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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2014582 審決 商標
不服201311268 審決 商標
不服201210341 審決 商標
不服201320985 審決 商標
異議2013900185 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X36
管理番号 1285622 
審判番号 不服2012-11296 
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-06-16 
確定日 2014-03-27 
事件の表示 商願2012-3476拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「ECOLIFE」の文字を標準文字で表してなり,第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成22年9月30日に登録出願された商願2010-76702に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同24年1月22日に登録出願されたものである。
そして,指定役務については,原審における平成24年2月21日提出の手続補正書により,第36類「エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の管理,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の貸借の代理又は媒介,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の貸与,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の売買,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の売買の代理又は媒介,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の鑑定評価,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の情報の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『ECOLIFE』の文字を表してなるところ,『ECO LIFE』及び『エコライフ』の文字が,『生活様式及び経済社会活動を環境にやさしいものとすること』をめざす,環境省の主催するイベントにおいて使用されている事実,建物に関連する業界において,『EcoLife住宅』及び『エコライフ住宅』の文字が『環境に優しく経済的な暮らし』を提供する住宅程の意味を表すものとして,普通に使用されている事実が認められる。そうとすると,本願商標を,その指定役務に使用しても,これに接する取引者・需要者は,当該役務が,単に『環境に優しく経済的な暮らしができる建物に関する役務』であることを理解,認識するに止まり,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当し,上記環境に優しく経済的な暮らしができる建物に関する役務以外の『建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物の鑑定評価,建物の情報の提供』に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して開示した,「ECOLIFE」の文字,その読みである「エコライフ」の文字についてのインターネット情報,新聞情報等の証拠は,別掲のとおりである。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,「ECOLIFE」の欧文字を表してなるところ,その構成中,「ECO」は,「エコ【eco】(エコロジーの略)環境に配慮すること。『生態』『環境』『環境保護』を意味する接頭語。『?生活』」(広辞苑第六版)の意味を有する語であって,「LIFE」は,「命,生命,(修飾語句を伴って)・・・生活」等の意味を有する親しまれた英語(ジーニアス英和辞典)であることから,「ECOLIFE」の文字からは,「環境(環境保護)の生活」程の意味合いを容易に理解,認識させるといえるものである。
そして,別掲の証拠調べ通知で開示したインターネット情報,新聞情報等のとおり,「ECOLIFE」の読みである「エコライフ」が,「環境にやさしい生活を実施していくこと」,「地球環境にやさしい暮らしを心がけるライフスタイルのこと」等を表すものとして広く使用され,また,該文字及び「ECOLIFE」の文字が,1990年以来,毎年6月の環境月間に全国各地で展開する様々な行事の一つとして環境省(環境庁)及び関係地方公共団体等が連携して実施するフェアにおいて,「ecoLIFE FAIR」又は「エコライフ・フェア」の名称で使用されている事実がある。
また,同じく別掲のとおり,「建物」等との関係においては,かかるエコライフの取組みのひとつとして「太陽光発電パネルや断熱性能の高い建築様式を取り入れた施設」(建設費用の全額が環境省の補助金)や,「二酸化炭素(CO2)の排出抑制に優れた建築プロジェクトに対し,国土交通省が助成する『住宅・建築物省CO2推進モデル事業』に九州のマンション・・・」,「二酸化炭素(CO2)排出量の削減,省エネ性能を向上させた戸建て住宅」等のように,太陽光発電パネルや断熱性能の高い建築や二酸化炭素(CO2)排出量の削減等,環境に配慮した建物が建設されている事実がある。
