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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201318441 審決 商標
不服201317070 審決 商標
不服201317987 審決 商標
不服201313389 審決 商標
不服201316054 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W0341
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0341
管理番号 1289645 
審判番号 不服2013-10888 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-11 
確定日 2014-06-19 
事件の表示 商願2012-58165拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ラメラ美容法」の文字を標準文字により表してなり、第3類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年7月19日に登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における同25年1月16日付け手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用消臭剤,身体用防臭剤」及び第41類「美容に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ラメラ美容法』の文字を標準文字で表してなるところ、『ラメラ』の語は、『薄膜』等の意味を有し、本願の指定商品を取り扱う業界において、皮膚内部の細胞間脂質の層状構造を意味する『ラメラ構造(ラメラ液晶構造)』を指称するものとして使用されており、また、同業界において、このラメラ構造(ラメラ液晶構造)を有する、あるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した化粧品が製造、販売されている事実がある。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中の『ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容(法)に用いる化粧品,ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容法に関する知識の教授,ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容法に関するセミナーの企画・運営又は開催』に使用しても、取引者、需要者に上記商品又は役務であることを認識させるにとどまるものであるから、本願商標は、単に商品の品質(用途)又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあることから、同法第4条第1号第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「ラメラ美容法」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ラメラ」の文字は、本願の指定商品中の「化粧品」を取り扱う業界においては、肌の角質層に存在する水分と脂分が層状になっている構造(ラメラ構造)を指称するものであり(別掲1ないし4)、該ラメラ構造は、肌の水分蒸発を防ぐ保湿機能や外部からの刺激や有害物質から肌を守るバリヤ機能を担っているものであることが認められる(別掲5ないし7)。
そして、このラメラ構造については、肌の保湿やバリヤ効果に係る化粧品の構成成分等として一般に広く採用されている実情が認められる(別掲5ないし11)。
また、本願商標の構成中の「美容法」の文字は、「容姿を美しくするための施術」程の意味合いを容易に理解させるものである。
以上のことから、上記「化粧品」を取り扱う業界の取引の実情に照らせば、「ラメラ美容法」の文字は、その構成全体をもって「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術」程の意味合いをこれに接する者に看取、理解させるものであるといえる。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術に使用されるもの」程の意味合いを看取、理解させるにとどまり、また、これをその指定役務中「美容に関する知識の教授」に使用した場合、その美容の内容が「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術」に関するものであることを認識させるにとどまるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中の「化粧品」との関係においては、商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、また、その指定役務中の「美容に関する知識の教授」との関係においては、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の登録例を挙げ、「ラメラ○○」及び「○○美容法」の構成からなる商標が自他商品又は自他役務の識別標識としての機能が認められて登録されていることから、本願商標も同様に自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能が認められ、登録されるべきものである旨主張している。
