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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20142920 審決 商標
異議2013900281 審決 商標
不服201318783 審決 商標
異議2013900294 審決 商標
不服20139372 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0628
審判 全部申立て  登録を維持 W0628
審判 全部申立て  登録を維持 W0628
審判 全部申立て  登録を維持 W0628
審判 全部申立て  登録を維持 W0628
管理番号 1287679 
異議申立番号 異議2013-900280 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-08-19 
確定日 2014-05-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5584565号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5584565号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5584565号商標(以下「本件商標」という。)は、「和泉守兼定」の文字を書してなり、平成24年8月30日に登録出願、第6類「刀剣を模した金属製置物」及び第28類「おもちゃの刀」を指定商品として、同25年5月1日に登録査定、同年5月24日に設定登録されているものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5510009号商標(以下「引用商標」という。)は、「和泉守兼定」の文字を標準文字で表してなり、平成22年2月8日に登録出願、第8類「刀,模造刀剣」を指定商品として、同24年7月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、模造刀の「和泉守兼定」の漢字を区分の変更方法で表示したに過ぎず、引用商標とは、共に「和泉守兼定」の称呼、観念を共通にする類似の商標である。
また、指定商品中「刀剣を模した金属製置物」及び「おもちゃの刀」は、刀身が金属で作られ、刀身を納める鞘と刀身を持つ柄で出来ている商品で、いわゆる、白鞘拵や打刀拵又は太刀拵の商品で,刀を模した模造刀商品である。
よって、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として登録されたものであり、これと同種類の本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、上記のとおり、その書体は異なるものの、いずれも「和泉守兼定」の文字からなるものである。そして、「和泉守兼定」の文字は、刀を製作した刀工の名前であり(京王電鉄株式会社が運営する沿線紹介のインターネットホームページよりhttp://www.keio.co.jp/gallery/poster/roman/01/index.html)、当該文字よりは、刀工としての「和泉守兼定」の観念を生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、ともに、刀工としての「和泉守兼定」の観念を生じ、また、「和泉守兼定」の文字に相応して、「イズミノカミカネサダ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観においては、ともに「和泉守兼定」の漢字をよりなるものであるから、両者は、外観上同一又は類似するものであって、称呼においては、「イズミノカミカネサダ」の称呼を同一にし、観念においても刀工としての「和泉守兼定」の観念を同一にするものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観において同一又は類似し、称呼及び観念を共通にする、互いに相紛れるおそれのある類似の商標と認められる。
イ 指定商品の類否について
商品の類否については、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるかどうかを判断すべきであり、一般的に、商品の製造又は販売が同一事業者によって行われているかどうか、商品の用途が一致するかどうか、商品の販売場所が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうかなどの事情を総合的に考慮するものというのが相当である。
そこで、「摸造刀剣」と、「刀剣を模した金属製置物」及び「おもちゃの刀」とが、類似する商品であるか否かについて、以下判断する。
(ア)引用商標の指定商品である「模造刀剣」は、その刀身は,金属で作られ、かつ、刀に著しく近似する形態を有する商品といえるものであり、また、「銃砲刀剣類所持等取締法 第二十2条の4 (模造刀剣類の携帯の禁止)」において、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない。」と規定されていることからも、「模造刀剣」の製造、取引、所持及び使用方法等については、刀剣と同様に十分な注意を要するものであり、法律上の規制を受ける商品といえるものである。
よって、模造刀剣の販売を行なう者は、主に刀剣を扱う専門の製造者、販売者に限られるものである。
(イ)本件商標の指定商品である「刀剣を模した金属製置物」は、刀剣の形状を模しているものの、室内装飾品の一つである「金属製の置物」として広く一般に販売される商品であり、「おもちゃの刀」は、単に「刀」の形状をしたおもちゃであって、子供をはじめ幅広い年齢層の者を需要者として広く一般に販売される商品である。
(ウ)そうすると、「模造刀剣」と、「刀剣を模した金属製置物」及び「おもちゃの刀」とは、その製造、販売、品質及び需要者等の範囲を異にする非類似の商品とみるのが相当である。
ウ 申立人の主張について
申立人は、「刀剣を模した金属製置物」及び「おもちゃの刀」は、刀身が金属で作られ、刀身を納める鞘と刀身を持つ柄でできている商品で、いわゆる、白鞘拵や打刀拵又は太刀拵の商品で、刀を模した模造刀商品である旨主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、「刀剣を模した金属製置物」及び「おもちゃの刀」が、刀身を納める鞘と刀身を持つ柄でできている商品としての形状が共通する場合があるとしても、これらの商品は,広く一般に販売されるものであって、専門に刀剣類を扱う製造者等に限られる「模造刀剣」とは、その製造、販売、品質及び需要者等の範囲を異にする非類似の商品というのが相当である。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、実際に使用している商標並びに商品、商標の使用開始時期、使用地域、譲渡の数量又は売上高、店舗数、広告宣伝の方法、回数及び内容など、引用商標の使用状況について、具体的な証拠を何ら提出していないものである。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時に、取引者、需要者の間に広く知られているものと認めることはできない。
してみれば、本件商標と引用商標が類似するものであるとしても、引用商標は、申立人の業務にかかる商標として広く知られているものということができず、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、商品の製造、販売及び品質等を異にする非類似の商品であって、需要者の共通性も認められないものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者において、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当しないものであるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-05-01 
出願番号 商願2012-74000(T2012-74000) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W0628)
T 1 651・ 271- Y (W0628)
T 1 651・ 261- Y (W0628)
T 1 651・ 263- Y (W0628)
T 1 651・ 264- Y (W0628)
最終処分 維持  
前審関与審査官 下山 月菜矢澤 一幸水落 洋 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 今田 三男
田中 亨子
登録日 2013-05-24 
登録番号 商標登録第5584565号(T5584565) 
権利者 株式会社瀬戸金型刃物工業
商標の称呼 イズミノカミカネサダ、カネサダ、イズミノカミ 
代理人 寺田 雅弘 

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