かかる事実からすれば,「ECOLIFE」の文字は,これに接する者に広く親しまれた「ECO」の語と「LIFE」の語とを組み合わせたものと容易に認識させるものであり,該文字及びその読みである「エコライフ」の文字は,上記のとおり,「環境にやさしい生活を実施していくこと」,「地球環境にやさしい暮らしを心がけるライフスタイルのこと」程を表すものとして使用されていることから,かかる意味合いを容易に理解,認識させるものである。
そして,本願の指定役務は「エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の管理,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の貸借の代理又は媒介,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の貸与,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の売買,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の売買の代理又は媒介,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の鑑定評価,エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物の情報の提供」であるところ,その役務の提供の対象物は「エネルギー消費量から炭酸ガス排出量を自動計算して表示することが可能な建物」であって,エコライフを目的とするものであることからすれば,「ECOLIFE」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者,需要者に,エコライフを目的とする建物に関する役務であることを表したものと認識させるにすぎず,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は,本願商標が一体的に構成されていることから,これに接する需要者が,その構成中の「ECO」の文字部分と「LIFE」の文字部分を分離,抽出して,それぞれの語から生じる意味合いから全体の意味合いを類推するとみることはできず,構成全体をもって,一体不可分の一種の造語を表したと認識する旨,及び,職権調査情報について,「ECOLIFE」の語及び「ECOLIFE」の語の具体的意味合いの記載はなく,「エコライフ」の意味合いが「環境にやさしい生活」であったとしても,抽象的であって,具体的ではないから,「ECOLIFE」の語が,補正後の指定役務との関係においては,直ちに特定の役務の質(内容)を直接的かつ具体的に表示するものとはいい難い旨,主張する。
しかしながら,本願商標が,商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについては,本願商標に接する需要者が,該文字を造語と認識するか否かが,その判断に影響を及ぼすものではなく,本願商標は,前記1のとおり,「ECO」と「LIFE」とを組み合わせてなるものと容易に理解,把握させ,「環境(環境保護)の生活」程の意味合いを認識させるというべきである。
また,当合議体は,本願商標は,前記1のとおり,その指定役務との関係において,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であり,商標法第3条第1項第6号に該当すると認定判断するものであるから,本願商標が特定の役務の質(内容)を直接的かつ具体的に表示するものではない旨の請求人の主張は,当を得たものではなく,採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (証拠調べ通知で開示したインターネット情報,新聞情報等)

(1)「環境省 報道発表資料(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15066)
平成24年3月26日」において,
「エコライフ・フェア2012」への出展募集について(お知らせ)
1.『エコライフ・フェア2012』について
エコライフ・フェアは,毎年6月の環境月間に全国各地で展開する様々な行事の中の主たる行事の一つとして1990年以来,環境省(環境庁),関係地方公共団体,関連法人,業界団体,企業及びNGOが連携し実施しています。
本年も,『エコライフ・フェア2012』として,持続可能な社会の実現,循環型社会の実現,生物多様性の保全などを始めとした環境問題に対して,人々を理解・意識の段階から実際の行動へと導くきっかけとなる場を提供し,我々の生活様式及び経済社会活動を環境にやさしいものとすることをめざして以下のとおり開催することとします。」との記載がある。
(2)「ecoLIFE FAIR 2012」(http://www.ecolifefair.go.jp/index.html)において,「エコライフ・フェア2012」の開催概要・MAPの頁には,「<エコライフ・フェアとは> エコライフ・フェアは,毎年6月の環境月間に全国各地で展開する様々な行事の中の主たる行事の一つとして1990年以来,環境省(環境庁),関係地方公共団体,関連法人,業界団体,企業及びNGOが連携し実施してきました。」との記載がある。
(3)(有)ひのでやエコライフ研究所のウェブページ「Ecolife情報」(http://www.hinodeya-ecolife.com/ecowiki/)には,「エコライフに関する情報 」として「家庭の対策」,「環境家計簿・生活チェック」「家庭の二酸化炭素排出量」等が掲載されている。
