっても、小文字の「amazon」単独は存在せず、「amazon」については何らかの文言を伴っていることからすると、「amazon」での使用はされていないと考えられる。また、申立人が主張する「amazon」の意味については、「ギリシャ神話に出てくる女戦士の部族」の意味は、日本人にとっては知られていないし、「南米の大河(アマゾン川)」の意味であれば、地名表示であって自他識別標識とはなりえない。そして、「amazon」は、「世界規模のインターネット小売業者」であるアマゾン社の略称として、我が国のみならず世界中で極めて広く知られているとの主張については、本件商標は、アマゾン社を示すロゴとは異なり、本件商標に含まれる「amazon」の商標ではない。 よって、以上のことから、「amazon」は自他商品識別力に乏しいと考えられるため、小文字「amazon」のみで申立人と相紛れることは考え難い。さらに、「アマゾン」「amazon」などを含む登録例もあることから、単に「amazon」を含むということのみで、本件商標と引用商標とが相紛れることはないと考える。 オ 商標権者は、本件異議の申立て以前から申立人のサイト上で商標権者の有する商標が付された商品を販売し、現在も販売している。申立人は、申立人サイト上の店舗で販売される商品名について、チェックしているのが当然と思うが、本件異議の申立てまで商標権者に対して商標違反について何らの申し出もないから、申立人が自己の商標に化体した業務上の信用の維持を図っていたとの申立人の主張は認められない。 (2)意見書における反論 ア 本件商標の「ccilu」の文字部分が英語読みとはいい難い事例であるとしても、「NATO」を「ナトー」、「AMeDAS」を「アメダス」、「AIDS」を「エイズ」などと読むように英語読みではなく、ローマ字読みに近い読み方で読まれている事例があることからすると、本件商標中の「ccilu」の文字をローマ字読みすることにより充分に「チル」と読むことができ、本件商標は、全体として「チルアマゾン」と無理なく読めるものである。 イ 上記(1)の上申書において述べたとおり、ハイフンにより分離して看取される態様であっても、全体として一連の称呼として登録された事例があることからすれば、本件商標を分離して類否を判断するものではなく、全体を一体不可分のものとして把握するのが妥当である。 ウ 仮に本件商標が「ccilu」の文字部分と「amazon」の文字部分とに分離判断されるとしても、「造語+著名商標」の構成からなる商標が該著名商標と類似すると判断されることなく登録されている例があることからすれば、「amazon」の文字部分のみが独立して自他商品の識別標識として認識される場合は少ないと考えるのが妥当であり、本件商標と引用商標は称呼において非類似であるので、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 6 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標についてした前記4の取消しの理由は、妥当なものと認められるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標権者の意見等について 商標権者は、本件商標構成中の「ccilu」の文字部分をローマ字読みで「チル」と読むことができるから、本件商標は全体として「チルアマゾン」と無理なく読めるものであり、過去の登録例からみても、本件商標は一体不可分のものとして判断されるべきであるから、「amazon」の文字部分のみが独立して自他商品の識別標識として認識される場合は少ないと主張する。 しかしながら、「チ」の文字のローマ字表記が「ti」又は「chi」であることからすれば、「cci」の文字をローマ字読みで「チ」と読むことが自然であるとはいえないし、意見書で挙げられた略語の例は、「cci」の文字を含むものではないことからすると、これらの例をもって「cci」の文字を「チ」と読むとはいえない。そうすると、前記4で述べたとおり、上記「ccilu」の文字部分については、「チル」の称呼を生ずるというよりも「シイシイアイエルユウ」の称呼を生ずるというのが自然といい得る。 したがって、二つの語をハイフンで組み合わせた構成からなり、構成全体から生ずる「シイシイアイエルユウアマゾン」の称呼も14音と冗長である本件商標は、外観上も称呼上も、「ccilu」の文字部分と「amazon」の文字部分とが分離して看取されやすいものであり、かつ、後半の「amazon」が、アマゾン社等のインターネット通販を表示する標章として一般に広く知られているといい得るものであることからすれば、当該「amazon」の文字部分が自他商品の識別標識として強い印象を与えるといえ、該文字部分のみをもって、取引に資される場合も少なくないというのが相当である。 また、商標権者が挙げた登録例は、いずれも商標全体から生ずる称呼が冗長とはいえないものであり、冗長な称呼を生ずる本件商標とは事案を異にするといわざるを得ないから、商標権者の主張を採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標3)(色彩については原本参照のこと) 別掲2(インターネット通販サイト画面左上に表示された標章) (色彩については、通販サイトhttp://www.amazon.co.jp/を参照のこと。) |
異議決定日 | 2014-02-24 |
出願番号 | 商願2012-46753(T2012-46753) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Z
(W25)
T 1 651・ 262- Z (W25) T 1 651・ 261- Z (W25) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 小出 浩子 |
特許庁審判長 |
村上 照美 |
特許庁審判官 |
高橋 幸志 梶原 良子 |
登録日 | 2012-12-14 |
登録番号 | 商標登録第5542889号(T5542889) |
権利者 | 午言創研投資股▲ふん▼有限公司 |
商標の称呼 | シイシイアイエルユウアマゾン、チルアマゾン、アマゾン、シイシイアイエルユウ |
代理人 | 永岡 愛 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 森田 靖之 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 北口 貴大 |
代理人 | 城山 康文 |