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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900308 審決 商標
異議2013900278 審決 商標
異議2013900334 審決 商標
異議2013900319 審決 商標
異議2013900136 審決 商標

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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1286689 
異議申立番号 異議2013-900307 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-09-09 
確定日 2014-04-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5588951号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5588951号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5588951号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴルフカートアド」の片仮名を標準文字により表してなり、平成24年12月20日に登録出願、第12類「自動車,二輪自動車,自転車,手押し車,手引き車,ゴルフ用カート」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同25年5月10日に登録査定、同年6月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりである。
(1)申立人が商品「自動車」について使用する「Golf」の欧文字からなる商標(以下「引用商標1」という。)。
(2)申立人が商品「自動車」について使用する「ゴルフ」の片仮名からなる商標(以下「引用商標2」という。)。
(3)登録第1231859号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Golf」の欧文字を横書きしてなり、1973年5月29日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、昭和48年11月29日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年11月4日に設定登録されたものである。その後、上記指定商品は、平成19年4月4日に、指定商品の書換登録がされた結果、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴム貼り付け片」となり、現に有効に存続しているものである。

3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第12類「全指定商品」についての商標登録を取り消すべきであるとして、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
引用商標1及び2は、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として、本件商標の登録出願前に広く認識され周知著名となっていること、申立人は、自動車の製造・販売のみならず、自転車、アウトドア用品、ゴルフ用品、衣類等の商品をも製造・販売しており、その事業は広範囲にわたっていること、申立人は、引用商標1及び2のみならず、「ゴルフカブリオ」、「ゴルフワゴン」、「ゴルフトゥーラン」等の「ゴルフ」を冠した商標も使用していること、本件商標の構成中の「カート」の文字は、「荷物を運ぶ手押し車。運搬車。ゴーカートに同じ。」など自動車と少なからず関係のある商品を認識させること等から、本件商標に接する取引者・需要者は、申立人の周知著名な引用商標1及び2を連想又は想起し、本件商標に係る商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると捉えるから、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の取扱いに係る商品「自動車」を表す商標として、本件商標の登録出願前に周知著名となっていた引用商標1及び2と類似し、その指定商品も、引用商標1及び2の使用に係る商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標3と商標において類似し、その指定商品も引用商標3の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成中の「ゴルフカート」の文字が、「ゴルフ場で、ゴルフ道具を運ぶのに使う手押し車。また、ゴルファーと持ち物とを運ぶ自動車。」を認識させるものであるから、指定商品中の「ゴルフ用カート」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務のうち、第12類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第15号、同第10号、同第11号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標1及び2の著名性並びに申立人に係る商品について
(ア)申立人の提出に係る甲第2号証ないし甲第9号証、甲第12号証及び甲第14号証によれば、申立人の製造・販売に係る自動車の主力車種である「Golf(ゴルフ)」は、1974年に生産が開始され、2013年には累計の生産台数が3,000万台に達したこと、日本では、1975年2月に輸入販売が開始されて以来、現在まで継続して販売され、外国メーカー車モデル別新車販売台数が25年連続第1位であること、申立人の子会社「フォルクス ワーゲン グループジャパン株式会社」が全国的に展開するディーラーを始めとする自動車販売店(中古車販売店を含む。)により全国的に販売されていること、中古車市場においても根強い人気があり、全国的に流通していること、年間を通じて最も優秀な車を選定する「日本カー・オブ・ザ・イヤー」や「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に複数回選定されていること、引用商標1及び2が使用されているほか、「ゴルフカブリオ」、「ゴルフワゴン」、「ゴルフトゥーラン」等の「ゴルフ」を冠したシリーズ商標が使用されていること、などが認められる。
