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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900299 | 審決 | 商標 |
異議2013900414 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 審判 全部申立て 登録を維持 W25 |
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管理番号 | 1288821 |
異議申立番号 | 異議2013-900415 |
総通号数 | 175 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-07-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-12-13 |
確定日 | 2014-06-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5614262号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5614262号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5614262号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成24年7月24日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同25年8月6日に登録査定、同年9月13日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が主張する登録異議の申立ての理由の詳細は、下記第3のとおりであるところ、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの主張においては、登録第4994620号商標(以下「引用商標1」という。)を、また、本件商標が同項第15号に該当するとの主張においては、引用商標1のほか、登録第5206196号商標(以下「引用商標2」という。)及び国際登録第710479A号商標(以下「引用商標3」という。)を引用している。 申立人が引用するこれら商標の詳細は、以下のとおりである(以下、これら3件の商標を総称する場合は、「引用商標」という。)。 (1)引用商標1は、「KILLAH」の文字(標準文字による。)を横書きしてなり、平成17年9月26日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年10月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)引用商標2は、「KILLAH」の文字(標準文字による。)を横書きしてなり、平成19年5月8日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」及び第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,革ひも,毛皮」を指定商品として、同21年2月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (3)引用商標3は、別掲2に示したとおりの構成からなり、2000年(平成12年)9月6日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類「Spectacles and sunglasses.」(仮訳:眼鏡及びサングラス)を指定商品として、平成15年4月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第51号証(枝番を含む)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用商標1との対比 本件商標は、「kila」の欧文字及びロゴ化された「kila」又は「kjla」の欧文字を横書きしてなるものと、それらを区切るように配置された植物を模したような図形からなる。そして、その構成中のロゴ化された欧文字が、「kjla」であったとしても、「kjla」から生じる称呼は容易に想像し難い。更には、仮に、ロゴ化された欧文字が「kila」であったとしても、植物に模した図形が介在する点と前半の「kila」と後半の「kila」とは書体が異なるため、容易に同一視することはできない。よって、本件商標は、「kila」の欧文字より「キラ」の称呼を生じると考えるのが相当である。これに対して、引用商標1は、「KILLAH」の文字列より「キラ」の称呼を生じる(甲第4号証ないし甲第11号証)。 したがって、本件商標から生じる称呼と引用商標1から生じる称呼とは、ともに「キラ」であり、同一である。 また、本件商標の語頭の「k」、「i」及び「l」の3文字と引用商標1の語頭の「K」、「I」及び「L」の3文字とは、小文字と大文字の違いはあるものの、共通の文字であり、外観においても共通点がある。 なお、本件商標の「kila」及び「kjla」、引用商標1の「KILLAH」はそれぞれ造語であって、観念については比較できないものである(甲第12号証)。 したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼が同一であって、外観及び観念も類似する、類似の商標である。 (2)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品との対比 本件商標に係る指定商品である第25類「履物」と引用商標1に係る指定商品中の第25類「履物」は、同一である(甲第1号証ないし甲第3号証)。 (3)むすび 本件商標は、上記のとおり、引用商標1と類似のものであり、また、その指定商品も抵触する。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)本件商標と引用商標との対比 本件商標は、上記1(1)のとおりの構成からなり、「kila」の文字より「キラ」の称呼を生じるものである。これに対して、引用商標1及び2は、「KILLAH」の文字より、また、引用商標3はロゴ化された「KillaH」の文字より、それぞれ「キラ」の称呼を生じるものである。 そうすると、本件商標から生じる「キラ」の称呼と引用商標から生じる「キラ」の称呼とは、同一である。 また、本件商標の語頭の「k」、「i」及び「l」の3文字と引用商標の語頭の「K」、「I」及び「L」の3文字とは、小文字と大文字の違いはあるものの、共通の文字であり、外観においても共通点がある。 なお、本件商標の「kila」及び「kjla」、引用商標の「KILLAH」は、それぞれ造語であって、観念においては比較できない(甲第12号証)。 