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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1286685 
異議申立番号 異議2013-900122 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-04-24 
確定日 2014-04-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5554947号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5554947号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5554947号商標(以下「本件商標」という。)は、「肌・水密度」の文字及び記号を標準文字で表してなり、平成24年8月29日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同年12月26日に登録査定、同25年2月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5377791号商標(以下「引用商標」という。)は、「水密度」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年8月6日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年12月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標登録出願の日前の商標登録出願に係る引用商標に類似する商標であって、引用商標に係る指定商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかであるから、その商標登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)称呼の類似
本件商標は、標準文字をもって、「肌」と「水密度」の文字を中黒「・」を介して一連の横書きで表示した構成態様からなる商標であり、「肌」と「水密度」の文字から、「ハダミズミツド」又は「ハダスイミツド」なる自然称呼を生ずる商標である。
しかしながら、「肌」と「水密度」の文字から構成される本件商標は、全体として特定の意味を形成するに至っているとは認められず、語義においては必ずしも一連の語とは認められないと認定するのが相当である。
そして、「肌」と「水密度」の両文字は、「・」中黒を介して表示されており、視覚上分離して把握されることは明らかである。
さらに、「肌」と「水密度」の文字から生じる「ハダミズミツド」又は「ハダスイミツド」の称呼は、「ハダ」、「ミズミツド」又は「ハダ」、「スイミツド」のように区切って発音されるとみるのが相当であり、一気一連には称呼し得ないものである。
加えて、本件商標の構成中、「肌」の文字は、「人などの体の表面。皮膚。」を意味するものであるから、これが商品の標識として使用された場合、特に化粧品の分野においては、その商品が肌に付けて使用されるもの又は肌への効能があるものであることを表示したものと理解されるにとどまり、商品の用途や効能を表示するものであると認識される場合が多いと認定するのが相当である。
よって、本件商標に接した需要者・取引者は、本件商標を語義、外観、称呼において一連の語として認識せず、「肌」と「肌密度」の二語からなる表示であると認識するところ、「肌」の文字は、指定商品との関係において自他商品識別機能を発揮しない部分であるから、本件商標の「水密度」の文字が自他商品識別機能を発揮する商標の部分であるとの認識に立ち、自他商品識別力を発揮しない「肌」の称呼を省略し、「ミズミツド」又は「スイミツド」なる称呼をも認識するものである。
以上から、本件商標は、「ハダミズミツド」、「ハダスイミツド」、「ミズミツド」及び「スイミツド」なる自然称呼が生ずると考えることが妥当である。
一方、引用商標は、標準文字をもって「水密度」と表示する構成態様からなるところ、「ミズミツド」及び「スイミツド」なる自然称呼が生ずると認定することが相当である。
そこで、本件商標の称呼「ミズミツド」及び「スイミツド」と引用商標の称呼「ミズミツド」と「スイミツド」は、比較するまでもなく同一の称呼である。
(2)観念の類似
本件商標は、全体として特定の意味を形成するに至っているとは認められないが、構成中「肌」の文字は、「人などの体の表面。皮膚。」の意味を有し、指定商品との関係において自他商品識別標識機能を発揮しないから、本件商標の「水密度」の文字が要部であるとの認識に立ち、「水の密度」なる観念を認識するものである。
一方、引用商標は、「水密度」の構成態様からなるところ、その文字から「水の密度」の観念が生じ、本件商標と引用商標は、観念においても類似する商標というべきである。
(3)指定商品の類似
本件の指定商品は、第3類の「化粧品」であり、引用商標の指定商品は、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」であるから、「化粧品」において同一の商品である。
(4)結語
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、標章が類似する商標であるとともに、本件商標の指定商品も引用商標の指定商品と同一である。
よって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する商標であり、その登録は取消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「肌・水密度」の文字及び記号を標準文字で表してなるところ、その構成中「肌」の文字と「水」の文字との間に「・」(中黒)が配されていたとしても、全体の構成は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
ところで、中黒「・」については、例えば、「大辞林第2版新装版」(株式会社三省堂発行)において、「単語を並列するときの区切りなどに用いる記号。」、「広辞苑第六版」(岩波書店発行)において、「小数点や並列点などとして用いる印刷用活字。」を意味するものとして採録され、また、合成語として、「食品・雑貨売り場」が「食品と雑貨を同時に売る場所」、「東京・大阪間の切符」が「東京と大阪の区間の切符」、「小・中学校」が「小学校と中学校」を意味するものとして一般に使用されていることがうかがえる。
そうすると、上記のとおり、外観上まとまりよく一体的に表されている本件商標は、「肌」の文字と「水」の文字が並列の関係にある語として理解され、構成全体としては、「肌と水の密度」又は「肌の密度と水の密度」ほどの意味合いを認識させるとみるのが自然であり、「肌」の文字部分を省略して把握されるというより、その構成全体をもって不可分一体の商標を表したものと認識されるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、構成全体の文字に相応して「ハダスイミツド」又は「ハダミズミツド」の称呼が生じ、「肌の密度と水の密度」ほどの観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「水密度」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「スイミツド」又は「ミズミツド」の称呼が生じ、「水の密度」ほどの観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、それぞれ前記のとおりの構成からなるものであり、「水密度」の漢字を共通にするものの、「肌・」の漢字及び記号の有無において相違し、外観上、明らかに区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ハダスイミツド」又は「ハダミズミツド」の称呼と引用商標から生じる「スイミツド」又は「ミズミツド」の称呼とは、その音構成及び構成音数に明らかな差異を有するものであるから、両者を一連に称呼しても、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は「肌の密度と水の密度」ほどの観念を生じるのに対し、引用商標からは「水の密度」ほどの観念を生じるものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-03-26 
出願番号 商願2012-69812(T2012-69812) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人渡辺 航平 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 手塚 義明
酒井 福造
登録日 2013-02-01 
登録番号 商標登録第5554947号(T5554947) 
権利者 オーブス株式会社
商標の称呼 ハダスイミツド、ハダミズミツド、ハダ、スイミツド、ミズミツド、ミツド 
代理人 堀米 和春 
代理人 綿貫 隆夫 
代理人 前田 大輔 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 

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