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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900410 審決 商標
異議2012900360 審決 商標
異議2014900069 審決 商標
不服20138989 審決 商標
不服201220726 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1289804 
異議申立番号 異議2014-900019 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-01-20 
確定日 2014-07-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5622911号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5622911号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5622911号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年5月10日に登録出願、第30類「茶,茶飲料,お茶を加味した菓子及びパン,茶及び茶の風味を加味した穀物の加工品」を指定商品として、同年8月23日に登録査定、同年10月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申し立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第744138号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和41年4月28日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同42年5月31日に設定登録され、その後、平成19年10月10日に指定商品を第30類「茶,コーヒー及びココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
イ 登録第4332123号商標(以下「引用商標2」という。)は、「辻利」の文字を横書きしてなり、平成10年9月3日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同11年11月5日に設定登録されたものである。
ウ 登録第5144934号商標(以下「引用商標3」という。)は、「辻利」の文字を標準文字で表してなり、平成19年5月10日に登録出願、第32類「乳清飲料」及び第35類「清涼飲料・果実飲料及び乳清飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同20年6月27日設定登録されたものである。
なお、上記登録商標を、まとめて「引用商標」という。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、図形化された「茶」の部分は、指定商品との関係からみると、普通名称そのものであり、特別顕著性ないし識別力を認めることができない。
また、漢字4文字からなる「小倉辻利」の構成部分は、一連のものとして特定の意味を有するものではなく、一体不可分のものではないので、「小倉」と「辻利」に分離できるものとなっている。そして、「小倉」についてみると、「おぐら」又は「こくら」のいずれかに読み取ることができ、「おぐら」とした場合には、ありふれた氏「小倉」に通じ、「こくら」とした場合には、福岡県北九州市に所在する「小倉」の地名を表すものであるから、「小倉」の部分にはいずれの読み方においても特別顕著性が認められない。
したがって、本件商標の構成の要部は、「辻利」にあるとともに、その称呼は「ツジリ」であるということができる。
他方、引用商標はいずれも「辻利」の文字からなるものであるから、「ツジリ」の称呼を生じるものである。
本件商標と引用商標は、共に「ツジリ」の称呼を生ずる点で同一又は類似の商標であり、同一又は類似の商品に使用するものであるから、先願に係る引用商標の存在によって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、黒塗り矩形中に「茶」の文字を白抜きで表してなる図形部分と、その右に「小倉辻利」の文字を同じ書体、同じ大きさでまとまりよく表してなるものであるところ、図形部分とその右側の文字部分ではその構成及び態様が異なり、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないから、それぞれが分離して看取されるといえるものである。
そして、「小倉辻利」の文字部分は、漢字4文字が同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体として表されているものであるから、本件商標は、その構成文字に応じて「コクラツジリ」又は「オグラツジリ」の称呼を生じ、辞書等に掲載されない語であることから、特定の観念が生じるものではない。
なお、申立人は、本件商標の構成中「小倉」の文字部分について、「おぐら」又は「こくら」のいずれかに読み取ることができ、「おぐら」とした場合には、ありふれた氏「小倉」に通じ、「こくら」とした場合には、福岡県北九州市に所在する「小倉」の地名を表すものであり、該部分は、いずれの読み方においても特別顕著性が認められないから、「辻利」の文字部分が本件商標の要部である旨主張している。
しかしながら、本件商標の文字部分は、上記のとおり、漢字4文字が同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体として表されているものであるから、たとえ「小倉」の文字部分がありふれた氏であるとか、福岡県の地名として認識される場合があるとしても、この部分を捨象して「辻利」の文字部分のみが識別力を有する部分ということはできないものである。
イ 引用商標
引用商標1ないし3は、前記2(1)のとおり、いずれも「辻利」の漢字からなるものであるから、これより「ツジリ」の称呼が生じ、辞書等に掲載されない語であることから、特定の観念が生じるものではない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
(ア)外観について
本件商標は、別掲1のとおり、図形部分と「小倉辻利」の文字部分からなるものであり、引用商標は、いずれも「辻利」の漢字からなるものであるから、外観上、明らかに区別できるものである。
(イ)称呼について
本件商標は、「コクラツジリ」又は「オグラツジリ」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は「ツジリ」の称呼を生じるものであるところ、両称呼は、「コクラ」又は「オグラ」の有無という差異を有するものであり、両者の称呼は6音と3音という短い音数で構成されるものであることをも勘案するならば、該差異音が称呼全体に与える影響は小さくないといえるから、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれはないものといえる。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じるものではなく、観念上、両者を比較することはできないから、観念をもって両商標が相紛れるおそれがあるとはいえないものである。
エ 小括
本件商標と引用商標とは、上記ウのとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)




別掲2(引用商標1)


異議決定日 2014-07-09 
出願番号 商願2013-34928(T2013-34928) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W30)
T 1 651・ 264- Y (W30)
T 1 651・ 261- Y (W30)
T 1 651・ 262- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山根 まり子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2013-10-18 
登録番号 商標登録第5622911号(T5622911) 
権利者 株式会社辻利茶舗
商標の称呼 コクラツジリ、オグラツジリ、ツジリ、コクラチャ 
代理人 中山 伸治 

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