したがって、本件商標と引用商標とは、「キラ」の称呼を同一にし、外観においても類似するから、互いに類似の商標である。 (2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の対比 本件商標に係る指定商品である第25類「履物」と、引用商標1に係る指定商品である第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣装,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」、引用商標2に係る指定商品である第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,革ひも,毛皮」、引用商標3に係る指定商品である第9類「Spectacles and sunglasses.」は、生産部門、販売部門、需要者の範囲が一致する場合が多い。 したがって,本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある(甲第1号証ないし甲第3号証、甲第13号証ないし甲第16号証)。 (3)引用商標の周知・著名性 ア 引用商標は、前権利者であるシックスティ インターナショナル エスアー(以下「シックスティ社」という。)から申立人に譲渡により移転されている(甲第2号証、甲第3号証、甲第13号証ないし甲第16号証)。シックスティ社は、シックスティ・グループ(以下「シックスティG」という。)のメンバーとして、同グループが所有する商標の権利の取得及び管理等を行い、必要に応じ他の法人に譲渡等を行っている。 イ シックスティGは、イタリアを本拠地とする国際的なファッショングループであって、1989年にヴィッキー・ハッサンとレナート・ロッシにより、デニムとファッションの共存を目指し、イタリアに設立され、革新的な製品ラインが世界中の流行に敏感な人々に支持され、多くのブティック、デパート、旗艦店においてその商品が販売されている(甲第17号証)。シックスティGはオーストリア、ベルギー、カナダ、中国、香港、ギリシア、ポルトガル、ロシア、スペイン、ドイツの10か国に支店等を有し、「Killah」ブランドを含む周知・著名なブランドに係る商品を世界的に取り扱っている(甲第18号証ないし甲第28号証)。年間売上高は、2008年に1,413,047ユーロ、2009年に985,856ユーロ、2010年に437,200ユーロ、2011年に1,407,040ユーロと高額である(甲第29号証)。 ウ 申立人は、「Killah」の商標について、シンガポール、フィリピン、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、国際登録において、21件の有効な商標登録又は商標登録出願を所有しており(甲第30号証)、これにより、「Killah」の商標が世界的に広く保護され又は保護されるべき商標であることがわかる。 エ シックスティ社又はそのグループ企業は、「Killah」の商標について、パナマ、ベネズエラ、アルバ、キュラソー、サンマルタン、BES諸島、ベネルクス、欧州共同体、南アフリカ共和国、タイ、マレーシア、中国、大韓民国、香港、国際登録において、35件の有効な商標登録又は商標登録出願を所有しており(甲第31号証)、これにより、「Killah」の商標が世界的に広く保護され、又は保護されるべき商標であることがわかる。 オ 「Killah」ブランドについては、世界各国で多くの広告宣伝活動が行われており,有名な雑誌にも多数の広告が掲載されている(甲第32号証ないし甲第47号証)。多額の費用をかけて、熱心な広告活動を行っており(甲第48号証ないし甲第50号証)、宣伝広告費用は、2000年18,315,688ユーロから2008年に42,431,859ユーロとピークを迎え、2010年では20,313,458ユーロとなっている(甲第29号証)。 カ 「Killah」ブランドは、日本初上陸となった2011年2月19日のラフォーレ原宿館内におけるオープン前から、日本の多数のファッション関連のウェブサイトで取り上げられており(甲第4号証ないし甲第6号証)、本件商標の登録出願の日前から多数のメディアに注目されていた。また、申立人の香港の現地代理人からの情報によれば、「Killah」の商標を付した製品の日本における年間売上高は、2008年に11,354ユーロ、2009年に1,234ユーロ、2010年に22,026ユーロであり(甲第51号証)、本件商標の登録出願の日前に、既に相当量が日本国内で販売されていた。これは、日本に出店する前から既に海外のファッションの動向に敏感な若い女性を中心とした消費者及び取引者の間で、「Killah」ブランドが各種メディア、宣伝広告物、雑誌等を介して周知となっていたことの証であり、本件商標の登録出願の日前から日本国内に根強いファンがいたことを示す。 キ 以上の事実によれば、「KILLAH」、「KillaH」及び「Killah」の商標は、イタリアのシックスティGの一ブランドとして、少なくとも1998年には、衣料品、アクセサリー、履物類について使用開始され、現在に至るまで継続して使用されているところ、イタリア発祥のファッションブランドとして、日本国内外の一般の取引者、需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されている。全世界的に商標登録を取得し、世界共通ブランドとして使用することで、ファッション業界において、一定の評判を獲得していることが明らかである。以上のことから、引用商標は、申立人の商標として、本件商標の登録出願の日には、既にファッションに関する業界における取引者、需要者の間において、広く認識されていたということができる。また、引用商標が申立人に移転されていることから、前権利者の長年にわたる引用商標の使用により、商標に蓄積された信用は、申立人に引き継がれたものである。 (4)むすび したがって、本件商標は、日本及び諸外国において周知・著名な申立人の商標と類似するものであり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。 第4 当審の判断 申立人は、引用商標1を引用し、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張するとともに、あわせて、引用商標1ないし3の3件の商標(すなわち、引用商標)を引用して、本件商標が同項第15号に該当する旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第51号証(枝番を含む。)を提出している。 そこで、以下、検討する。 1 商標法第4条第1項第11号に該当する旨の主張について 本件商標は、別掲1のとおり、植物の葉及びつる様図形の左右それぞれに「kila」の欧文字を配してなるものと容易に理解されるところ、該図形の左右に配された「kila」の文字は、書体が同じである上、右側に配された「kila」の文字のうち「i」の下部がつる様図形と結合されているから、全体としてまとまりよく一体のものとの印象を抱かせるものである。