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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20132888 審決 商標
異議2013900225 審決 商標
不服201317721 審決 商標
異議2013900226 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W2930
管理番号 1286702 
異議申立番号 異議2013-900227 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-07-10 
確定日 2014-03-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5572532号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5572532号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5572532号商標(以下「本件商標」という。)は,「やわらか洋食」の文字を標準文字により表してなり,平成24年11月22日に登録出願,第29類「乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,すりつぶしてムース状とした肉製品,すりつぶしてムース状とした魚の煮つけ,すりつぶしてムース状又はゼリー状とした野菜及び果実」及び第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,レトルトパウチされた調理済みスパゲッティ,フリーズドライ製法で乾燥させた調理済み米飯及び麺類」を指定商品として,平成25年3月19日に登録査定,同年4月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(「塚本真司(以下「申立人1」という。)」及び「キューピー株式会社(以下「申立人2」という)」)は,いずれも,本件商標は,商標法第3条第1項第3号もしくは第6号,及び商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録を取り消されるべきものであると申立て,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第34号証又は甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。

3 本件商標に対する取消理由(要旨)
商標権者に対して,平成25年11月15日付けで通知した本件商標の取消理由(要旨)は,次のとおりである。
(1)登録異議申立人らの提出に係る証拠及び職権による調査によれば,以下の事実が認められる(注:異議申立1の甲1を「甲1(A)」と,異議申立2の甲1を「甲1(B)」と表し,以下,各号証を順次同様に表記する。)
ア 「やわらか」は,「ふっくらとして堅くないさま」を意味する語として広く親しまれた語である(甲1の1ないし3(B))。
そして,近時,食品の業界において,介護用食品に止まらず,「やわらか食」(甲5(A),甲3の2ないし13(B)ほか)をはじめ,「やわらかお肉料理」(甲3(A)及び甲4(A)),「やわらかお魚料理」「やわらか鶏そぼろ」(甲4(A)),「やわらかハンバーグ弁当」(甲11(A)),「やわらかショコラ」(甲14(A)),「やわらかぶどうぱん」(甲15(A)),「やわらかビーフカレー」(甲6の1(B)),「やわらかチキンカレー」(甲6の2(B)),「やわらかハンバーグ」(甲6の3(B)),「やわらかソテー」(甲6の4(B)),「やわらかチキンカツ」(甲6の5(B)),「やわらかミートソーススパゲッティ」(甲6の6(B))など,「やわらか○○」と表示して,やわらかな食感を実現した各種の食品が製造・販売されていることが認められる。
また,これらのやわらかな食感を実現した食品には,「酵素を使い,形状を維持したまま食材を加工する技術を採用」(甲3の6(B)),「やわらか食材の宅配弁当」(甲3の4の1(B)),「柔らか素材」(甲5の8(B))などのように,料理を仕上げるための食材(商品)も含まれる。
イ 「洋食」は,「西洋風の料理や食事。西洋料理。」を意味する語として広く親しまれた語である(甲4の1ないし7(B))。
そして,「洋食弁当」(甲18(A)及び甲20(A)),「『やわらかおかずクリームシチュー』・・・洋食の要望に応える商品が加わりました。」(甲21(A)),「鮭のクリームソース煮」(甲3の13(B)),「鶏だんごのトマトクリーム煮」(甲5の10の1(B))などの洋風の商品が現に販売され,さらに,「本格洋食メニューが誰でもおいしくすぐできる!“洋食屋さんのこだわりソース”シリーズから『煮込みハンバーグソース』」(甲19(A))などといった「洋食」を仕上げるための商品や当該料理の範ちゅうに属する商品が販売されていることが認められる。
ウ 洋食には,「オムレツ」,「オムライス」,「カレーライス」,「コロッケ」,「カツ」,「フライ」,「ステーキ」,「ハンバーグ」,「ピラフ」,「ソテー」,「ムニエル」,「スパゲッティ」,「シチュー」,「ロールキャベツ」,「グラタン」などの様々なメニューがあり(甲4の6(B)),その食材も多岐に亘るものといえるところ,以下の例示のように,本来,洋食の食材とはいえないようなものが食材として使用され「洋風○○」と表示し商品として販売されたり,洋食とはいえないような料理がその料理法により「洋風○○」と表示し,商品として販売されたり,インターネットなどにおいて料理のレシピとして紹介されている実情がある。
(例)「洋風蒸し寿司」(http://cookpad.com/recipe/2385904),「洋風こんにゃくラーメン」(http://cookpad.com/recipe/1807990),「洋風豚の角煮」(http://cookpad.com/recipe/2388294),「洋風肉じゃが」(http://recipe.gnavi.co.jp/recipe/6188.html),「洋風納豆パスタ」(http://cookpad.com/recipe/2238277),「洋風漬物」(http://cookpad.com/recipe/2397075),「厚揚げとこんにゃくの洋風煮物」(http://cookpad.com/recipe/1195085),「洋風お鍋」(http://cookpad.com/recipe/2388324)
(2)本件商標は,前記(1)の認定事実を踏まえ,以下のとおり判断すべきものである。
本件商標は,「やわらか洋食」の文字からなるところ,これは,「やわらか」と「洋食」の文字の語義から,「やわらかな食感の西洋風の料理や食事。やわらかな食感の西洋料理」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして,「やわらか」,「洋食又は洋風」の文字及びこれらの文字を表示した商品の食品業界における使用状況並びに洋食及びその範ちゅうに属する商品(いわゆる「洋風の商品」)に用いられる食材の実情などを考慮すれば,本件商標は,これをその指定商品に使用した場合,これに接する需要者が「やわらかな食感の西洋料理又は洋風の商品」あるいは,「やわらかな食感の西洋料理又は洋風の商品を仕上げるための商品」であることを認識するに止まるものであり,その商品の品質,原材料又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と言わざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