(4)「ISO14001,環境ISO用語 その1 」(http://iso14001ems.info/iso43.html)において,「エコライフとは?」「エコライフ 地球環境にやさしい暮らしを心がけるライフスタイルのこと。住民一人ひとりのささやかな気配りの積み重ねが地球環境問題の軽減に向けての一助となるという考え方に基づくものである。身の回りのこととして,実行できることは例えば,次のようなことがある。(1)電気・水などのムダをなくす・家庭電化製品の待機電力のカット(2)公共交通機関を極力利用する・ノー・マイカー・デーを設定する・不要・不急のマイカーの使用を控える(3)エコ設計が考慮された商品を優先購入する・省資源・省エネ設計,リサイクル性に考慮されている生活用品を使用する(4)廃棄物に対する関心を高める・ゴミの分別廃棄を徹底する・ゴミを出さない生活を考える」との記載がある。
(5)「きのまま」のウェブサイト(http://eco.kinomama.jp/lohas/yogo/337/cat64/post_185/)には,「エコライフとは,日常生活が自然や環境に影響を及ぼしているということを認識し,少しずつでもできるところから,環境にやさしい生活を実施していくこと。ひとり一人の小さな行動でも,みんなが実施することにより,地球の環境を守っていく大きな力となる。」との記載がある。
(6)「エコ活動,企業が紹介 グランメッセ熊本でフェア 家族も楽しく学ぶ」熊本日日新聞2011.12.14 朝刊
「環境問題を楽しく学んだよ!-益城町のグランメッセ熊本で10?11日,『くまもとエコライフ・フェア』と『くまもと環境フェア』が開かれた。エコライフ・フェアは同施設の指定管理者『熊本産業文化振興株式会社』,環境フェアは県と県地球温暖化防止活動推進センターの主催。企業や環境保全団体などが約50ブースを出展。地熱を利用した建物の換気システムや木質ペレットストーブ,発光ダイオード(LED)照明など二酸化炭素排出削減に効果のある機器のほか,日ごろの活動を紹介した。」
(7)「[特集]関西電力グループ 6月は「環境月間」 美しい地球を 明日へ未来へ」2011.06.21 電気新聞 7頁
「◆低炭素社会実現へ提案 家庭から出るCO2を『見える化』関西電力環境室は,ホームページ上で低炭素社会の実現に向けた提案を行っている。家庭から出る二酸化炭素(CO2)を『見える化』する環境家計簿『エコeライフチェック』と環境意識啓発サイト『ナチュラルびとになろう。』のほか,建物壁面につる植物をからませて室内温度を低下させるグリーンカーテンの作り方も掲載している。『エコeライフチェック』は,電気,ガス,水道の使用量を記入するだけで,家庭から出る毎月のCO2排出量を計算する。参加者同士のランキングもあり,意識することで生活の無駄を減らしてもらう。『ナチュラルびとになろう。』では,環境にやさしいライフスタイル情報として,コラムやインタビューのほか,エコライフに役立つ豆知識などを掲載している。」
(8)「までいな家:『エコ生活,楽しんで』 飯舘村に体験型施設オープン /福島」2010.04.25 地方版/福島 21頁 写図有
「◇太陽光発電や高断熱材で寒い朝も安心 農村生活を通して,二酸化炭素を減らしたエコライフを目指す『飯舘村までいな暮らし普及センター』(通称・までいな家)が24日,飯舘村伊丹沢にオープンした。太陽光発電パネルや断熱性能の高い建築様式を取り入れた体験型施設で,・・・。共に室内温度を逃がしにくい特殊な素材を使った建物で,母屋には太陽熱を利用して給湯や暖房に利用できる『太陽熱温水パネル』やまきストーブも備えている。周辺にはガーデニングや果樹園,風車などもあり,建設費用の全額に当たる約9000万円は環境省の補助金だ。」
(9)「太陽光発電・外壁に断熱材… CO2の3割削減目指す,八幡東で安全祈願祭 /福岡県」2009.12.09 西部地方版/福岡 27頁
「二酸化炭素(CO2)の排出抑制に優れた建築プロジェクトに対し,国土交通省が助成する『住宅・建築物省CO2推進モデル事業』に九州のマンションでは初めて選ばれた八幡高見マンション(仮称)の安全祈願祭が8日,北九州市八幡東区高見2丁目の建設計画地であった。・・・屋上に太陽光発電パネルを設置し,共用部分の照明に利用する。二重ガラスにしたり,建物の外側を断熱材で覆う外断熱工法を採り入れたりして,CO2排出量を年間で3割削減する目標を掲げる。また,住民向けにエコライフマニュアルを作り,定期報告会を開いて情報を共有するなど,ハード・ソフト両面の取り組みが評価された。」
(10)「【新商品】戸建て住宅「NEW『エルソラーナ』」
FujiSankei Business i. 2008.12.26 18頁
「■パナホーム」「二酸化炭素(CO2)排出量の削減,省エネ性能を向上させた戸建て住宅の新商品。建物全体の断熱性能を高めることで,暖房コストを節約。暮らしに必要なエネルギーを自給し,余剰電力は電力会社に売ることが可能な『ソーラー発電システム』を装備,光熱費ゼロの暮らしを目指すことができる。」


審理終結日 2013-03-14 
結審通知日 2013-03-18 
審決日 2013-03-29 
出願番号 商願2012-3476(T2012-3476) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
冨澤 武志
商標の称呼 エコライフ、エコ、イイシイオオ 
代理人 佐藤 富徳 

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