• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900196 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W41
審判 一部申立て  登録を維持 W41
審判 一部申立て  登録を維持 W41
審判 一部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1287685 
異議申立番号 異議2013-900241 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-07-26 
確定日 2014-05-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5575054号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5575054号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5575054号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第41類「アニメーション映像・ゲームの提供を内容とする娯楽施設の提供及びその他の娯楽施設の提供,アニメーション映像・ゲームの提供を内容とする娯楽施設の提供及びその他の娯楽施設の提供に関する情報の提供,キャラクターショーの企画・運営又は開催,キャラクターショーの企画・運営又は開催に関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)に関する情報の提供」のほか第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし、平成24年8月30日に登録出願され、同25年3月7日に登録査定され、同年4月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その指定役務中、第41類に属する指定役務についての登録は取り消されるべきであるとして、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証並びに資料1ないし資料16を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する国際登録第864925号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2005年7月7日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年(平成17年)9月14日に国際商標登録出願、第41類「Discotheque services, performance and production of shows and parties.」を指定役務として、平成19年3月13日に登録査定、同年5月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)具体的理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、片仮名で書された「スペース」と「ダンディ」の文字が白抜き星形の図形を間に挟むことにより分断されるととらえられるので、片仮名部分を一体にとらえた「スペースダンディ」の称呼のほか、「スペース」及び「ダンディ」のそれぞれの称呼をも生じ得る。
そして、本件商標からは、「スペース」の称呼をもって取引に資される場合も多く、該部分からは、「空間、宇宙、場所」等の観念を生じる。
一方、引用商標からは、商標の要部とみられる「space」の欧文字部分より「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」等の観念を生じる。
したがって、本件商標と引用商標は、「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」の観念を共通にするため、互いに相紛れるおそれがある類似の商標である。
また、本件商標の指定役務中、第41類「アニメーション映像・ゲームの提供を内容とする娯楽施設の提供及びその他の娯楽施設の提供」及びこれらに関する情報の提供は、その語句どおり、娯楽施設を提供するものであって、引用商標の指定役務中、「Discotheque services(ディスコの提供)」と類似する役務であり、「キャラクターショーの企画・運営又は開催」及びこれらに関する情報の提供、「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及びこれらに関する情報の提供は、その語句どおりの興行を提供するものであって、引用商標の指定役務中、「performance and production of shows and parties(ショー及びパーティの開催及び制作)」と類似する役務である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
イ 商標法第4条第1項第15号について
(ア)引用商標の著名性について
申立人は、スペインのイビサ島で人気を博するダンスクラブ「space」を1989年より経営し、該ダンスクラブは、「スペース」と称され世界で最も著名なクラブとして知られている。2010年には、世界のベストクラブに選ばれ、2011年には、英国の高名なクラブ雑誌「DJ MAG」で、世界のトップ100中、第1位に輝くなど、クラブ史上最も多くの賞を獲得してきた(資料1)。そして、毎年5月から10月のシーズン中には、世界中から60万人以上が該ダンスクラブを訪れる。
申立人は、該ダンスクラブ名に化体した名声を守るべく、世界中でパーティーと称したイベントを開催し、上質な音楽や映像を通して最高峰のエンターテイメントを提供し、世界のクラブシーンにおいては、今や欠かすことのできない地位を確立し、申立人のクラブ「space」でのステージにおいて、映像や音、光を使った多様なショーが催されている(資料3)。
申立人は、2009年に86カ所、2010年に108カ所及び2011年11月までに111カ所のイビサ島以外の世界各所で定期的にイベントを開催しており、その開催地には、日本も含まれており(資料4)、このイベントは、一回につき、イベント会場の収容人数の96%程度である平均2,500人を動員し、集客力の高さがうかがえる。
日本で開催されたイベントは、2011年1月7日に東京都渋谷区で開催されたツアーの模様が掲載されたウェブサイト(資料5)、同じく同年3月24日に開催されたイベントのちらし(資料6)、その他の日本でのイベントを紹介する記事(資料7ないし資料12)がある。
また、申立人は、イビサ島のスポーツ・若者の育成に貢献すべくフットボール、バスケットボール、セーリング、サイクリング、マラソンなどの各種スポーツチームのスポンサーをしており、NGO団体と協力して、病院の設置活動、日本の震災やインドの児童養護施設へ資金援助を積極的に行っている(資料13)。
インターネット上でも、申立人に関する情報は数多く検出され、検索エンジン「グーグル」によれば、「スペースイビサ」の条件で検出した結果の上位50件中31件が、申立人のダンスクラブに関する記事である(資料14)。
以上のように、「space」は、申立人のダンスクラブを通じて提供する娯楽関連業務を示す商標として、少なくともショービジネスなど娯楽関連ビジネスの需要者及び取引者の間で広く知られている。
