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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201316120 審決 商標
不服201325917 審決 商標
不服201322746 審決 商標
不服201319478 審決 商標
不服201319477 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W42
管理番号 1289772 
審判番号 不服2013-19476 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-07 
確定日 2014-07-09 
事件の表示 商願2012-102386拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パッシブアパート」の文字を標準文字で表してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成24年12月18日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における平成25年10月7日受付けの手続補正書により第42類「自然換気システムを活用した建築物の設計,自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,測量,自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,デザインの考案,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,地質の調査」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は『受け身の』等を意味する『パッシブ』の語とアパートメントハウスの略語の『アパート』を結合させ『パッシブアパート』と標準文字で表したものと認められる。そして、『パッシブ』の語は、建築分野においては、『機械の力に頼ることなく自然のエネルギーを利用すること』の意味合いで、例えば『パッシブハウス』(機械の力に頼ることなく自然のエネルギーを利用して快適な室温を維持できる家)や『パッシブデザイン』(建築の設計手法の一。特別な機械装置を使わずに、建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れを制御し、快適な室内環境をつくりだす手法)のように使用されている。してみると、本願商標は全体として、『特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れが制御された快適な室内環境のアパート』の意味合いを認識させるから、これをその指定役務中、『特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れが制御されたアパートの設計,特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れが制御されたアパートの設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れが制御されたアパートに関する研究,特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れが制御されたアパートに関するデザインの考案』に使用しても、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「パッシブアパート」の片仮名よりなるところ、その構成中の「パッシブ」の文字は、「受身のさま、受動的、受身」(「広辞苑第六版」岩波書店)の意味を有し、また、「アパート」の文字は、「アパートメントハウス」の略語として一般によく知られているものである。
ところで、本願の指定役務を取り扱う建築関連の業界においては、太陽の光や熱、雨、地中の熱、風などの自然のエネルギーを「パッシブエネルギー」と呼んでいる場合があり、この自然のエネルギーを利用した省エネルギーを実現する建築物を「パッシブハウス」、あるいは「パッシブ住宅」と呼んで、この種の建築物にこれらの文字が普通に使用されているところである。
そして、上記した「パッシブエネルギー」、「パッシブハウス」及び「パッシブ住宅」の文字の使用については、別掲のインターネット情報から窺い知ることができる。
そうすると、本願商標の構成中、「パッシブ」の文字部分は、「パッシブエネルギー」の意味合いを想起させるものとして看取されるものといえる。
以上のことからすると、本願商標は、該「パッシブ」の文字と「アパート」の文字からなることが容易に理解され、上記した「パッシブハウス」あるいは「パッシブ住宅」と同様に、「パッシブエネルギーを利用した省エネルギーを実現するアパートメントハウス」程の意味合いの建築物として理解、認識されるものというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定役務中、例えば、「自然換気システムを活用した建築物の設計,自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,デザインの考案」について使用しても、上記役務の対象となる建築物が、「パッシブエネルギーを利用した省エネルギーを実現するアパートメントハウス」であることを表すものとして理解されるものであるから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標の指定役務を取り扱う業界において、『パッシブアパート』の文字が、役務の質、内容等を表示するものとして、取引上普通に採択、使用されている事実がないので、本願商標は、取引者、需要者をして、役務の質、内容等を、直接的かつ具体的に表示したものと理解されるとはいい難く、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である」旨を主張している。
しかしながら、「パッシブアパート」の文字が、取引上普通に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、本願の指定役務を取り扱う建築関連の業界における実情を踏まえれば、本願商標を構成する「パッシブアパート」の文字は、「パッシブエネルギーを利用した省エネルギーを実現するアパートメントハウス」の意味合いの建築物として、理解、認識させるものというのが相当である。
そして、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の役務の質の表示に該当するというためには、取引者、需要者が役務の質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に役務の質を表示するものとして使用されていることまでは必ずしも必要としないものである。(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)「パッシブエネルギー」の文字の使用について
ア「(有)門松建築」のウェブサイト
「スタッフ紹介」のウェブページ中の 「パッシブデザインって、何?【2012.03.27】」の項に、「『パッシブ』を直訳すると『自分からは積極的に働きかけないさま。受動的。消極的』という意味になります。建築業界では『パッシブエネルギー』『パッシブデザイン』などとしてすでに取り入れられています。『パッシブエネルギー』とは、太陽の熱や光、雨や風など、自然界に存在するエネルギーのこと。」の記載がある。
(http://www.ie-kdmt.com/article/14341355.html)