以上を総合すると、引用商標1及び2は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として、自動車関連の取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきである。
(イ)同じく甲第13号証によれば、申立人は、そのウェブサイト「VOLKSWAGEN E-SHOP」(フォルクスワーゲンE-SHOP)において、折りたたみ自転車、バッグ、クッション、バスタオル、被服、文房具等多岐にわたる商品を販売していることが認められる。
しかしながら、これら商品の取引実態は必ずしも明らかでなく、申立人が自動車メーカーとして広く知られているとしても、申立人が上記商品をも取り扱っていることが広く知られているとまではいい難い。
イ 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、同書同大の文字が等間隔で一連一体に表されたものであって、これより生ずる「ゴルフカートアド」の称呼も冗長という程のものではなく、無理なく一連に称呼し得るものであるから、構成全体をもって一連一体のものと把握し、既成の親しまれた観念を生じない造語として認識されるものであり、「ゴルフカートアド」の一連の称呼のみを生ずるものとみるのが自然である。
また、本件商標中の「ゴルフカート」の文字が、「ゴルフ場で、ゴルフ道具を運ぶのに使う手押し車。また、ゴルファーと持ち物とを運ぶ自動車。」(甲18)を意味する語として一般に知られていることからすると、本件商標に接する取引者・需要者が、「ゴルフカート」の文字部分に着目し、上記手押し車あるいは自動車を連想、想起する場合があることを否定し得ないとしても、一連一体に表された上記構成からなる本件商標中の「ゴルフ」の文字部分にのみ注目することはないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標1及び2との類否について
本件商標と引用商標1及び2とを対比するに、本件商標は、上記イのとおり、構成全体をもって一連一体の造語として認識し把握され、「ゴルフカートアド」の一連の称呼のみを生ずるのに対し、引用商標1及び2は、「Golf」又は「ゴルフ」の文字のみからなるものであるから、「ゴルフ」の称呼を生じ、また、使用に係る商品「自動車」との関係よりすれば、申立人に係る自動車の車種又は球技としての「ゴルフ」の観念を生ずるものである。
しかして、本件商標から生ずる「ゴルフカートアド」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「ゴルフ」の称呼とは、構成音数が相違するのみならず、「カートアド」の音の有無という顕著な差異により、容易に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標1及び2とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標が既成の親しまれた観念を生じないものである以上、これと引用商標1及び2とを観念上比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
加えて、本件商標は、上記イのとおり、「ゴルフ」の文字部分のみが注目されるようなことはないから、引用商標1及び2の周知性を考慮したとしても、引用商標1及び2を連想、想起するようなことはなく、両商標は全く別異のものとして認識し把握されるとみるのが相当である。
エ 小括
以上よりすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用商標1及び2ないしは申立人を連想、想起することはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標1及び2の使用に係る商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
引用商標3は、「Golf」の欧文字からなるものであって、引用商標1と実質的に同一といえるものであり、本件商標と引用商標1とが非類似の商標であることは上記(1)のとおりであるから、本件商標は引用商標3とも相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標構成中の「ゴルフカート」の文字が「ゴルフ場で、ゴルフ道具を運ぶのに使う手押し車。また、ゴルファーと持ち物とを運ぶ自動車。」(甲18)を意味する語として知られているとしても、上記のとおり、本件商標は、構成全体をもって一連一体の造語として認識し把握されるものであって、既成の親しまれた観念を生じないものであるから、指定商品中の「ゴルフ用カート」以外の商品について使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定商品(第12類「全指定商品」)について、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-03-27 
出願番号 商願2012-103385(T2012-103385) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W12)
T 1 652・ 272- Y (W12)
T 1 652・ 262- Y (W12)
T 1 652・ 263- Y (W12)
T 1 652・ 25- Y (W12)
T 1 652・ 271- Y (W12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 冨澤 美加 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 野口 美代子
大森 健司
登録日 2013-06-07 
登録番号 商標登録第5588951号(T5588951) 
権利者 有限会社アゴラ 株式会社クルージャ
商標の称呼 ゴルフカートアド、ゴルフカート、アド 
代理人 佐久間 洋子 
代理人 江崎 光史 
代理人 田崎 恵美子 

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