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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900136 審決 商標
異議2013900334 審決 商標
異議2013900308 審決 商標
異議2012900349 審決 商標
異議2013900319 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1286688 
異議申立番号 異議2013-900278 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-08-16 
確定日 2014-04-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5583588号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5583588号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5583588号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、商願2012-051553号における平成24年12月7日受付けの手続補正書に基づく、商標法第17条の2第1項で準用する意匠法第17条の3第1項の規定による補正後の商標登録出願として平成25年1月21日に登録出願され、第25類「被服,履物」を指定商品として、同年4月12日に登録査定、同年5月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
本件商標が商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものであるとして、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録第5393681号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第5057229号(以下「引用商標2」という。)、国際登録第1048069号(以下「引用商標3」という。)、登録第5010968号(以下「引用商標4」という。)、登録第5394526号(以下「引用商標5」という。)、登録第5442171号(以下「引用商標6」という。)、登録第5417815号(以下「引用商標7」という。)、登録第5379390号(以下「引用商標8」という。)、登録第5527566号(以下「引用商標9」という。)、登録第5476620号(以下「引用商標10」という。)、登録第5490798号(以下「引用商標11」という。)、登録第5497766号(以下「引用商標12」という。)、登録第5451361号(以下「引用商標13」という。)、登録第5480373号(以下「引用商標14」という。)、登録第5527567号(以下「引用商標15」という。)、登録第5495941号(以下「引用商標16」という。)、登録第5417769号(以下「引用商標17」という。)、登録第5417770号(以下「引用商標18」という。)、登録第5375090号(以下「引用商標19」という。)、登録第5327467号(以下「引用商標20」という。)、登録第5409580号(以下「引用商標21」という。)、登録第5409582号(以下「引用商標22」という。)、登録第5419507号(以下「引用商標23」という。)、登録第5409583号(以下「引用商標24」という。)、登録第5542584号(以下「引用商標25」という。)、登録第5043703号(以下「引用商標26」という。)、登録第5431412号(以下「引用商標27」という。)、登録第5562023号(以下「引用商標28」という。)、登録第5423080号(以下「引用商標29」という。)、商願2013-504号(登録第5630446号)(以下「引用商標30」という。)、登録第5389881号(以下「引用商標31」という。)、登録第5590215号(以下「引用商標32」という。)及び商願2012-89483号(以下「引用商標33」という。)に係る商標を引用している。
以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。
なお、引用各商標の構成・態様は、これらの願書に記載のとおりであり、引用各商標の登録出願日、指定商品、設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。また、引用各商標は、平成25年12月3日に拒絶査定された引用商標33を除き、いずれも現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって、その登録を取り消されるべきであると申立て、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第169号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号に該当する理由
本件商標の登録出願時には、申立人の使用に係る「MONSTER」ファミリー商標は、日本国内及び米国を含む多数の外国において申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間で広く認識されていた。殊に、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に該当する被服等のファッション関連製品は、MONSTER ENERGYブランドマークを付した申立人のアパレル製品の模倣品が税関の水際取締りで申立人の商標権侵害物品と認定され輸入が差止められる事案が多発する程度まで、日本国内の当該分野の需要者の間で広く知られている非常に人気の高い商品となっている。
本件商標が指定商品に使用された場合は、これに接した需要者は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間で広く認識されている「MONSTER ENERGY」をはじめとする申立人の「MONSTER」ファミリー商標を想起連想し、本件商標を申立人の「MONSTER」ファミリー商標のひとつであると誤信し、あるいはまた、本件商標を使用した指定商品を申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係る商品であると誤信することにより、商品の出所について混同を生じるおそれが高いことが明らかである。
また、商標法第4条第1項第15号の規定は、出所の混同防止のみならず著名商標の顧客吸引力へのフリーライド、その出所表示力のダイリューションを防止する趣旨も含むものであると解される(平成16年(行ケ)第85号)。
本件商標が本件指定商品に使用された場合は、2002年から現在に至る申立人による継続的使用と営業努力によって申立人の商品出所識別標識として広く認識されるに至ったMONSTER ENERGYブランドマークを含む「MONSTER」ファミリー商標の強力な出所表示力が希釈化することが明らかである。また、商標権者による本件商標の使用は申立人が「MONSTER」ファミリー商標について獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第7号に該当する理由
本件商標は、「MONSTER」と他の文字を結合させた構成を有する点において、その登録出願時に申立人の業務に係るエナジードリンクを表示するものとして日本国内及び米国その他の外国で広く認識されている「MONSTER ENERGY」をはじめとする「MONSTER」ファミリー商標の構成の特徴と一致する。
本件商標が使用される商品は、申立人が実際にMONSTER ENERGYブランドマークを使用しているアパレル製品と同一又は類似の商品を含み、また、これらとファッション関連商品として極めて密接に関連するものである。
