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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 018 |
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管理番号 | 1288756 |
審判番号 | 取消2013-300749 |
総通号数 | 175 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-07-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2013-09-03 |
確定日 | 2014-06-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4252182号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4252182号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4252182号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成8年11月27日に登録出願,第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,愛玩動物用被服類」を指定商品として,平成11年3月19日に設定登録され,その後,同20年12月2日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 なお,本件の審判請求の登録は,平成25年9月25日である。 2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求めると申し立て,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。 (1)請求の理由 本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 (2)答弁に対する弁駁 ア 本件商標と使用に係る商標の同一性について 本件商標は,帽子を目深にかぶったやや横向きの人物を漫画風に表してなる図形と,図案化された「Peter Storm」の欧文字とを結合した商標である。 しかし,乙第1号証及び乙第2号証に添付された計5点の写真において,バッグに使用されている商標は,いずれも「Peter Storm」(以下「使用商標」という。)の文字部分のみであり,図形部分の使用は確認できない。 本件商標と使用商標は,図形部分の有無という点で明らかな構成態様上の差異を有する別異の商標であり,商取引の社会通念上同一と認められる範囲を逸脱したものというべきである。 したがって,乙第1号証及び乙第2号証によっては,商標権者が本件商標と同一の商標を使用したことは証明されない。 イ 本件商標の使用時期について 乙第1号証は,使用商標を付したバッグの写真及びその撮影者,撮影日,撮影場所等を記載した証明書であるところ,当該証明書によれば,写真は,平成25年10月2日に撮影されたものである。しかし,本件審判の請求日は平成25年9月3日であるから,乙第1号証は,本件審判の請求前3年以内(以下「要証期間」という。)の本件商標の使用を証明するものではない。 また,乙第2号証は,平成23年4月ころに商標権者より使用商標を付したバッグの引き渡しを受けたという第三者の証明書と,当該バッグを写した写真であるが,これらは,要証期間における本件商標の使用の事実をなんら客観的に証明するものではない。 被請求人主張のように,商標権者が使用商標を付したバッグについて現実に取引があったとすれば,それに関する何らかの取引書類(納品書の控え,請求書や物品受領書,領収書等)が存在しているはずである。被請求人は,これらの取引書類を提出することなく,単に本件審判の請求後に作成された証明書と商品の写真のみをもって現実の取引があったと主張しているのであり,全く信憑性に欠けるというほかない。 したがって,乙第1号証及び乙第2号証は,いずれも要証期間に本件商標がその指定商品について使用されたという事実を示すものではない。 3 被請求人の主張 被請求人は,「本件審判の請求は成り立たない。」との審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証及び乙第2号証並びに証人尋問申立書を提出した。 (1)使用の事実 ア 乙第1号証は,使用商標を付したバッグの確定日付の付いた写真である。これより,現時点で使用商標を付したバッグが実在することが明らかである。 イ 乙第2号証は,喜田村商店代表の喜田村彰の証明書である。これにより,平成23年4月ころに商標権者が使用商標を付したバッグを喜田村商店に引き渡したことが明らかである。 ウ 以上により,使用商標を付したバッグが,要証期間に,商標権者によって商標法第2条第3項第2号の使用行為が行われたことが明らかである。 なお,被請求人は,上記喜田村彰を証人として,同人が平成23年4月ころに乙第2号証に示すバッグの引き渡しを受けたか否かについて尋問をすることを申し立てる。 (2)むすび したがって,本件商標は,要証期間に使用されたことが証明できたものと確信する。 4 当審の判断 (1)被請求人は,乙第1号証及び乙第2号証を提出しているが,提出された証拠によっては,以下のア及びイの理由により,商標権者が本件商標を本件指定商品に含まれる「肩掛けかばん」について使用しているものとはいえない。 ア 使用商標について 商標法第50条に規定する商標登録の取消審判における「登録商標」には,いわゆる「社会通念上同一の商標」を含むものであり,「その社会通念上同一の商標」と認められるものは,例えば,「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標」などである(商標法第50条第1項参照)。 乙第1号証は,平成25年10月2日付けの商標権者の代表取締役である滝口敏雄による証明書であるところ,当該証明書は,別添の写真が,同人が平成25年10月2日に,東京都中央区新川一丁目3番4号PAビル6Fにおいて撮影した「バッグ ピーターストーム デジョユプール事業部販促品」であることを証明するものである。 そして,別添の写真は,2種類の色違いの肩掛けかばんの写真4葉であるところ,これら肩掛けかばんのかぶせ部分に表示された2つの商標のうち,下段部分には,楕円形の皮革様の生地内に,使用商標が表示されている。 しかしながら,本件商標は,別掲のとおり,帽子をかぶり,手を開いた状態の左腕を文字方向に伸ばし,その文字部分を他人に見せるようなしぐさで,やや左向きに立っている人物図形と,筆記体風の太字をもって「Peter Storm」と横書きされた文字との結合商標である。 これに対し,使用商標は,本件商標中の「Peter Storm」の文字と同一の文字からなるものであって,本件商標中にある人物図形部分が存在しないものであるから,本件商標と社会通念上同一ということができない。 イ 商標の使用の事実について 乙第2号証は,平成25年11月8日付けの喜田村商店(東京都江東区新大橋1-5-4-205所在)の代表者である喜田村彰による証明書であり,当該証明書は,これに添付した写真のバッグを,平成23年4月ころに販促品として,商標権者のプール事業部から引き渡されたことを証明するものである。 そして,添付の写真(1葉)には,乙第1号証に添付された写真に示す肩掛けかばんのうちの一つと,同一の商品と認められる使用商標が付された肩掛けかばんが写されている。 しかしながら,該証明書は,使用商標が付された肩掛けかばんが,要証期間に,商標権者から喜田村商店に販促品として引き渡された旨を示すにすぎず,かかる事実を客観的に裏付ける取引書類(納品書,物品受領書,請求書,領収書等)の提出はない。 そうすると,被請求人が提出した証拠からは,要証期間に,日本国内において,商標権者が,使用商標を付した肩掛けかばんについて,「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し・・・する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当する本件商標の「使用」があったものと推認することができない。 なお,被請求人は,喜田村彰を証人とする証人尋問申立書を答弁書と同時に提出したが,平成26年3月4日付けの上申書をもって,登録商標の使用の事実を明らかにする証拠がないことを理由に,書面審理を求めたことから,上記証人尋問は行わないこととした。 (2)むすび 以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものと,認めることができない。 また,被請求人は,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (本件商標) |
審理終結日 | 2014-04-04 |
結審通知日 | 2014-04-09 |
審決日 | 2014-04-24 |
出願番号 | 商願平8-132890 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(018)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 加園 英明、寺光 幸子 |
特許庁審判長 |
寺光 幸子 |
特許庁審判官 |
手塚 義明 田中 亨子 |
登録日 | 1999-03-19 |
登録番号 | 商標登録第4252182号(T4252182) |
商標の称呼 | ピーターストーム |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 小山 有 |