しかしながら、請求人が挙げた商標登録例は、いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであって、本願商標とは事案を異にするものであり、また、本願商標は、上記(1)において認定、判断したとおり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、請求人が挙げる登録例の存在によって、上記(1)の認定、判断が左右されるものではないというべきである。
したがって、上記請求人による主張を採用することはできない。
イ 請求人は、「ラメラモード(LAMELLAR MODE)」、「ラメラベール(LAMELLAR VEIL)」及び「インシストラメラ(INSIST LAMELLAR)」といった「LAMELLAR Series」の商品を提供し続けてきた実績があり、「ラメラ美容法」は、これら「LAMELLAR Series」の商品を用いた総括的な美容法の名称として造られたもので、取引者や需要者に、請求人の「LAMELLAR Series」に係る商品及び役務であることを容易に認識し得るものと推認される旨主張し、それを証する資料として甲第19号証を提出している。
確かに、請求人の提出に係る甲第19号証によれば、「LAMELLAR MODE」、「LAMELLAR VEIL」及び「INSIST LAMELLAR」の各標章が、ウェブサイト上の商品紹介において表示されていること、また、これらの商品紹介のページにおいて「角質層のラメラ構造に着目!フェースのスキンケア革命『ラメラ美容法』/健康なお肌とは角質層のラメラ構造が整っているお肌のことです。/ラメラ構造が整ったお肌は、保湿・保護ができており、バリア機能と水分保持機能を果たしています。/フェースはラメラ構造をケアすることに着目し、フェースラメラシリーズが誕生しました。」との記載があることが認められるものの、甲第19号証は、2013年6月10日に紙出力されたウェブサイトの画面(写し)であるから、これをもって、請求人が「LAMELLAR Series」の商品を継続的に提供(販売)していたとはいえず、また、当審において職権をもって調査したところ、甲第19号証に係るウェブサイトは、「株式会社フェースビューティ」なる会社が開設しているものであり、さらに、同ウェブサイト上にある「スキン革命!!/ラメラ美容法について詳しくはこちら」のリンク先には、別掲12に示すとおり、請求人に係る「ラメラ美容法」が、上記(1)において認定、判断したものと同様に、角質層内のラメラ構造を整えることにより保湿、保護をする美容に係るものである旨の記載がある。
してみれば、「ラメラ美容法」の文字は、取引者、需要者をして、請求人の「LAMELLAR Series」に係る商品及び役務であることを容易に認識させるものとはいえず、むしろ、上記(1)において認定、判断したとおり、商品の品質及び用途並びに役務の質を表示するものとして認識するというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 「きれい百貨.com」のウェブサイトにおいて、「黄みも改善する基礎化粧品をヤクルトが発売へ/2007年03月13日」の見出しの下、「ヤクルトが、『ヤクルトビューティエンス』ブランドから、独自開発の保湿成分『ラメラ粒子』の効果を高めた『ラメラ粒子進化型』配合の化粧品ライン、『パラビオ進化型』4品を発売しました。ラメラとは、肌の角質層で細胞と細胞の“つなぎ”の役目を果たし、水分の蒸発を防ぐ『細胞間脂質』の2層構造のことです。」との記載がある。
(http://puredept.com/2007/03/post_24.html)
2 「ディノス」のウェブサイトにおいて、「ラメラファクターシリーズ フィールモイストバーム 30g」と称する商品に係る「商品説明」において、「【ラメラとは?】/油と水の層を、まるでミルフィーユのように何層にも重ねた強固な構造。構造が壊れにくく、ハリ成分や潤い成分をしっかりためておけるナノテクノロジー技術。また、肌の潤い構成成分とよく似た構造なので、美肌成分が肌になじみやすいことが特徴です。」との記載がある。
(http://www.dinos.co.jp/p/1251900196/)
3 「グルーポン-GROUPON」のウェブサイトにおいて、「アノンセ クレム ド バリエール 40g」と称する商品に係る「■商品詳細」において、「お肌をラッピングするラメラ構造(液晶乳化)を実現したクリームです。『ラメラ』とは、人の皮膚の角質層に存在する、水と脂が交互に層を成す構造です。」との記載がある。
(http://www.groupon.jp/cid/108868)
4 「facebook」のウェブサイトにおいて、「ラメラボーテ」のアカウント内に、2013年11月28日付けで、「会社名『「Lamella Beaute』の由来!!/『Lamella(ラメラ)』とは、水分と油分がミルフィール状に折り重なった肌構造のこと。ラメラ構造を『Beaute(美)』キレイにして幸せな毎日を送ってほしいという願いが社名に込められております。」との記載がある。
(https://www.facebook.com/LAMELLA2010)
5 「皮膚臨床薬理研究所株式会社」のウェブサイトにおいて、「肌 基礎化粧品、ラメラ構造の化粧品」の見出しの下、「肌と類似した構造、それがラメラ構造/肌の表面の角質層は、角質細胞と細胞間脂質からできています。角質細胞の間を埋める細胞間脂質は、水分と脂分が交互に層を成し、サンドイッチのようになっています。この層状の構造を『ラメラ構造』といいます。ラメラ構造をした細胞間脂質は、肌の水分蒸発を防ぐ保湿機能や雑菌の侵入を防ぐバリア機能を担っています。ヒフケンはその技術力で、ラメラ構造100%の化粧品を生み出しました。」との記載がある。