しかも、本件商標の構成文字全体から生じる称呼「キラキラ」も語呂よく一気に称呼し得ることを考慮すると、本件商標は、全体として一体のものとして把握、認識されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成中の「kilakila」の文字に相応して「キラキラ」の称呼のみが生じ、該文字は、辞書にも採録がなく、一般に親しまれた語とみることはできないから、特定の観念を生じさせないものといえる。 他方、引用商標1は、上記第2(1)のとおり、「KILLAH」の欧文字からなるものであって、その構成文字に相応して、「キラ」又は「キラー」の称呼を生じ、「KILLAH」の欧文字は辞書等に採録されていない語であるから、特定の観念を生じさせないものである。 してみれば、本件商標から「キラ」の称呼が生ずることを前提とした申立人の主張は妥当でなく、本件商標と引用商標1とは、外観及び称呼のいずれにおいても、大きな差異があり、観念においては比較し得ないものであるから、本件商標と引用商標1とは、相紛れるおそれがない非類似の商標ということができる。 したがって、本件商標は、引用商標1と類似する商標ではないから、商標法第4条第1項第11号に該当するということができないものである。 2 商標法第4条第1項第15号に該当する旨の主張ついて (1)引用商標の周知・著名性 申立人は、引用商標が申立人の商標として、本件商標の登録出願の日には、既に取引者、需要者に広く認識されていた旨主張しているところ、商標法第4条第1項第15号に該当するというためには、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていなければならない。 しかし、申立人の主張によれば、引用商標に係る商品が日本に初めて上陸したのは、2011年2月で、本件商標の登録出願時を基準にすると、わずか1年前のことである。そして、申立人が引用商標の周知・著名性を立証するために提出した、広告宣伝に関する証拠(甲第32号証ないし甲第47号証)は、いずれも外国の雑誌に掲載された広告の写しであり、我が国における広告は、インターネット情報の数点(甲第4号証ないし甲第11号証)にとどまるものである。しかも、申立人提出の甲第7号証には、「キラ(KILLAH)」について「2011年2月に初上陸しラフォーレ原宿に最初のショップをオープンするが、同年7月には店舗を閉店。日本から事実上撤退した。」との記載があり、甲第18号証のシックスティGの世界中の拠点を紹介するウェブサイトの写しにも、日本を拠点とする旨の記載はなく、加えて、甲第19号証ないし甲第28号証のインボイスの写しも、外国のものであり、日本のものは含まれていない。また、引用商標を付した商品の売上げや広告宣伝については、世界中の金額を甲第29号証で示してはいるが、日本における売上げや広告宣伝については、香港の代理人情報として年間売上高が示される(甲第51号証)にとどまっており、その売上高も、最新の2010年で約22000ユーロ(審決注:1ユーロを140円で換算しても308万円)にとどまるものである。 引用商標は、以上のとおりであるから、申立人提出の甲号証をもっては、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されているということができないものであり、その他、職権をもって調査しても、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されているというべき事情を見出すこともできない。 (2)本件商標と引用商標の対比 本件商標は、別掲1のとおりの構成からなり、全体として一体のものとして把握、認識されるものであること上記1のとおりであって、その構成文字に相応して「キラキラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせないものといえる。 他方、引用商標については、上記第2のとおりの構成からなるところ、引用商標1及び2は「KILLAH」の欧文字からなるものであり、また、引用商標3は「KillaH」の欧文字を顕著に含んでなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、「キラ」又は「キラー」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせないものといえる。 そうすると、本件商標から「キラ」の称呼が生ずることを前提とした申立人の主張は妥当でなく、本件商標と引用商標には、外観及び称呼のいずれにおいても、大きな差異があり、観念においては比較し得ないものであるから、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれがない商標ということができる。 (3)まとめ 以上のとおり、引用商標が我が国の取引者、需要者の間において広く認識されているとはいえないばかりでなく、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼のいずれにおいても、大きな差異があり、観念においては、比較し得ないものであって、相紛れるおそれがない商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということができないものである。 3 むすび 本件商標は、以上のとおり、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではなく、そのほかに、その登録を取り消さなければならない理由を見出すこともできないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 別掲2 引用商標3 |
異議決定日 | 2014-06-03 |
出願番号 | 商願2012-63761(T2012-63761) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W25)
T 1 651・ 261- Y (W25) T 1 651・ 263- Y (W25) T 1 651・ 262- Y (W25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 浜岸 愛、藤村 浩二 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
守屋 友宏 土井 敬子 |
登録日 | 2013-09-13 |
登録番号 | 商標登録第5614262号(T5614262) |
権利者 | 株式会社新井商店 |
商標の称呼 | キラキラ、キラ |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 恩田 博宣 |