また、「space」の周知性に加え、申立人は、本件商標の登録出願日前には、クラブ業のかたわら、世界各国でイベントなどを主催していたことなどから、引用商標の要部と認められる「space」は、本件商標の登録出願日前には、その指定役務にかかる業界及びこれに関連する業界において、よく知られていたというべきであり、その知名度は、本件商標の登録査定時まで継続していたと認められる。
(イ)出所の混同について
申立人は、上述のとおり、世界的に一世を風びしたダンスクラブであって、娯楽関連事業の分野において一定の名声を獲得している。
一方、本件商標の指定役務は、第41類の娯楽施設の提供であり、申立人が係わる娯楽関連事業分野と一致するから、前記アのとおり、引用商標と類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、需要者が申立人の業務に係る役務と混同するおそれがある。また、本件商標権者の提供する娯楽施設の提供は、画像や音楽等からなるアニメーションを上映して観客を楽しませる娯楽施設の提供であって、同様に映像・音楽等を通して娯楽施設を提供する申立人の役務とは、共通性が多く、需要者にとっては、申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の密接な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る役務等であると誤信されるおそれがある。
よって、本件商標と引用商標が相当程度類似しており、引用商標の著名性、役務の類似性及び関連性、取引者及び需要者の共通性に照らし、総合的に判断すれば、本件商標と引用商標の間に「混同を生ずるおそれ」があることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「スペース」及び「ダンディ」の片仮名の間に白抜き星形の図形を配した構成からなるところ、その構成中、星形の図形の前後の片仮名2語は、ともに成語として我が国において親しまれた語といえるものであって、その構成中、「スペース」及び「ダンディ」の片仮名は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、星形の図形を含めた全体をみても軽重の差がなく、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、かかる構成においては、親しまれた片仮名2語「スペース」及び「ダンディ」に着目し、これに相応して、「スペースダンディ」の称呼のみを生じるといえ、「スペース」又は「ダンディ」のみを着目することはないというべきである。
そして、両片仮名を結合してなる「スペースダンディ」の語は、辞書等に載録が認められない一種の造語を表したものと認識されるとみるのが相当であるから、特定の観念を生じないものというべきである。
一方、引用商標は、前記2(1)のとおり、着色された図形と大きく中央に「space」の欧文字及び前記文字の下線で区切られた左下に「DANCE」の欧文字を小さく書してなるものであるところ、これらが常に一体不可分のものとしてのみ把握されるとみるべき特段の事情は見いだせなく、その構成中、「space」の欧文字が中央に大きく表されていること及び該欧文字が広く一般に知られている語といえることなどからすれば、該文字に着目して取引に資される場合が少なくなく、該文字に相応して「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」等の観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否についてみると、本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、その外観は、判然と区別し得るものといえる。
また、本件商標から生じる「スペースダンディ」の称呼と引用商標から生じる「スペース」の称呼とは、構成音数若しくは音構成において「ダンディ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼上、明確に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは「空間、宇宙、場所」等の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念において類似するとはいえない。
そして、本件商標の指定役務中、少なくとも第41類「アニメーション映像・ゲームの提供を内容とする娯楽施設の提供及びその他の娯楽施設の提供,アニメーション映像・ゲームの提供を内容とする娯楽施設の提供及びその他の娯楽施設の提供に関する情報の提供」には、引用商標の指定役務中、「Discotheque services」が包含されているといい得るものである。
以上からすると、本件商標の指定役務において、引用商標の指定役務に類似する役務が包含されているとしても、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性
申立人の提出した資料1ないし資料13によれば、引用商標の要部である「space」の文字部分を有し、その下部に「IBIZA」の文字を小さく書した標章が付された英文のパンフレット等(資料1ないし資料6及び資料11ないし資料13)、申立人のイベント開催情報及びチラシ(資料7ないし資料10)に、「SPACE IBIZA」又は「Space Ibiza」の記載、Google検索結果(2013年10月25日紙出力:資料14)に、最上段に「Space『スペース』7つのフロアそれぞれがジャンルレス・・・」の見出し、三段目に「SPACE IBIZA『スペース イビザ』-スペイン・・・」の見出しなどが認められる。
以上からすると、申立人のダンスクラブは、「SPACE IBIZA」又は「スペース イビザ」と称されているといえるものの、上記証拠をもって、我が国において引用商標が申立人の業務に係るダンスクラブを表すものとして広く知られているとはいい難い。
また、職権をもって調査しても、引用商標が著名であることを裏付ける証拠は見いだせない。
イ 出所の混同
前記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これを申立てに係る指定役務について使用した場合、該役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定役務中、第41類に属する指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)


(色彩については原本参照。)

異議決定日 2014-05-01 
出願番号 商願2012-70085(T2012-70085) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W41)
T 1 652・ 271- Y (W41)
T 1 652・ 261- Y (W41)
T 1 652・ 262- Y (W41)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
根岸 克弘
登録日 2013-04-19 
登録番号 商標登録第5575054号(T5575054) 
権利者 株式会社ボンズ
商標の称呼 スペースダンディ 
代理人 勝見 元博 
代理人 森脇 靖子 
代理人 鮫島 睦 
代理人 田中 光雄 
代理人 寺田 花子 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