(http://www.hifuken.com/skin_laminaze.html)
6 「LAMELLIA JAPAN」のウェブサイトにおいて、「肌のバリア機能と保湿力を基礎化粧品に応用」の見出しの下、「特徴1 肌を守る“第二の肌”/肌には、肌を守るバリア機能があります。その機能を果たしているのが、細胞間脂質と皮脂膜です。これらは水分と油分が層状に重なり合いながら、“面”で肌を守り保湿するラメラ(液晶)構造。外側からの刺激や有害物質から肌を守ると同時に、肌の水分が蒸散するのを防ぎます。ディープグロースエッセンスとデイプロテクトBBは、100%ラメラ構造。“第二の肌”として肌のバリア機能をサポートします。」との記載がある。
(http://www.lamellia-japan.co.jp/)
7 「ATOPALM」のウェブサイトにおいて、「日本初上陸!!お肌を乾燥から守る化粧品。」の見出しの下、「2006年の美容見本市BeautyWorldから正式に日本に上陸したばかりですが、大反響です!売れてます!/お肌のバリア機能に不可欠なセラミドと同様に、多重ラメラ構造を構成する擬似セラミドを配合。敏感肌・乾燥肌を外部刺激から守り、水分を保ちます。」との記載がある。
(http://www.angel-ark.sakura.ne.jp/atopalm/)
8 「楽天市場」における「インタークリスティーヌ」のウェブサイトにおいて、「ビーバンジョア ラメラプランゲル 【ビーバンジョア312】 40g」と称する商品に係る「この商品の特徴」として、「油性成分と水性成分がセラミドを核にしてラメラ構造を形成したゲルクリームで、表面はさらっとしてべとつきません。ラメラプランゲルは乳化されたクリームとは異なる、ニュータイプの構造を持つクリーミィゲルで、お肌にやさしく馴染み、角質深層部までたっぷり潤しながら肌表面をさらっと滑らかな状態に保ちます。」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/inter-c/vivantjoie13/)
9 「エルテ化粧品/オフィシャルオンラインショップ」のウェブサイトにおいて、「[エルテEX] ラメラ プレミアム」の見出しの下、「細胞間脂質と類似したラメラ構造を形成し角質層まで浸透をうながします。高保湿力で肌を滑らかに整え、さらに肌を保護する2つの機能を1本に凝縮した美容液です。優れた保湿力で、肌にハリと透明感をもたらします。」との記載がある。
(http://www.althea.jp/products/lamella.html)
10 「楽天市場」における「コスメランド」のウェブサイトにおいて、「アベンヌ Avene/薬用 ハンドクリーム 75mL(アヴェンヌ)」と称する商品に係る「【商品特徴】」として、「● なめらかなのびと高い保湿力で荒れやすい手肌をしっかりガード/コールドクリーム配合で、肌になめらかにのび、高い保湿力を発揮。乾燥や外部刺激からあれやすい手肌をしっかりガードしながら、うるおいを角質層にキープします。/ラメラ構造(層状構造)をつくる乳化技術が、肌なじみがよくベタつかない使用感を実現。/ミルフィーユのように層状になったうるおい保護膜に内包されたアベンヌ温泉水や保湿成分をしっかりと角質層に届け、とどめます。」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/cosmeland/213440/)
11 「@cosme」のウェブサイトにおいて、「アノンセ クレム ド バリエール」と称する商品に係る「商品説明」として、「全ラメラ構造(液晶乳化)を実現したクリームです。白金スーパーナノコロイドとアミノ酸系保湿剤が肌に働きかけ、高い水分保持力を維持しながら、バリア機能を発揮して内側から肌を守ります。敏感肌の方へ。」との記載がある。
(http://www.cosme.net/product/product_id/10025823/top)
12 「FAITH/LAMELLAR Series」のウェブサイトにおいて、「角質層を整える『ラメラ美容法』ってどんな美容法?」の見出しの下、「スキンケア革命角質層を整える『ラメラ美容法』は、ラメラ構造を整えてお肌を保湿・保護し、お肌の中からキレイにする美容法です。・・・ラメラ構造は脂質と水分の層で、体内に異物が侵入するのを防いだり、うるおいを保つためにお肌の内側の水分が蒸発しないように水分を保ったりする働きがあります。ラメラ構造が乱れるとお肌が乾燥したり、刺激に弱い敏感肌になってしまいます。・・・スキンケア革命『ラメラ美容法』/フェース生コラーゲン、フェースゼラチンコラーゲンが、角質層内のラメラ構造をしっかり整え、保湿・保護します。」との記載がある。
(http://www.lamellar.jp/skincare.html)

審理終結日 2014-04-23 
結審通知日 2014-04-24 
審決日 2014-05-08 
出願番号 商願2012-58165(T2012-58165) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W0341)
T 1 8・ 272- Z (W0341)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 高橋 幸志
田中 敬規
商標の称呼 ラメラビヨーホー、ラメラ 
代理人 辻本 一義 

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