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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y060919252728
管理番号 1289692 
審判番号 取消2013-300527 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-06-24 
確定日 2014-06-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第2714842号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2714842号(以下「本件商標」という。)は、「SECRET」の欧文字と「シークレット」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成元年7月10日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコ?ド、これらの部品および附属品」を指定商品として、同8年6月28日に設定登録、その後、同18年1月31日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同年4月12日に別掲に表示したとおりの指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成25年7月9日にされている。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第6類「金属製飛び込み台」、第9類「浮袋,運動用保護ヘルメット,水泳用浮き板」、第19類「全指定商品」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」、第27類「全指定商品」及び第28類「運動用具(登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具を除く。)」を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、上記請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、上記請求に係る指定商品についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出する。
1 本件商標権者である被請求人は、下記の(1)及び(2)の事実について主張立証する。
(1)商標権者は、福井県南条郡南越前町▲鯖▼波9-1に存在するノースランド株式会社(以下「ノースランド社」という。)に対し、本件商標と社会通念上同一である「SECRET」を付した商品「ゴルフクラブ」の製造を依頼し、日本国で組み立て製造された「ゴルフクラブ」を日本国内で受け取り、
(2)韓国ソウルのオリエント ゴルフ コーポレーション(以下「オリエントゴルフ社」という。)を受取人として、郵船ロジステック株式会社(以下「郵船ロジスティクス社」という。)を経由して韓国に輸出した。
2 上記1(1)についての主張立証
乙第1号証は、商標権者が、製造委託先であるノースランド社に対して2011年12月13日付で発行した、アイアン、パターのゴルフクラブの仕様書である。
先ず、乙第1号証1頁には、商品「12SECRETアイアン」、「12SECRETパター」に関する仕様書であることが明記されており、また乙第1号証6頁には、ヘッド、シャフト、グリップなどの部品ごとの詳細が示されている。
乙第1号証3頁ないし5頁には、「12SECRETアイアン」のさらに具体的な仕様が示されており、乙第1号証3頁では、商品「12SECRETアイアン」のヘッドに、商標権者の「音叉マーク」とともに、「SECRET」の商標を付すことが指示され、乙第1号証第4頁及び5頁からは、商品「12SECRETアイアン」のシャフトに「SECRET」の文字を付すことが、指定されていることが分かる。
なお、乙第1号証6頁に示すように、例えば、ヘッドは、「明安公司」と略記した明安国際企業責任有限公司(台湾高雄市小港区中林路26号に所在)によりベトナム国同奈省仁澤縣仁澤三工業区にある明安国際企業(越南)責任有限公司で製造され、シャフトは、東京都千代田区丸の内1丁目1番地1号 パレスビルに本社がある三菱レイヨン株式会社によりその関連会社であるMRCコンポジットプロダクツ株式会社が所在する豊橋市牛川通4丁目1番地の2において製造され、ノースランド社に納入されている。
同様に、乙第2号証は、商標権者から製造委託先であるノースランド社に対して2012年1月11日付で発行した、ゴルフクラブ「SECRET」のウッドの仕様書である。
乙第2号証1頁には、商品「12SECRETウッド」に関する仕様書であることが示されており、乙第2号証4頁、5頁、8頁、9頁には、「12 SECRET W#1 SR」「12SECRET W#1 R」、「12SECRET FW#3 SR」、「12SECRET FW#3 R」、「12SECRET FW#5 SR」、「12SECRET FW#5 R」を構成するヘッド、シャフト、グリップなどの、部品ごとの詳細が指定されている。
乙第2号証3頁及び7頁に示すように、商品「12SECRET WOOD」のヘッドに「SECRET」の文字を「音叉マーク」とブランド名「YAMAHA」の商標とともに付すよう指示され、また、乙第2号証5頁及び9頁に示すように、商品「12SECRET WOOD」のシャフト及びグリップに「SECRET」の文字を付すように指定されている。
乙第2号証4頁及び8頁に示すように、ヘッドは、「明安公司」と略記した明安国際企業責任有限公司(台湾高雄市小港区中林路26号に所在)によりベトナム国同奈省仁澤縣仁澤三工業区にある明安国際企業(越南)責任有限公司で製造され、シャフトは、東京都千代田区丸の内1丁目1番地1号 パレスビルに本社がある三菱レイヨン株式会社によりその関連会社であるMRCコンポジットプロダクツ株式会社が所在する豊橋市牛川通4丁目1番地の2において製造され、ノースランド社に納入されている。