本件商標が指定商品に使用された場合は、「MONSTER」ファミリー商標の強力な出所表示力を希釈するおそれが極めて高いものであり、また、「MONSTER」ファミリー商標が獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ず、申立人に経済的および精神的損害を与える。
したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反することが明らかであるから、公序良俗を害するおそれがある。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって、その登録を取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人は、本件登録異議の申立ての理由において、33件の引用各商標をもって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張するが、商標法第4条第1項第15号は、いわゆる著名商標を保護するための規定であって、その保護の対象となる商標は、登録の有無に関わらず使用によって著名となっている商標に限られるものと解される。
そこで、引用各商標の使用状況をみると、申立人が提出した証拠によれば、申立人は、別掲(2)のとおりの構成からなる引用商標2及び引用商標3と同じ構成態様の商標を申立人の業務係る「エネルギー補給・スポーツ用飲料」の缶に実際に表示し使用していることが認められる。以下、申立人が実際に表示し使用している商標を「使用商標」という。
(1)使用商標の著名性について
使用商標は、米国において2002年頃から「MONSTERエナジードリンクのオリジナル版」に使用されていることが認められる(甲159宣誓供述書の段落12及び同証拠物件RCS-2)。
我が国において使用商標を付した「エネルギー補給・スポーツ用飲料」は、2012年5月8日から発売されている事実(甲40及び甲41)が認められるものの、当該発売日から本件商標の登録出願時までは、半年ほどしか経過していないものであるから、使用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められない。
そして、使用商標が、上記「エネルギー補給・スポーツ用飲料」の他、本件商標の指定商品を含むいずれかの商品に使用されて、その取引者、需要者の間において、広く認識されていたことを立証する証拠の提出はない。
(2)本件商標と使用商標との類似性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、円内の下寄りに「黒丸(●)」を配した目の玉風の図形の左右に、翼のような図形を配した図形と、その下に中間部分に半文字以下の間隔を空けた「EYES MONSTER」の文字とを組み合わせた構成からなるものである。
そして、本件商標の文字部分は、中間部分に半文字以下の間隔を有するとしても、構成各文字はいずれも同じ書体、同じ大きさで書され、いずれも外観上まとまりよく一体的に表され、該文字部分から生じる「アイズモンスター」の称呼も格別冗長なものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、「EYES MONSTER」の文字部分は、「EYES」の文字(語)が「目」、「MONSTER」の文字(語)が「怪物、化け物」の意味を有するものとして親しまれた語であることから、図形部分と相まって、「目の怪物(化け物)」程の意味合いを生じるものである。
そうとすれば、本件商標は、「アイズモンスター」の称呼を生じ、「目の怪物(化け物)」程の意味合いを生じるものである。
イ 使用商標について
使用商標は、別掲(2)のとおり、爪痕のような図形を表し、その下に「MONSTER」及び「ENERGY」の欧文字を二段書きした構成からなるところ、使用商標を称呼するときは、読み易い文字部分を捉え、これより生じる称呼をもって取引に資される場合が少なくないというべきであるから、「モンスターエナジー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と使用商標との対比
本件商標と使用商標は、それぞれ全体の構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、本件商標から生じる「アイズモンスター」の称呼と、使用商標から生じる「モンスターエナジー」の称呼とを対比すると、両者は、構成音数が異なるばかりでなく、語頭の「アイズ」と語尾の「エナジー」の音の差異という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が著しく相違し、容易に区別することができるものである。
また、本件商標は「目の怪物(化け物)」程の意味合いを生じるものであるから、特定の観念を生じない使用商標とは観念(意味合い)においても相紛れるおそれはないものである。
したがって、本件商標と使用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても何ら相紛れるおそれのない非類似の商標であって、相違する程度の高い別異の商標として認識し把握されるものである。
(3)その他の引用商標について
使用商標以外のその他の引用商標の使用状況をみても、その他の引用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。
(4)出所の混同について
上記(1)ないし(3)のとおり、使用商標及びその他の引用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものとはいえないものであり、また、本件商標は、使用商標とは相紛れるおそれのない別異の商標として認識し把握されるものである。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標及びその他の引用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

2 商標法第4条第1項第7号の該当性について
本件商標は、上記1(4)のとおり、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標及びその他の引用商標を連想又は想起するようなことはないものである。
そうとすれば、本件商標は使用商標及びその他の引用商標の信用力又は顧客吸引力にフリーライドするものとはいえないばかりでなく、本件商標をその指定商品に使用することが社会一般の道徳観念に反し、公正な取引秩序を乱すものとはいえないし、国際信義に反するものともいえない。
もとより、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではないし、他の法律によってその使用等が禁止されているものでもない。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)本件商標



別掲(2)使用商標



異議決定日 2014-03-28 
出願番号 商願2013-2998(T2013-2998) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 22- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実鈴木 斎 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
前山 るり子
登録日 2013-05-17 
登録番号 商標登録第5583588号(T5583588) 
権利者 萩谷 義郎
商標の称呼 アイズモンスター、アイズ、モンスター 
代理人 佐久間 剛 
代理人 柳田 征史 
代理人 中熊 眞由美 

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