4 取消理由に対する商標権者の意見
本件商標は,形容動詞「やわらか」と名詞「洋食」を結合してなるが,この2語を結合した場合,「洋食」が名詞であるから,「やわらか」は連体形に活用して「やわらかな」となり,「やわらかな洋食」とするのが日本語としての正確な表記態様である。すなわち,「やわらかな洋食」こそが本件商標の指定商品の分野において,使用を開放すべく独占適応性がなく,自他商品識別力がない表記なのであって,「やわらか洋食」ではない。
次に,取消理由では,「やわらか」又は「洋食」の語が含まれた使用例が示されているが,「やわらか洋食」の使用例は一切示されておらず,本件商標が商標法第3条第1項第3号にいう「普通に用いられて」いる事実は確認できない。このことは,本件商標に独占適応性があることの証左に他ならない。
また,本件商標は,記述のとおり一般的な表記態様ではなく,日本語として特殊な表記態様であることからすれば,係る表記は「間接表示」に該当し,特許庁商標審査基準において,同規定に該当しないと明記されているものである。

5 当審の判断
(1)本件商標は,「ふっくらとして堅くないさま」を意味する語として広く親しまれた語である「やわらか」(甲1の1ないし3(B))の文字と「西洋風の料理や食事。西洋料理。」を意味する語として広く親しまれた語である「洋食」(甲4の1ないし7(B))の文字を結合したものであるから,その「やわらか」と「洋食」の文字の語義から,「やわらかな食感の西洋風の料理や食事。やわらかな食感の西洋料理」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして,前記3の(1)アからウの「やわらか」,「洋食又は洋風」の文字及びこれらの文字を表示した商品の食品業界における使用状況並びに洋食及びその範ちゅうに属する商品(いわゆる「洋風の商品」)に用いられる食材の実情などを考慮すれば,本件商標は,これをその指定商品に使用した場合,これに接する需要者が「やわらかな食感の西洋料理又は洋風の商品」あるいは,「やわらかな食感の西洋料理又は洋風の商品を仕上げるための商品」であることを認識するに止まるものであり,その商品の品質,原材料又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と言わざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標権者の意見について
商標権者は,「やわらか」は形容動詞であるから,これと名詞(洋食)が結合した場合には,「やわらかな洋食」とするのが日本語としての正確な表記態様であり,「やわらか洋食」の使用例は一切ないとして,「やわらか洋食」は,独占適応性も自他商品識別力も有するものである旨主張する。
しかしながら,前記のとおり,「やわらか」は「ふっくらとして堅くないさま」を意味する語として広く親しまれた語である上に,前記3の(1)アのとおり,「やわらか」が「名詞」と結合し,「やわらか○○」と普通に使用されていることからすれば,「やわらか洋食」に接する需要者は,これを「やわらかな洋食」と同義の語の認識するものとみるのが自然である。
また,「やわらか洋食」と同一の表示が使用されている事実が存在しないとしても,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(「東京高裁 平成12年(行ケ)第76号」参照)。
したがって,商標権者の主張は,いずれも妥当なものとはいえず,取消理由通知を覆すに足りるものではない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-02-12 
出願番号 商願2012-95030(T2012-95030) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W2930)
最終処分 取消 
前審関与審査官 石井 亮齋藤 貴博 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
前山 るり子
登録日 2013-04-05 
登録番号 商標登録第5572532号(T5572532) 
権利者 株式会社マルハニチロ食品
商標の称呼 ヤワラカヨーショク 
代理人 河野 生吾 
代理人 細井 貞行 
代理人 山内 博明 
代理人 河野 誠 
代理人 山田 武史 
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