以上の仕様書に基づいて、商標権者がノースランド社に実際に発注を行ったことを示すものが、乙第3号証及び乙第4号証である。
乙第3号証は、商標権者の「ゴルフHS事業部」が2013年8月5日に照会した、ノースランド社に対する注文書履歴を印刷したものである。「品目名称組立費」の右側に記載のように、「13SECRET W#1 K」、「13SECRET FW K」、「13SECRET IR.SINGLE」、「13SECRET 8I SWT K」、「13SECRET PUT K」を、2013年2月22日、2013年3月8日に、それぞれ発注していることが分かる。
乙第4号証は、乙第3号証のうち、伝票番号「9510091」及び「9510089」について、ノースランド社が組み立て、商標権者に納品したときの受領票である。乙第4号証の受入の日付印の印影から、平成25年3月27日に、アイアン、ウッドのゴルフクラブに商標「SECRET」を付して納品を確認していることが分かり、ノースランド社は商標権者のブランドでゴルフクラブを製造していることは明らかである。
ここで、本件商標は「SECRET」と「シークレット」の二段併記であるところ、特許庁発行の審判便覧53-01によれば、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であっても、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」は社会通念上同一な商標の使用と認められている。よって、ヘッドやシャフトの部分に「SECRET」が付されていることから、取消請求に係る商品について、社会通念上同一の商標が付されていることは明らかである。
以上の事実から、乙第1号証ないし乙第4号証に示される商標権者の行為は、商標法第2条3項1号の「使用」に該当する。
3 上記1(2)についての主張立証
乙第5号証は、商標権者から、韓国ソウルのオリエントゴルフ社に対して、2011年7月25日付で発行したINVOICEであり、その「明細(DESCRIPTION OF GOODS)の欄」(以下「明細欄」という。)に、「YAMAHA WOOD CLUB」/「10 SECRET」「FW#5」、「YAMAHA WOOD CLUB」/「10 SECRET」「FW#3」、「YAMAHA WOOD CLUB」/「10 SECRET」「W#1」などが記載されている。このINVOICEから、商標「SECRET」が付されたゴルフ用品が商標権者と韓国のオリエントゴルフ社との間で取引されていることが明らかである。
乙第6号証は、郵船ロジステック社が発行した貨物運送状(WAYBILL)である。乙第5号証に示す「INVOICE NO. AFD461」に記載の商品を、商標権者を荷主(Shipper)とし、オリエントゴルフ社を荷受人(Consignee)及び着荷通知先(Notify Party)として、日本国名古屋(NAGOYA JAPAN)を積荷港(Port of Loading)とし、韓国プサン(BUSAN,KOREA)を荷揚げ港(Port of Discharge)としていることから、商標「SECRET」が付されたゴルフ用品が輸出されたことが分かる。
よって、乙第1号証ないし乙第4号証とともに、乙第5号証及び乙第6号証から、韓国ソウルのオリエントゴルフ社を受取人として、商標「SECRET」を付したゴルフ用品を韓国に輸出したことが明らかである。
以上のように、乙第1号証ないし乙第6号証から、本件取消請求に係る指定商品に、本件商標を付したものを輸出していることが明白である。
以上の事実から、乙第1号証ないし乙第6号証に示される商標権者の行為は、商標法第2条第3項第2号の「使用」に該当することは明らかである。
なお、乙第7号証は、オリエントゴルフ社のホームページであり、このホームページの掲載から、商標権者製造のアイアン、ウッドには、各ヘッドに商標「SECRET」が付されていることが分かり、上記の事実が立証される。
4 結論
以上により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件審判の取消請求に係る商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に商標権者によって日本国内において使用されていた事実が充分明らかとなったものと考える。
したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録が取消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 被請求人(商標権者)が提出した乙第1号証ないし乙第7号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)「ゴルフ仕様書WOOD」(乙第2号証の3頁及び7頁)によれば、ゴルフクラブのヘッド部分には、「SECRET」の商標が「YAMAHA」の文字や音叉の図形とともに付されている。
(2)「ゴルフ仕様書WOOD」(乙第2号証の9頁)には、「※シャフト品番のみ変更。/その他は10モデルと同デザイン。/・12モデル:MX-510FII/・10モデル:MX-510F」の記載がある。
(3)「INVOICE」(乙第5号証の1頁)の左上には、「BUYER & ADDRES/ORIENT GOLF CORPORATION/1466-11・・・SEOUL・・・S.KOREA」の記載があり、右上には、「INVOICE NO./AFD461」、「DATE/JULY,25,2011」及び「YAMAHA CRPORATION/10-1・・・HAMAMATSU・・・JAPAN」の記載がある。
また、明細欄の6行目には、「YAMAHA WOOD CLUB」の記載があり、同じく7行目には、「10 SECRET 41.5” MX-510F FW#5 R 19D.K」の記載がある。