イ「日本外断熱総合研究所」のウェブサイト
「太陽と風のパッシブハウス」のウェブページ中の「パッシブハウスの時代」の項に、「パッシブエネルギーを特別な設備に頼らずに利用できるのは、日差し=太陽エネルギー(ダイレクトゲイン)を暖房エネルギーとして使うことと、室温より低くなった夜風を取り入れて室内の温度を下げ、冷房エネルギーの使用量を減らすことです。」の記載がある。
(http://www.sotodan-souken.com/passive/)

ウ「エコハウスさいたま店」のウェブサイト
「Baubiologie」のウェブページ中の「パッシブエネルギーの活用」の項に、「パッシブエネルギーとは、手を加えることなく自然な状態で利用することができる自然エネルギーのこと。たとえば、太陽エネルギーや風のエネルギー、地表熱エネルギーなどがパッシブエネルギーと言えます。エコハウスでは、パッシブエネルギーを積極的に取り入れるように心がけています。」及び「通気通風に配慮したプランニングを行うことはとても大切です。しかし、リフォームを行う際にお客さまのご要望を組み込んでいくと、間取りの都合上、どうしても風が通りにくい部屋が出来てしまうこともあります。そんなときは、クローゼットをウォークスルータイプにしたり、壁に小窓を設けたりするだけで、家の中に風の通り道ができます。風通しが悪いと湿気やニオイがこもり、家の傷みの原因になり、少なからず心身にも悪い影響を及ぼします。空気の循環を考えることは、健康的な住まいをつくる第一歩なのです。」の記載がある。
(http://www.eco-ohmiya.com/baubiologie/index.html)

エ「成和建設株式会社」のウェブサイト
「太陽光発電」のウェブページ中に、「太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然にもともと存在するエネルギーが、パッシブエネルギーです。パッシブエネルギーは、いくら利用しても二酸化炭素を出すことはありません。自然界のものですからね。この自然エネルギーを、特別な機械に頼ることなく利用するシステムがパッシブシステムです。」の記載がある。
(http://www.seiwaom.jp/solar.html)

オ「さぬきエコ住宅の会」のウェブサイト
「自然エネルギー利用」のウェブページ中の「パッシブエネルギーとは?」の項に、「パッシブの言葉の意味は受動的、つまり、手を加えることなく自然な状態で利用することが可能な自然エネルギーのことをパッシブエネルギーと言っているようです。具体的には、太陽エネルギー や風のエネルギー、あまり馴染みのない地表熱エネルギーがパッシブエネルギーと言えます。」の記載がある。
(http://kagawaeko.web.fc2.com/side1.html)

カ「安田工務店」のウェブサイト
「新築をお考えの皆様へ」のウェブページ中の「エアサイクル工法とは」の項に、「一言で表現すれば自然の力(パッシブエネルギー)を利用するパッシブデザイン工法の1つです。パッシブエネルギーとは太陽の光や熱、雨、地熱、風などの自然に存在しているエネルギーを指します。この自然のエネルギーを上手く誘導し、住環境を整えるシステムをパッシブシステムといいます。」の記載がある。
(http://www4.ocn.ne.jp/~yasuda.k/build.html)

キ「香川県の工務店・建築家・設計事務所・住宅会社とのベストな出会いの場を提供する住まいの結婚相談所」のウェブサイト
「住まいの結婚相談所 香川県の工務店・建築家・設計事務所・住宅会社とのベストな出会いブログ」のウェブページ中の「パッシブデザインって、何?」の項に、「『パッシブ』を直訳すると『自分からは積極的に働きかけないさま。受動的。消極的』という意味になります。建築業界では『パッシブエネルギー』『パッシブデザイン』などとしてすでに取り入れられています。『パッシブエネルギー』とは、太陽の熱や光、雨や風など、自然界に存在するエネルギーのこと。『パッシブデザイン』とは、パッシブエネルギーを最大限に利用するための建築デザインのことです。」の記載がある。
(http://www.archipro.co.jp/archi0211/21526.html)

