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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900174 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 |
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管理番号 | 1286687 |
異議申立番号 | 異議2013-900202 |
総通号数 | 173 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-05-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-06-17 |
確定日 | 2014-04-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5567856号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5567856号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5567856号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、2012年5月18日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてしたパリ条約第4条による優先権を主張し、平成24年10月17日に登録出願され、第16類「筆記用具,筆記用具用インキ,万年筆用インクカートリッジ,筆記用具用インクカートリッジ,文房具類」を指定商品として、同25年2月12日に登録査定、同年3月22日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標(以下、まとめて「引用商標」という場合がある。)は、次の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1427770号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(B)のとおりの構成からなり、昭和51年1月8日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同55年7月31日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成23年9月7日に指定商品を第7類「ラベル貼付機,接着テープディスペンサー(機械)」及び第16類「ラベル貼付用手持器具」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第1433645号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(B)のとおりの構成からなり、昭和51年1月8日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同55年9月29日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成23年11月2日に指定商品を第16類「接着テープ,ラベル(織物製のものを除く。),レッテル,シール,文房具類,紙類」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (3)登録第813716号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(C)のとおりの構成からなり、昭和38年12月6日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年4月14日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成22年3月31日に指定商品を第16類「ラベルの製造に供される裏面にのりを付与した紙」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (4)登録第1906246号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(D)のとおりの構成からなり、昭和55年7月11日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成19年7月4日に指定商品を第1類「試験紙」、第5類「防虫紙」、第16類「ラベルの製造に供される裏面にのりを付与した紙,その他の紙類」、第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」、第27類「壁紙」及び第34類「紙巻きたばこ用紙」とする指定商品の書換登録がされたものである。 3 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用商標が本件商標の先願及び先登録商標であることは明らかである。 (2)引用商標1及び2の指定商品が本件商標の指定商品と類似することは明らかである。 また、引用商標3及び4の指定商品と本件商標の指定商品とは、共に事務用品として同一店舗で販売されることが多いものであって、需要者も共通しているから、両商品は類似するものである。 (3)本件商標と引用商標との類否を検討すると、本件商標は、取引において、図形部分と文字部分とが分離されることがあり、その図形部分は、三角形をモチーフにしたものである。一方、引用商標1及び2の図形も三角形をモチーフにしたものである。 したがって、時と所を異にした離隔観察において、本件商標と引用商標1及び2とは、相紛らわしいものとなり、両者は、外観上類似するものとなる。 また、本件商標の文字部分と引用商標3及び4とは、需要者の注意を惹く「AVE」の文字を共通にしているので、時と所を異にした離隔観察において、両者は、相紛らわしいものとなり、外観上類似するものとなる。 (4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)本件商標 本件商標は、別掲(A)のとおり、直ちに何を表したのかが判然としない抽象的な図形及び「AVEO」の文字からなるところ、図形部分は、1つの黒塗りの三角形を元に底辺を波状の曲線とし、右斜辺側から滴状に切り取った態様からなるものであり、特定の称呼及び観念を生じるものではなく、また、「AVEO」の文字は、特定の意味を有する語として一般に知られているとは認められないものであり、該文字からは「アベオ」又は「エイベオ」の称呼が生じるが、特定の観念が生じるものではない。 (2)引用商標 引用商標1及び2は、別掲(B)のとおり、角が丸みを帯びた三角形を表したものであるが、中に1本の直線を有する楕円形のような図を3つ互い違いに重ねて構成された印象を与える態様からなるものであり、その構成全体より直ちに特定の称呼、観念を生ずるものとは認められない。 また、引用商標3は、別掲(C)のとおり、「AVERY」の文字からなるものであり、引用商標4は、別掲(D)のとおり、「Avery」の文字からなるものであるところ、該語は、特定の意味を有する語として一般に知られているとは認められないものであり、該文字からは「アベリー」又は「エイブリー」の称呼が生じるが、特定の観念が生じるものではない。 (3)本件商標と引用商標1及び2との類否 両者の類否について、まず、本件商標の図形部分と引用商標1及び2とを比較するに、いずれも三角形をモチーフとしたものといえるとしても、上記のとおり、その図形を作成する構成要素等に顕著な差異を有することから、両者は、全体から受ける印象が著しく異なるものであって、それぞれを時と所を異にして観察した場合、外観上相紛れることなく別異のものとして認識し把握されるというべきである。また、両者からは特定した称呼及び観念を生じるものとはいえないので比較することができない。 その他、本件商標と引用商標1及び2とが類似するとの理由は見いだせない。 してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとは認められない非類似の商標であるといわなければならない。 (4)本件商標と引用商標3及び4との類否 両者の類否について、まず、本件商標の文字部分と引用商標3及び4とを比較するに、「AVEO」の文字及び「AVERY」又は「Avery」の文字は、それぞれ一体的に看取、把握されるものであり、4文字又は5文字の少ない構成文字にあって、「O」と「RY」又は「ry」との相違により、外観上、明確に区別し得るものといえる。また、両者から生じる「アベオ」又は「エイベオ」の称呼と「アベリー」又は「エイブリー」の称呼とは、その音数、音構成を異にするものであるから、称呼上、明確に聴別し得るものである。そして、両商標からは特定した観念を生じるものとはいえないので比較することができない。 その他、本件商標と引用商標3及び4とが類似するとの理由は見いだせない。 してみれば、本件商標と引用商標3及び4とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所ついて混同を生ずるおそれがあるとは認められない非類似の商標であるといわなければならない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (A)本件商標 (B)引用商標1及び2 (C)引用商標3 (D)引用商標4 |
異議決定日 | 2014-03-28 |
出願番号 | 商願2012-83961(T2012-83961) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W16)
T 1 651・ 262- Y (W16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小出 浩子、佐藤 淳 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 手塚 義明 |
登録日 | 2013-03-22 |
登録番号 | 商標登録第5567856号(T5567856) |
権利者 | ステープルス・インコーポレーテッド |
商標の称呼 | アベオ、エイベオ |
代理人 | 富所 英子 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 中田 和博 |