(4)「貨物運送状(WAYBILL)」(乙第6号証)の左上には、「Shipper/YAMAHA CRPORATION/10-1・・・HAMAMATSU・・・JAPAN」、「Consignes/ORIENT GOLF CRPORATION/1466-11・・・SEOUL・・・S.KOREA」、「Notify Party/ORIENT GOLF CRPORATION/1466-11・・・SEOUL・・・S.KOREA」、「Port of Loading/NAGOYA,JAPAN」、「Port of Discharge/BUSAN,KOREA」の記載があり、中央には、「YAMAHA GOLF GOODS/493 CARTONS」及び「INVOICE NO. AFD461」の記載があり、右下には、「Place of Waybill(s) Issued/NAGOYA,JAPAN」及び「Dated/AUG.-4.2011」の記載がある。
2 上記1の認定事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
(1)商標の使用者、使用商品及び使用時期について
「INVOICE」(乙第5号証)の1頁の明細欄の6行目に記載された「YAMAHA WOOD CLUB」は、商標権者の「ゴルフクラブ(ウッドクラブ)」(以下「本件商品」という。)であることを表したものと認められる。
「INVOICE」(乙第5号証)と「貨物運送状(WAYBILL)」(乙第6号証)とは、「INVOICE NO. AFD461」が一致していることから、同一の取引を表したものと認められる。
「貨物運送状(WAYBILL)」(乙第6号証)によれば、商標権者は、オリエントゴルフ社を荷受人及び着荷通知先として、2011年8月4日に「INVOICE NO. AFD461」の本件商品を含むゴルフ用品493箱を、日本国名古屋を積荷港とし韓国プサンを荷揚げ港として、輸出していることが認められる。
(2)使用商標について
「ゴルフ仕様書WOOD」(乙第2号証の9頁)には、「※シャフト品番のみ変更。/その他は10モデルと同デザイン。/・12モデル:MX-510FII/・10モデル:MX-510F」とあることから、「INVOICE」(乙第5号証の1頁)の明細欄の7行目に記載された「10 SECRET 41.5” MX-510F FW#5 R 19D.K」は、乙第2号証のゴルフ仕様書に示された本件商品と同等のものと認められる。
そして、「ゴルフ仕様書WOOD」(乙第2号証の3頁及び7頁)によれば、ゴルフクラブのヘッド部分には、商標権者を表す「YAMAHA」や音叉の商標とともに「SECRET」の商標が付されていたものということができる。
本件商標は、「SECRET」の欧文字と「シークレット」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるのに対し、本件商品に使用された商標は、「SECRET」であるから、本件商標と使用商標とは、同一の称呼「シークレット」及び同一の観念「秘密」を生ずる商標社会通念上同一の商標ということができる。
(3)まとめ
以上によれば、商標権者は、請求に係る指定商品中「運動用具(登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具を除く。)」に属する本件商品に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して、2011年(平成23年)8月4日に輸出していたものであるから、これは、商標法第2条第3項第2号の商品に標章を付したものを輸出する行為に該当する。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について本件商標を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、請求に係る指定商品に関する本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標の指定商品
第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,金属製あぶみ,拍車」
第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」
第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム」
第15類「楽器,演奏補助品,音さ」
第18類「乗馬用具」
第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」
第20類「揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」
第21類「コッフェル」
第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」
第24類「ビリヤードクロス」
第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」
第27類「体操用マット」
第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」
第31類「釣り用餌」


審理終結日 2014-01-30 
結審通知日 2014-02-04 
審決日 2014-02-18 
出願番号 商願平1-78195 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y060919252728)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 三男 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 1996-06-28 
登録番号 商標登録第2714842号(T2714842) 
商標の称呼 シークレット 
代理人 森田 義則 
代理人 田島 壽 
代理人 平山 一幸 
代理人 青木 篤 

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