(2)「パッシブハウス」及び「パッシブ住宅」の文字の使用について
ア「日本パッシブハウスセンター」のウェブサイト
「パッシブハウス(無暖房住宅)とは」のウェブページ中に、「一般的な暖房や冷房設備がなくても快適な室温を維持することができる建物のことをパッシブハウスと言います。この建物では住宅の暖房や冷房が"パッシブ"なのです。(パッシブとは『受身の、消極的な、無抵抗の、言いなりになる』などの意味があるので、パッシブハウスは『自然エネルギーの恵みを受ける家』のことをさす)」の記載がある。
(http://passivehouse.jp/900/000050.php)

イ「株式会社ベツダイ」のウェブサイト
「イエコラボ」のウェブページ中の「パッシブハウス」の項に、「天然木の『自然さ』とテクノロジーの『機能』の両立を理念に掲げるチャネルオリジナル株式会社が提唱する『グリーンビルディング』という考えに基づいて自然と共存する家=パッシブハウスの開発にあたります。私たちが考えるパッシブハウスとは、自然と共存する家のことです。極力エネルギーを使わずに自然エネルギーだけで暮らす。そのための必須条件として、外皮性能を高め、高気密高断熱化により熱損失を極力抑えていくことが必要となってきます。」の記載がある。
(http://iecolab.jp/blog/category/passive-house/)

ウ「株式会社栄住産業」のウェブサイト
「パッシブハウス事例」のウェブページ中に、「パッシブハウスとは、家の構造部分を本質的に改善し、自然エネルギーの活用が省エネに大きく貢献する家。」の記載がある。
(http://www.eijyu.co.jp/company/about.html)

エ「日経BP社」のウェブサイト
「日経アーキテクチュア」のウェブページ中の「日経アーキテクチュア2012年12月10日号 内容紹介」の項に、「機械の空調に頼らず、自然の力を利用して快適な温熱環境を実現する『パッシブ住宅』への関心が高まっている。セラミック製のルーバーに打ち水をして涼を得たり、潜熱蓄熱材を活用して冬の夜でも暖かさを保ったりと、挑戦的な試みが展開されている。」の記載がある。
(http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/books/na/20121205/594349/?fromrss)

オ「有限会社タイシン」のウェブページ
「環境・人にやさしいパッシブ住宅」のウェブページ中の「タイシンがおすすめするパッシブ住宅」の項に、「自然の力を有効に利用して快適な室内環境を作り出す住宅のことを、『パッシブ住宅』と呼びます。タイシンは、再生可能自然エネルギーを最大限に利用。地中熱利用とソーラー発電2.5kw/h程度の組み合わせで、光熱エネルギー自給自足住宅と、エアコン・空気清浄機・床暖房を使わない、エコで人間や動物(ペット)の健康を重視した一家丸ごと24時間空調システムで、他社にない健康エコ住宅を提供しております。」の記載がある。
(http://www.thaishin.co.jp/passive_house/index.html)

カ「オハナ建築事務所」のウェブサイト
「ゼロエネルギー+パッシブ住宅」のウェブページ中の「パッシブ住宅とは」の項に、「高気密・高断熱住宅を軸に地域の特性、自然エネルギーをうまく利用した住宅です。例えばdiceは岡山県北の気候、風(通風)、太陽(日射取得・日射遮蔽)、温度、緯度、経度、平均気温、風向きデータを基に計算し、間取りや、窓を配置し、自然エネルギーを充分に利用できる住宅にしました。自然エネルギーを利用し、エネルギー消費を抑える住宅をパッシブ住宅と呼びます。」の記載がある。
(http://ohananoie.com/pdf/ohana-zero.pdf)


審理終結日 2014-05-09 
結審通知日 2014-05-12 
審決日 2014-05-26 
出願番号 商願2012-102386(T2012-102386) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W42)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 内藤 順子
田中 亨子
商標の称呼 パッシブアパート 
代理人 佐藤 富徳 
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