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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y18
管理番号 1286669 
審判番号 取消2012-300962 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-12-14 
確定日 2014-04-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4795702号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4795702号商標の指定商品中,第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4795702号商標(以下「本件商標」という。)は,「パウ」の片仮名と,「PAW」の欧文字とを上下二段に書してなり,平成15年9月26日に登録出願,第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,皮革」を指定商品として,同16年8月20日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録は,平成25年1月7日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」(以下「取消請求商品」という。)について,継続して3年以上,日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証ないし乙第3号証の「ORDER SHEET」と書された書類は,何らかの注文書であることは窺い知れるが,その存在の客観性が不明であり,さらに,それ自体には本件商標は付されておらず,商標法第2条第2項第8号の「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」を証明しているとは到底いえない。
(2)乙第4号証の「SALES CONTRACT」と書された書類は,何らかの契約書であることは窺い知れるが,その存在の客観性が不明であり,さらに,それ自体には本件商標は付されておらず,商標法第2条第2項第8号の「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」を証明しているとは到底いえない。
(3)乙第1号証ないし乙第4号証の写真を記した書類は,何らかの取引書類であることは窺い知れるが,日付及びその存在の客観性が不明である。
(4)被請求人の提出した証拠には,本件取消の審判の対象商品が記載されていない。
乙第1号証ないし乙第4号証の写真を記した書類には,「犬用首輪,犬用リード,犬用被服,犬用食器,犬用ベッド,犬用キャリーバッグ,犬用クッション,犬用帽子」の商品の写真が記されている。
これに対し,本件取消の審判の対象は,第18類の取消請求商品であり,前記の各商品は,いずれも取消請求商品に含まれない。
(5)被請求人の提出した証拠には,本件商標が記載されていない。
被請求人の提出した証拠に記載されている標章は,欧文字にて横一列に「Paw Paw」と記した構成からなるものであるのに対し,本件商標は,上段に片仮名で「パウ」,下段に欧文字にて「PAW」と上下二段に記した構成よりなり,明らかに両者は異なる商標であり同一性を欠くものである。
「Paw Paw」は「PAW」の文字を含むものであるが,被請求人の提出した証拠に記載されている標章は,等大等書体にて横一列に「Paw Paw」と書されているものであり,「Paw」が2つ結合した態様で「パウパウ」の称呼をもって初めて識別の用に供されるものであり,「パウ」の称呼のみからなる本件商標と同一でないことは明らかである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
本件商標は,継続して3年以上使用しており,現在なお,本件商標を使用して商品を国内に提供していくことが確定しているため,本件商標の取消しを認めない。

第4 当審の判断
1 本件審判の請求は,本件商標の指定商品中の「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」について,登録の取消を求めるものであるから,取消請求商品に含まれるいずれかの商品について,平成22年1月7日から平成25年1月6日の間(以下「要証期間」という。)に,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。以下同じ。)の使用をしていることを立証することが必要である。
なお,指定商品中の「愛玩動物用被服」については,登録の取消を求めているものでないから,当該商品に含まれる商品について本件商標の使用を立証したとしても,取消請求商品に使用していることを立証しない限り,取消請求商品については,その登録の取消しは免れない。
2 被請求人は,乙第1号証ないし乙第4号証を提出しているが,提出された証拠によっては,以下の(1)ないし(3)の理由により,被請求人が本件商標を取消請求商品について使用しているものとはいえない。
(1)被請求人の使用する商品について
前記乙号証に係る商品は,犬用の被服のほか,いずれも愛玩動物用の商品であり,取消請求商品の範ちゅうの商品についての立証ではない。
(2)使用商標について
商標法第50条に規定する商標登録の取消審判における「登録商標」には,いわゆる「社会通念上同一の商標」を含むものであり,「その社会通念上同一の商標」と認められるものは,例えば,「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」などである(商標法第50条第1項参照)。
前記乙号証(例えば,乙第1号証の3葉目など)によれば,「PawPaw」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されていることが認められる。
しかしながら,本件商標は,「パウ」の片仮名と「PAW」の欧文字とを上下二段に書してなるのに対し,使用商標は,「PawPaw」の欧文字からなるものであるから,本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものということができない。
そして,本件商標からは,その構成文字に相応して「パウ」の称呼が生ずるのに対し,使用商標からは,「パウパウ」の称呼が生じるものであるから,同一の称呼を生ずるものとはいえない。
また,本件商標の「PAW」の欧文字部分は,「(哺乳動物の)足,手」の意味を有する英語であることから,本件商標からは,かかる観念が生ずるのに対し,使用商標は,特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものであるから,特定の観念が生じないものであり,同一の観念を生ずるものとはいえない。
したがって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標ということができない。
(3)商標の使用時期について
使用商標は,乙号証中の被請求人が商品カタログとする,乙第1号証3葉目及び乙第2号証2葉目等の商品写真と使用商標等が記載されたもの(以下「本件カタログ」という。)にのみ記載されているが,本件カタログの使用の事実(特に,使用時期)が不明である。
3 むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,取消請求商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものと認めることができない。
また,被請求人は,本件の取消請求商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中,第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」について,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-10-23 
結審通知日 2013-10-29 
審決日 2013-11-11 
出願番号 商願2003-83741(T2003-83741) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y18)
最終処分 成立  
前審関与審査官 板谷 玲子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 井出 英一郎
田中 亨子
登録日 2004-08-20 
登録番号 商標登録第4795702号(T4795702) 
商標の称呼 パウ、ポー、ピイエイダブリュウ 
代理人 平田 千晶 
代理人 神保 欣正 

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